建築物衛生行政概論全111問中 8問を掲載
問1建築物における衛生的環境の確保に関する法律に基づく特定建築物に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 1特定建築物の用途に供される部分の延べ面積が3,000m2以上であることが原則の要件である。
- 2図書館、博物館、美術館は特定建築物の用途に該当する。
- ✔病院および診療所は特定建築物の用途に該当する。
- 4百貨店、店舗、事務所は特定建築物の用途に該当する。
- 5学校教育法第1条に規定する学校は、8,000m2以上で特定建築物となる。
解説:病院・診療所は医療法により別途規制されているため、建築物衛生法の特定建築物の用途には含まれない。特定建築物の用途は、興行場、百貨店、集会場、図書館、博物館、美術館、遊技場、店舗、事務所、学校(研修所を含む)、旅館の11用途である。面積要件は延べ面積3,000m2以上、ただし学校教育法第1条学校のみ8,000m2以上。
問2特定建築物の延べ面積の算定において、算入するものとして最も適当なものは次のうちどれか。
- 1工場の作業場
- 2駐車場(専ら建築物利用者の駐車の用に供するもの)
- 3倉庫(物品保管専用)
- ✔廊下、階段、洗面所などの共用部分
- 5地下街の地下道
解説:特定用途に付随する廊下・階段・便所・洗面所・機械室などの共用部分は、特定用途部分として延べ面積に算入する。一方、地下街の地下道、工場の作業場、倉庫、駐車場(付随的なものを除く)などは特定用途に該当せず算入しない。付随的な駐車場は算入する場合があるが、原則として専用駐車場は非特定用途として扱う。
問3特定建築物の届出に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 1特定建築物に該当することとなった日から1か月以内に届け出る。
- 2届出先は都道府県知事(保健所を設置する市または特別区にあってはその長)である。
- 3届出義務者は特定建築物の所有者等(所有者、占有者その他の者で管理の権原を有する者)である。
- ✔届出事項に変更があったときは、変更の日から3か月以内に届け出る。
- 5特定建築物に該当しなくなったときも届け出なければならない。
解説:届出事項の変更、および特定建築物に該当しなくなった場合の届出は、いずれも「1か月以内」に行う。新規届出も該当することとなった日から1か月以内である。届出違反には30万円以下の罰金が科される。
問4建築物環境衛生管理技術者に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 1免状は厚生労働大臣が交付する。
- ✔選任された者は、当該特定建築物に常駐しなければならない。
- 3免状の返納を命じられ、その日から1年を経過しない者には免状を交付しないことができる。
- 4特定建築物ごとに1名選任しなければならない。
- 5所有者等に対して意見を述べることができ、所有者等はその意見を尊重しなければならない。
解説:建築物環境衛生管理技術者に常駐義務はない。ただし、業務が適切に遂行できる範囲であることが必要で、原則として1人が1つの特定建築物を兼任することとされている(例外的に、管理業務に支障がない場合は複数兼任も認められる)。免状は厚生労働大臣が交付する。
問5建築物環境衛生管理基準に定める空気環境の調整に係る基準値として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- ✔相対湿度:30%以上70%以下
- 2一酸化炭素の含有率:6ppm以下
- 3温度:18℃以上28℃以下
- 4二酸化炭素の含有率:1,000ppm以下
- 5浮遊粉じんの量:0.15mg/m3以下
解説:相対湿度の基準は40%以上70%以下である。なお2022年4月施行の改正で、一酸化炭素は10ppm以下から6ppm以下に、温度の下限は17℃から18℃に変更された。気流は0.5m/s以下、ホルムアルデヒドは0.1mg/m3(0.08ppm)以下。
問6空気環境の測定に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 1測定は通常の使用時間中に行う。
- ✔空気環境の測定記録は3年間保存する。
- 3ホルムアルデヒドは、新築・増築・大規模の修繕等を行った場合、その使用開始後最初に到来する6月1日から9月30日までの間に1回測定する。
- 42か月以内ごとに1回、定期に測定する。
- 5測定は各階ごとに、居室の中央部の床上75cm以上150cm以下の位置で行う。
解説:建築物環境衛生管理に関する帳簿書類の保存期間は5年間である(ただし建築物の平面図・配管等の図面は永久保存)。空気環境測定は2か月以内ごとに1回、居室の中央部で床上75〜150cmの高さ、通常の使用時間中に実施する。
問7建築物環境衛生管理基準に定める給水の管理に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 1残留塩素の測定は7日以内ごとに1回行う。
- 2供給する水が人の健康を害するおそれがあると知ったときは、直ちに給水を停止する。
- 3遊離残留塩素は0.1mg/L以上保持する。
- ✔貯水槽の清掃は2年以内ごとに1回行う。
- 5結合残留塩素の場合は0.4mg/L以上保持する。
