法及び関係法令全467問中 8問を掲載
問1貸金業の登録に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- ✔貸金業の登録の有効期間は3年であり、更新を受けなければ期間の経過によって効力を失う。
- 2貸金業の登録の有効期間は1年であり、毎年更新の申請をしなければならない。
- 3貸金業の登録の有効期間は10年であるが、5年ごとに中間報告を要する。
- 4貸金業の登録に有効期間の定めはなく、廃業の届出をするまで効力が存続する。
- 5貸金業の登録の有効期間は5年であり、更新を受けなければ期間の経過によって効力を失う。
解説:貸金業の登録の有効期間は3年である(貸金業法3条2項)。更新を受けなければ、その期間の経過によって登録は効力を失う(同条3項)。更新の申請は有効期間満了の日の2か月前までに行う必要がある(施行規則5条)。なお貸金業務取扱主任者の登録も同じく3年であり、混同しやすいがどちらも「3年」と覚えるとよい。
問2貸金業の登録を行う行政庁に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1貸付けの相手方が2以上の都道府県に居住している場合は、内閣総理大臣の登録を受けなければならない。
- 2営業所の数が10以上である場合は、常に内閣総理大臣の登録を受けなければならない。
- 31の都道府県の区域内にのみ営業所を設置する場合であっても、資本金が1億円以上であれば内閣総理大臣の登録となる。
- ✔2以上の都道府県の区域内に営業所又は事務所を設置する場合は、内閣総理大臣(財務局長)の登録を受けなければならない。
- 5登録行政庁は貸金業者が任意に選択することができる。
解説:登録先は「営業所又は事務所の所在地」を基準に決まる。2以上の都道府県の区域内に営業所等を設置する場合は内閣総理大臣(実務上は財務局長)の登録、1の都道府県内のみであれば当該都道府県知事の登録である(法3条1項)。営業所の数、資本金の額、顧客の居住地は基準ではない点に注意。
問3貸金業の登録拒否事由に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- ✔純資産額が5,000万円に満たない者は登録を拒否される。
- 2純資産額が3,000万円に満たない者は登録を拒否される。
- 3純資産額が1,000万円に満たない者は登録を拒否される。
- 4純資産額の要件は法人にのみ課され、個人には課されない。
- 5純資産額が2,000万円に満たない者は登録を拒否される。
解説:貸金業者は、純資産額が5,000万円(政令で定める金額)に満たない者は登録を拒否される(法6条1項14号、施行令3条の2)。この要件は法人・個人を問わず適用される。かつては300万円であったが、平成22年の完全施行により5,000万円に引き上げられた。NPOバンク等については特例がある。
問4貸金業の登録を受けることができない者に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わった日から3年を経過しない者は登録を拒否される。
- ✔貸金業法の規定に違反し罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わった日から5年を経過しない者は登録を拒否される。
- 3破産手続開始の決定を受けた者は、復権を得た後であっても5年間は登録を拒否される。
- 4登録を取り消された法人の、取消日前30日以内に役員であった者は、取消日から3年間は登録を拒否される。
- 5暴力団員でなくなった日から3年を経過しない者であっても、現に暴力団員でなければ登録は拒否されない。
解説:貸金業法、出資法、暴力団対策法等の規定に違反し、又は貸付けの契約の締結・債権の取立てに関し罪を犯し罰金の刑に処せられ、その執行を終わった日等から5年を経過しない者は登録拒否事由に該当する(法6条1項6号)。1は禁錮以上の刑は「5年」、3は復権を得れば拒否事由に該当しない、4は取消日前30日以内の役員は「5年」、5は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者も拒否事由となる(同項5号の2)。
問5貸金業者の変更の届出等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1商号又は名称を変更したときは、変更の日から30日以内に届け出なければならない。
- ✔商号又は名称を変更したときは、変更の日から2週間以内にその旨を登録行政庁に届け出なければならない。
- 3商号又は名称を変更したときは、あらかじめその旨を登録行政庁に届け出なければならない。
- 4商号又は名称の変更は登録事項ではないため、届出は不要である。
