分野別問題(解説つき)

2級二輪自動車整備士|分野別 問題インデックス

最終更新:2026年9月3日

2級二輪自動車整備士はエンジン・車体から故障診断・計算まで25分野から出題されます。分野別に代表問題を掲載しています。全1000問をまとめて解くならトレーナーへ進んでください。

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エンジン本体全57問中 4問を掲載

問1
2サイクル・エンジンに関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1燃焼行程は2回転に1回である
  • 24サイクルより部品点数が多い
  • 3吸排気バルブが必ず必要である
  • ✔クランクシャフト1回転で1サイクルを完了する
  • 5クランクシャフト2回転で1サイクルを完了する
解説:【正解】4「クランクシャフト1回転で1サイクルを完了する」 2サイクル・エンジンはクランク1回転(360°)で1サイクルを完了し、毎回転で燃焼するため同排気量で出力を大きくしやすい。掃気ポートと排気ポートをピストンが開閉するため動弁機構が不要で、構造が簡単である。
問2
2サイクル・エンジンの掃気に関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1冷却水を循環させる作用
  • 2燃料を霧化させる作用
  • 3潤滑油を循環させる作用
  • 4混合気を圧縮する作用
  • ✔排気ガスを新気で押し出しシリンダ内を入れ換える作用
解説:【正解】5「排気ガスを新気で押し出しシリンダ内を入れ換える作用」 掃気は掃気ポートから入る新気で残留排気ガスを押し出す作用で、シュニューレ式(反転掃気)などがある。新気の一部が排気ポートから吹き抜ける吹き抜け損失があり、HC排出が多くなりやすい。
問3
4サイクル二輪エンジンでバルブ・タイミングにオーバラップを設ける主な目的として適切なものは次のうちどれか。
  • 1エンジン・オイルの消費を減らすため
  • 2圧縮圧力を高めるため
  • 3バルブの摩耗を減らすため
  • ✔排気の慣性を利用して吸気の充填効率を高めるため
  • 5アイドリングを安定させるため
解説:【正解】4「排気の慣性を利用して吸気の充填効率を高めるため」 オーバラップは吸気・排気バルブが同時に開く期間で、排気の慣性(排気の吹き出しによる負圧)を利用して新気を吸い込み、掃気と充填効率を高める。ただし大きすぎると低速時に排気が逆流しアイドリングが不安定になる。
問4
キック式始動装置において、キック・ペダルを踏み込んだ力をクランクシャフトへ伝え、始動後は動力を切り離す機構は次のうちどれか。
  • 1デファレンシャル
  • 2レギュレータ
  • 3トルク・コンバータ
  • 4ガバナ
  • ✔ワンウェイ・クラッチ(ラチェット機構)
解説:【正解】5「ワンウェイ・クラッチ(ラチェット機構)」 キック始動ではラチェットやワンウェイ・クラッチによって踏み込み時のみ動力を伝え、エンジン始動後はクランク側の回転がキック機構へ逆に伝わらないよう切り離される。これにより始動後のペダルの空転が可能となる。

潤滑装置全7問中 4問を掲載

問5
2サイクル・エンジンの分離潤滑方式に関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 14サイクルと同じ圧送潤滑である
  • 2あらかじめ燃料にオイルを混合しておく
  • 3オイル交換が不要である
  • 4オイルは消費されない
  • ✔オイル・ポンプで回転速度や開度に応じた量のオイルを供給する
解説:【正解】5「オイル・ポンプで回転速度や開度に応じた量のオイルを供給する」 分離潤滑は専用タンクのオイルをポンプでスロットル開度・回転速度に応じて供給する方式で、混合潤滑に比べオイル消費と排気煙を抑えられる。いずれの方式もオイルは燃焼して消費されるため補給が必要である。
問6
二輪の4サイクル・エンジンでオイル・ストレーナが詰まった場合に生じる現象として適切なものは次のうちどれか。
  • 1油圧が上昇する
  • 2冷却水温が下がる
  • 3チェーンが伸びる
  • ✔オイル・ポンプの吸込み不良により油圧が低下する
  • 5燃圧が上がる
解説:【正解】4「オイル・ポンプの吸込み不良により油圧が低下する」 ストレーナはポンプの吸込み側にある粗い濾し網で、スラッジの堆積で吸込みが妨げられる。オイル管理の悪い車両で起きやすく、油圧低下は軸受の焼付きに直結する。
問7
二輪車のオイル・フィルタを交換する際の注意事項として不適切なものは次のうちどれか。
  • 1交換後は始動して油圧と漏れを確認する
  • 2取付け面を清掃してから組み付ける
  • ✔強く締めるほど漏れにくいので工具で最大限締める
  • 4カートリッジ式は手締め後に規定トルクまたは規定回転角で締める
  • 5Oリングやガスケットは新品を使用する
解説:【正解】3「強く締めるほど漏れにくいので工具で最大限締める」 過大トルクはOリングの潰れすぎやケースの変形を招き、かえって漏れの原因となる。Oリングには薄くオイルを塗り、かじりを防ぐ。交換後の油量確認も忘れない。
問8
2サイクル・エンジンの潤滑方式に関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1冷却水で潤滑する
  • 24サイクルと同じ圧送潤滑である
  • 3オイルは循環して消費されない
  • 4オイルは不要である
  • ✔混合潤滑と分離潤滑があり、いずれもオイルは燃焼して消費される
解説:【正解】5「混合潤滑と分離潤滑があり、いずれもオイルは燃焼して消費される」 混合潤滑は燃料にオイルを混ぜる方式、分離潤滑は専用タンクからポンプで供給する方式である。いずれも消費されるため補給が必要となる。

燃料装置全39問中 4問を掲載

問9
キャブレータのフロート室の役割として適切なものは次のうちどれか。
  • ✔燃料の液面(油面)を一定に保つ
  • 2空気を清浄にする
  • 3燃料を冷却する
  • 4燃料を加熱する
  • 5混合気を圧縮する
解説:【正解】1「燃料の液面(油面)を一定に保つ」 フロートとニードル・バルブにより油面を一定に保つことで、ジェットにかかる負圧に対する燃料の吸い上げ量が安定し、空燃比が保たれる。油面が高すぎると濃く、低すぎると薄くなる。
問10
キャブレータのスロー系統が主に作用する運転領域として適切なものは次のうちどれか。
  • 1全開・高回転域
  • 2加速時のみ
  • 3減速時のみ
  • ✔アイドリングから低開度域
  • 5始動時のみ
解説:【正解】4「アイドリングから低開度域」 スロー(パイロット)系統はアイドリングから概ねスロットル1/8開度程度までの低開度域で燃料を供給する。中開度はジェット・ニードルとニードル・ジェット、高開度はメイン・ジェットが主に受け持つ。
問11
負圧式(バキューム式)燃料コックに関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1燃料を加圧して送る
  • 2エンジン停止中も燃料が流れ続ける
  • ✔吸気管負圧でダイヤフラムを作動させ、エンジン運転中のみ燃料を流す
  • 4燃料を冷却する
  • 5燃料の油面を保つ
解説:【正解】3「吸気管負圧でダイヤフラムを作動させ、エンジン運転中のみ燃料を流す」 負圧式コックは吸気管負圧をダイヤフラムに導いてバルブを開き、エンジン停止時は自動的に閉じるため、キャブレータからのオーバフローを防ぐ。負圧ホースの抜けや破れは燃料が来ない不具合の原因となる。
問12
二輪の電子制御燃料噴射装置(FI)がキャブレータと比較して優れている点として不適切なものは次のうちどれか。
  • ✔構造が簡単で安価である
  • 2各種センサ情報で精密な空燃比制御ができる
  • 3冷間時や高地でも安定した性能が得られる
  • 4排出ガス規制への適合が容易である
  • 5過渡時の応答性に優れる
解説:【正解】1「構造が簡単で安価である」 FIはセンサとECU、高圧燃料系を必要とするため構造は複雑で高価になる。一方で空燃比制御の精度、環境変化への適応、排出ガス低減、始動性・過渡応答の面ではキャブレータに大きく勝る。

