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社会福祉士|中カテゴリ別問題
最終更新:2026年8月11日
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第1章 医学概論
問1
国際生活機能分類(ICF)における「生活機能」を構成する3つの要素として正しいものはどれか。
✔
心身機能・身体構造、活動、参加
2
疾病、障害、ハンディキャップ
3
機能障害、能力障害、社会的不利
4
病因、病理、発現
5
予防、治療、リハビリテーション
解説:
ICFは心身機能・身体構造、活動、参加の3要素と、それに影響する環境因子・個人因子から生活機能を捉える。旧モデル(ICIDH)の機能障害・能力障害・社会的不利の階層的な障害観から、環境との相互作用を重視する考え方に転換した。
問2
ICFにおいて、車椅子や手すりなどの福祉用具は何に分類されるか。
1
個人因子
✔
環境因子
3
活動制限
4
参加制約
5
心身機能
解説:
福祉用具や住環境、人的支援などは環境因子に分類され、生活機能を促進する「促進因子」または妨げる「阻害因子」として働く。
問3
リハビリテーションの4分野のうち、就労に向けた職業訓練や職場適応支援を担うものはどれか。
1
医学的リハビリテーション
2
教育的リハビリテーション
✔
職業的リハビリテーション
4
社会的リハビリテーション
5
心理的リハビリテーション
解説:
職業的リハビリテーションは、障害者の職業能力の向上や就労支援、職場適応を図る分野であり、ハローワークや障害者職業センター等が関わる。
問4
加齢に伴い筋肉量と筋力が進行性に低下する状態を指す用語はどれか。
1
フレイル
✔
サルコペニア
3
ロコモティブシンドローム
4
廃用症候群
5
メタボリックシンドローム
解説:
サルコペニアは加齢に伴う骨格筋量・筋力の進行性低下を指す概念であり、転倒や要介護状態のリスク要因となる。
問5
高齢者において、複数の要因が重なり要介護状態に陥りやすい虚弱な状態を表す概念はどれか。
1
サルコペニア
✔
フレイル
3
ロコモティブシンドローム
4
認知症
5
せん妄
解説:
フレイルは、加齢に伴い身体的・精神的・社会的な脆弱性が高まり、健康障害を起こしやすい状態を指し、適切な介入により可逆性があるとされる。
問6
認知症のうち、脳血管障害を原因として発症し、まだら状の症状進行を特徴とするものはどれか。
1
アルツハイマー型認知症
✔
血管性認知症
3
レビー小体型認知症
4
前頭側頭型認知症
5
クロイツフェルト・ヤコブ病
解説:
血管性認知症は脳梗塞や脳出血などの脳血管障害によって生じ、障害された部位に応じて症状がまだら状に現れることが特徴である。
問7
幻視やパーキンソン症状を伴うことが特徴的な認知症はどれか。
1
アルツハイマー型認知症
2
血管性認知症
✔
レビー小体型認知症
4
前頭側頭型認知症
5
軽度認知障害
解説:
レビー小体型認知症は、リアルな幻視、パーキンソン症状、認知機能の変動を特徴とし、抗精神病薬への過敏性がみられることがある。
問8
人格変化や社会的行動の障害が初期から目立つ認知症はどれか。
1
アルツハイマー型認知症
✔
前頭側頭型認知症
3
血管性認知症
4
レビー小体型認知症
5
せん妄
解説:
前頭側頭型認知症は前頭葉・側頭葉の萎縮により、初期から脱抑制や常同行動などの人格変化・社会的行動の障害が目立つことが特徴である。
第2章 心理学と心理的支援
問1
古典的条件づけ(レスポンデント条件づけ)を実験的に示したパブロフの実験で対象となった反応はどれか。
✔
犬の唾液分泌反応
2
ネズミのレバー押し行動
3
ハトの嘴打ち行動
4
幼児の物体への接近行動
5
成人の言語反応
解説:
パブロフは、餌(無条件刺激)と音(中性刺激)を対にして提示することで、犬が音だけでも唾液を分泌するようになる現象を示し、古典的条件づけの基礎を確立した。
問2
スキナーが提唱した、自発的行動が報酬や罰によって増減する学習の仕組みを何というか。
1
古典的条件づけ
✔
操作的条件づけ
3
観察学習
4
洞察学習
5
刻印づけ
解説:
操作的条件づけは、行動の結果として得られる強化(報酬)や罰によって、その後の行動の頻度が変化する学習過程をいう。
問3
バンデューラが提唱した、他者の行動を観察することで新たな行動を学習する理論はどれか。
1
古典的条件づけ
✔
観察学習(モデリング)
3
刻印づけ
4
洞察学習
5
馴化
解説:
バンデューラの社会的学習理論では、他者(モデル)の行動を観察するだけで新たな行動様式を獲得できるとし、これを観察学習(モデリング)と呼んだ。
問4
ピアジェの認知発達理論において、object permanence(対象の永続性)を獲得する段階はどれか。
✔
感覚運動期
2
前操作期
3
具体的操作期
4
形式的操作期
5
象徴的操作期
解説:
ピアジェは認知発達を感覚運動期、前操作期、具体的操作期、形式的操作期の4段階に分け、対象の永続性は感覚運動期に獲得されるとした。
問5
ピアジェの理論で、自己中心性が特徴とされる発達段階はどれか。
1
感覚運動期
✔
前操作期
3
具体的操作期
4
形式的操作期
5
成人期
解説:
前操作期(およそ2〜7歳)では、他者の視点に立つことが難しい自己中心性が特徴的にみられる。
問6
エリクソンの心理社会的発達理論において、青年期の発達課題とされるものはどれか。
1
基本的信頼
2
自律性
3
勤勉性
✔
自我同一性(アイデンティティ)の確立
5
統合
解説:
エリクソンは生涯を8段階に分け、各段階に発達課題を設定した。青年期の発達課題は自我同一性(アイデンティティ)の確立対拡散とされる。
問7
エリクソンの理論で、老年期の発達課題として位置づけられるものはどれか。
1
親密性
2
自我同一性の確立
3
勤勉性
✔
自己統合(統合性)対絶望
5
自律性
解説:
老年期の発達課題は、これまでの人生を振り返り受け入れる自己統合(統合性)対絶望とされ、これを達成することで英知が獲得されるとされる。
問8
ボウルビィが提唱した、乳児と特定の他者との間に形成される情緒的な結びつきを何というか。
✔
アタッチメント(愛着)
2
刻印づけ
3
レジリエンス
4
セルフエフィカシー
5
アイデンティティ
解説:
ボウルビィのアタッチメント理論では、乳児が主たる養育者との間に形成する情緒的な絆(愛着)が、その後の対人関係の基盤となるとされる。
第3章 社会学と社会システム
問1
社会全体を一つの有機体としてとらえ、各部分が全体の維持に機能を果たすと考える社会学理論はどれか。
1
コンフリクト理論
✔
構造-機能主義
3
シンボリック相互作用論
4
社会構築主義
5
交換理論
解説:
構造-機能主義は、社会を相互に関連し合う諸部分からなる体系とみなし、各部分(制度等)が社会全体の維持・存続にどのような機能を果たしているかを分析する立場である。
問2
社会には対立や権力闘争が内在しており、それが社会変動の原動力になると考える理論はどれか。
1
構造-機能主義
✔
コンフリクト理論(対立理論)
3
シンボリック相互作用論
4
現象学的社会学
5
交換理論
解説:
コンフリクト理論は、社会の中に存在する利害や権力の対立・葛藤に注目し、それが社会の変動や秩序の形成に重要な役割を果たすと考える立場である。
問3
人々が他者との相互作用の中でやりとりする意味やシンボル(象徴)に注目する社会学理論はどれか。
1
構造-機能主義
2
コンフリクト理論
✔
シンボリック相互作用論
4
システム理論
5
構造主義
解説:
シンボリック相互作用論は、人間が言語などのシンボルを介して意味を共有・解釈しながら相互作用を行うことに注目し、ミードやブルーマーらによって発展した。
問4
テンニースが提唱した、地縁・血縁などの自然的な結合に基づく共同体的な社会類型はどれか。
1
ゲゼルシャフト
✔
ゲマインシャフト
3
アソシエーション
4
コミュニティ・オブ・プラクティス
5
公共圏
解説:
テンニースは社会類型を、自然的・感情的な結びつきによるゲマインシャフト(共同社会)と、利害や契約に基づくゲゼルシャフト(利益社会)に区分した。
問5
クーリーが提唱した、対面的で親密な関係性を持つ集団を何というか。
✔
第一次集団
2
第二次集団
3
公式集団
4
フォーマル組織
5
準拠集団
解説:
クーリーは、家族や友人集団のように対面的で親密な相互作用を特徴とする集団を「第一次集団」と呼び、人格形成に重要な役割を果たすとした。
問6
ウェーバーが官僚制組織の特徴として挙げた要素として適切なものはどれか。
✔
明確な規則と権限の階層構造に基づく合理的な組織運営
2
個人的なカリスマのみによる支配
3
世襲による地位の継承
4
規則の不存在による柔軟な運営
5
構成員間の完全な平等関係
解説:
ウェーバーは官僚制を、明確な規則、権限の階層構造、専門的な分業、文書主義などに基づく合理的・能率的な支配形態として特徴づけた。
問7
ウェーバーが分類した正当な支配の3類型に含まれないものはどれか。
1
伝統的支配
2
カリスマ的支配
3
合法的支配
✔
官僚制的支配のみ
5
上記すべて含まれる
解説:
ウェーバーは支配の正当性の根拠を伝統的支配、カリスマ的支配、合法的支配の3類型に分類した。官僚制は合法的支配の典型的な組織形態である。
問8
個人が社会の規範や価値観、行動様式を習得していく過程を何というか。
✔
社会化
2
社会移動
3
社会階層化
4
社会変動
5
社会統制
解説:
社会化とは、個人が誕生後、家族や学校、地域社会等を通じて、その社会の文化、規範、価値観、役割等を学習・内在化していく過程をいう。
第4章 社会福祉の原理と政策
問1
1601年にイギリスで制定され、貧困者救済を国家の責任として明文化した法律はどれか。
1
国民保険法
✔
エリザベス救貧法
3
ベバリッジ報告
4
新救貧法
5
工場法
解説:
エリザベス救貧法(1601年)は、教区を単位として貧民の救済義務を定め、近代的な公的扶助制度の原型とされるイギリスの法律である。
問2
1942年にイギリスで発表され、「ゆりかごから墓場まで」の理念のもと社会保障制度の体系化を提言した報告書はどれか。
1
セーフティネット報告
✔
ベバリッジ報告
3
ラウントリー報告
4
ブース報告
5
フェビアン報告
解説:
ベバリッジ報告は、貧困の原因を「窮乏」「疾病」「無知」「不潔」「怠惰」の5つの巨悪として捉え、包括的な社会保険制度を中心とする戦後イギリス社会保障制度の基礎となった。
問3
ラウントリーがヨークで行った貧困調査において用いられた、生存に最低限必要な生活費に基づく貧困の測定基準を何というか。
1
相対的貧困
✔
絶対的貧困(貧困線)
3
社会的排除
4
資本主義的貧困
5
文化的貧困
解説:
ラウントリーは、栄養学等に基づく最低生活費を算出し、それを下回る生活水準を「貧困線」とする絶対的貧困の概念を用いて貧困調査を行った。
問4
明治7年(1874年)に日本で制定された、近代日本最初の公的救済制度に関する法令はどれか。
1
救護法
✔
恤救規則
3
生活保護法
4
社会事業法
5
健康保険法
解説:
恤救規則(1874年)は、家族や近隣による相互扶助を原則とし、それが不可能な極貧者に限り米代を支給するという、限定的かつ制限的な救済制度であった。
問5
1929年に制定され、恤救規則に代わって公的な救済義務を明確化した日本の法律はどれか。
✔
救護法
2
生活保護法
3
社会福祉事業法
4
児童福祉法
5
国民健康保険法
解説:
救護法(1929年、1932年施行)は、市町村に救護の実施義務を課し、恤救規則の制限扶助主義を一定程度緩和した点で評価されるが、保護請求権は認められなかった。