- 5商号又は名称を変更したときは、次回の登録更新時にまとめて届け出れば足りる。
解説:登録申請書の記載事項に変更があったときは、原則としてその日から2週間以内に登録行政庁に届け出なければならない(法8条1項)。ただし、営業所等の新設・廃止については「あらかじめ」の届出が必要な場合がある。一方、廃業・合併・破産等の届出は30日以内(法10条1項)であり、期間の使い分けが頻出論点である。
問6貸金業者の廃業等の届出に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1貸金業者である個人が死亡した場合、相続人は死亡の事実を知った日から30日以内に届け出なければならない。
- 2貸金業者である法人が合併により消滅した場合、消滅した法人を代表する役員であった者が30日以内に届け出る。
- 3貸金業者について破産手続開始の決定があった場合、破産管財人が30日以内に届け出る。
- 4貸金業を廃止した場合、廃止した貸金業者であった個人又は法人を代表する役員が30日以内に届け出る。
- ✔上記1から4のいずれも正しい。
解説:法10条1項は、①死亡の場合は相続人(死亡の事実を知った日から30日以内)、②合併消滅の場合は消滅法人を代表する役員であった者、③破産手続開始決定の場合は破産管財人、④解散の場合は清算人、⑤廃業の場合は貸金業者であった個人又は法人を代表する役員、がそれぞれ30日以内に届け出るものと定める。届出者が誰かを問う出題が多い。
問7貸金業務取扱主任者の設置義務に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1本店に1名を設置すれば、支店には設置する必要がない。
- 2営業所等ごとに、貸金業の業務に従事する者の数に対する主任者の数の割合が10分の1以上となるように設置する。
- 3営業所等ごとに、貸金業の業務に従事する者の数に対する主任者の数の割合が20分の1以上となるように設置する。
- 4営業所等ごとに、貸金業の業務に従事する者の数に対する主任者の数の割合が100分の1以上となるように設置する。
- ✔営業所等ごとに、貸金業の業務に従事する者の数に対する主任者の数の割合が50分の1以上となるように設置する。
解説:貸金業者は、営業所又は事務所ごとに、貸金業の業務に従事する者の数に対する貸金業務取扱主任者の数の割合が50分の1以上となる数の常勤の主任者を置かなければならない(法12条の3第1項、施行規則10条の8)。すなわち従業者50人につき1人以上である。営業所等ごとの設置であり、本店に置けば足りるのではない。
問8貸金業務取扱主任者の登録に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1主任者の登録の有効期間は5年であり、更新の際に再度資格試験を受験しなければならない。
- 2主任者の登録の有効期間は3年であるが、更新に際して講習の受講は任意である。
- 3主任者の登録の有効期間は2年であり、貸金業協会が更新事務を行う。
- 4主任者の登録に有効期間はなく、一度登録すれば終身有効である。
- ✔主任者の登録の有効期間は3年であり、更新を受けようとする者は登録講習機関が行う講習を受講しなければならない。
解説:主任者登録の有効期間は3年である(法24条の27第2項)。更新を受けようとする者は、登録の申請の日前6か月以内に行われた登録講習機関が実施する講習を受けなければならない(法24条の25第1項、施行規則26条の28)。新規登録の際も同様に講習の受講が必要である。
貸付け及び付随取引全333問中 8問を掲載
問9意思表示に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし最も適切なものはどれか。
- ✔錯誤による意思表示は、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。
- 2通謀虚偽表示による意思表示は取り消すことができる。
- 3強迫による意思表示は取り消すことができるが、善意無過失の第三者には対抗できない。
- 4詐欺による意思表示は無効であり、善意無過失の第三者にも対抗できる。
- 5心裡留保による意思表示は常に有効であり、相手方が悪意であっても取り消すことはできない。
解説:平成29年改正民法により、錯誤の効果は「無効」から「取消し」に変更された(民法95条1項)。錯誤が重要なものであることが要件である。心裡留保は原則有効だが相手方が悪意又は有過失の場合は無効(93条)。詐欺は取消しでき善意無過失の第三者に対抗できない(96条3項)。強迫による取消しは善意無過失の第三者にも対抗できる。虚偽表示は無効(94条)。
問10代理に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし最も適切なものはどれか。