動力伝達全39問中 4問を掲載

問13
遠心式クラッチに関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1変速機の変速を行う
  • 2常時接続されている
  • ✔エンジン回転速度の上昇に伴う遠心力で自動的に接続される
  • 4エンジン始動時に動力を伝える
  • 5クラッチ・レバーの操作が必要である
解説:【正解】3「エンジン回転速度の上昇に伴う遠心力で自動的に接続される」 遠心式クラッチはウェイトに働く遠心力でシューを外側のドラムに押し付けて接続する。アイドル付近では切れているためクラッチ操作が不要で、スクータやカブ型車に多く用いられる。
問14
湿式多板クラッチの特徴として適切なものは次のうちどれか。
  • 1オイルに浸らないため滑りにくい
  • ✔オイル中で作動し放熱性と耐久性に優れる
  • 3エンジン・オイルとは別のオイルを必ず使用する
  • 4半クラッチ操作ができない
  • 5乾式より必ず伝達容量が小さい
解説:【正解】2「オイル中で作動し放熱性と耐久性に優れる」 多くの二輪はエンジン・オイルを共用する湿式多板クラッチを用い、油による冷却で放熱性に優れ半クラッチ操作にも強い。摩擦係数は乾式より低いが、板数を増やすことで必要な伝達容量を確保する。
問15
常時噛合式変速機に関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1変速のたびにギヤを軸方向に移動させて噛み合わせる
  • 2ベルトで駆動される
  • 3変速比は無段階に変化する
  • 4クラッチが不要である
  • ✔ギヤは常に噛み合っており、ドッグ・クラッチで軸と結合させて変速する
解説:【正解】5「ギヤは常に噛み合っており、ドッグ・クラッチで軸と結合させて変速する」 二輪の変速機は各段のギヤが常に噛み合った状態にあり、シフト・フォークでスライド・ギヤを動かしドッグ(爪)で軸と結合させて動力を伝える。噛み合わせ音を防ぎ、素早い変速ができる。
問16
ドライブ・チェーンの遊びが規定より大きすぎる場合に生じる現象として不適切なものは次のうちどれか。
  • 1変速時にショックが大きくなる
  • ✔チェーンとスプロケットの寿命が延びる
  • 3スプロケットの摩耗が促進される
  • 4異音や振動が発生する
  • 5チェーンが外れやすくなる
解説:【正解】2「チェーンとスプロケットの寿命が延びる」 遊びが大きすぎると打音・振動・脱落を招き、逆に小さすぎるとチェーンや軸受に過大な張力がかかり摩耗と抵抗が増大する。いずれも寿命を縮めるため、規定値内に調整し、後輪のアライメントも同時に確認する。

懸架装置全27問中 4問を掲載

問17
テレスコピック式フロント・フォークに関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1板ばねのみで衝撃を吸収する
  • ✔コイル・スプリングとオイルによる減衰力で衝撃を吸収する
  • 3フォーク・オイルの量は乗り心地に影響しない
  • 4トレール量を変化させる装置である
  • 5減衰力の調整は一切できない
解説:【正解】2「コイル・スプリングとオイルによる減衰力で衝撃を吸収する」 テレスコピック・フォークはインナ・チューブとアウタ・チューブが伸縮し、スプリングで衝撃を受け、オリフィスを通るフォーク・オイルの抵抗で減衰力を得る。オイル量(油面高さ)は主に終端の踏ん張り感に影響する。
問18
リヤ・サスペンションのスイング・アーム(リヤ・アーム)のピボット部にがたがある場合に生じる現象として適切なものは次のうちどれか。
  • 1チェーンの遊びが自動調整される
  • ✔車体の振れ(ふらつき)が生じ操縦安定性が低下する
  • 3タイヤの空気圧が低下する
  • 4直進安定性が向上する
  • 5制動距離が短くなる
解説:【正解】2「車体の振れ(ふらつき)が生じ操縦安定性が低下する」 ピボット部のブシュやベアリングが摩耗すると後輪が左右に振れ、直進安定性やコーナリング時の挙動が悪化する。点検はスイング・アームを左右に揺すってガタを確認する。
問19
フロント・フォークからオイル漏れが生じている場合、優先して点検・交換すべき部品は次のうちどれか。
  • 1アクスル・シャフト
  • ✔オイル・シール(ダスト・シールを含む)
  • 3ステム・ベアリング
  • 4トップ・ブリッジ
  • 5フォーク・スプリング
解説:【正解】2「オイル・シール(ダスト・シールを含む)」 オイル漏れはオイル・シールの劣化や、インナ・チューブの傷・錆による損傷が主原因である。シール交換の際はインナ・チューブの点検も行い、傷があれば修正または交換する。漏れを放置すると減衰力低下とブレーキへの付着を招く。
問20
リンク式リヤ・サスペンション(プロリンク等)の特徴として適切なものは次のうちどれか。
  • ✔リンク比の変化により、ストロークが増すほどばね反力が強くなる特性を得やすい
  • 2ストロークに対する減衰力が一定である
  • 3ユニットが必ず2本必要である
  • 4ばねを使用しない
  • 5減衰力の調整ができない
解説:【正解】1「リンク比の変化により、ストロークが増すほどばね反力が強くなる特性を得やすい」 リンク機構によりホイール・ストロークとダンパ・ストロークの比が変化するため、初期は柔らかく、奥では踏ん張るプログレッシブな特性が得られる。乗り心地と大入力時の安定性を両立できる。

走行装置全39問中 4問を掲載

問21
トレールに関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1前後輪の車軸間距離
  • ✔ステアリング軸の延長線と路面の交点から、前輪接地点までの距離
  • 3車軸から路面までの高さ
  • 4フロント・フォークの長さ
  • 5前輪の直径
解説:【正解】2「ステアリング軸の延長線と路面の交点から、前輪接地点までの距離」 トレールはキャスタ角によって生じ、走行中にハンドルを直進方向へ戻そうとする復元力(セルフ・アライニング・トルク)を生む。大きいほど直進安定性が高まるが、ハンドルは重く小回りしにくくなる。なお前後車軸間距離はホイールベースである。
問22
二輪自動車のタイヤ空気圧が規定より低い場合に生じる現象として不適切なものは次のうちどれか。
  • 1スタンディング・ウェーブ現象が発生しやすくなる
  • 2タイヤ両ショルダ部が偏摩耗する
  • ✔タイヤ中央部が偏摩耗する
  • 4転がり抵抗が増え燃費が悪化する
  • 5ハンドルが重くなる
解説:【正解】3「タイヤ中央部が偏摩耗する」 空気圧不足では接地形状が変わり両ショルダ(両端)側が摩耗する。中央部の摩耗は空気圧過多のときに生じる。空気圧不足は発熱によるスタンディング・ウェーブやバーストの危険もあるため、冷間時に点検する。
問23
ステアリング・ステム・ベアリングに過大な予圧(締めすぎ)がある場合に生じる現象として適切なものは次のうちどれか。
  • 1ハンドルが軽くなりすぎる
  • 2トレールが増加する
  • 3前輪がロックする
  • 4タイヤの空気圧が上がる
  • ✔ハンドルの動きが重くなり、直進時に引っ掛かりを感じる
解説:【正解】5「ハンドルの動きが重くなり、直進時に引っ掛かりを感じる」 締めすぎるとステアリングの動きが重くなり、レース(軌道面)に圧痕を生じて直進位置での引っ掛かり(ノッチング)を招く。逆に緩いとがたつきによりブレーキ時の振れやシミーの原因となる。規定トルクでの調整が重要。
問24
スポーク・ホイールのスポークの張りが不均一な場合に生じる現象として適切なものは次のうちどれか。
  • ✔リムに振れが生じ走行安定性が低下する
  • 2ブレーキの効きが良くなる
  • 3ハブ・ベアリングの寿命が延びる
  • 4タイヤの空気圧が低下する
  • 5トレールが変化する
解説:【正解】1「リムに振れが生じ走行安定性が低下する」 張りが不均一だとリムに縦振れ・横振れが生じ、走行安定性の低下やスポークの折損につながる。ニップルを少しずつ均等に調整し、ダイヤル・ゲージで振れを規定値内に収める。

