分野別問題:薬理・薬剤

薬剤師|薬理・薬剤

最終更新:2026年8月11日

薬剤師の薬理・薬剤分野を集中的に演習します。

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薬理学

問1
アゴニストの説明として正しいのはどれか。
  • ✔受容体に結合して生体反応を引き起こす
  • 2受容体に結合するが反応を引き起こさない
  • 3受容体に結合しない
  • 4酵素を直接阻害する
  • 5イオンチャネルを閉鎖するのみ
解説:アゴニスト(作動薬)は受容体に結合し、内因性リガンドと同様の生体反応を引き起こす薬物。
問2
競合的アンタゴニストの特徴として正しいのはどれか。
  • ✔用量反応曲線を右方移動させ最大反応は変化しない
  • 2最大反応を低下させる
  • 3受容体に不可逆的に結合する
  • 4アゴニスト濃度を上げても拮抗できない
  • 5用量反応曲線を左方移動させる
解説:競合的アンタゴニストはアゴニストと同じ受容体を競合し、用量反応曲線は右方移動するが最大反応は変化しない。
問3
Gタンパク質共役型受容体(GPCR)のセカンドメッセンジャーとして正しいのはどれか。
  • ✔cAMP
  • 2mRNA
  • 3DNA
  • 4リボソーム
  • 5ミトコンドリア
解説:GPCRはアデニル酸シクラーゼを活性化しcAMPを産生する。cAMPはプロテインキナーゼAを活性化し細胞内応答を引き起こす。
問4
治療指数(TI)の計算式として正しいのはどれか。
  • ✔TI = LD50 / ED50
  • 2TI = ED50 / LD50
  • 3TI = Vd / CL
  • 4TI = t1/2 × ke
  • 5TI = F × Dose / AUC
解説:TI = LD50/ED50。TIが大きいほど安全域が広い。
問5
部分アゴニストの特徴として正しいのはどれか。
  • ✔受容体への親和性はあるが最大効果が完全アゴニストより低い
  • 2受容体に結合しない
  • 3アンタゴニストと同じ効果のみ
  • 4用量に関係なく効果が一定
  • 5常に毒性を示す
解説:部分アゴニストは内因活性が1未満のため最大効果が完全アゴニストより低い。ブプレノルフィンが代表例。
問6
アトロピンの薬理作用はどれか。
  • ✔ムスカリン受容体を遮断する
  • 2ニコチン受容体を遮断する
  • 3α受容体を遮断する
  • 4β受容体を遮断する
  • 5ドパミン受容体を遮断する
解説:アトロピンは抗コリン薬で、ムスカリン受容体を競合的に遮断する。
問7
プロプラノロールが属する薬物分類はどれか。
  • ✔β遮断薬
  • 2α遮断薬
  • 3Ca拮抗薬
  • 4ACE阻害薬
  • 5利尿薬
解説:プロプラノロールは非選択的β遮断薬。
問8
ネオスチグミンの作用機序はどれか。
  • ✔コリンエステラーゼを阻害しアセチルコリン作用を増強
  • 2ムスカリン受容体を遮断する
  • 3α受容体を遮断する
  • 4β受容体を刺激する
  • 5ノルアドレナリン再取り込みを阻害する
解説:ネオスチグミンはコリンエステラーゼ阻害薬。重症筋無力症の治療に使用。