- 1本人の許諾がなくても、任意代理人は自由に復代理人を選任できる。
- 2無権代理行為は、本人が追認しても効力を生じない。
- 3代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は、常に本人に対して効力を生ずる。
- ✔代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は、原則として代理人自身のためにしたものとみなされる。
- 5代理人は必ず行為能力者でなければならない。
解説:代理人が顕名をしないでした意思表示は、原則として代理人自身のためにしたものとみなされる(民法100条本文)。ただし相手方が本人のためにすることを知り、又は知ることができたときは本人に効力が生ずる(同条ただし書)。代理人は行為能力者であることを要しない(102条)。任意代理人の復代理人選任には本人の許諾又はやむを得ない事由が必要(104条)。無権代理は本人の追認により遡って効力を生ずる(113条、116条)。
問11債権の消滅時効に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし最も適切なものはどれか。
- 1商事債権の消滅時効は5年であるという商法の規定は現在も存続している。
- 2時効の利益はあらかじめ放棄することができる。
- 3債権の消滅時効期間は一律に10年である。
- ✔債権は、権利を行使することができることを知った時から5年間、又は権利を行使することができる時から10年間行使しないときに時効消滅する。
- 5人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効は、権利を行使することができる時から10年である。
解説:改正民法166条1項は、債権について①債権者が権利を行使することができることを知った時(主観的起算点)から5年、②権利を行使することができる時(客観的起算点)から10年のいずれか早い方の経過により時効消滅すると定める。商事消滅時効(旧商法522条)は削除された。生命・身体の侵害による損害賠償請求権は客観的起算点から20年(167条)。時効の利益はあらかじめ放棄できない(146条)。
問12時効の完成猶予及び更新に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし最も適切なものはどれか。
- 1強制執行の申立てをしても時効の完成猶予の効果は生じない。
- ✔裁判上の請求があった場合、その事由が終了するまで時効の完成が猶予され、確定判決等により権利が確定したときは時効が更新される。
- 3権利の承認があっても時効は更新されない。
- 4催告をした場合、その時から1年間時効の完成が猶予される。
- 5協議を行う旨の合意が書面でされた場合でも、時効の完成猶予の効果は生じない。
解説:裁判上の請求は、その事由が終了するまで時効の完成が猶予され、確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したときは、その終了時から新たに時効が進行する(更新、民法147条)。催告による完成猶予は「6か月」(150条)。権利の承認は更新事由(152条)。協議を行う旨の書面による合意は完成猶予事由(151条)。強制執行も完成猶予・更新事由(148条)。
問13保証債務に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし最も適切なものはどれか。
- 1保証人が主たる債務者の委託を受けずに保証をした場合、求償権は一切発生しない。
- 2保証契約は、口頭の合意によっても効力を生ずる。
- 3連帯保証人は催告の抗弁権及び検索の抗弁権を有する。
- ✔保証契約は、書面又は電磁的記録でしなければ効力を生じない。
- 5個人根保証契約は、極度額を定めなくても有効である。
解説:保証契約は、書面でしなければ効力を生じない(民法446条2項)。電磁的記録によってされたときは書面によってされたものとみなされる(同条3項)。連帯保証人は催告・検索の抗弁権を有しない(454条)。個人根保証契約は極度額を定めなければ無効(465条の2第2項)。委託を受けない保証人にも一定の求償権がある(462条)。
問14事業に係る債務についての個人保証に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし最も適切なものはどれか。
- 1主たる債務者の理事・取締役等が保証人となる場合にも、例外なく公正証書が必要である。
- 2公正証書は契約締結後1か月以内に作成すれば足りる。
- ✔事業のために負担した貸金等債務を主たる債務とする個人保証契約は、契約締結日前1か月以内に作成された公正証書で保証意思が表示されていなければ効力を生じない。