解説:飲料水を貯留する受水槽・高置水槽等の清掃は「1年以内ごとに1回」定期に行う。なお、供給する水が汚染により健康を害するおそれがあると知ったときは、直ちに給水を停止し、かつ利用者にその旨を周知しなければならない。
問8雑用水の水質基準および管理に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 1散水、修景、清掃の用に供する雑用水には、し尿を含む水を原水として使用してはならない。
- ✔水洗便所用の雑用水には濁度の基準が定められている。
- 3水洗便所用の雑用水は、pH値、臭気、外観を7日以内ごとに1回検査する。
- 4散水・修景・清掃用の雑用水の濁度は2度以下とする。
- 5水洗便所用の雑用水は、大腸菌および濁度を2か月以内ごとに1回検査する。
解説:水洗便所用の雑用水には濁度の基準は適用されない。濁度2度以下の基準は散水・修景・清掃用にのみ適用される。pH(5.8以上8.6以下)、臭気、外観は7日以内ごとに1回、大腸菌(検出されないこと)・濁度は2か月以内ごとに1回検査する。遊離残留塩素0.1mg/L以上の保持も必要。
建築物の環境衛生全144問中 8問を掲載
問1人体の恒常性(ホメオスタシス)に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 1主に自律神経系と内分泌系によって調節される。
- 2恒常性の維持には負のフィードバック機構が働く。
- 3外部環境が変化しても内部環境を一定に保とうとする働きである。
- ✔恒常性の調節範囲は無限であり、どのような環境でも内部環境は一定に保たれる。
- 5体温調節の中枢は視床下部にある。
解説:恒常性の調節能力には限界があり、外部環境の変化が調節能力を超えると健康障害が生じる。体温調節中枢は間脳の視床下部にあり、自律神経系(交感神経・副交感神経)と内分泌系が負のフィードバックにより調節する。
問2人体の熱産生と熱放散に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 1ふるえは骨格筋の不随意な収縮による熱産生である。
- ✔皮膚血管の収縮は熱放散を促進する。
- 3基礎代謝は安静時における最小限の熱産生である。
- 4対流による熱放散は気流速度の影響を受ける。
- 5蒸発による熱放散は、高温環境下で最も重要な放熱経路となる。
解説:皮膚血管が収縮すると皮膚血流量が減少し、体表面温度が低下するため熱放散は抑制される(寒冷時の反応)。逆に暑熱時は皮膚血管が拡張し熱放散が促進される。熱放散の経路は放射・対流・伝導・蒸発で、気温が皮膚温を上回る高温環境では蒸発(発汗)のみが有効となる。
問3温熱環境の指標に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 1WBGT(湿球黒球温度)は、熱中症予防の指標として用いられる。
- 2修正有効温度(CET)は、有効温度に放射(黒球温度)を加味した指標である。
- ✔作用温度(OT)は、湿度の影響を強く反映した指標である。
- 4有効温度(ET)は、気温・湿度・気流の3要素を総合した指標である。
- 5PMV(予測平均温冷感申告)は、6要素(気温・湿度・気流・放射・着衣量・代謝量)を考慮する。
解説:作用温度(オペレーティブテンパラチャー)は気温と平均放射温度を気流で重み付けした指標で、湿度の影響は考慮しない。そのため湿度の影響が小さい低温・中間期の評価に適する。PMVは熱的中立を0とし、-0.5〜+0.5が推奨範囲とされる。
問4WBGT(湿球黒球温度)の算出式に関する記述として、最も適当なものは次のうちどれか。
- 1屋内(日射なし):WBGT=0.6×自然湿球温度+0.4×黒球温度
- 2屋内(日射なし):WBGT=0.7×自然湿球温度+0.3×乾球温度
- 3屋外(日射あり):WBGT=0.7×乾球温度+0.2×黒球温度+0.1×自然湿球温度
- 4屋内・屋外を問わず同一の式が用いられる。
- ✔屋外(日射あり):WBGT=0.7×自然湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度
解説:屋外で日射がある場合はWBGT=0.7×自然湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度、屋内および屋外で日射がない場合はWBGT=0.7×自然湿球温度+0.3×黒球温度である。いずれも自然湿球温度の重みが0.7と最も大きく、湿度(発汗による蒸発)の寄与が大きいことを示す。
問5熱中症に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 1III度には、意識障害、けいれん、肝・腎機能障害が含まれる。
- 2II度には、頭痛、嘔吐、倦怠感、集中力低下が含まれる。
- ✔熱けいれんは、大量発汗時に水分のみを補給した場合に生じるナトリウム過剰が原因である。
- 4I度には、めまい、立ちくらみ、筋肉痛、こむら返りが含まれる。
- 5熱失神は、皮膚血管の拡張による血圧低下が原因である。
解説:熱けいれんは、大量発汗後に水分のみを補給することで血中ナトリウム濃度が「低下」して生じる。したがって塩分を含む水分(0.1〜0.2%の食塩水や経口補水液)の補給が必要である。熱中症の重症度分類はI度(現場対応可)、II度(医療機関へ)、III度(入院・集中治療)。