制動装置全36問中 4問を掲載

問25
二輪自動車の前後連動ブレーキ(CBS)に関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1エンジン・ブレーキを強化する装置である
  • 2制動時に自動で減速比を変える装置である
  • 3駐車ブレーキの一種である
  • ✔一方の操作で前後輪に制動力を配分する装置である
  • 5車輪のロックを自動的に防止する装置である
解説:【正解】4「一方の操作で前後輪に制動力を配分する装置である」 CBS(コンバインド・ブレーキ・システム)はブレーキ・レバーまたはペダルの操作で前後輪に適切な配分で制動力を働かせ、前後バランスを取りやすくする。車輪ロックを防ぐのはABSで、両者は目的が異なる。
問26
二輪自動車のABSに関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1前輪のみに作用する装置である
  • 2低速走行時のみ作動する
  • 3制動距離を必ず最短にする装置である
  • 4制動力を増大させる倍力装置である
  • ✔車輪速センサでロック傾向を検出し液圧を制御して方向安定性を確保する
解説:【正解】5「車輪速センサでロック傾向を検出し液圧を制御して方向安定性を確保する」 ABSは車輪速センサの信号からロック傾向を検出し、モジュレータで液圧を減圧・保持・増圧して車輪の回転を保ち、操縦性と方向安定性を維持する。路面状況によっては制動距離が延びる場合もある。
問27
ドラム・ブレーキのリーディング・シューに関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1常に後退時のみ作用する
  • 2ドラムの回転方向と無関係である
  • ✔自己倍力作用が働き制動力が大きい
  • 4自己倍力作用が働かず制動力が小さい
  • 5放熱性がディスク式より優れる
解説:【正解】3「自己倍力作用が働き制動力が大きい」 リーディング・シューはドラムの回転に引き込まれる方向に働くため自己倍力(セルフ・サーボ)作用が生じ制動力が大きい。逆にトレーリング・シューは押し戻される方向となり制動力は小さい。
問28
ディスク・ブレーキ・パッドの摩耗が進行した場合に生じる現象として適切なものは次のうちどれか。
  • 1キャリパ・ピストンの突出量が減る
  • 2ブレーキ・レバーの遊びが増える
  • 3ブレーキ液の量が増える
  • ✔マスタ・シリンダのリザーバ内の液面が下がる
  • 5制動力が必ず向上する
解説:【正解】4「マスタ・シリンダのリザーバ内の液面が下がる」 パッドが摩耗するとピストンの突出量が増え、その分キャリパ側に液が移動するためリザーバの液面が下がる。液面低下を見たときは漏れの点検とともにパッド残量を確認する。裏金まで摩耗するとディスクを損傷する。

電装全72問中 4問を掲載

問29
フライホイール・マグネトに関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1直流を直接発生する
  • 2バッテリがないと一切発電できない
  • 3スタータ・モータの一種である
  • 4点火時期を機械的に遅角させる装置である
  • ✔フライホイールに永久磁石を備え、回転により発電する
解説:【正解】5「フライホイールに永久磁石を備え、回転により発電する」 フライホイール・マグネトはフライホイール内周の永久磁石とステータ・コイルで交流を発生させる。バッテリなしでも点火・灯火用電力を得られるため、小型二輪や汎用エンジンに広く用いられる。
問30
CDI式点火装置に関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1バッテリ電圧をそのままプラグに加える
  • 2点火コイルを用いない
  • 3接点(ポイント)の開閉で一次電流を断続する
  • 4放電時間が長く希薄混合気に強い
  • ✔コンデンサに蓄えた電荷を一気に放電して高電圧を得る
解説:【正解】5「コンデンサに蓄えた電荷を一気に放電して高電圧を得る」 CDI(容量放電式)はコンデンサに充電した電圧をサイリスタで点火コイル一次側へ一気に放電させる方式で、立ち上がりが速く高回転域でも安定した火花が得られる。ただし放電時間は短く、この点は誘導放電式が有利である。
問31
MF(制御弁式)バッテリの特徴として適切なものは次のうちどれか。
  • 1電解液比重を頻繁に調整する必要がある
  • 2開放型より必ず容量が大きい
  • 3急速充電に最も適している
  • 4転倒しても必ず液漏れしない
  • ✔電解液の補水が原則不要である
解説:【正解】5「電解液の補水が原則不要である」 MFバッテリはガラス・マット等に電解液を保持し、充電時に発生するガスを内部で水に還元する構造のため補水が原則不要。ただし過充電に弱く、専用の充電方法と規定電圧の管理が必要である。
問32
レギュレータ・レクチファイヤの機能として適切なものは次のうちどれか。
  • ✔交流の整流と発電電圧の制御
  • 2始動電流の制御
  • 3バルブ・タイミングの制御
  • 4点火時期の制御
  • 5燃料噴射量の制御
解説:【正解】1「交流の整流と発電電圧の制御」 レギュレータ・レクチファイヤはジェネレータの交流をダイオードで直流に整流(レクチファイ)し、同時に発生電圧を約14V前後に制御(レギュレート)する。故障するとバッテリの過充電や充電不足の原因となる。

冷却装置全7問中 4問を掲載

問33
空冷エンジンの冷却フィンに関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1冷却水を通す通路である
  • 2騒音を増大させる
  • 3エンジンの剛性を高めることのみを目的とする
  • ✔表面積を増やして放熱を促進する
  • 5吸気を導く通路である
解説:【正解】4「表面積を増やして放熱を促進する」 冷却フィンはシリンダやヘッドの表面積を拡大して走行風への放熱を促進する。フィンの間に泥やごみが詰まると冷却性能が落ちるため清掃が必要で、フィンの割れは異音や放熱不良の原因となる。
問34
二輪の空冷エンジンで冷却フィンの間に泥や虫が詰まった場合に生じる現象として適切なものは次のうちどれか。
  • 1チェーンが伸びる
  • ✔放熱が阻害されオーバヒートしやすくなる
  • 3燃圧が下がる
  • 4バッテリが劣化する
  • 5圧縮比が上がる
解説:【正解】2「放熱が阻害されオーバヒートしやすくなる」 空冷は走行風による放熱に依存するため、フィンの目詰まりは冷却性能を直接低下させる。フィンの割れは異音と放熱不良の原因となるため、清掃と併せて点検する。
問35
二輪の水冷エンジンで冷却水を交換した後に必ず行うべき作業として適切なものは次のうちどれか。
  • 1タイヤ空気圧を調整する
  • 2冷却水を抜き直す
  • 3直ちに高回転で運転する
  • 4チェーンを緩める
  • ✔規定手順でエア抜きを行い、リザーブ・タンクの液面を確認する
解説:【正解】5「規定手順でエア抜きを行い、リザーブ・タンクの液面を確認する」 系統内に空気が残るとポンプがエアをかんで循環が阻害され、局部的な過熱を招く。エア抜きプラグやラジエータ・キャップの操作など、車種指定の手順に従う。
問36
二輪の水冷エンジンにおけるラジエータの役割として適切なものは次のうちどれか。
  • ✔冷却水の熱を走行風や電動ファンの風で大気へ放出する
  • 2冷却水温を検出する
  • 3冷却水を圧送する
  • 4冷却水を作る
  • 5燃料を冷却する
解説:【正解】1「冷却水の熱を走行風や電動ファンの風で大気へ放出する」 二輪は搭載スペースが限られるため、渋滞など走行風が乏しい条件では電動ファンの作動が重要となる。フィンの目詰まりも点検する。