薬剤学

問1
腸溶錠の特徴として正しいのはどれか。
  • ✔胃で溶けず小腸で溶解する
  • 2口腔内で速やかに溶ける
  • 3水なしで服用できる
  • 4吸収速度が非常に遅い
  • 5直腸に投与する
解説:腸溶錠はpH感応性高分子でコーティングされ小腸で溶解する。
問2
固形製剤に添加する崩壊剤の役割として正しいのはどれか。
  • ✔水分を吸収・膨潤して錠剤を崩壊させ薬物の溶出を助ける
  • 2錠剤を固める
  • 3流動性を改善する
  • 4光から保護する
  • 5錠剤の色をつける
解説:崩壊剤は水分吸収で膨潤し錠剤を崩壊させる。
問3
固体分散体の主な目的はどれか。
  • ✔難溶性薬物の溶解性・バイオアベイラビリティを改善する
  • 2放出を遅延させる
  • 3腸溶性を付与する
  • 4安定性を低下させる
  • 5粒子径を増大させる
解説:固体分散体では難溶性薬物をポリマー中に非晶質分散させ溶解性を改善する。
問4
経口薬が全身循環に達する前に肝臓で代謝される現象をなんというか。
  • ✔初回通過効果
  • 2分布容積
  • 3タンパク結合
  • 4腎クリアランス
  • 5生物学的利用能
解説:初回通過効果は門脈→肝臓を通る際に薬物が代謝される現象。
問5
薬物のタンパク結合率が高いほどどうなるか。
  • ✔遊離型薬物が少なく作用・排泄が低下する
  • 2作用が増強される
  • 3腎排泄が促進される
  • 4血中濃度が下がる
  • 5分布容積が大きくなる
解説:タンパク結合率が高いと遊離型が少なく作用が弱くなる傾向。
問6
一次速度論に従う薬物の消失半減期の計算式はどれか。
  • ✔t1/2 = 0.693/ke
  • 2t1/2 = Vd/CL
  • 3t1/2 = AUC×CL
  • 4t1/2 = F×Dose/AUC
  • 5t1/2 = ke×Vd
解説:一次速度論ではt1/2 = 0.693/ke。5半減期で定常状態に達する。
問7
CYP3A4の誘導薬として最も代表的なのはどれか。
  • ✔リファンピシン
  • 2グレープフルーツジュース
  • 3エリスロマイシン
  • 4ケトコナゾール
  • 5バルプロ酸
解説:リファンピシンはCYP3A4の強力な誘導薬。
問8
P糖タンパク質(P-gp)について正しいのはどれか。
  • ✔腸管上皮等に発現するABC輸送体で薬物を管腔側へ排出し吸収を制限する
  • 2薬物の細胞内取り込みを促進する
  • 3タンパク結合を介して輸送する
  • 4核内受容体の一種
  • 5CYP3A4と全く無関係
解説:P-gpは薬物を内側から外側へ排出するABCトランスポーター。

薬物治療学

問1
肺炎球菌肺炎の第一選択薬はどれか。
  • ✔アモキシシリン
  • 2バンコマイシン
  • 3ゲンタマイシン
  • 4アジスロマイシン
  • 5シプロフロキサシン
解説:感受性肺炎球菌肺炎の第一選択はβ-ラクタム系。
問2
結核の標準治療(初回治療)として正しいのはどれか。
  • ✔HRZE 2ヶ月+HR 4ヶ月
  • 2ペニシリン単剤6ヶ月
  • 3レボフロキサシン単剤3ヶ月
  • 4バンコマイシン6ヶ月
  • 5キノロン単剤6ヶ月
解説:結核標準療法は4剤併用2ヶ月+2剤4ヶ月の計6ヶ月。
問3
CDI(偽膜性腸炎)の治療に使用される薬物として正しいのはどれか。
  • ✔バンコマイシン経口またはフィダキソマイシン
  • 2静注バンコマイシン
  • 3アンピシリン
  • 4セフトリアキソン
  • 5アジスロマイシン
解説:CDI治療は腸管内腔に作用する薬物が必要。中等症〜重症は経口バンコマイシン。
問4
CRE感染症の治療に使用される薬物として正しいのはどれか。
  • ✔セフタジジム-アビバクタム
  • 2アンピシリン
  • 3セファゾリン
  • 4バンコマイシン
  • 5アジスロマイシン
解説:CREにはセフタジジム-アビバクタムが適応。コリスチンも使用されるが腎毒性が問題。
問5
高血圧治療の第一選択として推奨されている薬物群はどれか。
  • ✔Ca拮抗薬・ARB・ACE阻害薬・利尿薬
  • 2β遮断薬のみ
  • 3α1遮断薬のみ
  • 4中枢性降圧薬のみ
  • 5硝酸薬のみ
解説:Ca拮抗薬・ARB/ACEI・利尿薬が第一選択。
問6
慢性心不全(HFrEF)の予後改善薬として推奨されるのはどれか。
  • ✔ACE阻害薬/ARB・β遮断薬・MRA・SGLT2阻害薬
  • 2ジゴキシン単剤
  • 3硝酸薬単剤
  • 4Ca拮抗薬単剤
  • 5フロセミド単剤
解説:HFrEF四本柱はACEI/ARB/ARNI・β遮断薬・MRA・SGLT2阻害薬。
問7
心不全にβ遮断薬を開始する際の原則として正しいのはどれか。
  • ✔少量から開始し慎重に漸増する
  • 2最大量から開始する
  • 3急性心不全増悪期に直ちに開始する
  • 4腎機能障害では禁忌
  • 5β1選択性は関係ない
解説:β遮断薬は少量から開始し4-8週ごとに漸増する(start low, go slow)。
問8
2型糖尿病の第一選択経口薬はどれか。
  • ✔メトホルミン
  • 2スルホニルウレア
  • 3インスリン
  • 4αグルコシダーゼ阻害薬
  • 5SGLT2阻害薬
解説:メトホルミンは安全性・有効性・コスト面で優れ2型DM第一選択。