問6室内空気汚染物質に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 1オゾンは、コピー機やレーザープリンタなどから発生する。
- 2ホルムアルデヒドは、粘膜刺激性を有し、発がん性が指摘されている。
- 3二酸化炭素は、それ自体の毒性より在室者による空気汚染の指標として重要である。
- ✔浮遊粉じんのうち、粒径10μm以上のものが肺胞まで到達し健康影響が大きい。
- 5一酸化炭素はヘモグロビンとの親和性が酸素の200〜250倍である。
解説:粒径が小さいほど深部に到達する。10μm以上の粒子は主に上気道で捕捉され、肺胞まで到達するのは概ね数μm以下(特に2.5μm以下のPM2.5)である。建築物衛生法の浮遊粉じん基準は相対沈降径おおむね10μm以下の粒子を対象とする。
問7シックビルディング症候群(SBS)に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- ✔建築物関連病(BRI)とは異なり、原因と症状の因果関係が明確である。
- 2当該建築物の使用者に、目・鼻・のどの刺激症状、頭痛、倦怠感などが生じる。
- 3その建築物から離れると症状が軽減または消失することが多い。
- 4原因物質を特定できないことが多い。
- 5換気量の不足が発生要因の一つとされる。
解説:因果関係が明確で特定の疾患として診断できるものは建築物関連病(Building Related Illness:BRI、例:レジオネラ症、過敏性肺炎、加湿器熱)である。シックビルディング症候群は原因が特定できず非特異的症状を示す点が特徴で、退去により症状が軽減する。
問8アレルギーおよび免疫に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 1花粉症、気管支喘息、アナフィラキシーはI型アレルギーに分類される。
- 2I型アレルギーは即時型で、IgE抗体が関与する。
- ✔過敏性肺炎はI型アレルギーに分類され、加湿器内の細菌が原因となる。
- 4接触性皮膚炎はIV型アレルギーに分類される。
- 5IV型アレルギーは遅延型で、T細胞が関与する。
解説:過敏性肺炎(加湿器肺、空調病など)は主にIII型(免疫複合体型)およびIV型アレルギーが関与する。真菌や細菌(好熱性放線菌など)を含むエアロゾルの反復吸入により発症する。I型はIgE介在の即時型である。
空気環境の調整全250問中 8問を掲載
問1伝熱に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 1熱伝導抵抗は、材料の厚さを熱伝導率で除して求める。
- 2熱伝達率の単位は W/(m2・K) である。
- ✔一般に、密度の小さい材料ほど熱伝導率は大きい。
- 4熱伝導率の単位は W/(m・K) である。
- 5熱貫流率は、壁体を挟む両側空気間の熱の伝わりやすさを表す。
解説:密度が小さい材料は内部に空気を多く含むため、熱伝導率は小さくなる(断熱材が軽量多孔質なのはこのため)。ただし含湿すると熱伝導率は大きくなる。熱貫流率K=1/(1/αi+Σd/λ+1/αo)で表される。
問2壁体の熱貫流率が2.0W/(m2・K)、室内空気温度が22℃、外気温度が2℃であるとき、壁体10m2を通過する熱量として最も適当なものは次のうちどれか。
- 1200W
- ✔400W
- 31,000W
- 440W
- 5100W
解説:Q=K×A×Δt=2.0×10×(22-2)=400W。熱貫流率K[W/(m2・K)]に面積A[m2]と内外温度差Δt[K]を乗じて求める。単位と数値を確実に扱えるようにしておきたい典型計算問題である。
問3結露に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 1断熱材の室内側に防湿層を設けることは、内部結露の防止に有効である。
- 2熱橋(ヒートブリッジ)部では表面結露が生じやすい。
- ✔室内側の表面熱伝達率を小さくすると、表面結露は生じにくくなる。
- 4内部結露は、壁体内部で水蒸気圧が飽和水蒸気圧を超えると生じる。
- 5表面結露は、壁表面温度が室内空気の露点温度以下になると生じる。
解説:室内側の表面熱伝達率が小さい(気流が滞る家具の裏や隅角部など)と壁表面温度が下がり、露点温度以下になりやすく結露しやすい。防止には断熱強化、室内側防湿層の設置、換気による水蒸気の排出、気流の確保が有効である。
問4湿り空気に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 1露点温度は、絶対湿度を一定に保ったまま冷却したとき飽和に達する温度である。
- 2絶対湿度は、乾き空気1kgに対する水蒸気の質量で表す。
- ✔乾球温度が一定のまま絶対湿度が増加すると、相対湿度は低下する。
- 4相対湿度は、その温度における飽和水蒸気圧に対する水蒸気分圧の比である。
- 5比エンタルピーは、乾き空気と水蒸気の保有する全熱量を表す。
解説:乾球温度一定で絶対湿度が増加すると、水蒸気分圧が上昇するため相対湿度は上昇する。逆に絶対湿度一定で乾球温度が上昇すると飽和水蒸気圧が増大するため相対湿度は低下する(冬季暖房時に乾燥する理由)。
問5空気の状態変化に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- ✔2つの空気を混合した状態点は、湿り空気線図上で両点を結ぶ直線の外側にくる。