問6
第二次世界大戦後、日本で最初に制定された福祉三法に含まれないものはどれか。
1
生活保護法
2
児童福祉法
3
身体障害者福祉法
✔
知的障害者福祉法
5
上記すべて含まれる
解説:
福祉三法とは生活保護法、児童福祉法、身体障害者福祉法を指す。知的障害者福祉法は後の福祉六法体制において加えられた法律である。
問7
福祉六法体制を構成する法律のうち、1960年代に新たに加えられたものはどれか。
1
生活保護法
2
児童福祉法
✔
老人福祉法、母子福祉法、知的障害者福祉法
4
身体障害者福祉法
5
社会福祉法
解説:
福祉三法に加え、1960年代には精神薄弱者福祉法(現:知的障害者福祉法)、老人福祉法、母子福祉法が制定され、福祉六法体制が確立した。
問8
障害の有無にかかわらず、誰もが地域社会で普通の生活を送ることができる社会を目指す理念はどれか。
✔
ノーマライゼーション
2
エンパワメント
3
パターナリズム
4
セグリゲーション
5
スティグマ
解説:
ノーマライゼーションは、デンマークのバンク-ミケルセンらによって提唱された理念で、障害者を施設等に隔離せず、地域社会の中で他の人々と同様の生活を送ることを目指す。
第5章 社会福祉調査の基礎
問1
調査対象となる集団全体を何というか。
1
標本
✔
母集団
3
サンプル
4
観測値
5
層
解説:
母集団とは、調査によって知りたい対象全体の集合を指し、その一部を抽出したものを標本(サンプル)という。
問2
母集団の中から一部を抽出して行う調査を何というか。
1
全数調査(センサス)
✔
標本調査
3
二次分析
4
パネル調査のみ
5
事例研究のみ
解説:
標本調査とは、母集団全体ではなく、その一部である標本を抽出して調査を行い、結果から母集団全体の特性を推測する調査方法である。
問3
母集団のすべての対象を調査する方法を何というか。
1
標本調査
✔
全数調査(センサス)
3
系統抽出法
4
層化抽出法
5
多段抽出法
解説:
全数調査(センサス)は、母集団に属するすべての対象を調査する方法であり、国勢調査がその代表例である。
問4
母集団のすべての要素が等しい確率で抽出される標本抽出法を何というか。
✔
単純無作為抽出法
2
便宜的抽出法
3
スノーボール・サンプリング
4
割当法
5
目的的抽出法
解説:
単純無作為抽出法は、母集団の各要素が等しい確率で標本として選ばれるように、乱数表等を用いて抽出する最も基本的な無作為抽出法である。
問5
母集団をあらかじめ性別や年齢等の属性によって層に分け、各層から無作為に抽出する方法を何というか。
✔
層化抽出法
2
系統抽出法
3
多段抽出法
4
便宜的抽出法
5
クラスター抽出法のみ
解説:
層化抽出法は、母集団を性別や年齢層など一定の基準で層に分割し、各層から標本を無作為に抽出する方法であり、層内の構成を母集団の構成比に近づけることができる。
問6
母集団に通し番号を付け、一定の間隔で対象を抽出する標本抽出法を何というか。
✔
系統抽出法
2
層化抽出法
3
スノーボール・サンプリング
4
便宜的抽出法
5
多段抽出法
解説:
系統抽出法は、母集団に連番を付け、最初の抽出点を無作為に決めた後、一定の間隔(抽出間隔)で系統的に標本を抽出する方法である。
問7
母集団を地域などの集落(クラスター)に分け、いくつかの集落を抽出し、その中の対象を調査する方法を何というか。
✔
クラスター抽出法(集落抽出法)
2
層化抽出法
3
系統抽出法
4
目的的抽出法
5
スノーボール・サンプリング
解説:
クラスター抽出法(集落抽出法)は、母集団をいくつかの集落(クラスター)に分け、その一部の集落を抽出し、抽出された集落内の対象すべてまたは一部を調査する方法である。
問8
無作為抽出を経ずに、調査者が入手しやすい対象を選んで調査する標本抽出法を何というか。
✔
便宜的抽出法(非確率抽出)
2
単純無作為抽出法
3
層化抽出法
4
系統抽出法
5
クラスター抽出法
解説:
便宜的抽出法は、無作為性を確保せず、調査者にとって入手・接触が容易な対象を選んで抽出する非確率抽出法であり、結果の一般化には限界がある。
第6章 ソーシャルワークの基盤と専門職
問1
ソーシャルワークの定義において、国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)が2014年に採択した「グローバル定義」が強調する目的として適切なものはどれか。
1
個人の経済的成功の追求のみ
✔
社会変革・社会開発・社会的結束、および人々のエンパワメントと解放を促進すること
3
行政の権限強化のみ
4
施設収容の促進
5
医療行為の実施
解説:
ソーシャルワークのグローバル定義(2014年)は、ソーシャルワークを社会変革と社会開発、社会的結束、および人々のエンパワメントと解放を促進する実践に基づいた専門職及び学問であると定義している。
問2
ソーシャルワークの中核となる原理として、グローバル定義に明記されているものはどれか。
✔
社会正義、人権、集団的責任、多様性尊重
2
利益の最大化のみ
3
行政効率の追求のみ
4
措置制度の維持
5
専門職の権威強化のみ
解説:
ソーシャルワークのグローバル定義では、社会正義、人権、集団的責任、および多様性尊重の諸原理が中核に置かれていることが明記されている。
問3
社会福祉士及び介護福祉士法において、社会福祉士の業務として規定されているものはどれか。
1
医療行為の実施
✔
福祉に関する相談に応じ助言・指導・関係者との連絡調整等の援助を行うこと
3
介護報酬の決定
4
年金給付の審査
5
裁判の判決
解説:
社会福祉士及び介護福祉士法では、社会福祉士の業務として、身体上・精神上の障害等により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービス関係者等との連絡及び調整その他の援助を行うことを規定している。
問4
社会福祉士の名称に関する規定として正しいものはどれか。
1
資格を持たない者でも自由に社会福祉士の名称を使用できる
✔
社会福祉士は名称独占の資格であり、登録を受けた者のみが名乗ることができる
3
社会福祉士は業務独占の資格である
4
社会福祉士の資格に更新制度がある
5
社会福祉士は国家公務員に限定される
解説:
社会福祉士は名称独占の国家資格であり、社会福祉士登録簿への登録を受けた者でなければ「社会福祉士」の名称を用いて業務を行うことができない。
問5
社会福祉士の登録が取り消される場合として規定されているものはどれか。
1
転居した場合
2
結婚した場合
✔
欠格事由に該当した場合や信用失墜行為があった場合
4
年齢が一定に達した場合
5
資格取得後10年を経過した場合
解説:
社会福祉士及び介護福祉士法では、欠格事由への該当、信用失墜行為、秘密保持義務違反等があった場合に、厚生労働大臣が登録の取消し等を行うことができると規定されている。
問6
社会福祉士に課される秘密保持義務に関する記述として正しいものはどれか。
1
業務を辞めた後は秘密保持義務を負わない
✔
正当な理由なく業務上知り得た秘密を漏らしてはならず、業務を退いた後も同様である
3
本人の同意なく常に秘密を開示できる
4
秘密保持義務に違反しても罰則はない
5
秘密保持義務は口頭の情報には適用されない
解説:
社会福祉士は正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならず、この義務は社会福祉士でなくなった後も適用される。
問7
ソーシャルワーカーの倫理綱領に定められる、クライエントに対する責務として適切なものはどれか。
✔
クライエントの利益を最優先し、その自己決定を尊重する
2
常に専門職の利益を優先する
3
クライエントの意思を無視して保護を優先する
4
所属機関の方針を最優先する
5
クライエントとの関係を私的に利用する
解説:
ソーシャルワーカーの倫理綱領では、クライエントの利益の最優先や自己決定の尊重が、専門職としての基本的な責務として明記されている。
問8
ソーシャルワーク専門職における「価値」とは何を指すか。
1
業務遂行に必要な知識
✔
専門職が大切にすべき信念・理念
3
具体的な技法・スキル
4
資格取得のための要件
5
行政手続きの規則
解説:
ソーシャルワークにおける「価値」とは、専門職が実践の基盤として大切にすべき信念や理念(人間の尊厳、社会正義など)を指し、知識や技術と区別される。
第7章 ソーシャルワークの基盤と専門職(専門)
問1
社会福祉士が専門的な実践を行うにあたり、ミクロ・メゾ・マクロの各レベルを統合的に捉える視点を何というか。
✔
ジェネラリスト・アプローチ
2
スペシフィック・アプローチのみ
3
措置主義の視点
4
施設収容主義の視点
5
行政主導の視点
解説:
ジェネラリスト・アプローチは、個人(ミクロ)、集団・組織(メゾ)、地域社会・制度(マクロ)の各レベルを統合的に捉え、状況に応じて多様な方法を用いる視点である。
問2
社会福祉士が専門職として実践する際、エビデンスに基づく実践(EBP)の考え方として適切なものはどれか。
✔
科学的根拠と臨床経験、利用者の価値観を統合して実践すること
2
経験のみに基づき実践すること
3
研究結果のみを機械的に適用すること
4
利用者の意向を無視すること
5
制度の規定のみに依拠すること
解説:
エビデンスに基づく実践(EBP)とは、科学的な研究によって得られた根拠(エビデンス)、専門職の臨床経験、利用者の価値観や状況を統合して、最適な支援を行うアプローチである。
問3
医療機関で患者やその家族の心理社会的問題に対応する社会福祉士の呼称として一般的なものはどれか。
✔
医療ソーシャルワーカー(MSW)
2
スクールソーシャルワーカー
3
児童指導員
4
保護観察官
5
ケアマネジャーのみ
解説:
医療ソーシャルワーカー(MSW)は、病院等の医療機関において、患者やその家族が抱える経済的・心理的・社会的問題の相談支援、退院支援等を行う専門職である。
問4
学校現場で児童生徒の問題に対し、福祉の視点から支援を行う専門職を何というか。
1
スクールカウンセラー
✔
スクールソーシャルワーカー
3
保健師
4
養護教諭
5
学級担任
解説:
スクールソーシャルワーカーは、学校現場において、いじめ、不登校、家庭環境の問題等を抱える児童生徒やその家庭に対し、福祉の専門的視点から支援・連携調整を行う。
問5
地域包括支援センターに配置が求められる専門職として適切なものはどれか。
✔
保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員
2
医師のみ
3
弁護士のみ
4
保育士のみ
5
教員のみ
解説:
地域包括支援センターには、原則として保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員(または同等の経験を有する者)の3職種を配置することが求められている。
問6
刑事司法分野において、刑事施設や保護観察所等と連携し更生支援を行う社会福祉士の活動分野はどれか。
✔
司法福祉(刑事司法と福祉)
2
学校福祉
3
医療福祉のみ
4
児童福祉のみ
5
高齢者福祉のみ
解説:
司法福祉分野では、社会福祉士が更生保護施設や刑事施設等と連携し、犯罪をした者等の社会復帰支援や生活再建支援に関わる活動を行っている。
問7
精神科病院から地域への移行支援において社会福祉士が果たす役割として適切なものはどれか。
✔
退院に向けた地域資源との連携・調整及び本人への支援
2
薬物治療の処方
3
入院の継続を一方的に決定すること
4
医療行為そのものの実施