法規・倫理

問1
医薬品の製造販売承認申請先はどこか。
  • ✔厚生労働大臣
  • 2都道府県知事
  • 3内閣総理大臣
  • 4PMDAのみ
  • 5保健所長
解説:医薬品の製造販売承認は厚生労働大臣が行う。
問2
OTC第一類医薬品の販売に必要な専門家はどれか。
  • ✔薬剤師
  • 2登録販売者
  • 3医師
  • 4看護師
  • 5薬学生
解説:第一類医薬品は薬剤師のみが販売可能。情報提供が義務。
問3
後発医薬品の承認に必要な試験として正しいのはどれか。
  • ✔生物学的同等性試験
  • 2第Ⅰ相〜第Ⅲ相臨床試験
  • 3新規毒性試験
  • 4新規薬理試験
  • 5製造コスト試験
解説:ジェネリックの承認には先発品との生物学的同等性の証明が必要。
問4
医薬品リスク管理計画(RMP)の主な目的はどれか。
  • ✔承認後の安全性情報収集・リスク最小化措置を計画的に実施する
  • 2製造コストを管理する
  • 3薬剤師教育を計画する
  • 4市販前臨床試験を管理する
  • 5原材料調達を管理する
解説:RMPは重要なリスクに対して安全性監視活動とリスク最小化活動を計画する。
問5
薬局開設に必要な許可を与えるのは誰か。
  • ✔都道府県知事
  • 2厚生労働大臣
  • 3内閣総理大臣
  • 4保健所長
  • 5医師会
解説:薬局の開設許可は薬機法により都道府県知事が付与する。
問6
麻薬の保管方法として正しいのはどれか。
  • ✔鍵のかかる堅固な設備に他の薬品と区別して保管
  • 2通常の薬品棚で保管可
  • 3冷蔵庫に保管すれば施錠不要
  • 4向精神薬と一緒に保管可
  • 5医師と薬剤師で共同保管
解説:麻薬は麻薬専用保管庫に他の薬品と区別して保管することが義務。
問7
麻薬処方箋の有効期限として正しいのはどれか。
  • ✔発行の日を含めて7日以内
  • 230日以内
  • 3処方日より14日以内
  • 4制限なし
  • 560日以内
解説:麻薬処方箋の有効期限は「発行の日を含めて7日以内」と規定。
問8
麻薬処方箋の記載事項として誤っているのはどれか。
  • ✔医師の免許証番号(正しくは麻薬施用者免許証番号)
  • 2患者の氏名・住所
  • 3麻薬の品名・分量
  • 4麻薬施用者免許証の番号
  • 5発行年月日
解説:麻薬施用者免許証番号が必要。医師免許証番号ではない。

化学系

問1
不斉炭素(キラル中心)の定義として正しいのはどれか。
  • ✔4種類の異なる置換基が結合したsp3炭素
  • 2二重結合炭素
  • 3芳香族炭素
  • 4カルボニル炭素
  • 5ハロゲン炭素
解説:不斉炭素は4種類の異なる置換基を持つsp3炭素。
問2
カルボン酸の水溶液中での性質として正しいのはどれか。
  • ✔弱酸性(pKa約4-5)を示す
  • 2強酸性
  • 3塩基性を示す
  • 4中性
  • 5水に不溶
解説:脂肪族カルボン酸のpKaは約4〜5。酢酸(pKa=4.76)が代表例。
問3
アミド結合の特徴として正しいのはどれか。
  • ✔共鳴によりCN結合に部分二重結合性があり回転障壁が高い
  • 2単純なC-N単結合で自由回転する
  • 3酸性条件でのみ加水分解される
  • 4生体内では絶対に加水分解されない
  • 5高温でのみ存在できる
解説:アミド結合は共鳴により一部二重結合性を持ちC-N回転が制限される。
問4
医薬品の立体異性体について正しいのはどれか。
  • ✔R体とS体では薬理活性・毒性が異なることがある
  • 2エナンチオマーは化学的性質が全く同じ
  • 3ジアステレオマーは融点が同じ
  • 4ラセミ体は光学活性を示す
  • 5CIP順位規則はmol質量のみで決定
解説:R/S体は生体の受容体では識別される。一方が毒性を示すことがある。
問5
ベンゼン環のo-/p-配向性を示す置換基として正しいのはどれか。
  • ✔電子供与基(-NH2、-OH、-OCH3等)
  • 2電子求引基(-NO2、-CN等)
  • 3ハロゲンはm-配向
  • 4全ての置換基はo-/p-配向
  • 5炭化水素基はm-配向
解説:電子供与基はベンゼン環を電子豊富にしo-/p-配向する。
問6
医薬品のO-脱メチル化反応について正しいのはどれか。
  • ✔CYPによりO-メチル基が水酸基に変換される(フェーズI反応)
  • 2UGTが触媒する
  • 3フェーズII反応
  • 4水素化により起こる
  • 5酸加水分解で起こる
解説:コデイン→モルヒネ(CYP2D6)が代表例。
問7
HPLC逆相カラムで使用する移動相として適切なのはどれか。
  • ✔水とアセトニトリルの混合溶媒
  • 2ヘキサンとエーテルの混合溶媒
  • 3純水のみ
  • 4純有機溶媒のみ
  • 5塩酸水溶液のみ
解説:逆相HPLCでは極性の高い移動相を使用する。
問8
フェノールフタレインの変色域として正しいのはどれか。
  • ✔pH 8.2〜10.0(無色→赤色)
  • 2pH 3.1〜4.4
  • 3pH 6.0〜7.6
  • 4pH 12〜14
  • 5pH 0〜2
解説:フェノールフタレインはpH 8.2以下で無色、pH 10以上で赤色。