- 2水噴霧(断熱)加湿では、比エンタルピーはほぼ一定で乾球温度は低下する。
- 3蒸気加湿では、乾球温度はほとんど変化せず絶対湿度が上昇する。
- 4冷却減湿では、露点温度以下まで冷却する必要がある。
- 5加熱のみを行うと、絶対湿度は変化せず相対湿度は低下する。
解説:2つの空気を混合した状態点は、両状態点を結ぶ直線上を風量比で内分した位置にくる。断熱加湿(水噴霧)は等エンタルピー変化で乾球温度が下がり、蒸気加湿は等温に近い変化となる点も頻出。
問6換気に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- ✔第2種機械換気は、給気を機械で行い排気を自然に行う方式で、便所や厨房に用いられる。
- 2在室者1人当たりの必要換気量は、おおむね30m3/h程度である。
- 3温度差による自然換気は、内外温度差の平方根に比例する。
- 4必要換気量は、一般に二酸化炭素濃度を基準に算出される。
- 5換気回数は、換気量を室容積で除して求める。
解説:第2種機械換気は室内が正圧となるため、クリーンルームや手術室など汚染空気の流入を防ぎたい室に用いる。便所・厨房・浴室など汚染空気を他室に出したくない室には、室内が負圧となる第3種機械換気(機械排気+自然給気)を用いる。
問7室容積500m3の居室に、二酸化炭素濃度1,000ppm以下を維持するために必要な換気量として最も近いものは次のうちどれか。ただし、在室者からの二酸化炭素発生量を0.02m3/(h・人)、在室者数を20人、外気の二酸化炭素濃度を400ppmとする。
- 1約333m3/h
- 2約167m3/h
- ✔約667m3/h
- 4約1,000m3/h
- 5約2,000m3/h
解説:Q=M/(Ci-Co)=(0.02×20)/((1000-400)×10^-6)=0.4/0.0006≒667m3/h。ザイデルの式による必要換気量の計算で、濃度はppmを無次元比(×10^-6)に直して用いる点に注意する。室容積は必要換気量そのものには影響しない。
問8空気調和方式に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 1二重ダクト方式は、冷風と温風を混合するため熱的な混合損失が生じる。
- 2ファンコイルユニット方式は、個別制御性に優れるが外気導入に別途配慮が必要である。
- ✔床吹出し方式は、天井吹出し方式に比べて低い温度の冷風を供給できる。
- 4単一ダクト変風量(VAV)方式は、送風量を変化させて室温を制御し、搬送動力を低減できる。
- 5単一ダクト定風量(CAV)方式は、送風量が一定で室温を吹出温度で制御する。
解説:床吹出し方式は居住域近傍に吹き出すため、ドラフト防止の観点から吹出温度を高めに(18℃程度)設定する必要がある。天井吹出しでは15℃程度の冷風が使える。床吹出しはOA機器配線との併用やレイアウト変更対応に優れる。
建築物の構造概論全83問中 8問を掲載
問1日照および日射に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 1終日日射量は、夏至では水平面が最大となる。
- ✔北緯35度付近では、夏至の南中高度は約31度である。
- 3夏至の日、南面の垂直壁面が受ける日射量は水平面より小さい。
- 4冬至の日、南面の垂直壁面が受ける日射量は他の方位より大きい。
- 5日影曲線は、ある地点における建築物の影の動きを表す。
解説:南中高度=90度-緯度+赤緯で、夏至の赤緯は+23.4度であるから、北緯35度では90-35+23.4≒78.4度となる。約31度は冬至(90-35-23.4≒31.6度)の値である。
問2建築物の構造に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- ✔制振構造は、建築物の固有周期を短くすることで地震力を低減する。
- 2耐震壁は、水平力に抵抗する壁である。
- 3ラーメン構造は、柱と梁を剛接合した骨組である。
- 4トラス構造は、部材をピン接合し三角形を単位として構成する。
- 5免震構造は、建築物と基礎の間に積層ゴムなどを設け、地震力の伝達を低減する。
解説:制振(制震)構造は、ダンパー等の制振装置により振動エネルギーを吸収して揺れを抑える構造である。固有周期に着目するのは免震構造で、こちらは建築物の固有周期を長くして地震の卓越周期から遠ざけ、応答加速度を低減する。
問3建築材料に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- ✔コンクリートの水セメント比を大きくすると、圧縮強度は増大する。
- 2コンクリートは圧縮に強く、引張に弱い。
- 3鋼材は500℃程度で強度が常温の約半分に低下する。
- 4コンクリートの中性化が進むと、鉄筋腐食のおそれが生じる。
- 5鉄筋コンクリートは、コンクリートのアルカリ性により鉄筋の錆を防いでいる。
解説:水セメント比が大きい(水が多い)ほど、硬化後の空隙が増え圧縮強度は低下し、耐久性も劣る。一方でワーカビリティ(施工性)は向上する。鋼材は耐火被覆が必要であり、これは高温での急激な強度低下によるものである。
問4建築基準法に関する用語の説明として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- ✔特殊建築物には、事務所ビルが含まれる。