法令全48問中 4問を掲載

問37
道路運送車両法上、排気量250ccを超える二輪自動車(小型二輪自動車)の自動車検査証の有効期間として適切なものは次のうちどれか。
  • 1一律1年
  • 2一律3年
  • 3一律2年
  • ✔新車初回3年、以降2年
  • 5検査は不要である
解説:【正解】4「新車初回3年、以降2年」 小型二輪自動車(250cc超)は自家用の場合、新車の初回が3年、以降は2年ごとの継続検査となる。250cc以下の軽二輪自動車には継続検査の制度がないが、定期点検整備の義務は免除されない点に注意。
問38
二輪自動車の区分に関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1総排気量250cc以下はすべて原動機付自転車である
  • ✔総排気量125ccを超え250cc以下は軽二輪自動車である
  • 3軽二輪自動車は継続検査が必要である
  • 4小型二輪自動車は125cc以下をいう
  • 5総排気量400ccを超えると軽二輪自動車である
解説:【正解】2「総排気量125ccを超え250cc以下は軽二輪自動車である」 道路運送車両法では、125cc超250cc以下が軽二輪自動車、250cc超が小型二輪自動車に区分される。原動機付自転車の区分については法改正が行われることがあるため、最新の法令を確認すること。
問39
二輪自動車の制動装置に関する保安基準の考え方として適切なものは次のうちどれか。
  • 1エンジン・ブレーキで代用できる
  • 2制動装置は油圧式に限られる
  • 3前後輪のいずれか一方に制動装置があればよい
  • ✔前輪・後輪それぞれを独立して制動できる装置を備える必要がある
  • 5駐車ブレーキが必ず必要である
解説:【正解】4「前輪・後輪それぞれを独立して制動できる装置を備える必要がある」 二輪自動車は主制動装置として前輪と後輪をそれぞれ制動できる装置を備えることが求められる。連動ブレーキ(CBS)を備える場合も基準に適合する必要がある。具体的な基準値は保安基準および細目告示で確認すること。
問40
二輪自動車の前照灯に関する保安基準の考え方として適切なものは次のうちどれか。
  • 1すれ違い用前照灯は不要である
  • ✔走行用前照灯は白色で、照射方向および光度が基準に適合する必要がある
  • 3色は緑色でもよい
  • 4光度に上限はない
  • 5取付け位置の定めはない
解説:【正解】2「走行用前照灯は白色で、照射方向および光度が基準に適合する必要がある」 前照灯は色(白色)、光度、照射方向、取付け位置などが保安基準で定められ、他の交通を妨げないよう調整する必要がある。具体的な数値は保安基準および細目告示によるため、最新の規定を確認すること。

整備作業全128問中 4問を掲載

問41
二輪自動車のブレーキ液(フルード)交換時の注意事項として不適切なものは次のうちどれか。
  • 1塗装面に付着した場合はすぐに洗い流す
  • 2指定された規格のものを使用する
  • ✔異なるDOT規格でも自由に混合してよい
  • 4開封後の吸湿に注意する
  • 5エア抜きを確実に行う
解説:【正解】3「異なるDOT規格でも自由に混合してよい」 ブレーキ液は規格や基油の種類により混合できない組合せがあり、指定品を使用する。特にグリコール系とシリコン系(DOT5)は混用不可。吸湿により沸点が下がるため、開封後の長期保管品は使用しない。
問42
二輪のバルブ・クリアランス点検を行う際の条件として適切なものは次のうちどれか。
  • 1バルブが開いている状態で行う
  • 2エンジンが十分に温まった状態で行う
  • ✔原則としてエンジンが冷えた状態で、圧縮上死点で行う
  • 4上死点であればどちらの行程でもよい
  • 5アイドリング中に行う
解説:【正解】3「原則としてエンジンが冷えた状態で、圧縮上死点で行う」 クリアランスは温度で変化するため、指定がない限り冷間時に測定する。また圧縮上死点では吸排気とも閉じてカムがバルブを押していないため、正しい測定が可能となる。排気上死点(オーバラップ)では測定できない。
問43
ドライブ・チェーンの遊びを調整した後に必ず確認すべき事項として適切なものは次のうちどれか。
  • 1バッテリ比重
  • 2タイヤの銘柄
  • ✔後輪のアライメント(左右のチェーン・アジャスタ位置)
  • 4エンジン・オイルの銘柄
  • 5ブレーキ液の色
解説:【正解】3「後輪のアライメント(左右のチェーン・アジャスタ位置)」 左右のアジャスタ位置がずれると後輪が斜めになり、直進性の悪化、タイヤとチェーン・スプロケットの偏摩耗を招く。目盛やメジャーで左右対称であることを確認し、アクスル・ナットを規定トルクで締める。
問44
二輪の圧縮圧力測定において、測定値が全体的に低い場合に考えられる原因として不適切なものは次のうちどれか。
  • 1ピストン・リングの摩耗
  • 2シリンダの摩耗
  • 3バルブ・クリアランスの過小によるバルブ密着不良
  • ✔ドライブ・チェーンの伸び
  • 5バルブ・シートの当たり不良
解説:【正解】4「ドライブ・チェーンの伸び」 圧縮圧力はシリンダの気密で決まるため、リング、シリンダ、バルブの密着状態が影響する。ドライブ・チェーンは動力伝達系であり圧縮圧力とは無関係である。

故障診断全144問中 4問を掲載

問45
エンジンは始動するがアイドリングが不安定な二輪車で、点検項目として優先度が低いものは次のうちどれか。
  • 1バルブ・クリアランス
  • 2二次エア(吸気系)の吸い込み
  • 3スロー系統の詰まり
  • 4気筒間の同調
  • ✔ドライブ・チェーンの遊び
解説:【正解】5「ドライブ・チェーンの遊び」 アイドリング不安定は混合気・点火・圧縮に関わる要因を優先して点検する。ドライブ・チェーンは動力伝達系であり、アイドリングの安定性には直接関係しない。
問46
エンジンが始動しない二輪車について、切り分けの手順として最も適切なものは次のうちどれか。
  • 1バッテリを交換して様子を見る
  • 2タイヤの空気圧から確認する
  • 3いきなりキャブレータを分解する
  • 4チェーンの張りから確認する
  • ✔燃料・点火・圧縮の3要素を順に確認して絞り込む
解説:【正解】5「燃料・点火・圧縮の3要素を順に確認して絞り込む」 始動不良は「良い混合気」「良い火花(適正時期)」「良い圧縮」の3要素のいずれかが欠けている。まず燃料が来ているか、プラグに火花が飛ぶか、圧縮があるかを順に確認し、範囲を絞ってから分解に進むのが効率的で確実である。
問47
エンジンは始動するが高回転まで吹け上がらない。原因として不適切なものは次のうちどれか。
  • 1燃料タンクのブリーザ(通気)の詰まり
  • 2メイン・ジェットの詰まり
  • 3エア・クリーナの詰まり
  • ✔チェーンの遊びが規定内であること
  • 5マフラの詰まり
解説:【正解】4「チェーンの遊びが規定内であること」 吹け上がり不良は吸気・燃料・排気のいずれかが制限されている可能性が高い。タンクの通気が詰まると内部が負圧になり燃料が落ちなくなる。チェーンの遊びが規定内であることは正常な状態であり、原因にはならない。
問48
始動不良でプラグを外したところ、電極が湿って燃料で濡れていた。最も考えられる原因は次のうちどれか。
  • 1タイヤの空気圧不足
  • 2圧縮圧力が高すぎる
  • 3エア・クリーナが清浄すぎる
  • ✔混合気が過濃、または点火不良により燃料が燃えていない
  • 5燃料が来ていない
解説:【正解】4「混合気が過濃、または点火不良により燃料が燃えていない」 プラグが濡れている(かぶっている)状態は燃料は供給されているが燃焼していないことを示す。点火系(火花の有無)を先に確認し、火花があれば混合気の過濃(チョーク、油面過高、エア・クリーナ詰まり)を疑う。