実務

問1
患者の理解度を確認する最も効果的な方法はどれか。
  • ✔ティーチバック(患者に自分の言葉で説明してもらう)
  • 2説明文書を渡すだけ
  • 3はい・いいえで答えられる質問のみ
  • 4服薬の必要性を繰り返す
  • 5数値データを多く提示する
解説:ティーチバックは理解度確認に最も効果的な方法。
問2
ワルファリン服用患者への食事指導として最も重要なのはどれか。
  • ✔ビタミンKを多く含む食品の急激な増減を避ける
  • 2水分摂取制限
  • 3カフェインを避ける
  • 4塩分を制限する
  • 5高タンパク食を避ける
解説:ビタミンK摂取量の変動はPT-INRに影響する。納豆は特に影響が大きい。
問3
テオフィリン服用患者が喫煙を突然やめた場合の注意点はどれか。
  • ✔テオフィリン代謝が低下し血中濃度が上昇して毒性リスクが増す
  • 2テオフィリン効果が減弱する
  • 3相互作用は生じない
  • 4テオフィリンの吸収が低下する
  • 5テオフィリンの排泄が促進される
解説:喫煙はCYP1A2を誘導。禁煙で代謝低下→血中濃度上昇。
問4
抗菌薬を症状改善後に中止してよいかとの質問への適切な対応はどれか。
  • ✔処方された期間は服用継続するよう指導する
  • 2すぐに中止してよい
  • 3医師に相談してから判断
  • 4残薬は次回のために保管
  • 5用量を半分に減らす
解説:抗菌薬は中途中断で再燃・耐性菌出現リスクがある。
問5
高齢者のポリファーマシー対策として薬剤師が行うべき介入はどれか。
  • ✔医師と協働でdeprescribing(減処方)を推進する
  • 2薬の数を気にせず全て服用させる
  • 3患者の希望通りに薬を追加する
  • 4処方変更は医師のみが判断する
  • 5薬剤師は介入しない
解説:ポリファーマシーは薬物有害事象・相互作用リスクを増大させる。
問6
ニトログリセリン舌下錠の正しい使用方法として患者に指導する内容はどれか。
  • ✔発作時に舌の下に入れて溶かす
  • 2内服水で飲み込む
  • 3食後すぐに服用する
  • 4就寝前に服用する
  • 5噛み砕いて服用する
解説:ニトログリセリン舌下錠は口腔粘膜吸収製剤。嚥下しない。
問7
一包化調剤で特に注意が必要な薬物の組み合わせはどれか。
  • ✔吸湿性薬物と光不安定薬物(別包・遮光包装が必要)
  • 2全ての薬物は一包化可能
  • 3錠剤と散薬の混合は問題ない
  • 4粉砕禁忌薬も一包化可能
  • 5薬物間の相互作用は問題ない
解説:腸溶錠・徐放錠は粉砕不可。吸湿性薬物は防湿包装が必要。
問8
処方監査において確認すべき主な項目として最も包括的なのはどれか。
  • ✔患者情報・用法用量・相互作用・禁忌・重複投薬
  • 2薬の外観のみ
  • 3薬の有効期限のみ
  • 4処方医の名前のみ
  • 5薬の価格のみ
解説:処方監査は多方面から確認する薬剤師の最重要業務。