- 2容積率とは、延べ面積の敷地面積に対する割合である。
- 3建蔽率とは、建築面積の敷地面積に対する割合である。
- 4建築面積とは、建築物の外壁または柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積である。
- 5延べ面積とは、各階の床面積の合計である。
解説:事務所は建築基準法上の特殊建築物には含まれない。特殊建築物は学校、病院、劇場、集会場、百貨店、共同住宅、旅館、工場、倉庫、自動車車庫などで、不特定多数が利用したり危険性が高い用途が対象となる。建築物衛生法の特定建築物とは範囲が異なる点に注意。
問5建築物の電気設備に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 1受変電設備のキュービクルは、金属箱に機器を収納したものである。
- 2力率を改善すると、電力損失が減少する。
- 3非常用照明は、停電時に自動的に点灯し、床面で1lx(LEDの場合2lx)以上を確保する。
- 4高圧受電は、契約電力が概ね50kW以上の場合に用いられる。
- ✔UPS(無停電電源装置)は、瞬時停電時にも電力供給を継続する装置であり、長時間の停電にも数日間対応できる。
解説:UPSはバッテリにより数分〜数十分程度の給電を行うもので、その間に安全な機器停止や非常用発電機への切替えを行うためのものである。長時間の電力確保には非常用発電設備が必要となる。
問6エレベータおよびエスカレータに関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 1ロープ式エレベータは、つり合いおもりを用いて駆動動力を低減している。
- 2油圧式エレベータは、低層階・大荷重の用途に適する。
- ✔エスカレータの勾配は、一般に45度である。
- 4エスカレータの公称速度は、一般に30m/min程度である。
- 5群管理方式は、複数台のエレベータを効率的に運行させる制御方式である。
解説:エスカレータの勾配は原則30度以下と定められている(速度30m/min以下かつ揚程6m以下の場合は35度以下まで可)。踏段の幅は1.1m以下、踏段と踏段以外の部分との隙間は5mm以下。
問7都市ガスおよび液化石油ガス(LPG)に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- ✔ガスは無臭であるため、着臭剤は添加されていない。
- 2LPG(プロパン)は、空気より重い。
- 3都市ガス用のガス漏れ警報器は、天井面近くに設置する。
- 4LPG用のガス漏れ警報器は、床面近くに設置する。
- 513Aの都市ガスは、空気より軽い。
解説:ガスは本来無臭であるため、漏えいを速やかに感知できるよう法令により付臭剤(メルカプタン類等)の添加が義務づけられている。比重の違いにより警報器の設置高さが異なる点は頻出。
問8消防用設備等に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 1屋内消火栓設備の1号消火栓は、原則2人で操作する。
- ✔自動火災報知設備の差動式スポット型感知器は、一定の温度に達したときに作動する。
- 3泡消火設備は、駐車場や自動車修理工場などに用いられる。
- 4スプリンクラー設備の閉鎖型ヘッドは、熱により感熱部が作動して放水する。
- 5二酸化炭素消火設備は、電気室や通信機器室に用いられる。
解説:差動式スポット型感知器は、周囲温度の「上昇率」が一定以上になったときに作動する。一定温度に達したときに作動するのは定温式スポット型感知器で、厨房やボイラ室など平常時から温度変化の大きい場所に用いる。
給水及び排水の管理全194問中 8問を掲載
問1水道法および水質基準に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- ✔水質基準項目には、味・臭気は含まれていない。
- 2大腸菌は、検出されないこと。
- 3水質基準は51項目が定められている。
- 4一般細菌は、1mLの検水で形成される集落数が100以下であること。
- 5水道法上、給水栓における遊離残留塩素は0.1mg/L以上保持しなければならない。
解説:水質基準51項目には、味(異常でないこと)、臭気(異常でないこと)、色度(5度以下)、濁度(2度以下)といった基礎的性状に関する項目も含まれる。硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素は10mg/L以下、鉛は0.01mg/L以下など。
問2給水方式に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- ✔圧力水槽方式は、給水圧力の変動が小さいことが長所である。
- 2高置水槽方式は、受水槽・揚水ポンプ・高置水槽を用い、重力により給水する。
- 3水道直結増圧方式は、増圧給水設備により中層建築物まで直結給水できる。
- 4水道直結直圧方式は、水道本管の圧力をそのまま利用する方式である。
- 5ポンプ直送方式は、受水槽の水をポンプで直接給水する方式である。
解説:圧力水槽方式は、水槽内の空気の圧縮・膨張を利用するため給水圧力の変動が大きいことが短所である。高置水槽方式は圧力変動が小さく安定するが、水槽内での滞留による水質劣化に注意が必要。