動弁装置全22問中 4問を掲載

問49
カムシャフト駆動方式のうち、二輪車で最も多く用いられているものは次のうちどれか。
  • 1直結式
  • 2プッシュ・ロッド式
  • 3ベルト式
  • ✔カム・チェーン式
  • 5ギヤ・トレーン式
解説:【正解】4「カム・チェーン式」 二輪では静粛性と信頼性、レイアウトの自由度からカム・チェーン(サイレント・チェーン)駆動が主流で、テンショナで張りを自動調整する。ギヤ・トレーンは高回転向けだが騒音とコストの面で採用は限られる。
問50
バルブ・クリアランスの調整方式のうち、シム式に関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1アジャスト・スクリュを回して調整する
  • ✔厚さの異なるシムを選択して交換し調整する
  • 3ロック・ナットのみで調整する
  • 4油圧で自動調整される
  • 5調整の必要がない
解説:【正解】2「厚さの異なるシムを選択して交換し調整する」 シム式(直押し式)はバルブ・リフタ上のシムを厚さの異なるものに交換してクリアランスを調整する。測定値と現状シム厚から必要なシム厚を計算する。ねじ式はアジャスト・スクリュとロック・ナットで調整する。
問51
DOHC方式がSOHC方式と比較して優れている点として適切なものは次のうちどれか.
  • 1構造が簡単で安価である
  • ✔バルブを直接またはごく短いロッカ・アームで駆動でき、高回転時の追従性に優れる
  • 3エンジン全高を低くできる
  • 4バルブ・クリアランス調整が不要である
  • 5部品点数が少ない
解説:【正解】2「バルブを直接またはごく短いロッカ・アームで駆動でき、高回転時の追従性に優れる」 DOHCは吸排気それぞれのカムシャフトでバルブをほぼ直接駆動するため動弁系の慣性が小さく高回転に適し、バルブ挟み角や配置の自由度も高い。反面、部品点数が増え全高も高くなる。
問52
バルブ・スプリングの自由長が規定値を下回っていた場合の対応として適切なものは次のうちどれか。
  • 1バルブ・クリアランスを大きくして対応する
  • 2そのまま使用してよい
  • 3シムを追加して補正する
  • ✔ばね力の低下によりバルブの追従性が悪化するため交換する
  • 5スプリングを引き伸ばして使用する
解説:【正解】4「ばね力の低下によりバルブの追従性が悪化するため交換する」 自由長の低下はばね力の低下を意味し、高回転時のサージングやバルブの追従不良、密着不良を招く。引き伸ばしての再使用は強度上認められず、規定値を下回るものは交換する。

排出ガス全10問中 4問を掲載

問53
二次空気導入装置(エア・インジェクション)の目的として適切なものは次のうちどれか。
  • 1NOxを還元する
  • 2吸気量を増やして出力を上げる
  • ✔排気ポートへ空気を送り未燃焼のHCとCOを酸化させる
  • 4排気音を小さくする
  • 5PMを捕集する
解説:【正解】3「排気ポートへ空気を送り未燃焼のHCとCOを酸化させる」 リード・バルブやソレノイド・バルブを介して排気ポート付近に新気を導入し、高温の排気中でHCとCOを再燃焼(酸化)させて低減する。触媒と併用されることが多い。
問54
二輪車の排気系に用いられる触媒に関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1浄化にあたり燃料を消費する
  • 2有鉛ガソリンでも性能は変わらない
  • 3低温でも十分な浄化性能を発揮する
  • 4排気の流量を制限することを目的とする
  • ✔一定温度以上に暖まって初めて浄化性能を発揮する
解説:【正解】5「一定温度以上に暖まって初めて浄化性能を発揮する」 触媒は活性化温度(概ね300℃前後以上)に達しないと十分な浄化ができないため、始動直後の排出ガスが問題となる。鉛やシリコン、リン等は触媒被毒を起こすため、無鉛ガソリンと適合オイルの使用が必須である。
問55
二輪車の排出ガス対策に関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1規制の対象外である
  • 2キャブレータのみで対応している
  • 3対策は行われていない
  • ✔触媒、二次空気導入、FIによる精密な空燃比制御などが組み合わされている
  • 5触媒は使用されない
解説:【正解】4「触媒、二次空気導入、FIによる精密な空燃比制御などが組み合わされている」 排出ガス規制の強化に伴い、二輪でもFI化と触媒の採用が標準となった。触媒は活性温度に達しないと浄化できないため、始動直後の対策も重要となる。
問56
二輪車の触媒の役割として適切なものは次のうちどれか。
  • 1排気を消音する
  • 2出力を高める
  • 3燃料を節約する
  • 4排気を冷却する
  • ✔排気中の有害成分を浄化する
解説:【正解】5「排気中の有害成分を浄化する」 活性温度に達しないと十分に浄化できないため、始動直後の対策も重要となる。無鉛ガソリンと適合オイルの使用が前提である。

吸排気装置全6問中 4問を掲載

問57
2サイクル・エンジンの排気デバイス(排気タイミング可変装置)の目的として適切なものは次のうちどれか。
  • 1冷却効率を上げる
  • 2排気ガスを浄化する
  • 3排気音を小さくする
  • ✔回転速度に応じて排気ポートの高さや排気管容積を変え、低中速から高速まで出力を確保する
  • 5燃料を節約するのみ
解説:【正解】4「回転速度に応じて排気ポートの高さや排気管容積を変え、低中速から高速まで出力を確保する」 2サイクルは排気ポートのタイミングと排気管の共鳴が出力特性を大きく左右する。回転速度に応じてポート上端の高さを変えたり排気室容積を切り替えることで、低中速のトルク落ち込みを補う。
問58
2サイクル・エンジンの排気チャンバ(膨張室)の作用として適切なものは次のうちどれか。
  • 1排気を絞って背圧を高めるのみである
  • 2排気を再循環させる
  • 3排気を冷却して密度を上げる
  • ✔排気の圧力波を反射させ、吹き抜けた新気を掃気ポート側へ押し戻す
  • 5排気を単に消音するだけである
解説:【正解】4「排気の圧力波を反射させ、吹き抜けた新気を掃気ポート側へ押し戻す」 膨張部で生じた負圧波が新気を吸い出し、収縮部(コンバージェント・コーン)で反射した正圧波が吹き抜けた新気を押し戻す。効果が得られる回転域は形状と長さで決まり、それが2サイクル特有の出力特性を生む。
問59
二輪のエア・クリーナ・エレメントの点検に関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1汚れても交換不要である
  • 2湿式はオイルを含ませない
  • ✔乾式は圧縮空気を内側から吹いて清掃し、破れがあれば交換する
  • 4乾式は水洗いして再使用する
  • 5点検は不要である
解説:【正解】3「乾式は圧縮空気を内側から吹いて清掃し、破れがあれば交換する」 乾式の紙エレメントを水洗いすると濾紙が損傷して濾過性能を失う。湿式はオイルの量が多すぎても少なすぎても不具合となる。
問60
二輪のエア・クリーナが詰まった場合に生じる現象として適切なものは次のうちどれか。
  • 1排気温度が下がる
  • 2混合気が薄くなる
  • 3影響はない
  • 4圧縮圧力が上がる
  • ✔吸入空気量が減り混合気が濃くなって出力低下と燃費悪化を招く
解説:【正解】5「吸入空気量が減り混合気が濃くなって出力低下と燃費悪化を招く」 特にキャブレータ車では濃くなる傾向が強く、プラグのくすぶりや黒煙の原因となる。使用環境に応じた清掃と交換が必要である。