5
診断の確定
解説:
精神科領域では、社会福祉士が地域移行支援において、退院後の住居確保や福祉サービスの利用調整等、本人の地域生活への移行を多面的に支援する役割を担う。
問8
ソーシャルワーク実践における「ケアマネジメント」の特徴として適切なものはどれか。
✔
利用者のニーズに応じて複数のサービスを調整・統合し継続的に提供する手法
2
単一のサービスのみを提供する手法
3
利用者の意向を反映しない手法
4
措置制度のみで運用される手法
5
医療行為そのものを行う手法
解説:
ケアマネジメントは、利用者の複合的なニーズに応じて、複数の社会資源やサービスを調整・統合し、継続的・効果的に提供するための支援手法である。
第8章 ソーシャルワークの理論と方法
問1
ソーシャルワークの実践モデルのうち、個人と環境の交互作用に着目するアプローチを何というか。
1
医学モデル
✔
エコロジカル・アプローチ(生活モデル)
3
行動療法モデル
4
危機介入モデル
5
課題中心アプローチ
解説:
エコロジカル・アプローチ(生活モデル)は、個人を環境から切り離して捉えるのではなく、人と環境との相互作用(交互作用)の中で生活上の問題を理解し、その適合関係の改善を目指すアプローチである。
問2
利用者の問題点よりも、本人の持つ力や資源に着目して支援を展開するアプローチを何というか。
1
医学モデル
✔
ストレングス・モデル
3
病理モデル
4
欠陥モデル
5
危機介入モデル
解説:
ストレングス・モデルは、利用者の欠点や問題点ではなく、本人が持つ強み、能力、資源、意欲等(ストレングス)に着目し、それを活かして支援を展開するアプローチである。
問3
短期間で達成可能な具体的課題を設定し、その解決に焦点を当てて支援を行うアプローチを何というか。
✔
課題中心アプローチ
2
心理社会的アプローチ
3
行動変容アプローチ
4
危機介入アプローチ
5
フェミニストアプローチ
解説:
課題中心アプローチは、利用者と協働して具体的かつ達成可能な課題を設定し、限られた期間内でその課題の解決に焦点を当てて支援を進める短期処遇型のアプローチである。
問4
利用者本来の力を引き出し、自己決定や問題解決能力の向上を目指すアプローチを何というか。
✔
エンパワメント・アプローチ
2
医学モデル
3
病理モデル
4
行動療法モデル
5
課題中心アプローチ
解説:
エンパワメント・アプローチは、社会的に不利な立場にある人々が、自らの力を発見・強化し、主体的に問題解決に取り組めるよう支援するアプローチである。
問5
フロイトの精神分析理論を基盤として、内的な心理的要因と社会的環境要因の両面から問題を理解しようとするアプローチを何というか。
✔
心理社会的アプローチ
2
行動変容アプローチ
3
エコロジカル・アプローチ
4
課題中心アプローチ
5
危機介入アプローチ
解説:
心理社会的アプローチは、ホリスらによって体系化され、個人の心理的側面と社会的環境の両方に着目し、その相互関連性の中で問題を理解し支援を行うアプローチである。
問6
学習理論に基づき、不適応行動の変容や適応行動の獲得を目指すアプローチを何というか。
✔
行動変容アプローチ(行動療法アプローチ)
2
心理社会的アプローチ
3
エコロジカル・アプローチ
4
ナラティブ・アプローチ
5
フェミニストアプローチ
解説:
行動変容アプローチは、学習理論(条件づけ理論)を基盤に、強化や消去等の技法を用いて、不適応行動の変容や望ましい行動の獲得を目指す援助方法である。
問7
クライエントが語る物語(ナラティブ)に着目し、その意味づけの変化を支援するアプローチを何というか。
✔
ナラティブ・アプローチ
2
行動変容アプローチ
3
心理社会的アプローチ
4
危機介入アプローチ
5
課題中心アプローチ
解説:
ナラティブ・アプローチは、クライエントが自身の問題について語る物語(ナラティブ)に着目し、支配的な物語(ドミナント・ストーリー)を別の意味を持つ物語へと再構築することを支援する。
問8
解決策に焦点を当て、問題の原因分析よりも解決のイメージを重視する短期療法のアプローチを何というか。
✔
解決志向アプローチ(ソリューション・フォーカスト・アプローチ)
2
心理社会的アプローチ
3
危機介入アプローチ
4
行動変容アプローチ
5
課題中心アプローチ
解説:
解決志向アプローチは、問題の原因を深く分析するのではなく、利用者が望む解決の状態をイメージし、それに向けた小さな変化や既存の資源を活用することに焦点を当てるアプローチである。
第9章 ソーシャルワークの理論と方法(専門)
問1
高齢者支援における事例検討で、認知症高齢者の意思決定を支援する際に重視される視点として適切なものはどれか。
✔
本人の意思を最大限尊重し可能な限り本人の判断を支える意思決定支援の視点
2
本人の意思を完全に無視し家族のみで決定する視点
3
施設入所を一律に優先する視点
4
本人との対話を一切行わない視点
5
専門職のみで全てを決定する視点
解説:
認知症高齢者への支援では、判断能力が低下していても、本人の意思をできる限り確認し、その意思決定を支える「意思決定支援」の視点がガイドライン等でも重視されている。
問2
障害者支援における「合理的配慮」の考え方として適切なものはどれか。
✔
障害者が他者と平等に権利を行使できるよう個別の状況に応じた変更・調整を行うこと
2
すべての障害者に同一の対応をすること
3
配慮を行うことは事業者の自由であり義務はない
4
合理的配慮は身体障害者にのみ適用される
5
費用負担にかかわらず常に無制限に配慮を行う義務がある
解説:
合理的配慮とは、障害者が他者と平等に権利を行使し社会参加できるよう、個々の状況に応じて過重な負担とならない範囲で必要な変更・調整を行うことを指す概念である。
問3
児童虐待が疑われる事例における社会福祉士の対応として適切なものはどれか。
✔
児童相談所等への速やかな通告と関係機関との連携
2
虐待の確証が得られるまで一切対応しない
3
通告は守秘義務違反になるため行わない
4
保護者の同意がなければ通告できない
5
本人や家族の意向に関わらず即時に施設入所を強制する
解説:
児童虐待防止法では、虐待を受けたと思われる児童を発見した者に通告義務が課されており、社会福祉士は速やかに児童相談所等へ通告し、関係機関と連携した対応を図る必要がある。
問4
生活困窮者自立支援における支援の基本的な考え方として適切なものはどれか。
✔
本人の状況に応じた包括的・継続的な自立支援を行うこと
2
経済的給付のみで支援を完結させること
3
就労のみを唯一の目標とすること
4
本人の意向を確認せず一方的に支援内容を決定すること
5
支援対象を生活保護受給者のみに限定すること
解説:
生活困窮者自立支援制度は、生活保護に至る前の段階の生活困窮者に対し、就労支援、住居確保支援等を組み合わせた包括的・継続的な自立支援を行うことを基本的な考え方としている。
問5
医療機関における終末期がん患者への社会福祉的支援において重視される視点として適切なものはどれか。
✔
本人・家族の意思決定支援と心理的・社会的苦痛への対応
2
治療方針の最終決定を社会福祉士が行うこと
3
本人の意向を確認せず家族の意見のみを優先すること
4
身体的苦痛のみに対応すること
5
支援は入院中のみで終了させること
解説:
終末期がん患者への社会福祉的支援では、本人・家族の意思決定を支援するとともに、経済的・心理的・社会的な苦痛にも対応し、QOLの維持を図ることが重視される。
問6
精神障害者の地域生活支援における「リカバリー」の考え方として適切なものはどれか。
1
症状の完全な消失のみを意味する概念である
✔
本人が自分らしい生活や人生の意味を再構築していく過程を重視する概念である
3
リカバリーは医療職のみが扱う概念である
4
リカバリーは入院治療中にのみ適用される
5
リカバリーは経済的自立のみを指す
解説:
リカバリーとは、精神疾患の症状の有無にかかわらず、本人が希望や自己決定を持ちながら、自分らしい生活や人生の意味を再構築していく過程を重視する考え方である。
問7
認知症高齢者の家族支援において、家族の介護負担(ケアラーバーデン)を軽減するための支援として適切なものはどれか。
✔
レスパイトケアの提供や相談支援の充実
2
家族への支援は一切不要とする方針
3
本人と家族を完全に分離する方針のみ
4
家族の負担増加を放置する方針
5
支援を本人のみに限定する方針
解説:
家族の介護負担(ケアラーバーデン)の軽減には、一時的に介護から離れて休息をとれるレスパイトケアの提供や、家族からの相談支援の充実等が有効とされている。
問8
複合的な課題を抱える世帯への支援において、ジェノグラム(家族関係図)を用いる目的として適切なものはどれか。
✔
世帯の家族構成や関係性を視覚的に整理し理解を深めるため
2
家族の収入を計算するため
3
行政手続きを簡略化するため
4
住宅の設計図を作成するため
5
刑事手続きの記録を作成するため
解説:
ジェノグラム(家族関係図)は、世帯の家族構成や世代間の関係性、関係の質などを図示することで、家族全体の状況を視覚的に整理・理解するためのアセスメントツールである。
第10章 地域福祉と包括的支援体制
問1
地域福祉の推進主体として社会福祉法に位置づけられている民間組織はどれか。
✔
社会福祉協議会
2
保健所
3
児童相談所
4
福祉事務所
5
年金事務所
解説:
社会福祉協議会は、社会福祉法に地域福祉の推進を図ることを目的とする団体として位置づけられ、都道府県・市町村等の各段階に設置されている。
問2
市町村社会福祉協議会の主な活動として適切なものはどれか。
✔
地域住民の福祉活動の支援やボランティアの育成、福祉サービスの提供等
2
裁判の判決
3
年金の給付決定
4
医療行為の実施
5
刑事処分の決定
解説:
市町村社会福祉協議会は、住民の福祉活動の組織化・支援、ボランティアの育成・コーディネート、生活福祉資金の貸付、福祉サービスの提供等、地域福祉推進のための多様な活動を行う。
問3
社会福祉法に規定される「地域福祉計画」の意義として適切なものはどれか。
✔
地域における福祉サービスの整備目標や住民参加の方策等を定める計画
2
国の予算編成のみを目的とする計画
3
個別の利用者の支援計画を指す
4
措置制度の運用基準を定める計画
5
医療計画と同一の計画
解説:
地域福祉計画は、市町村等が地域住民の参加を得て、地域における福祉サービスの整備目標や、住民の参加方策等を定める計画であり、地域福祉推進の基本となる。
問4
地域住民が主体的に地域の福祉課題に取り組むことを支援する専門職を一般に何と呼ぶか。
✔
コミュニティソーシャルワーカー
2
児童指導員
3
保護観察官
4
医療ソーシャルワーカー
5
スクールカウンセラー
解説:
コミュニティソーシャルワーカーは、地域における個別支援と地域支援を統合的に展開し、地域住民の主体的な福祉活動や社会資源の開発を支援する専門職である。
問5
地域包括ケアシステムの構築において重視される「自助・互助・共助・公助」のうち、地域住民同士の支え合いを指すものはどれか。
✔
自助
2
互助
3
共助
4
公助
5
措置
解説:
互助とは、家族・近隣・友人等による相互の支え合いを指し、地域包括ケアシステムの構築において重要な基盤の一つとされている。
問6
重層的支援体制整備事業の創設に至った背景として適切なものはどれか。
✔
属性別の支援体制では対応が難しい複合的な課題の増加
2
福祉ニーズの完全な消失
3
福祉専門職の過剰な増加
4
地域社会の完全な解体
5
制度の単純化の必要性の欠如
解説:
重層的支援体制整備事業は、8050問題やひきこもり等、既存の高齢者・障害者・児童といった属性別の制度では対応が難しい複合的な課題の増加を背景に創設された。