問3建築物の設計給水量および給水圧力に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 1受水槽の有効容量は、一般に1日使用水量の4/10〜6/10程度とする。
- 2事務所建築の設計給水量は、一般に60〜100L/(人・日)程度である。
- 3高置水槽の有効容量は、一般に1日使用水量の1/10程度とする。
- 4一般水栓の最低必要圧力は30kPa程度である。
- ✔大便器洗浄弁(フラッシュバルブ)の最低必要圧力は30kPa程度である。
解説:大便器洗浄弁(フラッシュバルブ)の最低必要圧力は70kPa程度で、一般水栓(30kPa)やシャワー(70kPa)より高い。ガス瞬間湯沸器では40〜80kPaが必要。給水圧力の上限は、ウォータハンマ防止の観点から一般に400〜500kPa程度とする。
問4受水槽に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- ✔受水槽のマンホールは、水槽上面と同一平面上に設ける。
- 2オーバーフロー管の排水口空間は、150mm以上とする。
- 3上部は100cm以上、その他の面は60cm以上の空間を確保する。
- 4六面点検ができるよう、周囲および上部・下部に保守点検スペースを確保する。
- 5通気管には防虫網を設ける。
解説:マンホールは、汚水や雨水が流入しないよう、水槽上面から10cm以上立ち上げて設置し、施錠できる構造とする。オーバーフロー管・水抜管は間接排水とし、排水口空間150mm以上を確保する。
問5給水設備の汚染防止に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- ✔クロスコネクションは、仕切弁や逆止弁を設ければ認められる。
- 2大気圧式バキュームブレーカは、常時圧力のかからない配管部分に設置する。
- 3クロスコネクションとは、飲料水系統と他の系統が直接接続されることをいう。
- 4吐水口空間とは、給水栓の吐水口端と水受け容器のあふれ縁との垂直距離をいう。
- 5バキュームブレーカは、逆サイホン作用による逆流を防止する。
解説:クロスコネクションは、いかなる措置を講じても認められない。逆止弁は故障の可能性があり確実性に欠けるためである。逆流防止の基本は吐水口空間の確保であり、確保できない場合にバキュームブレーカ等を用いる。
問6貯水槽の清掃に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 1清掃終了後、有効塩素濃度50〜100mg/Lの次亜塩素酸ナトリウム溶液等で2回以上消毒する。
- ✔高置水槽・受水槽の順に清掃を行う。
- 3清掃従事者は、6か月以内ごとに1回、健康診断を受ける。
- 4清掃は1年以内ごとに1回、定期に行う。
- 5消毒後、水を満たしてから給水を開始する前に、水質検査を行う。
解説:清掃は「受水槽→高置水槽」の順に行う。上流側から清掃しないと、清掃済みの高置水槽に受水槽の汚れが流れ込むためである。消毒は塩素濃度50〜100mg/Lの溶液で30分以上の接触時間をおいて2回以上行う。
問7給湯設備に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 1中央式給湯設備では、給湯循環ポンプにより配管内の湯を循環させる。
- 2レジオネラ属菌対策として、貯湯槽内は60℃以上に維持する。
- ✔給湯配管には、線膨張による伸縮を吸収する必要はない。
- 4逃し弁(安全弁)は、加熱による圧力上昇を逃がすために設ける。
- 5末端の給湯栓における湯温は、55℃以上を確保する。
解説:給湯配管は温度変化による伸縮が大きいため、伸縮継手(ベローズ形、スリーブ形)や曲管部を設けて伸縮を吸収する必要がある。銅管では線膨張係数が大きく、特に注意が必要。
問8給水・給湯配管の材料に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 1銅管は、遊離炭酸の多い水では孔食が生じることがある。
- ✔異種金属を接続すると、貴な金属側が優先的に腐食する。
- 3架橋ポリエチレン管は、可とう性があり給湯配管に用いられる。
- 4ステンレス鋼管は耐食性に優れるが、すきま腐食に注意が必要である。
- 5硬質ポリ塩化ビニル管は、耐熱性に劣り給湯には適さない。
解説:異種金属を接続すると電池が形成され、イオン化傾向の大きい「卑」な金属側が優先的に腐食する(異種金属接触腐食、ガルバニック腐食)。防止には絶縁継手を用いる。
清掃全139問中 8問を掲載
問1建築物の清掃管理に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- ✔清掃の作業計画は、一度作成したら変更すべきでない。
- 2点検(インスペクション)は、目視等により清掃の実施状況を確認する。
- 3清掃作業基準表は、作業種別・作業方法・使用資機材・実施頻度などを定めたものである。
- 4評価は、利用者の視点に立って行うことが望ましい。
- 5作業のプロセスを重視した評価から、成果を評価する方法へと移行してきている。
解説:清掃作業計画は、点検・評価の結果や建築物の使用状況の変化に応じて見直し、改善していく(PDCAサイクル)ことが必要である。近年は仕様に基づく評価(プロセス)から、性能に基づく評価(結果・成果)への移行が進んでいる。