計算全137問中 4問を掲載

問61
シリンダの内径62mm、行程41.4mmの単気筒エンジンの総排気量として最も近い値は次のうちどれか。
  • 1約180cm3
  • 2約150cm3
  • 3約100cm3
  • ✔約125cm3
  • 5約110cm3
解説:【正解】4「約125cm3」 行程容積=(π/4)×D²×L=0.785×6.2²×4.14=約125cm3。単気筒なのでこれがそのまま総排気量となる。125cm3を超えると法令上の車両区分が変わるため、ボア・ストロークの管理は重要である。
問62
行程容積が124cm3、燃焼室容積が12.4cm3のエンジンの圧縮比として適切なものは次のうちどれか。
  • 110.5:1
  • 212.0:1
  • ✔11.0:1
  • 49.0:1
  • 510.0:1
解説:【正解】3「11.0:1」 圧縮比=(124+12.4)÷12.4=136.4÷12.4=11.0。ヘッド面研やガスケット厚の変更は燃焼室容積を変えるため圧縮比が変化し、ノッキングやバルブ干渉の要因となる点に注意する。
問63
一次減速比3.0、1速の変速比3.0、二次減速比3.0の二輪車における1速の総減速比として適切なものは次のうちどれか。
  • ✔27.0
  • 23.0
  • 381.0
  • 418.0
  • 59.0
解説:【正解】1「27.0」 総減速比=一次減速比×変速比×二次減速比=3.0×3.0×3.0=27.0。二次減速比はドリブン・スプロケット歯数÷ドライブ・スプロケット歯数で求める。3つの積であることを忘れやすいので注意する。
問64
ドライブ・スプロケットが15歯、ドリブン・スプロケットが45歯のときの二次減速比として適切なものは次のうちどれか。
  • 14.5
  • 20.33
  • 32.0
  • ✔3.0
  • 51.5
解説:【正解】4「3.0」 二次減速比=ドリブン歯数÷ドライブ歯数=45÷15=3.0。ドリブン側の歯数を増やす(またはドライブ側を減らす)と減速比が大きくなり、加速は良くなるが最高速は下がる。

電子制御全17問中 4問を掲載

問65
二輪のFI車における吸気圧センサ(MAP)の役割として適切なものは次のうちどれか。
  • 1車速を検出する
  • ✔吸気管圧力を検出し、回転速度と合わせて吸入空気量を推定する
  • 3排気温度を検出する
  • 4燃料圧力を検出する
  • 5バンク角を検出する
解説:【正解】2「吸気管圧力を検出し、回転速度と合わせて吸入空気量を推定する」 小型二輪では速度密度方式(Dジェトロ)が多く、吸気管圧力とエンジン回転速度から吸入空気量を推定して基本噴射量を決める。これに吸気温、水温、スロットル開度、O2フィードバックの補正が加わる。
問66
二輪車に用いられるバンク角センサ(転倒検知センサ)の機能として適切なものは次のうちどれか。
  • ✔一定以上の傾きを検出し、燃料ポンプや点火を停止させる
  • 2方向指示器を自動で戻す
  • 3タイヤの空気圧を検出する
  • 4走行中の最適なバンク角を指示する
  • 5車速を検出する
解説:【正解】1「一定以上の傾きを検出し、燃料ポンプや点火を停止させる」 転倒時にエンジンが回り続けると燃料漏れによる火災や二次被害の危険があるため、一定以上の傾斜を検出すると燃料ポンプと点火を停止させる。整備で車体を大きく傾けると作動する場合があるため、手順を確認する。
問67
FI車でエンジン警告灯が点灯した場合の対応として最も適切なものは次のうちどれか。
  • ✔故障診断機または自己診断機能でDTCを読み取り、該当系統を点検する
  • 2バッテリを外してDTCを消去し様子を見る
  • 3チェーンを調整する
  • 4燃料を入れ替える
  • 5直ちにECUを交換する
解説:【正解】1「故障診断機または自己診断機能でDTCを読み取り、該当系統を点検する」 まずDTCを読み取り、どの系統に異常が検出されたかを把握する。DTCは原因部品を特定するものではないため、配線・コネクタ・電源・アース・アクチュエータの実作動を順に点検する。安易な消去は診断情報を失わせる。
問68
二輪のアイドル・スピード・コントロール(ISC)機構の役割として適切なものは次のうちどれか。
  • 1燃料圧力を制御する
  • 2排気バルブを制御する
  • 3変速比を制御する
  • ✔スロットル・バルブを迂回する空気量を制御し、アイドル回転速度を目標値に保つ
  • 5点火時期を制御する
解説:【正解】4「スロットル・バルブを迂回する空気量を制御し、アイドル回転速度を目標値に保つ」 ISCはバイパス通路の空気量をステップ・モータやソレノイドで調整し、冷間時の増速や電気負荷による回転低下を補正して目標アイドル回転を維持する。通路のカーボン堆積は不安定なアイドリングの原因となる。

車体全13問中 4問を掲載

問69
二輪車のフレーム形式のうち、ダイヤモンド型に関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1エンジン下部までフレームが回り込んでいる
  • 2フレームを持たない構造である
  • ✔エンジンをフレームの一部(強度部材)として利用する
  • 4スクータ専用の形式である
  • 5板ばねで構成される
解説:【正解】3「エンジンをフレームの一部(強度部材)として利用する」 ダイヤモンド型はエンジン下部のダウン・チューブを省き、エンジン自体を強度部材として利用する形式で、軽量化と整備性に優れる。ダブル・クレードル型はエンジンを囲むように左右のパイプが回り込む形式である。
問70
二輪車のフレームの役割として適切なものは次のうちどれか。
  • 1動力を発生する
  • 2燃料を貯蔵する
  • 3電気を発生する
  • ✔エンジンや各装置を支持し、走行時の荷重と力を受け止める骨格となる
  • 5制動力を発生する
解説:【正解】4「エンジンや各装置を支持し、走行時の荷重と力を受け止める骨格となる」 剛性が操縦安定性を大きく左右する。転倒や衝突後は曲がりや亀裂の有無を確認し、損傷があれば修理の可否をメーカ基準で判断する。
問71
ダブル・クレードル型フレームの特徴として適切なものは次のうちどれか。
  • 1フレームを持たない構造である
  • 2スクータ専用の形式である
  • 3エンジンを強度部材として利用する
  • ✔左右のパイプがエンジンを囲むように回り込み、剛性を確保しやすい
  • 5板ばねで構成される
解説:【正解】4「左右のパイプがエンジンを囲むように回り込み、剛性を確保しやすい」 エンジン下部までパイプが回り込む形式である。ダイヤモンド型はダウン・チューブを省きエンジンを強度部材として利用し、軽量化と整備性に優れる。
問72
二輪車のシートやキャリアの取付けを点検する理由として適切なものは次のうちどれか。
  • 1理由はない
  • 2排気のため
  • ✔走行中の脱落や積載物の落下を防ぐため
  • 4冷却のため
  • 5燃費のため
解説:【正解】3「走行中の脱落や積載物の落下を防ぐため」 振動を受け続けるため取付けボルトが緩みやすい。積載装置には積載重量の制限があり、超過は走行安定性を著しく損なう。