- 4この規定は法人が保証人となる場合にも適用される。
- 5この制度は努力義務にとどまる。
解説:事業のために負担した貸金等債務を主たる債務とする保証契約等について、個人が保証人となる場合には、契約締結の日前1か月以内に作成された公正証書で保証債務を履行する意思を表示していなければ効力を生じない(民法465条の6)。法人が保証人となる場合は適用されず(465条の6第3項)、主たる債務者の理事・取締役、支配株主、共同事業者、事業に現に従事している配偶者等は適用除外(465条の9)。
問15連帯債務に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし最も適切なものはどれか。
- 1連帯債務者間に求償関係は生じない。
- ✔連帯債務者の一人が弁済をしたときは、他の連帯債務者に対しても効力を生ずる(絶対的効力)。
- 3連帯債務者の一人に対する免除は、他の連帯債務者に対しても効力を生ずる。
- 4連帯債務者の一人について生じた時効の完成は、他の連帯債務者に対しても効力を生ずる。
- 5連帯債務者の一人に対する履行の請求は、他の連帯債務者に対しても効力を生ずる。
解説:改正民法では絶対的効力事由が限定され、弁済等(438条〜440条:更改・相殺・混同)及び弁済は絶対的効力を有するが、履行の請求・免除・時効の完成は相対的効力事由となった(441条)。改正前は請求・免除・時効に絶対的効力があったため、改正点として頻出。連帯債務者間には負担部分に応じた求償関係が生じる(442条)。
問16債権譲渡に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし最も適切なものはどれか。
- 1譲渡制限の意思表示がされた債権の譲渡は、無効である。
- 2将来発生する債権を譲渡することはできない。
- 3債権譲渡を第三者に対抗するためには、単なる通知で足りる。
- ✔譲渡制限の意思表示がされた場合であっても、債権の譲渡はその効力を妨げられない。
- 5債権譲渡を債務者に対抗するためには、確定日付のある証書による通知が必要である。
解説:改正民法466条2項は、譲渡制限の意思表示がされたときであっても債権譲渡の効力は妨げられないとする(ただし悪意重過失の譲受人に対しては債務者は履行を拒める、同条3項)。債務者対抗要件は譲渡人からの通知又は債務者の承諾(467条1項)、第三者対抗要件は確定日付のある証書による通知・承諾(同条2項)。将来債権の譲渡も可能(466条の6)。
資金需要者等の保護全100問中 8問を掲載
問17個人情報の保護に関する法律における「個人情報」に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1個人識別符号が含まれるものは個人情報に該当しない。
- ✔生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるものをいう。
- 3法人に関する情報も個人情報に含まれる。
- 4他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別できるものは個人情報に含まれない。
- 5死亡した個人に関する情報も個人情報に含まれる。
解説:個人情報とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合でき、それにより特定の個人を識別できるものを含む)、又は個人識別符号が含まれるものをいう(個人情報保護法2条1項)。死者に関する情報や法人情報は含まれない。
問18個人データの第三者提供に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1第三者提供に係る記録の作成・保存義務はない。
- 2個人データの第三者提供は、本人の同意なく自由に行うことができる。
- ✔個人情報取扱事業者は、原則としてあらかじめ本人の同意を得ないで個人データを第三者に提供してはならない。
- 4人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合でも、本人の同意が必須である。
- 5法令に基づく場合であっても、本人の同意がなければ提供できない。
解説:個人情報取扱事業者は、法令に基づく場合等の例外を除き、あらかじめ本人の同意を得ないで個人データを第三者に提供してはならない(個人情報保護法27条1項)。例外には、法令に基づく場合、人の生命・身体・財産の保護に必要で本人同意を得ることが困難な場合等がある。提供時には記録の作成・保存義務がある(29条、30条)。なお信用情報は「要配慮個人情報」ではない点にも注意。
問19金融分野における個人情報保護に関するガイドライン等の内容として、最も適切なものはどれか。
- 1個人データの安全管理措置は努力義務にとどまる。