問2ほこりや汚れの除去に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- ✔真空掃除機は、ほこりを含む空気をそのまま室内に排出する。
- 2アルミニウム建材は、耐アルカリ性に乏しい。
- 3水溶性の汚れは、水拭きで除去できる。
- 4はたきがけは、ほこりを飛散させるため一般に適さない。
- 5おがくずを用いる方法は、ほこりの飛散を防止する効果がある。
解説:真空掃除機はフィルタ(バッグ・HEPAフィルタ等)を通してほこりを捕集した後の空気を排出する。フィルタの目詰まりは吸引力低下と排気汚染の原因となるため定期的な点検・交換が必要である。
問3清掃用洗剤に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 1表面洗剤は、泡立ちが少なく、床維持剤の皮膜を傷めにくい。
- 2酸性洗剤は、小便器の尿石や水あかの除去に用いる。
- 3剥離剤は、アルカリ性でアルカリに弱い床材には使用できない。
- 4一般用洗剤(万能洗剤)は、弱アルカリ性で用途が広い。
- ✔研磨剤入り洗剤は、樹脂床材の日常清掃に適している。
解説:研磨剤入り洗剤は物理的に表面を削るため、樹脂系床材に用いると傷が付き光沢が失われる。陶器製の衛生器具など硬い素材の頑固な汚れに限定して用いる。剥離剤の主成分はアミン系のアルカリ性で、リノリウムなどアルカリに弱い床材には使用不可。
問4床材に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 1テラゾ(人造石)は、酸性洗剤に弱い。
- ✔ゴム系床材は、耐溶剤性に優れる。
- 3塩化ビニル系床材(ビニル系タイル)は、耐水性・耐薬品性に優れる。
- 4リノリウムは、アルカリ性洗剤に弱い。
- 5木質系床材は、水分に弱く水拭きを避ける。
解説:ゴム系床材は油や溶剤に弱く、強アルカリにも侵されやすい。テラゾや大理石など炭酸カルシウムを含む石材は酸に弱く、リノリウム(あまに油等が原料)はアルカリに弱い。床材ごとの弱点の組合せは頻出。
問5床維持剤に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 1フロアオイルは、主に木質系床材に用いられる。
- 2フロアシーラは、床材の隙間を埋め、目止めを目的とする。
- 3水性フロアポリッシュには、乳化性とポリマー型がある。
- 4フロアポリッシュは、物理的・化学的方法により床の美観・保護を目的とする。
- ✔床維持剤の皮膜は、剥離作業を必要としない。
解説:床維持剤の皮膜は繰り返しの塗布により厚くなり、汚れを取り込んで黒ずむため、定期的に剥離剤で除去し再塗布する(リストア)必要がある。ドライメンテナンスはこの剥離頻度を減らす手法である。
問6ドライメンテナンスに関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 1ウェットメンテナンスに比べ、作業の安全性が高い。
- 2ドライバフ法は、比較的高速な回転数の機械でつやを出す。
- 3スプレークリーニング法は、洗剤を噴霧しながらパッドで磨く。
- ✔ドライメンテナンスでは、床維持剤を全く使用しない。
- 5水の使用量が少なく、廃液が少ない。
解説:ドライメンテナンスでも床維持剤は使用する。皮膜を保護しながら光沢を回復させ、剥離作業の頻度を減らすことが目的である。ドライバフ法(1,000〜3,000rpm程度)、スプレークリーニング法、スプレーバフ法などがある。
問7清掃用機械器具に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 1超高速バフ機の回転数は、1,000〜3,000rpm程度である。
- 2床磨き機の標準的な回転数は、150〜300rpm程度である。
- ✔ローラブラシ方式の真空掃除機は、硬質床材の清掃に最も適する。
- 4カーペット用の噴射吸引式機械(エクストラクタ)は、洗浄液を噴射し汚水を吸引する。
- 5自動床洗浄機は、洗浄と汚水回収を同時に行う。
解説:ローラブラシ(パワーブラシ)方式の真空掃除機は、繊維をかき起こして深部のほこりを除去するためカーペットの清掃に適する。硬質床材にはブラシのない床用ノズルを用いる。
問8建築物の外装および窓ガラス清掃に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 1ゴンドラ作業では、作業計画の作成と特別教育が必要である。
- 2金属材料の清掃では、研磨剤の使用に注意する。
- ✔石材の洗浄には、酸性洗剤を用いても差し支えない。
- 4臨海工業地帯では、汚れの付着が早いため清掃頻度を高める。
- 5自動窓拭き機は、洗剤供給・洗浄・水切りを行う。
解説:大理石やテラゾなど炭酸カルシウムを主成分とする石材に酸性洗剤を用いると溶解し、光沢を失う。花崗岩でも目地のモルタルを傷めるおそれがある。窓ガラス清掃は一般に3か月以内ごとに1回程度実施される。
ねずみ、昆虫等の防除全79問中 8問を掲載
問1ゴキブリに関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 1クロゴキブリは、屋外にも生息し体長は3cm前後である。
- 2卵は卵鞘(らんしょう)に包まれて産下される。
- 3チャバネゴキブリは、卵鞘を孵化直前まで雌が保持する。
- ✔ゴキブリは走光性が強く、明るい場所に集まる習性がある。
- 5不完全変態(卵→幼虫→成虫)である。