環境全16問中 4問を掲載

問73
二輪車の整備で発生する廃棄物の取扱いとして適切なものは次のうちどれか。
  • 1廃バッテリは一般ごみとして出す
  • 2廃油は下水に流す
  • 3分別は不要である
  • ✔廃油・廃バッテリ・廃タイヤ等は分別し、法令に従い適正に処理する
  • 5廃タイヤは焼却してよい
解説:【正解】4「廃油・廃バッテリ・廃タイヤ等は分別し、法令に従い適正に処理する」 廃油、廃バッテリ、廃タイヤなどは産業廃棄物として分別・適正保管し、許可を受けた業者へ委託して処理する。鉛バッテリは有害物質を含むため特に適正な回収ルートに乗せる必要がある。
問74
二輪車の廃バッテリの処理に関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1焼却する
  • ✔鉛や電解液を含むため、適正な回収ルートに乗せて処理する
  • 3電解液を流して本体を捨てる
  • 4一般ごみとして廃棄する
  • 5埋めて処理する
解説:【正解】2「鉛や電解液を含むため、適正な回収ルートに乗せて処理する」 鉛バッテリは鉛と希硫酸を含み、不適正な処理は環境汚染につながる。販売店や許可を受けた業者による回収・リサイクルに委ねる。取扱い時は電解液による薬傷と短絡に注意する。
問75
二輪車の騒音低減に関する助言として不適切なものは次のうちどれか。
  • 1基準に適合した消音器を使用する
  • 2消音器の劣化や破損を点検する
  • ✔音が大きい方が周囲に気づかれ安全なので有効である
  • 4住宅地では早朝・深夜の走行に配慮する
  • 5不要な空ぶかしを避ける
解説:【正解】3「音が大きい方が周囲に気づかれ安全なので有効である」 騒音は近隣への迷惑となり、基準を超える消音器の使用は法令違反である。安全は灯火や反射材、適切な運転で確保すべきであり、騒音で代替できるものではない。
問76
次のうち、二輪車の整備における環境配慮として適切でないものはどれか。
  • 1基準に適合した消音器を使用する
  • ✔廃油は少量なら排水口に流してよい
  • 3洗浄剤や部品洗浄液を適切に管理する
  • 4廃油・廃バッテリ・廃タイヤを分別し適正に処理する
  • 5不要なアイドリングを避ける
解説:【正解】2「廃油は少量なら排水口に流してよい」 廃油は産業廃棄物であり、少量であっても排水口や地面に流してはならない。分別保管して許可業者へ委託し、マニフェストで処理を確認する。事業場としての管理体制も求められる。

測定全23問中 4問を掲載

問77
二輪整備で使用するマイクロメータに関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1測定力の管理は不要である
  • ✔最小読取値は一般に0.01mmで、使用前にゼロ点を確認する
  • 3校正は不要である
  • 4最小読取値は0.1mmである
  • 5内径専用の測定器である
解説:【正解】2「最小読取値は一般に0.01mmで、使用前にゼロ点を確認する」 マイクロメータは0.01mm単位で外径や厚さを測定する。使用前に基準棒やゼロ点で確認し、ラチェット・ストップで一定の測定力を保つ。ピストン外径、シャフト外径、ディスク厚さなどの測定に用いる。
問78
ブレーキ・ディスクの厚さを測定する際の注意点として適切なものは次のうちどれか。
  • 1ノギスで十分である
  • 2目視で判断できる
  • ✔複数箇所で測定し、最小値を使用限度と比較するとともに厚さのばらつきも確認する
  • 41か所測ればよい
  • 5最大値だけを見る
解説:【正解】3「複数箇所で測定し、最小値を使用限度と比較するとともに厚さのばらつきも確認する」 パッドの当たり面は不均一に摩耗するため、円周方向の複数箇所で測定する。最小値が使用限度を下回れば交換となる。厚さのばらつきは制動時の脈動の原因となるため併せて確認する。
問79
ピストン・リングのサイド・クリアランス(リング溝すき間)の測定方法として適切なものは次のうちどれか。
  • 1目視で判断する
  • 2シリンダ内に入れて合口を測定する
  • 3マイクロメータでリング厚さを測る
  • ✔リングを溝に入れ、シックネス・ゲージで溝との上下すき間を測定する
  • 5ノギスで溝幅を測る
解説:【正解】4「リングを溝に入れ、シックネス・ゲージで溝との上下すき間を測定する」 リングを溝にはめた状態でシックネス・ゲージを差し込み、上下方向のすき間を測る。過大だとリングのばたつきによる圧縮漏れとオイル消費増を招く。合口すき間はシリンダ内に挿入して別に測定する。
問80
スプリングの自由長を測定する目的として適切なものは次のうちどれか。
  • 1線径を求めるため
  • 2巻き数を数えるため
  • 3材質を判定するため
  • 4ばね定数を求めるため
  • ✔へたり(ばね力の低下)を判定し、交換の要否を決めるため
解説:【正解】5「へたり(ばね力の低下)を判定し、交換の要否を決めるため」 スプリングは繰り返し荷重で徐々に縮み、ばね力が低下する。自由長が使用限度を下回るものは交換する。クラッチ・スプリングやバルブ・スプリングでは、へたりが滑りや追従不良の直接原因となる。

材料全5問中 4問を掲載

問81
二輪車のフレームにアルミニウム合金が用いられる主な理由として適切なものは次のうちどれか。
  • ✔軽量で、断面形状の工夫により必要な剛性を確保できるため
  • 2鋼より安価であるため
  • 3溶接が容易であるため
  • 4腐食が全く起きないため
  • 5鋼より強度が高いため
解説:【正解】1「軽量で、断面形状の工夫により必要な剛性を確保できるため」 アルミは比重が鋼の約1/3で、断面を大きく取ることで軽量かつ高剛性のフレームを構成できる。ただし材料単価は高く、溶接後の熱処理管理も必要となる。損傷時は溶接修理が制限される場合がある。
問82
二輪車のブレーキ・ディスクにステンレス鋼が多く用いられる理由として適切なものは次のうちどれか。
  • 1熱伝導率が最も高いから
  • 2最も軽量だから
  • ✔露出して使用されるため耐食性が求められるから
  • 4加工が最も容易だから
  • 5摩擦係数が最も高いから
解説:【正解】3「露出して使用されるため耐食性が求められるから」 二輪のディスクは常に外気にさらされるため、雨や洗車による発錆を避ける必要があり耐食性のあるステンレス鋼が用いられる。放熱のためのフローティング構造や穴あき加工も併用される。
問83
二輪車のマフラにステンレス鋼が用いられる理由として適切なものは次のうちどれか。
  • ✔露出して高温と水分にさらされるため耐食性が求められるから
  • 2軽量だから
  • 3熱伝導が良いから
  • 4加工が容易だから
  • 5電気を通すから
解説:【正解】1「露出して高温と水分にさらされるため耐食性が求められるから」 排気中の水分と外部からの水にさらされ腐食しやすい。内部の腐食は外観からは分かりにくいため、打音や排気漏れも確認する。
問84
ブレーキ・パッドの摩擦材に求められる性質として適切でないものは次のうちどれか。
  • 1安定した摩擦係数を保つこと
  • 2制動時の鳴きが少ないこと
  • 3耐熱性があること
  • ✔水分をよく吸収すること
  • 5ディスクを過度に摩耗させないこと
解説:【正解】4「水分をよく吸収すること」 水分の吸収は制動力の低下を招く。摩擦材は温度が上がっても摩擦係数が安定していることが重要で、これが不足するとフェードとなる。