問7
地域福祉における「住民参加」の意義として適切なものはどれか。
✔
地域課題の発見や解決に住民自身が主体的に関わることで実効性ある取組みにつながる
2
住民参加は形式的な手続きに過ぎない
3
住民参加は専門職の業務を不要にする
4
住民参加は行政の責任を完全に住民に転嫁するものである
5
住民参加は地域福祉計画には不要である
解説:
地域福祉における住民参加は、地域課題を住民自身が発見し、その解決に主体的に関わることで、地域の実情に即した実効性のある取組みを実現するために重要である。
問8
地域における民生委員の役割として適切なものはどれか。
✔
地域住民の生活状況の把握や相談、行政との連絡等を行う民間の協力者
2
裁判の判決を行う公務員
3
医療行為を行う専門職
4
刑事処分を決定する者
5
年金の給付を決定する者
解説:
民生委員は、民生委員法に基づき厚生労働大臣から委嘱される非常勤の地方公務員(民間の協力者)であり、地域住民の生活状況の把握、相談、関係機関への連絡等を行う。
第11章 福祉サービスの組織と経営
問1
社会福祉法人の設立に関する記述として正しいものはどれか。
1
社会福祉法人は都道府県知事のみが認可権限を持つ
2
社会福祉法人は株式を発行して資金調達ができる
✔
社会福祉法人の設立には所轄庁の認可が必要である
4
社会福祉法人の理事は最低3名以上置かなければならない
5
社会福祉法人は営利目的での事業展開が認められている
解説:
社会福祉法人の設立には、都道府県知事等の所轄庁の認可が必要である(社会福祉法第31条)。社会福祉法人は非営利法人であり株式発行はできない。理事は6名以上(評議員会設置法人は理事会設置が必要)、監事は2名以上置く必要がある。
問2
NPO法(特定非営利活動促進法)に基づく特定非営利活動法人に関する記述として正しいものはどれか。
1
NPO法人は設立に内閣総理大臣の認可が必要である
2
NPO法人の活動分野は福祉・医療・保健に限定されている
✔
NPO法人の設立は所轄庁への認証申請によって行われる
4
NPO法人は公益性が認められると自動的に公益法人となる
5
NPO法人は構成員に収益を分配することができる
解説:
NPO法人の設立は、所轄庁(都道府県知事または政令市長)への認証申請によって行われる(NPO法第10条)。活動分野は20分野あり福祉・医療だけでなく環境・国際協力等も含む。NPO法人は構成員への収益分配が禁止されている非営利組織である。
問3
社会福祉法による社会福祉法人の財務規律強化(2016年改正)に関する記述として正しいものはどれか。
1
資産10億円以上の法人は財務諸表のインターネット公表が義務付けられた
2
すべての社会福祉法人に公認会計士による外部監査が義務付けられた
✔
社会福祉充実残額がある法人は社会福祉充実計画を策定しなければならない
4
社会福祉法人の解散時の残余財産は国庫に帰属することとなった
5
内部留保の制限として積立金の上限が法定された
解説:
2016年の社会福祉法改正により、社会福祉充実残額(再投下可能な内部留保)がある法人は社会福祉充実計画を策定し、地域公益事業等に充てることが義務付けられた。財務諸表のインターネット公表は一定規模以上の法人に義務付けられたが、基準は収益30億円超または負債60億円超等である。
問4
組織のマネジメントに関するPDCAサイクルの説明として正しいものはどれか。
1
PはProfitの略で収益計画を意味する
2
DはDirectionの略で組織の方向性を示す
3
CはCommunicationの略で情報共有を意味する
✔
PDCAはPlan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Act(改善)のサイクルである
5
PDCAサイクルはトヨタ生産方式で初めて提唱されたものである
解説:
PDCAサイクルはPlan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Act(改善)の4段階を継続的に回す品質管理の枠組みである。統計学者のデミング(Deming)が普及させたためデミングサイクルとも呼ばれる。福祉サービスの質の向上にも広く活用されている。
問5
リーダーシップ理論に関する記述として正しいものはどれか。
1
PM理論はProfitとManagementの2軸でリーダーシップを分類する
2
変革型リーダーシップは部下に対して罰と報酬で動機付けを行う
✔
状況対応型リーダーシップ(SL理論)は部下の成熟度に応じてリーダーシップスタイルを変える
4
特性理論は優れたリーダーに共通する状況への適応力に着目する
5
サーバントリーダーシップは組織の目標達成を最優先とする支配型リーダーシップである
解説:
ハーシーとブランチャードのSL理論(状況対応型リーダーシップ)は、部下の成熟度(能力と意欲)に応じてリーダーシップスタイルを指示型・コーチング型・支援型・委任型に変えることを提唱する。PM理論は三隅二不二が提唱し、P(目標達成)とM(集団維持)の2軸で分類する。
問6
福祉サービスにおける第三者評価に関する記述として正しいものはどれか。
1
第三者評価は国が指定した機関のみが実施できる
2
すべての福祉サービス事業者に第三者評価受審が義務付けられている
3
第三者評価の結果はすべて非公表とされている
✔
社会的養護施設(児童養護施設等)は第三者評価の受審と結果公表が義務付けられている
5
第三者評価は都道府県が直接実施する行政評価である
解説:
社会的養護施設(児童養護施設・乳児院・母子生活支援施設・情緒障害児短期治療施設・児童自立支援施設)は、3年に1回以上の第三者評価受審と結果公表が義務付けられている。一般の福祉サービスは任意受審だが、評価結果は公表が原則である。評価機関は都道府県推進組織が認証した民間機関が行う。
問7
社会福祉施設の苦情解決に関する記述として正しいものはどれか。
1
苦情解決責任者はすべての施設で弁護士を任命しなければならない
2
苦情受付担当者は施設長が兼務しなければならない
✔
第三者委員は苦情解決の中立性確保のために設置が求められている
4
苦情は施設内での解決が義務付けられ、外部機関への申し出は認められない
5
運営適正化委員会は苦情を受け付けるが解決援助は行わない
解説:
社会福祉法第83条に基づく苦情解決の仕組みでは、苦情解決責任者(施設長等)・苦情受付担当者・第三者委員の三者体制が求められる。第三者委員は中立性・公正性を確保するために外部の者が就任する。都道府県社会福祉協議会に設置される運営適正化委員会は、苦情受付・解決援助・調査・あっせんを行う。
問8
社会福祉施設における人材育成に関するOJTの説明として正しいものはどれか。
1
OJTはOff-the-Job Trainingの略で職場外研修を意味する
2
OJTは主に外部の研修講師が担当する
✔
OJTは職場内で実際の業務を通じて行われる教育訓練である
4
OJTはすべての職種に対して法律で義務付けられている
5
OJTはSDS(自己啓発援助制度)と同義である
解説:
OJT(On-the-Job Training)は職場内で実際の業務を通じて上司・先輩が指導する教育訓練である。これに対しOff-JT(Off-the-Job Training)は職場外で行う集合研修等を指す。SDS(Self-Development System)は職員が自主的に行う自己啓発を組織が援助する制度であり、OJT・Off-JT・SDSを組み合わせた人材育成が有効とされる。
第12章 社会保障
問1
日本の社会保険に関する記述として正しいものはどれか。
1
社会保険は加入が任意であり、希望者のみが加入できる
✔
社会保険には医療保険・年金保険・雇用保険・労働者災害補償保険・介護保険の5種類がある
3
社会保険の財源は保険料のみであり税金は一切投入されない
4
社会保険は民間保険会社が運営する
5
社会保険は個人の自助を補完する制度であり公費負担は認められていない
解説:
日本の社会保険は医療保険・年金保険・雇用保険・労働者災害補償保険(労災)・介護保険の5種類から構成される(社会保険5種)。社会保険は法律に基づく強制加入が原則であり、財源は保険料と公費(税金)で賄われる。
問2
公的年金制度の二階建て構造に関する記述として正しいものはどれか。
1
一階部分の国民年金は自営業者のみが加入する
2
二階部分の厚生年金は国民全体が加入する基礎年金制度である
✔
国民年金(基礎年金)は20歳以上60歳未満のすべての国民が加入する
4
厚生年金は農業従事者と自営業者が加入する制度である
5
iDeCoは公的年金の一階部分に位置付けられる
解説:
国民年金(基礎年金)は20歳以上60歳未満のすべての国民が加入する一階部分(第1号被保険者:自営業者等、第2号被保険者:会社員・公務員、第3号被保険者:専業主婦等)。厚生年金は会社員・公務員が加入する二階部分で、基礎年金に上乗せされる報酬比例の年金である。
問3
老齢基礎年金の受給資格に関する記述として正しいものはどれか。
1
老齢基礎年金の受給資格期間は25年以上必要である
✔
老齢基礎年金の支給開始年齢は原則65歳である
3
老齢基礎年金は保険料を一度も納めなくても受給できる
4
老齢基礎年金の満額受給には20年以上の保険料納付が必要である
5
老齢基礎年金は70歳以降に受給開始することはできない
解説:
老齢基礎年金は原則として65歳から支給される(60〜70歳の間で繰上げ・繰下げ可能、2022年4月以降は最大75歳まで繰下げ可能)。受給資格期間は2017年9月から10年以上に短縮された(従前は25年)。満額受給には40年(480月)の保険料納付(免除期間含む)が必要である。
問4
厚生年金保険に関する記述として正しいものはどれか。
1
厚生年金の保険料は労働者が全額負担する
2
厚生年金は5人以上の従業員がいる事業所に加入義務がある
✔
厚生年金の保険料率は標準報酬月額の18.3%で労使折半である
4
厚生年金は自営業者が任意加入できる制度である
5
厚生年金の給付は老齢年金のみである
解説:
厚生年金の保険料率は現在18.3%(2017年9月以降固定)で、事業主と被保険者が折半(各9.15%)して負担する。給付には老齢厚生年金・障害厚生年金・遺族厚生年金の3種類がある。2016年10月以降、短時間労働者への適用拡大が進められており、加入義務の規模要件は段階的に引き下げられている。
問5
国民健康保険に関する記述として正しいものはどれか。
1
国民健康保険は会社員とその家族が加入する医療保険制度である
✔
国民健康保険の保険者は都道府県と市町村である
3
国民健康保険の保険料は全国一律に設定されている
4
国民健康保険には扶養家族の概念がある
5
国民健康保険の給付率は年齢に関係なく一律で7割である
解説:
2018年から国民健康保険制度の運営が市町村から都道府県・市町村の共同運営に変更され、都道府県が財政運営の責任主体となった。国民健康保険は主として自営業者・農業者・非正規労働者等が加入する。保険料は各市町村が独自に設定するため地域差がある。医療費の自己負担は原則3割(就学前2割・70〜74歳2割・75歳以上後期高齢者は1割)。
問6
後期高齢者医療制度に関する記述として正しいものはどれか。
1
後期高齢者医療制度の対象は65歳以上の高齢者である
2
後期高齢者医療制度の保険者は市町村である
✔
後期高齢者医療制度の財源は保険料・公費・現役世代からの支援金で構成される
4
後期高齢者医療制度における医療費の自己負担は一律1割である
5
後期高齢者医療制度は2000年に創設された
解説:
後期高齢者医療制度は75歳以上(一定の障害がある65〜74歳も可)を対象とし、都道府県単位の後期高齢者医療広域連合が保険者となる。財源は保険料(約1割)・公費(約5割)・現役世代からの支援金(約4割)で構成される。自己負担は原則1割だが、現役並み所得者は3割、一定以上所得者は2割(2022年10月改正)。
問7
健康保険法による傷病手当金に関する記述として正しいものはどれか。
1
傷病手当金は業務上の傷病にも支給される
2
傷病手当金の支給期間は通算で1年6ヶ月である
✔
傷病手当金の額は標準報酬月額の3分の2に相当する額である
4
傷病手当金は自営業者も受給できる
5
傷病手当金は国民健康保険でも任意給付として義務付けられている
解説:
健康保険の傷病手当金は業務外の傷病による療養のため労務不能となった場合に支給される(業務上は労働者災害補償保険)。支給額は標準報酬日額の3分の2で、支給期間は支給開始日から通算1年6ヶ月(2022年1月から通算化)。自営業者が加入する国民健康保険の傷病手当金は任意給付で義務ではない(実施する保険者もある)。
問8
雇用保険の基本手当(失業給付)に関する記述として正しいものはどれか。
1
基本手当の給付日数は雇用保険の加入期間に関係なく一律180日である
✔
基本手当の受給には公共職業安定所(ハローワーク)への求職申込みが必要である
3
基本手当は自営業者も受給できる
4
自己都合退職と会社都合退職で給付制限期間・給付日数に違いはない
5
基本手当の受給資格は雇用保険に3ヶ月以上加入すれば取得できる
解説:
雇用保険の基本手当を受給するには、ハローワークに求職申込みを行い、積極的な求職活動を行いながら失業の認定を受ける必要がある。給付日数は離職理由・加入期間・年齢により異なる。自己都合退職の場合は原則2ヶ月の給付制限期間がある(2020年10月以降、5年間に2回まで2ヶ月)。受給資格は原則として被保険者期間が通算12ヶ月以上(特定受給資格者は6ヶ月以上)。
第13章 高齢者福祉
問1
老人福祉法に関する記述として正しいものはどれか。
1
老人福祉法は1970年に制定された
2
老人福祉法は高齢者の定義を70歳以上と規定している
✔
老人福祉法は1963年に制定され、特別養護老人ホーム等の老人福祉施設を規定している
4
老人福祉法は介護保険法の施行により廃止された
5
老人福祉法に基づく措置制度は介護保険法の施行後完全に廃止された
解説:
老人福祉法は1963年に制定された。同法は特別養護老人ホーム・養護老人ホーム・軽費老人ホーム等の老人福祉施設の設置・運営、老人居宅生活支援事業等を規定する。高齢者の定義は60歳以上(一部65歳以上)。2000年の介護保険法施行後も老人福祉法は存続し、やむを得ない事由がある場合の措置制度も残っている。
問2
介護保険制度の創設に関する記述として正しいものはどれか。
✔
介護保険法は1997年に成立し、2000年4月から施行された
2
介護保険制度は1990年代初頭に創設された
3
介護保険法は高齢者の医療費問題解決のみを目的として制定された
4
介護保険制度の保険者は都道府県である
5
介護保険制度創設以前は老人福祉法・老人保健法が高齢者の福祉・医療を規定していた
解説:
介護保険法は1997年12月に成立し、2000年4月1日から施行された。創設の背景には高齢化の急速な進行による介護需要の増大、家族介護の限界、老人福祉・老人保健の二元的体制の問題等がある。保険者は市町村・特別区(東京23区)。創設以前は老人福祉法(措置制度)と老人保健法(医療・保健)が中心だった。
問3
地域包括支援センターに関する記述として正しいものはどれか。
1
地域包括支援センターは民間事業者のみが設置できる
✔
地域包括支援センターの職員は社会福祉士・保健師(または看護師)・主任介護支援専門員の3職種が配置される
3
地域包括支援センターは要介護高齢者の介護保険サービスの直接提供を主業務とする
4
地域包括支援センターは各都道府県に1箇所設置される
5
地域包括支援センターの設置根拠は老人福祉法である
解説:
地域包括支援センターは2006年の介護保険法改正で創設(設置根拠は介護保険法)。市町村が設置し、委託も可能。保健師(または経験のある看護師)・社会福祉士・主任介護支援専門員の3職種を配置し、①総合相談支援②権利擁護③包括的・継続的ケアマネジメント支援④介護予防ケアマネジメントの4機能を担う。
問4
介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)に関する記述として正しいものはどれか。
1
総合事業は2025年4月から全市町村で実施が義務化された
2
総合事業の対象は要介護1以上の者のみである
✔
総合事業には訪問型・通所型サービスと生活支援サービス・介護予防ケアマネジメントが含まれる
4
総合事業の運営は民間事業者には認められていない
5
総合事業への移行に伴い予防給付の訪問介護・通所介護は完全廃止された
解説:
総合事業は2015年の介護保険法改正(2017年4月までに全市町村で実施)で創設。予防給付から移行した訪問型・通所型サービスA〜D(多様なサービス)・生活支援サービス・介護予防ケアマネジメントで構成される。対象は要支援1・2と基本チェックリスト該当の事業対象者。NPO・ボランティア・住民主体の担い手も参加できる。
問5
高齢者虐待防止法(高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律)に関する記述として正しいものはどれか。
1
高齢者虐待防止法は高齢者の定義を70歳以上としている
2
養護者(家族等)による虐待の通報先は都道府県である
3
高齢者虐待防止法では心理的虐待は虐待類型に含まれていない
✔
養護者による虐待を発見した者には市町村への通報義務がある(特に生命・身体に危険がある場合)
5
高齢者虐待防止法は養介護施設従事者による虐待のみを規定している
解説:
高齢者虐待防止法(2006年施行)は高齢者(65歳以上)の虐待を①身体的②介護・世話の放棄(ネグレクト)③心理的④性的⑤経済的虐待の5種類で規定する。養護者による虐待の通報先は市町村。高齢者の生命・身体に重大な危険がある場合は通報義務、そうでない場合は通報の努力義務がある。
問6
認知症に関する国の施策に関する記述として正しいものはどれか。
1
2019年に策定された認知症施策推進大綱は認知症の人を施設中心のケアへと転換することを目標としている
2
認知症サポーターは認知症の人を直接支援するボランティアとして資格を持つ専門家のことを指す
✔
認知症施策推進大綱(2019年)は「共生」と「予防」を二つの柱として掲げている
4
認知症初期集中支援チームは認知症専門医が単独で訪問支援を行う仕組みである
5
認知症カフェの設置・運営は介護保険法で義務化されている
解説:
2019年策定の認知症施策推進大綱は「共生(認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる社会)」と「予防(認知症になるのを遅らせる・認知症になっても進行を穏やかにする)」を二本柱とする。認知症サポーターは養成講座修了者であり資格者ではなく、応援者・理解者として地域で活動する。
問7
ケアマネジメントに関する記述として正しいものはどれか。
1
介護支援専門員(ケアマネジャー)の登録は市町村が行う
2
居宅介護支援事業所のケアマネジャーは利用者が選択できない
✔
居宅介護支援は利用者の自己負担なしで利用できる
4
ケアプラン(居宅サービス計画)の作成は利用者自身は行えない
5
ケアマネジャーが作成したケアプランは市町村の事前承認が必要である
解説:
居宅介護支援(ケアマネジャーによるケアプラン作成・調整)は介護保険の給付対象であり利用者の自己負担はない(10割給付)。ケアマネジャーの登録は都道府県が行う。ケアプランは利用者自身(セルフケアプラン)で作成することも可能。ケアプランは市町村への事前承認ではなく利用するサービス事業者への交付が必要。
問8
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)に関する記述として正しいものはどれか。
1
特別養護老人ホームには要支援1から入所できる
✔
特別養護老人ホームの新規入所は原則要介護3以上を対象としている
3
特別養護老人ホームは医療法人のみが設置できる
4
特別養護老人ホームは全室個室が法律で義務付けられている
5
特別養護老人ホームの入所判定は都道府県が行う
解説:
2015年の介護保険法改正により、特別養護老人ホームへの新規入所は原則として要介護3以上に限定された(要介護1・2でも特例入所は可能)。設置主体は都道府県・市町村・社会福祉法人。ユニット型(個室・共有スペース)が推進されているが多床室も存在する。入所判定は各施設が行う(入所判定委員会)。
第14章 障害者福祉
問1
障害者基本法における「障害者」の定義として正しいものはどれか。
1
身体障害者手帳の交付を受けた者
✔
身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む)その他の心身の機能の障害がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活等に相当な制限を受ける状態にある者
3
障害者総合支援法に定める障害支援区分1以上の者
4
ICD-10に規定する精神疾患を有する者
5
18歳未満の心身の機能に障害がある者
解説:
障害者基本法第2条第1号は、身体・知的・精神障害(発達障害含む)その他心身機能の障害と社会的障壁の双方により継続的に日常生活・社会生活に相当な制限を受ける状態にある者と定義する。社会モデルの観点が反映されている。
問2
障害者総合支援法の障害支援区分について正しいものはどれか。
1
区分1〜7の7段階で評価される
2
介護給付を利用するには区分1以上が必要である
✔
認定調査は市町村が行い、80項目を調査する
4
区分の認定は都道府県が行う
5
精神障害者は区分認定の対象外である
解説:
障害支援区分の認定調査は市町村(または委託先)が行い、概況調査と80項目の選択式調査からなる。区分は1〜6(非該当含め7段階)で、介護給付は原則区分1以上が必要。認定は市町村が行う。
問3
障害者総合支援法における自立支援給付のうち「訓練等給付」に含まれるものはどれか。
1
居宅介護
2
重度訪問介護
✔
就労移行支援
4
短期入所
5
行動援護
解説:
訓練等給付には、就労移行支援・就労継続支援(A型・B型)・就労定着支援・自立訓練・生活訓練・宿泊型自立訓練・共同生活援助が含まれる。居宅介護・重度訪問介護・短期入所・行動援護は介護給付である。
問4
障害者差別解消法(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)について正しいものはどれか。
1
私立学校への合理的配慮提供は努力義務にとどまる
2
不当な差別的取扱いの禁止は行政機関のみに適用される
✔
合理的配慮とは、過重な負担のない範囲で必要かつ合理的な変更・調整を行うことである
4
事業者による合理的配慮提供は罰則付きの義務である
5
手話は合理的配慮の対象外とされている
解説:
合理的配慮とは、過重な負担にならない範囲で、障害者から申出があった際に必要な変更・調整を行うことをいう。2024年4月の改正により、事業者の合理的配慮提供も努力義務から法的義務に格上げされた。
問5
障害者雇用促進法の法定雇用率(民間企業)として2024年4月時点で正しいものはどれか。
1
1.8%
2
2.0%
✔
2.3%
4
2.5%
5
3.0%
解説:
2024年4月から民間企業の法定雇用率は2.3%(常用労働者43.5人以上の企業に義務)に引き上げられた。2026年7月にはさらに2.5%への引き上げが予定されている。
問6
発達障害者支援法における「発達障害」に含まれないものはどれか。
1
自閉症
2
アスペルガー症候群
3
注意欠陥多動性障害
4
学習障害
✔
統合失調症
解説:
発達障害者支援法における発達障害は、自閉症・アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害・学習障害・注意欠陥多動性障害・その他の脳機能の障害で早期に発現するものと定義されている。統合失調症は精神障害であり含まれない。
問7
精神保健福祉法に基づく入院形態のうち、精神科病院の管理者が必要と認めた場合に本人の同意なく入院させることができるものはどれか。
1
任意入院
✔
医療保護入院
3
措置入院
4
緊急措置入院
5
応急入院
解説:
医療保護入院は、精神保健指定医1名の診察と家族等の同意に基づき、本人の同意なく入院させる形態。措置入院・緊急措置入院は都道府県知事の決定が必要。応急入院は72時間以内の応急措置。
問8
障害者総合支援法に基づく「地域移行支援」の対象として正しいものはどれか。
1
精神科病院に1年以上入院している者のみ
✔
障害者支援施設等に入所している者または精神科病院に入院している者
3
グループホームに入居している者
4
特別支援学校に在籍している者
5
在宅で生活している知的障害者
解説:
地域移行支援の対象は、障害者支援施設・のぞみの園・療養介護を利用する者、または精神科病院入院者とされている(障害者総合支援法第5条第20項)。地域における生活への移行に向けた支援を行う。
第15章 児童・家庭福祉
問1
児童福祉法における「児童」の定義として正しいものはどれか。
1
15歳未満の者
✔
18歳未満の者
3
20歳未満の者
4
義務教育終了までの者
5
15歳未満の乳幼児・少年
解説:
児童福祉法第4条では、「児童」を18歳に満たない者と定義し、さらに①乳児(1歳未満)②幼児(1〜小学校就学前)③少年(就学〜18歳未満)に分類している。
問2
児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)に定める虐待の種類として正しいものはどれか。
1
身体的虐待・心理的虐待・性的虐待・経済的虐待の4種類
✔
身体的虐待・心理的虐待・性的虐待・ネグレクトの4種類
3
身体的虐待・性的虐待・育児放棄の3種類
4
身体的虐待・精神的虐待・育児放棄の3種類
5
身体的虐待・経済的虐待・ネグレクトの3種類
解説:
児童虐待防止法第2条では、①身体的虐待、②性的虐待、③ネグレクト(保護の怠慢・拒否)、④心理的虐待(言葉による脅し・子どもへのDV目撃等)の4種類を規定している。経済的虐待は規定されていない。
問3
児童相談所の役割について正しいものはどれか。
1
全市区町村に設置が義務付けられている
2
18歳以上の者は相談対象外である
✔
児童虐待の通告受理・調査・判定・援助を一貫して行う
4
家庭裁判所の機能を持ち、親権停止の審判ができる
5
都道府県・政令指定都市・中核市・特別区が設置する
解説:
児童相談所は、子どもに関するあらゆる相談を受け、必要な調査・診断・判定・援助を総合的に行う専門機関。設置義務は都道府県・政令指定都市(および任意設置として中核市等に拡大)。親権停止等の審判は家庭裁判所が行う。
問4
要保護児童対策地域協議会(要対協)について正しいものはどれか。
1
設置主体は都道府県である
✔
代表者会議・実務者会議・個別ケース検討会議の3層構造で運営される
3
参加機関の情報共有は守秘義務の対象外である
4
設置は任意であり、設置義務はない
5
調整機関は必ずしも必要ではない
解説:
要対協は市町村(設置義務あり)が設置し、代表者会議・実務者会議・個別ケース検討会議の3層構造で運営。参加機関間の情報共有は守秘義務が課される(児童福祉法)。調整機関(通常は市町村子ども担当部署)の設置も義務。
問5
特別養子縁組の特徴として正しいものはどれか。
1
養子と実親の法的親子関係が残る
✔
6歳未満の子どもが原則対象である(特例として8歳未満まで)
3
家庭裁判所の審判は不要である
4
縁組後の離縁が通常養子縁組より容易である
5
養親の配偶者要件はない
解説:
特別養子縁組は、実親との法的親子関係を断ち切り養親との完全な親子関係を形成する。対象は原則6歳未満(審判申立時)、2019年改正で特例として15歳未満まで拡大。家庭裁判所の審判が必要で、離縁は原則不可。養親は婚姻した夫婦であることが要件。
問6
里親制度について正しいものはどれか。
1
里親認定は市区町村が行う
✔
養育里親・専門里親・養子縁組里親・親族里親の4種類がある
3
里子は18歳になると自動的に里親家庭を離れなければならない
4
里親には毎月里親手当と養育費が全額公費で支給される
5
専門里親の登録更新は不要である
解説:
里親には養育里親・専門里親・養子縁組里親・親族里親の4種類がある。認定は都道府県知事等が行う。18歳以降も大学在学等の事情があれば20歳まで支援可能(2022年改正で22歳まで延長)。専門里親は2年ごとの更新が必要。
問7
母子保健法に基づくサービスとして正しいものはどれか。
1
保育所入所
2
子ども家庭センターの設置
✔
乳幼児健康診査(1歳6か月児・3歳児健診等)
4
放課後児童クラブ
5
ファミリーサポートセンター
解説:
母子保健法に基づく主なサービスは、①妊婦健康診査②乳幼児健康診査(1歳6か月・3歳等)③母子健康手帳交付④新生児聴覚検査⑤産後ケア事業等。保育所は児童福祉法、放課後児童クラブも児童福祉法に基づく。
問8
児童養護施設の説明として正しいものはどれか。
1
乳児のみを入所対象とする
✔
保護者のない児童や虐待を受けた児童等を養護する施設で、対象年齢は原則18歳未満
3
知的障害のある児童のみを対象とする
4
入所児童には学校教育が提供されない
5
都道府県が直接運営する
解説:
児童養護施設は、保護者のない児童・虐待を受けた児童・その他環境上養護を要する児童(原則2〜18歳)を入所させ、養護するとともに退所後の支援も行う。社会福祉法人等が運営し、入所児童は原則として地域の学校に通学する。
第16章 貧困に対する支援
問1
生活保護法の基本原理のうち「補足性の原理」の説明として正しいものはどれか。
1
全ての国民は平等に保護を受ける権利がある
✔
生活保護は、利用し得る資産・能力・他の法律・扶養義務者の扶養等を活用した後に適用される
3
世帯の最低生活費を補足する(上乗せする)原理
4
保護は申請がなくても職権で開始される
5
保護は生存権を保障するために無条件に付与される
解説:
補足性の原理(生活保護法第4条)は、資産・能力の活用、他法・他施策の活用、扶養義務者による扶養等を活用してもなお最低生活を維持できない場合に、その不足分を補う形で保護が適用されるという原理。
問2
生活保護の8つの扶助の組み合わせとして正しいものはどれか。
✔
生活・住宅・教育・医療・介護・出産・生業・葬祭扶助
2
生活・住居・食費・医療・介護・教育・就業・葬祭扶助
3
生活・住宅・教育・医療・介護・育児・就労・葬祭扶助
4
基本・加算・医療・住居・教育・就労・葬祭・緊急扶助
5
生活・住宅・教育・医療・介護・出産・就業・葬祭扶助
解説:
生活保護の8扶助は生活・住宅・教育・医療・介護・出産・生業・葬祭扶助。このうち生活扶助が基本で、飲食物費・被服費・光熱水費等の日常生活費を賄う。医療扶助と介護扶助は現物給付が原則。
問3
生活保護の申請権について正しいものはどれか。
1
保護の申請は本人のみが行える
2
申請権は憲法25条に直接規定されている
✔
保護の申請は本人・扶養義務者・同居の親族が行える
4
申請なしで職権保護を開始することはできない
5
窓口での口頭申請は認められない
解説:
生活保護法第7条は、要保護者・その扶養義務者・同居の親族が申請できると規定する。急迫した状況では職権による保護の開始も可能(第25条)。申請はいわゆる「水際作戦(違法な申請阻止)」は許されず、口頭申請も認められる。
問4
生活保護の「最低生活費」の設定方式として現在採用されているものはどれか。
1
マーケットバスケット方式
2
エンゲル方式(エンゲル係数を基に食費から逆算する方法)
3
格差縮小方式
✔
水準均衡方式(一般国民の消費水準との均衡を勘案して設定)
5
ラウントリー方式
解説:
日本では現在、一般国民の消費水準との均衡を図る「水準均衡方式」で最低生活費を設定している。過去には食品費を基に算定するエンゲル方式(1948〜60年)・マーケットバスケット方式・格差縮小方式が用いられた経緯がある。
問5
生活困窮者自立支援法の「必須事業」として正しいものはどれか。
1
就労訓練事業(いわゆる中間的就労)のみ
✔
自立相談支援事業と住居確保給付金が必須事業
3
一時生活支援事業と家計改善支援事業
4
子どもの学習・生活支援事業のみ
5
就労準備支援事業のみ
解説:
生活困窮者自立支援法の必須事業は①自立相談支援事業(相談・アセスメント・プラン作成等)と②住居確保給付金(離職等による住居喪失のおそれがある者への家賃相当額の給付)の2つ。その他は任意事業(就労準備・家計改善・一時生活支援・こどもの学習生活支援等)。
問6
生活保護の「指定医療機関」制度について正しいものはどれか。
1
生活保護受給者は全ての医療機関を自由に受診できる
✔
被保護者は都道府県知事の指定を受けた医療機関のみを受診できる
3
医療扶助は現金給付である
4
医療扶助には月額上限が設定されている
5
指定医療機関の指定は市町村が行う
解説:
医療扶助は現物給付が原則で、被保護者は都道府県知事の指定を受けた指定医療機関を受診する。福祉事務所が発行する医療券または調剤券を持参して受診する。指定・指導は都道府県が行う(一部政令市・中核市)。
問7
生活保護の「世帯単位の原則」について正しいものはどれか。
1
必ず住民票上の世帯単位で保護を受ける
✔
原則として同一住居に居住し生計を一にする者を世帯として認定し、その世帯を単位として保護を行う
3
単身者は世帯として認められない
4
世帯の一部のみに保護を適用することは認められない
5
世帯の世帯主のみが保護申請を行える
解説:
生活保護の世帯単位の原則(第10条)は、同一住居に居住し生計を一にする者を一世帯とし、その単位で保護を行うことを基本とする。ただし、特別な場合(例:障害のある子どもの扶助を親と分離して認定等)には世帯分離も認められる。
問8
「ハウジングファースト」のアプローチの説明として正しいものはどれか。
1
段階的支援として、支援プログラム修了後に住居を提供する考え方
✔
まず安定した住居を提供し、そこから就労・生活再建等の支援を始めるアプローチ
3
住居よりも就労支援を優先する考え方
4
ホームレス状態は本人の選択として支援しない方針
5
医療的ケアを最優先する入院重視のアプローチ
解説:
ハウジングファーストは、住居を回復の前提(基盤)と位置づけ、就労・断酒・治療への参加等の条件なしにまず安定した住居を提供するアプローチ。欧米で普及し、日本でも路上生活者支援等に取り入れられている。
第17章 保健医療と福祉
問1
医療ソーシャルワーカー(MSW)の業務として最も適切なものはどれか。
1
患者の診断・治療計画の立案
2
医療費の会計処理
✔
患者・家族の心理社会的問題への相談支援・地域連携・退院調整
4
医薬品の調剤と投薬管理
5
診療報酬の審査
解説:
医療ソーシャルワーカー(MSW)は、病院等において患者・家族の心理的・社会的・経済的問題への相談支援、退院調整・在宅移行支援、地域連携、受診支援・療養中の問題解決支援等を行う社会福祉専門職。多職種チームの一員として機能する。
問2
地域包括ケアシステムの「5つの構成要素」として正しいものはどれか。
1
医療・介護・リハビリテーション・薬局・栄養
✔
医療・介護・予防・住まい・生活支援(互助・地域コミュニティ)
3
医療・年金・介護・保育・障害福祉
4
病院・特養・グループホーム・訪問介護・デイサービス
5
診断・治療・リハビリ・回復・社会復帰
解説:
地域包括ケアシステムは、高齢者が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを最後まで続けられるよう①医療②介護③予防(介護予防・健康増進)④住まい⑤生活支援(互助・コミュニティ)の5要素を一体的に提供するシステム。
問3
「医療法」に基づく医療機関の分類として正しいものはどれか。
1
一般病院・専門病院・精神科病院の3種類
✔
病院(20床以上)・診療所(19床以下または無床)・介護老人保健施設
3
一次医療機関・二次医療機関・三次医療機関の3段階
4
国立病院・公立病院・私立病院
5
急性期病院・回復期病院・慢性期病院
解説:
医療法は医療機関を「病院」(20床以上の入院施設)と「診療所」(19床以下または無床)に大別する。病院にはさらに一般病院・精神病院・結核病院の区分がある。一次・二次・三次は機能レベルの概念(法的分類ではなく医療計画の概念)。
問4
「チーム医療」における社会福祉士の役割として最も適切なものはどれか。
1
チームリーダーとして全ての治療方針を決定する
2
投薬と栄養指導を担当する
✔
患者・家族の社会的背景や生活課題を把握し、医療チームと情報共有しながら生活支援・退院調整を担う
4
感染管理と院内清潔維持を担当する
5
診療報酬の審査と査定
解説:
チーム医療において社会福祉士(MSW)は、患者・家族の社会的・経済的・心理的課題を把握し、医師・看護師・理学療法士・栄養士等の多職種チームに情報提供しながら、退院調整・社会資源の調整・生活支援を担う。
問5
「地域医療連携」における「クリティカルパス(地域連携クリティカルパス)」の説明として正しいものはどれか。
1
救急患者の搬送ルートの計画
✔
特定疾患の急性期〜回復期〜維持期にわたる各医療機関・施設の役割分担・治療計画を関係機関で共有するツール
3
病院内の業務効率化のための日程表
4
医師のスキルアップ研修計画
5
訪問看護の実施スケジュール
解説:
地域連携クリティカルパスは、脳卒中・大腿骨頸部骨折等の疾患について急性期病院〜回復期リハビリ病院〜在宅(かかりつけ医・訪問サービス)まで一貫した治療・ケア計画を関係機関で共有する標準化ツール。診療報酬でも評価されている。
問6
「成年後見制度」における「医療同意」に関して正しいものはどれか。
1
法定後見人(後見人)は被後見人の医療行為に同意する権限を持つ
✔
現行法制度上、後見人には医療同意権は明文上認められておらず、議論が続いている
3
保佐人は全ての医療行為に同意できる
4
本人の意思が確認できない場合は主治医が単独で決定する
5
補助人は医療同意の全権限を持つ
解説:
現行の成年後見制度では、後見人・保佐人・補助人のいずれにも医療同意権は明文上付与されていない。本人が意思表示できない場合の医療同意は、倫理的・実践的な大きな課題として議論が続いており、家族・医療チームによる協議的対応が現実には取られることが多い。
問7
「精神保健および精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)」における「精神科救急」の整備の根拠として正しいものはどれか。
1
障害者総合支援法
✔
精神保健福祉法に基づき都道府県が精神科救急医療体制を整備する
3
医療法のみに基づく
4
救急医療法(存在しない)
5
市町村単独で整備する義務がある
解説:
精神保健福祉法(第19条の11)では、都道府県が精神科救急医療体制の整備に努めることを規定し、夜間・休日の緊急受診・入院対応ができる体制を確保することを求めている。精神科救急情報センター等が整備されている。
問8
「地域保健法」に基づく「保健所」と「市町村保健センター」の違いとして正しいものはどれか。
1
保健所は市区町村が設置し、市町村保健センターは都道府県が設置する
✔
保健所は都道府県・政令市・特別区等が設置し、広域的・専門的な保健行政を担う。市町村保健センターは市町村が設置し、住民への身近な保健サービスを提供する
3
両者は全く同じ機能を持つ
4
保健所は介護サービスのみを提供する
5
市町村保健センターは医療行為を行う
解説:
保健所(地域保健法第5条)は都道府県・政令市・特別区等が設置し、感染症対策・精神保健・難病等の広域専門的業務を担う。市町村保健センター(同法第18条)は市町村が設置し、乳幼児健診・健康教育等住民への身近な保健サービスを提供する。
第18章 権利擁護を支える法制度
問1
成年後見制度に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1
法定後見制度には後見・保佐・補助の3類型があり、補助が最も判断能力が低下した状態に適用される。
✔
任意後見制度は、本人が十分な判断能力を有するうちに、将来の後見人を契約によって定めておく制度である。
3
成年後見人は本人の居住用不動産を家庭裁判所の許可なく売却することができる。
4
後見開始の審判がなされると、被後見人は選挙権を失う。
5
成年後見人は被後見人に代わって医療行為に同意する法的権限を有する。
解説:
任意後見制度は、本人が判断能力のあるうちに将来の後見人(任意後見受任者)を公正証書による契約で定めておく制度である。①後見が最も判断能力が低下した状態に適用され、補助が最も軽度の場合に適用される。③居住用不動産の売却・処分には家庭裁判所の許可が必要である。④2013年の公職選挙法改正により、成年被後見人の選挙権は回復された。⑤成年後見人には医療同意権は認められていない(現行法上)。
問2
日本国憲法における基本的人権に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1
生存権(第25条)は国に対し具体的な給付請求権を直接付与するものとプログラム規定説が否定する。
2
表現の自由は絶対的な権利であり、いかなる場合も制限することはできない。
✔
憲法第13条の幸福追求権は、新しい人権の根拠規定として機能している。
4
社会権は国家が介入しないことを求める自由権的性格が中心である。
5
基本的人権は日本国民にのみ保障され、外国人には一切適用されない。
解説:
憲法第13条の幸福追求権は、プライバシー権や自己決定権など憲法制定時に想定されていなかった新しい人権の根拠規定として機能している。①プログラム規定説は生存権が直接的な給付請求権を与えないとする説であり、設問の記述は誤り。②表現の自由も公共の福祉による制約を受ける。④社会権は国家による積極的関与(給付・規制)を求める権利である。⑤判例・通説は外国人にも権利の性質上可能な限り人権保障が及ぶとする。
問3
障害者差別解消法(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1
同法は障害のある民間事業者のみを対象としており、行政機関は対象外である。
2
不当な差別的取扱いの禁止は行政機関・民間事業者ともに努力義務とされている。
✔
2021年の改正により、民間事業者による合理的配慮の提供が義務化された。
4
合理的配慮とは、障害者が要求するすべての措置を無条件に行うことを意味する。
5
同法に基づく紛争解決は、専ら刑事罰による制裁によって担保されている。
解説:
2021年の障害者差別解消法改正(2024年施行)により、それまで努力義務とされていた民間事業者による合理的配慮の提供が義務化された。①同法は行政機関と民間事業者の双方を対象とする。②不当な差別的取扱いの禁止は行政機関・民間事業者ともに「義務」である。④合理的配慮は過重な負担にならない範囲で行う建設的対話に基づく措置である。⑤紛争解決は相談・あっせん等の行政的手法が中心であり、刑事罰規定はない。
問4
個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律)に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
✔
要配慮個人情報には人種・信条・病歴・犯罪歴等が含まれ、取得には原則として本人の同意が必要である。
2
個人情報取扱事業者は取り扱う個人情報の数が5000件以下であれば同法の適用を受けない。
3
利用目的は変更前と関連性のない全く別の目的であっても自由に変更できる。
4
第三者への個人情報提供は、本人の同意がなくても事業者の判断で常に可能である。
5
個人情報保護委員会は内閣府に設置された審議会であり、独立した行政機関ではない。
解説:
要配慮個人情報(人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪歴、犯罪被害情報、障害・健康診断情報等)の取得には原則として本人の明示的同意が必要である。②2017年改正で5000件要件は撤廃され、すべての事業者が対象となった。③利用目的の変更は変更前と「合理的関連性」の認められる範囲に限られる。④第三者提供には原則として本人同意が必要(法定例外あり)。⑤個人情報保護委員会は内閣府設置の独立した行政機関(三条委員会)である。
問5
成年後見制度利用促進基本計画に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1
第一期基本計画(2017〜2021年度)は「財産管理のみを目的とした後見制度の活用」を基本方針とした。
2
市町村長申立ては、本人・配偶者・四親等内の親族が申立て不可能な場合に限り認められる。
✔
後見制度支援信託は、日常的な金銭管理を後見人が行い、大口資金を信託銀行が管理する仕組みである。
4
成年後見制度利用促進法は2000年に介護保険法と同時に施行された。
5
中核機関は都道府県が設置する広域的な後見支援拠点であり、市町村は設置できない。
解説:
後見制度支援信託は、被後見人の財産のうち日常的に使用しない大口資金を信託銀行等に信託し、後見人は日常的な金銭管理のみ行う仕組みで、財産の横領等を防止する効果がある。①基本計画の基本方針は「利用者がメリットを実感できる制度・運用の改善」と「権利擁護支援の地域連携ネットワーク構築」である。②市町村長申立ては、本人の福祉を図るため特に必要と認めるときに認められる(親族の意思不明でも可)。④成年後見制度利用促進法は2016年に成立・施行された。⑤中核機関は市町村が設置(または委託)する。
問6
日本における苦情解決制度に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1
社会福祉法は、社会福祉事業の経営者に苦情解決のための措置を講ずる努力義務を規定している。
✔
国民健康保険団体連合会は、介護保険サービスに関する苦情を受け付ける機関の一つである。
3
運営適正化委員会は厚生労働省に設置されており、都道府県には設置されない。
4
苦情解決に第三者委員を関与させる制度は、特別養護老人ホームにのみ義務付けられている。
5
社会福祉施設の苦情解決においてオンブズマンを活用することは法律で禁止されている。
解説:
国民健康保険団体連合会(国保連)は介護保険法に基づき、介護サービスに関する苦情を受け付け、調査・指導・助言を行う機関として位置付けられている。①社会福祉法第82条は苦情解決措置を「努力義務」ではなく義務として規定している。③運営適正化委員会は各都道府県の社会福祉協議会に設置される。④第三者委員は苦情解決のための仕組みとして広く活用が推奨されているが、特定施設のみの義務ではない。⑤オンブズマンの活用は法律で禁止されていない。
問7
DV防止法(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律)に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1
同法の「配偶者」には、事実婚・元配偶者・生活の本拠を共にする交際相手は含まれない。
✔
配偶者暴力相談支援センターは、都道府県が設置する婦人相談所が必ずその機能を果たす。
3
裁判所による接近禁止命令(保護命令)の有効期間は、申立てから6か月間である。
4
被害者は市町村にのみ配偶者暴力相談支援センターへの相談を申し出ることができる。
5
同法は身体的暴力のみを「暴力」と定義しており、精神的暴力・性的暴力は対象外である。
解説:
配偶者暴力相談支援センターの機能は、都道府県が設置する婦人相談所が必ず担う。また都道府県・市町村はその他の適切な施設でも同センターの機能を果たすよう努める(市町村は努力義務)。①同法は事実婚・元配偶者も対象とし、2013年改正で生活の本拠を共にする交際相手も対象に追加された。③接近禁止命令(保護命令)の有効期間は6か月(退去命令は2か月)である(正しいようだが、③の設問は「申立てから」という表現が不正確)。同法では裁判所が命令を発した日から6か月とされている。④相談は都道府県・市町村双方の支援センターで可能。⑤同法の「暴力」には身体的・精神的・性的暴力が含まれる。
問8
民法における後見・保佐・補助の開始要件に関する次の記述のうち、最も正しいものを1つ選びなさい。
✔
後見開始の審判は、精神上の障害により事理弁識能力を「欠く常況」にある者を対象とする。
2
保佐開始の審判の対象は、精神上の障害により事理弁識能力が「著しく不十分」な者である。
3
補助開始の審判は、本人の申立てがなくても配偶者が単独で申立てることができる。
4
後見開始の審判をするには、必ず本人の同意が必要である。
5
保佐人の同意を要する行為は、本人が自由に変更することができる。
解説:
民法第7条により、後見開始の審判は精神上の障害により事理を弁識する能力を「欠く常況」にある者に対して行われる。②保佐の対象は事理弁識能力が「著しく不十分」な者(民法第11条)であり正しい内容だが、①が「最も正しい」もの。③補助開始審判には必ず本人の同意が必要(民法第15条第2項)。④後見・保佐開始の審判に本人の同意は不要(補助は必要)。⑤保佐人の同意を要する行為(民法第13条第1項)は法定されており、本人が自由に変更できるものではない。
第19章 刑事司法と福祉
問1
刑事司法と福祉の連携に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1
刑事司法と福祉の連携は、2000年代以降に日本で初めて始まった取り組みである。
✔
地域生活定着支援センターは、刑事施設出所者のうち高齢者・障害者の地域生活への移行を支援する機関である。
3
刑事司法と福祉の連携において、社会福祉士の役割は金銭管理のみに限定される。
4
地域生活定着支援センターは国が直接設置・運営する機関である。
5
刑事施設出所後の福祉的支援は、本人が申請した場合のみ受けることができる。
解説:
地域生活定着支援センターは、矯正施設を退所する高齢者・障害者であって退所後直ちに福祉サービス等を必要とする人を対象に、帰住地確保・福祉サービスへの接続・継続的な相談支援(アフターケア)を行う機関である。①連携の取組みは2000年代以前にも存在した。③社会福祉士は相談・調整・アドボカシー等幅広い役割を担う。④センターは都道府県が設置し社会福祉法人等に委託する場合が多い。⑤アウトリーチ支援等、本人申請を待たない支援も含まれる。
問2
更生保護制度に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1
仮釈放の許可は検察官が行う行政処分である。
✔
保護観察は、仮釈放者・保護観察付き執行猶予者等を対象に、保護観察官と保護司が協働して行う。
3
更生保護施設は矯正施設からの出所者を受け入れる国の施設である。
4
保護司は国家公務員であり、給与・手当の支給を受けながら活動する。
5
刑の執行猶予期間中の者は保護観察の対象にならない。
解説:
保護観察は更生保護法に基づき、仮釈放者・保護観察付き執行猶予者・少年院仮退院者・少年法による保護観察処分の少年を対象に、保護観察所の保護観察官と民間ボランティアの保護司が協働して指導・監督と補導援護を行う制度である。①仮釈放の許可は地方更生保護委員会が行う。③更生保護施設は更生保護法人等の民間が設置・運営する。④保護司は非常勤の国家公務員であるが無報酬のボランティアとして活動する(実費弁償のみ)。⑤保護観察付き執行猶予者は保護観察の対象となる。
問3
少年法における少年司法と福祉の連携に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1
少年法上の少年は20歳未満の者を指し、2022年の改正後も変更されていない。
✔
家庭裁判所は、少年の非行に関し、都道府県知事または児童相談所長から送致を受けることがある。
3
少年審判において、すべての少年には国選付添人が付く権利が保障されている。
4
触法少年(14歳未満で法に触れる行為をした者)は、警察が直接検察へ送致する。
5
少年院に収容されるのは14歳以上の少年のみであり、12歳・13歳の少年は収容されない。
解説:
少年法第3条第2項により、都道府県知事または児童相談所長は、児童福祉法上の措置等を行っても改善が困難な場合等に家庭裁判所に少年を送致することができる。①2022年改正少年法では18・19歳を特定少年として扱いが変更された(法律上の少年は20歳未満のまま)。③国選付添人制度は要件を満たした一定の事件に限られる。④触法少年は児童相談所が対応し、警察から直接検察への送致はない。⑤2014年改正で少年院の収容年齢下限がおおむね12歳に引き下げられた。
問4
刑事司法における障害者への配慮に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1
刑事手続において、知的障害のある被疑者・被告人には必ず国選弁護人が付く。
✔
意思疎通に困難のある被疑者への取調べにおいて、福祉専門職等の参加・支援の必要性が指摘されている。
3
刑事施設内では、障害のある受刑者への合理的配慮の提供は法律上義務付けられていない。
4
精神障害を理由とした心神喪失者は、刑事責任を一切問われず無条件で釈放される。
5
障害を理由に刑事施設への収容が認められないケースがある。
解説:
知的障害・精神障害等を抱える被疑者・被告人への取調べ・裁判手続において、意思疎通上の困難への対応として福祉専門職や支援者の立会い・同行支援等の必要性が実務・研究の両面から指摘されており、一部自治体・弁護士会が試行的に実施している。①国選弁護は一定の要件を満たす事件に限られ、知的障害があれば必ず付くわけではない。③刑事施設も障害者差別解消法の対象機関であり合理的配慮提供義務がある。④心神喪失者は刑事責任能力なしとされ不起訴・無罪となるが、医療観察法による入院・通院の対象となりうる。⑤障害を理由に収容が認められないことはない。
問5
心神喪失者等医療観察法に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1
医療観察法の対象となる重大な他害行為には窃盗・詐欺が含まれる。
2
同法による入院処遇・通院処遇の申立ては都道府県が行う。
3
同法に基づく入院中の処遇は地方裁判所の決定によって開始される。
✔
同法の対象者に対して、社会復帰調整官が退院後の生活環境の調整等を担う。
5
医療観察法における鑑定入院の期間は最長1年とされている。
解説:
社会復帰調整官は保護観察所に配置され、医療観察法の対象者の入院中からの生活環境の調整・退院後の通院処遇中の精神保健観察・関係機関との連携調整等を担う専門職(精神保健福祉士等)である。①対象行為は放火・強制性交等・傷害・殺人・強盗等(重大なもの)であり、窃盗・詐欺は含まれない。②申立ては検察官が行う。③入院処遇の決定は地方裁判所(裁判官1名・精神保健審判員1名の合議体)が行う。⑤鑑定入院の期間は原則2か月以内(延長して最大3か月)。
問6
刑事施設(刑務所・拘置所等)における処遇に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1
受刑者の外部交通(面会・信書)は一切認められていない。
✔
刑事収容施設法(刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律)は受刑者の権利保護に関する規定を含む。
3
被拘禁者に対する拷問は法務大臣の承認があれば許可される。
4
受刑者は選挙権を行使することができない。
5
刑事施設における不服申立ての制度は存在しない。
解説:
刑事収容施設法(2005年制定・2006年施行)は旧監獄法に代わるものとして受刑者・被疑者・被告人等の処遇に関する規定を整備し、外部交通(面会・信書)の権利・苦情申出制度・審査の申請制度等、被収容者の権利保護に関する規定を含んでいる。①面会・信書は一定の要件のもとで認められている。③拷問は日本国憲法第36条・拷問等禁止条約により絶対禁止。④禁錮以上の刑に処せられ執行中の者は選挙権停止となる。⑤苦情申出・審査申請等の不服申立制度が設けられている。
問7
仮釈放と更生保護に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1
仮釈放は刑事施設の長が許可する処分である。
✔
仮釈放の取消しがあった場合、残刑期間を再び服役しなければならない。
3
仮釈放中の者は就労が禁止されている。
4
保護観察所は法務省ではなく厚生労働省が所管する機関である。
5
仮釈放者は保護観察期間が終了した後も引き続き保護観察の対象となる。
解説:
仮釈放の取消し(遵守事項違反・再犯等による)があった場合、当該受刑者は刑事施設に収容され、仮釈放されていた残刑期間の服役を求められる。①仮釈放の許可は地方更生保護委員会が行う(刑事施設の長ではない)。③仮釈放中の者の就労は禁止されておらず、むしろ促進される。④保護観察所は法務省が所管する。⑤仮釈放の保護観察期間は刑期の残期間に相当し、期間終了により保護観察は終了する。
問8
保護司制度に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
✔
保護司は法務大臣から委嘱を受け、任期2年で再任が可能である。
2
保護司活動に対して、一般の公務員と同水準の給与が支払われる。
3
保護司は保護観察対象者の指導・監督のみを行い、援護活動は行わない。
4
保護司は地方更生保護委員会の指揮命令を直接受けて活動する。
5
保護司の定数は法律で全国一律に定められている。
解説:
保護司法に基づき、保護司は法務大臣から委嘱を受け(非常勤の国家公務員)、任期2年で再任が可能(上限年齢76歳未満)である。②保護司は実費弁償のみで無報酬のボランティアとして活動する。③指導・監督と補導援護(援護活動)の両方を担う。④保護観察所長の指揮下で活動する。⑤定数は地域の実情に応じて設定される。
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