解説:ゴキブリは負の走光性(光を避ける)を示し、暗く暖かく狭い場所に潜む集合性(集合フェロモンによる)をもつ。ワモンゴキブリは体長4cm前後で最大級、ヤマトゴキブリは屋外性が強く低温に強い。
問2蚊に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 1チカイエカは、地下水槽などで発生し、無吸血産卵が可能である。
- 2アカイエカは、夜間に屋内へ侵入して吸血する。
- ✔ヒトスジシマカは、大きな水域を発生源とし夜間に活動する。
- 4吸血するのは雌のみである。
- 5完全変態(卵→幼虫→蛹→成虫)である。
解説:ヒトスジシマカは、空き缶・古タイヤ・植木鉢の受皿など小さな溜まり水を発生源とし、昼間に屋外で吸血する。デング熱の媒介種。チカイエカは越冬せず年間を通じて活動し、初回産卵に吸血を要しない(無吸血産卵性)点が特徴。
問3ダニ類に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 1ケナガコナダニは、食品や畳から発生する。
- 2イエダニは、ネズミに寄生し、宿主が死ぬと人を吸血する。
- ✔マダニ類は、室内塵中で繁殖する代表的な屋内性ダニである。
- 4ヒョウヒダニ類は、室内塵中に多く生息しアレルゲンとなる。
- 5ツメダニ類は、他のダニや小昆虫を捕食し、人を刺すことがある。
解説:マダニ類は野外の草むら等に生息し、動物や人に付着して吸血する大型のダニで、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)等を媒介する。室内塵中の代表はヒョウヒダニ(コナヒョウヒダニ・ヤケヒョウヒダニ)である。
問4ネズミに関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 1ドブネズミは、下水道や厨房など湿った場所を好む。
- 2クマネズミは、運動能力が高く、建築物の高層階にも生息する。
- 3クマネズミは、警戒心が強く殺鼠剤や罠にかかりにくい。
- ✔ドブネズミは、垂直な壁を登り天井裏を自由に移動する。
- 5ハツカネズミは、体が小さく、農村部や倉庫などに生息する。
解説:垂直な壁や電線を伝って移動し天井裏に生息するのはクマネズミである。ドブネズミは運動能力が劣り、地下や床下など低い場所を主な生息場所とする。近年の都市部ではクマネズミが優占し、抵抗性(スーパーラット)が問題となっている。
問5殺虫剤に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 1ピレスロイド剤は、速効性(ノックダウン効果)に優れる。
- 2IGR(昆虫成長制御剤)は、幼虫の脱皮・変態を阻害する。
- 3カーバメート剤は、有機リン剤と同様の作用機序をもつ。
- ✔IGRは、成虫に対して速効的な致死効果を示す。
- 5有機リン剤は、アセチルコリンエステラーゼを阻害する。
解説:IGR(メトプレン、ピリプロキシフェン、ジフルベンズロン等)は幼若ホルモン様作用やキチン合成阻害により発育を阻害するもので、成虫に対する致死効果はほとんどなく、効果の発現も遅い。抵抗性個体群への対策として有効。
問6殺虫剤の効力および安全性の指標に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 1LD50の値が小さいほど、毒性が強い。
- 2LD50は、供試動物の50%が死亡する薬量である。
- 3KT50は、50%の個体がノックダウンするまでの時間である。
- 4KT50の値が小さいほど、速効性が高い。
- ✔IC50は、殺虫剤の急性経口毒性を表す指標である。
解説:IC50は50%阻害濃度で、酵素活性等を50%阻害する濃度を指す。急性経口毒性はLD50(半数致死薬量、mg/kg)で表す。LC50は半数致死濃度。安全性評価にはADI(一日摂取許容量)なども用いられる。
問7衛生害虫の防除方法に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 1残留処理は、害虫の通り道や潜み場所に薬剤を処理し、接触により効果を発揮させる。
- 2空間処理は、薬剤を微粒子として空間に散布する方法である。
- 3ULV処理は、高濃度の薬剤を少量散布する方法である。
- ✔燻蒸処理は、居室を開放したまま実施できる。
- 5毒餌(ベイト)処理は、喫食させることで効果を発揮する。
解説:燻蒸処理は気密を保った空間に殺虫ガスを充満させる方法で、人体への危険が大きいため密閉と立入禁止措置、資格者による実施が必要である。ULV(Ultra Low Volume)は原液または高濃度液を極少量、微細な粒子で散布する方法。
問8総合的有害生物管理(IPM)に関する記述として、最も不適当なものは次のうちどれか。
- 1警戒水準は、放置すると許容水準を維持できなくなる状態である。
- ✔IPMでは、定期的な薬剤散布を最優先の手段とする。
- 3措置水準は、すぐに防除作業が必要な状態である。
- 4生息調査に基づき、必要に応じた防除を行う考え方である。
- 5許容水準は、環境衛生上良好な状態で、6か月以内に1回の定期的な調査を継続する水準である。
解説:IPMは薬剤散布に依存せず、発生源対策・侵入防止(防そ・防虫構造)・清掃等の環境的対策を基本とし、生息調査の結果が措置水準に達した場合に必要最小限の薬剤処理を行う。人や環境への影響を最小限にすることが目的である。