総合全84問中 4問を掲載

問85
次のうち、2サイクル・エンジンの特徴として適切でないものはどれか。
  • 1掃気時に新気の吹き抜けが生じHCが多くなりやすい
  • 2同排気量で出力を大きくしやすい
  • 3クランク1回転で1サイクルを完了する
  • ✔4サイクルより燃料消費率が優れる
  • 5動弁機構が不要で構造が簡単である
解説:【正解】4「4サイクルより燃料消費率が優れる」 2サイクルは新気の吹き抜け(ショート・サーキット)があるため燃料消費率は4サイクルに劣る。潤滑油も消費し排出ガス規制への対応が難しいことから、現在の新型車ではほとんど採用されていない。
問86
次のうち、二輪車のブレーキ・フィーリングが「スポンジのように柔らかい」場合の原因として適切なものはどれか。
  • 1パッドの摩耗のみ
  • 2ディスクの振れ
  • 3チェーンの伸び
  • 4タイヤの空気圧不足
  • ✔液系統へのエア混入やホースの膨張
解説:【正解】5「液系統へのエア混入やホースの膨張」 液は圧縮されないが空気は圧縮されるため、エアが混入すると握り込んでも圧力が伝わらない。ゴム・ホースの経年膨張やマスタ・シリンダのカップ不良でも同様の症状となる。ディスクの振れは脈動として現れる。
問87
次のうち、二輪車の操縦安定性に影響する要素の組合せとして最も適切なものはどれか。
  • 1マフラの音量・シートの色・ミラーの形状
  • 2燃料の銘柄・オイルの色・灯火の明るさ
  • 3バッテリ容量・ヒューズ容量・配線の色
  • 4冷却水の量・オイルの量・燃料の残量
  • ✔キャスタ角・トレール・ホイールベース・重心位置・タイヤの状態
解説:【正解】5「キャスタ角・トレール・ホイールベース・重心位置・タイヤの状態」 二輪の操縦特性は車体ジオメトリ、質量配分、タイヤ特性で決まる。フォークの突き出しやプリロード、タイヤの銘柄や空気圧の変更はこれらに影響するため、変更時は挙動の変化に注意が必要である。
問88
次のうち、二輪車の湿式クラッチが滑る原因として適切でないものはどれか。
  • 1摩擦調整剤を多く含む省燃費型4輪用オイルの使用
  • 2フリクション・プレートの摩耗
  • 3レバーの遊びが不足し半クラッチ状態が続いている
  • ✔レバーの遊びが過大であること
  • 5クラッチ・スプリングのへたり
解説:【正解】4「レバーの遊びが過大であること」 遊びが過大な場合はクラッチが切れにくくなる方向の不具合であり、滑りの原因ではない。滑りはプレート摩耗、スプリングのへたり、不適合オイル、遊び不足による常時圧着不良で生じる。

電動化全7問中 4問を掲載

問89
電動二輪車に関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1整備手順は従来車と全く同じである
  • 2高電圧系は存在しない
  • 3回生は行わない
  • ✔駆動用バッテリとモータ、制御装置を持ち、高電圧系の作業には所定の知識と手順が必要な車種がある
  • 5内燃機関を搭載している
解説:【正解】4「駆動用バッテリとモータ、制御装置を持ち、高電圧系の作業には所定の知識と手順が必要な車種がある」 電圧は車種により幅があるが、感電や短絡の危険があるため必ずメーカ指定の手順に従う。駆動用バッテリの取扱いと保管にも規定がある。
問90
電動二輪車の回生ブレーキに関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1摩擦ブレーキを不要にする
  • ✔減速時にモータを発電機として作用させ、運動エネルギを電力として回収する
  • 3常に一定の制動力が得られる
  • 4高速域でのみ作動する
  • 5バッテリが満充電でも同じ量を回生できる
解説:【正解】2「減速時にモータを発電機として作用させ、運動エネルギを電力として回収する」 バッテリの充電状態や車速により回生量が変化するため、摩擦ブレーキと併用する。回生の効きが変わることを運転者に説明しておくとよい。
問91
電動二輪車の駆動用バッテリの取扱いとして不適切なものは次のうちどれか。
  • 1水濡れや端子の短絡を避ける
  • 2損傷したものは発熱・再発火のおそれがあるため指定手順で扱う
  • ✔損傷していても一般ごみとして廃棄してよい
  • 4落下や強い衝撃を避ける
  • 5保管や運搬にも規定がある
解説:【正解】3「損傷していても一般ごみとして廃棄してよい」 リチウムイオン電池は損傷により発熱や発火のおそれがある。指定のルートで回収・処理し、保管場所や運搬方法も規定に従う。
問92
電動二輪車のモータに関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • ✔始動時から大きなトルクを発生でき、変速機を持たない車種もある
  • 2エンジンと同じ特性である
  • 3必ず変速機が必要である
  • 4低速でトルクが出ない
  • 5回転方向を変えられない
解説:【正解】1「始動時から大きなトルクを発生でき、変速機を持たない車種もある」 モータは低回転から高いトルクを発生するため、単純な減速機だけで駆動できる車種が多い。回生ブレーキも併用される。

操縦装置全8問中 4問を掲載

問93
ステアリング・ステムの役割として適切なものは次のうちどれか。
  • 1制動力を発生する
  • 2動力を伝える
  • ✔フロント・フォークを車体に支持し、操舵の回転軸となる
  • 4電気を発生する
  • 5燃料を送る
解説:【正解】3「フロント・フォークを車体に支持し、操舵の回転軸となる」 ベアリングの予圧が過大だと引っ掛かり、緩いとがたによる振れが生じる。規定トルクでの調整が重要である。
問94
二輪車の操舵に関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1車体を傾けずに旋回する
  • 2操舵は後輪が担う
  • ✔ハンドルの操作に加え、車体を傾けることで旋回する
  • 4操舵は前輪のみで完結する
  • 5ハンドル操作のみで旋回する
解説:【正解】3「ハンドルの操作に加え、車体を傾けることで旋回する」 二輪はバンクによる旋回が基本であり、キャスタ角、トレール、重心位置、タイヤ特性が操縦特性を決める。
問95
ステアリング・ダンパの役割として適切なものは次のうちどれか。
  • ✔ステアリングの急激な振れ(キックバックやシミー)を減衰させる
  • 2操舵力を軽くする
  • 3トレールを変える
  • 4車高を変える
  • 5制動力を発生する
解説:【正解】1「ステアリングの急激な振れ(キックバックやシミー)を減衰させる」 オイルの流れ抵抗で減衰力を得る。減衰が強すぎると低速での取り回しが重くなるため、調整式では用途に応じて設定する。
問96
スロットル・グリップの点検で確認すべき事項として適切でないものは次のうちどれか。
  • 1ハンドルを切っても回転が変化しないこと
  • 2ケーブルの取り回しと干渉
  • ✔グリップの色
  • 4遊びの量
  • 5全開から確実に戻ること
解説:【正解】3「グリップの色」 スロットルが戻らない状態は加速したまま制御を失う危険がある。ケーブルの固着や取り回しの不良を重点的に確認する。

安全作業全9問中 4問を掲載

問97
二輪車の整備における安全確保として適切でないものは次のうちどれか。
  • ✔短時間なら支持を省略してよい
  • 2燃料を扱う作業は火気を厳禁とする
  • 3車体を確実に支持する
  • 4高温部や回転部に触れない
  • 5エンジン運転を伴う作業は換気の良い場所で行う
解説:【正解】1「短時間なら支持を省略してよい」 短時間であっても支持が不十分な状態は転倒の危険がある。二輪は自立しないため、確実な支持が整備の前提となる。
問98
二輪車を整備する際の保護具に関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1素手が最も作業しやすいので常に素手でよい
  • ✔作業内容に応じて手袋・保護めがね・耐熱手袋などを使い分ける
  • 31種類あれば十分である
  • 4保護具は見た目の問題である
  • 5保護具は不要である
解説:【正解】2「作業内容に応じて手袋・保護めがね・耐熱手袋などを使い分ける」 燃料や薬剤、高温部、回転部、飛散物など危険の種類が異なる。作業に応じた保護具の選択が事故防止につながる。
問99
二輪車のエンジン運転を伴う作業での注意事項として適切なものは次のうちどれか。
  • 1回転部に触れて確認する
  • 2注意は不要である
  • ✔換気を確保し、回転部や高温部に触れず、車体を確実に支持する
  • 4密閉した場所で行う
  • 5支持は不要である
解説:【正解】3「換気を確保し、回転部や高温部に触れず、車体を確実に支持する」 一酸化炭素中毒、やけど、巻き込み、転倒という複数の危険がある。特に二輪は自立しないため支持の確実さが前提となる。
問100
燃料を扱う作業における安全確保として適切でないものは次のうちどれか。
  • 1消火器を近くに用意する
  • 2火気を厳禁とする
  • 3換気を確保する
  • 4こぼれた燃料を拭き取る
  • ✔作業効率のため喫煙しながら行う
解説:【正解】5「作業効率のため喫煙しながら行う」 燃料の蒸気は引火性が極めて高く、低い位置に滞留する。静電気による着火も起こりうるため、火気厳禁を徹底する。