資格試験の過去問の使い方|何年分・何周が最適か
資格試験の学習で最も費用対効果が高いのは過去問演習です。これはほぼ例外がありません。ただし「過去問をやればいい」という助言は、実際にはほとんど役に立ちません。何年分を、いつから、どう回すのかが決まっていなければ、手を動かしているだけになるからです。
・過去問はいつから解き始めるか
・過去問の回し方|周回のやり方
・過去問の正答率の目安
・過去問だけで合格できるか
過去問は何年分解くべきか
年数を決める考え方は次のとおりです。まず、試験制度や出題範囲が大きく変わった年があれば、それ以前は優先度を下げます。制度改正前の問題は、正解そのものが現在と異なる場合があるためです。
逆に、毎年新しい問題が作られる傾向が強い試験では、10年以上さかのぼるより、直近5年を3周するほうが得点につながります。量を追うか精度を追うかの判断は、この点で決めてください。
過去問はいつから解き始めるか
結論から言えば、学習開始の初日からです。「テキストを1周終えてから過去問へ」という順序は、遠回りになることが多いのです。
理由は2つあります。第一に、過去問を見ないままテキストを読むと、どこが重要なのか判断できません。全ページを同じ濃度で読むことになり、時間が足りなくなります。第二に、テキストを1周する間に、最初のほうに読んだ内容を忘れます。
推奨する順序は「分野を1つ読む→その分野の過去問を解く→次の分野へ」です。この形なら、読んだ知識がすぐに使われるため定着率が上がり、同時にその分野の出題傾向も掴めます。
過去問の回し方|周回のやり方
過去問は最低3周が目安です。ただし、3周とも同じやり方で解くのではありません。
【1周目】解けなくて当然という前提で進めます。5秒考えてわからなければ、すぐ解説を読んでください。悩む時間はこの段階では無駄です。目的は「何が問われるか」を知ることです。問題には、正解できた・迷った・まったくわからなかった、の3段階で印をつけます。
【2周目】1周目で「迷った」「わからなかった」問題だけを解きます。正解した問題を再度解く必要はありません。ここで正解できた問題は、次の周から外します。この段階で問題数は半分以下に減ります。
【3周目】残った問題を、時間を計って解きます。ここで初めて本番と同じ条件にします。3周目でも間違える問題は、自分の弱点そのものです。ノートに書き出して、直前期に見返す一覧にします。
重要なのは、周を重ねるごとに解く問題数が減っていくことです。毎回全問を解き直すやり方は、すでにできる問題に時間を使うことになり、効率が悪くなります。
過去問の正答率の目安
本番までにどこまで仕上げればよいのか、目安を示します。
・1周目終了時点:正答率40〜50%で問題ありません。この段階で高すぎる場合、選択肢を覚えてしまっている可能性があります。
・2周目終了時点:60〜70%。ここで伸び悩む場合は、解説の理解が浅い可能性が高いので、テキストに戻ってください。
・3周目終了時点:85%以上。本番では初見問題が混ざるため、過去問で85%取れて本番で合格ラインに届く、という感覚です。
注意点として、過去問の正答率が高いことは、必ずしも実力を意味しません。同じ問題を繰り返すと、問題文の見た目で答えを思い出せるようになるからです。これを避けるには、直近1年分だけ手をつけずに残しておき、直前期に初見の模試として使う方法が有効です。
過去問だけで合格できるか
条件の1つ目は、解説を読み込むことです。正解の選択肢だけでなく、誤りの選択肢がなぜ誤りなのかまで理解して初めて、1問が4問分の価値になります。ここを省略すると、過去問の年数をいくら増やしても得点は伸びません。
条件の2つ目は、法令・制度の改正に対応することです。過去問の答えが現在では変わっている箇所は、最新のテキストで補正する必要があります。
やりがちな間違った過去問の使い方
最後に、多くの受験者が陥る失敗を挙げておきます。
【答えを覚えてしまう】選択肢の位置や見た目で正解がわかる状態は、理解ではありません。対策として、選択肢ごとに「これは正しい/誤り、理由は◯◯」と説明できるかを確認します。
【解説を読まずに次へ進む】正解した問題こそ、なぜ正解できたのかを確認する価値があります。勘で当たった問題を放置すると、本番で同じ問題を落とします。
【複数の問題集に手を出す】同じ過去問が形を変えて載っているだけのことが多く、周回数が稼げなくなります。1冊を3周するほうが結果につながります。
よくある質問
過去問は紙とアプリのどちらがいいですか?
過去問で間違えた問題はノートに書くべきですか?
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※ 試験日程・受験料・合格率などの数値は変動します。受験前に試験実施団体の最新情報を必ずご確認ください。