- 2機微(センシティブ)情報は、金融分野においても自由に取得・利用できる。
- 3従業者に対する監督義務は法律上定められていない。
- ✔個人情報取扱事業者である金融分野の事業者は、与信事業に際して個人情報を取得する場合、利用目的について本人の同意を書面により得ることが求められる。
- 5個人信用情報機関から取得した個人情報を、返済能力の調査以外の目的で利用することは認められる。
解説:金融分野ガイドラインは、与信事業に際して個人情報を取得する場合、利用目的について本人の同意を「書面」により得ることを求めている。労働組合への加盟、人種、信条、門地、保健医療、性生活等の機微情報は、原則として取得・利用・第三者提供が禁止される。安全管理措置(法23条)、従業者の監督(24条)、委託先の監督(25条)はいずれも法律上の義務である。
問20消費者契約法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- ✔事業者が重要事項について事実と異なることを告げ、消費者が誤認して契約した場合、消費者はその契約の申込み又は承諾の意思表示を取り消すことができる。
- 2消費者契約法上の取消権に期間制限はない。
- 3消費者契約法は事業者間の契約にも適用される。
- 4不退去・退去妨害による困惑は取消事由とならない。
- 5事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項も有効である。
解説:事業者が重要事項について事実と異なることを告げ(不実告知)、消費者が誤認して契約の申込み等をした場合、消費者は取り消すことができる(消費者契約法4条1項1号)。断定的判断の提供、不利益事実の不告知、不退去・退去妨害による困惑等も取消事由。事業者の責任を全部免除する条項は無効(8条)。取消権は追認できる時から1年、契約締結時から5年で消滅(7条1項)。適用対象は消費者と事業者の間の契約。
問21不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1価格その他の取引条件について著しく有利であると誤認される表示は規制の対象外である。
- ✔商品又は役務の品質等について、実際のものよりも著しく優良であると示す表示は優良誤認表示として禁止される。
- 3違反した事業者に対して課徴金納付命令が課されることはない。
- 4景品表示法の所管は金融庁である。
- 5景品類の提供には制限がない。
解説:景品表示法5条1号は優良誤認表示(品質・規格その他の内容について著しく優良と誤認させる表示)を、2号は有利誤認表示(価格その他の取引条件について著しく有利と誤認させる表示)を禁止する。景品類の提供にも制限がある(4条)。違反行為には措置命令(7条)及び課徴金納付命令(8条)がある。所管は消費者庁である。
問22日本貸金業協会の自主規制基本規則に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1協会員は、勧誘を受けた者が契約を締結しない旨の意思を表示した場合でも、3日経過後であれば再勧誘できる。
- 2自主規制規則は協会員以外にも法的拘束力を持つ。
- ✔協会員は、資金需要者等の知識、経験、財産の状況及び貸付けの契約の締結の目的に照らして不適当と認められる勧誘を行ってはならない。
- 4自主規制規則には広告に関する定めはない。
- 5協会員には過剰貸付け防止のための社内規則整備は求められていない。
解説:日本貸金業協会の自主規制基本規則は、適合性の原則に基づく勧誘(顧客の知識・経験・財産の状況・契約締結の目的に照らして不適当な勧誘の禁止)を定めている。また契約を締結しない旨の意思表示をした者への再勧誘は禁止され、意思表示から最低1年間は勧誘を控えるべきとされる。広告審査態勢の整備、過剰貸付防止のための社内規則整備も求められる。自主規制規則の直接の拘束力は協会員に及ぶ。
問23多重債務者対策及び相談対応に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1債務整理を弁護士に委任した旨の通知を受けた後も、債務者に直接支払いを請求してよい。
- ✔貸金業者は、多重債務者から相談を受けた場合、カウンセリング機関等の紹介を含め適切な対応をとることが求められる。
- 3任意整理は裁判所を通じて行う法的整理である。
- 4特定調停は簡易裁判所ではなく地方裁判所が管轄する。
- 5多重債務者からの相談があっても、貸金業者は追加融資を積極的に勧誘してよい。
解説:監督指針及び自主規制規則は、多重債務者からの相談に対し、日本貸金業協会の貸金業相談・紛争解決センターや日本クレジットカウンセリング協会等の紹介を含む適切な対応を求めている。弁護士等への委任通知後の直接請求は貸金業法21条1項9号違反。任意整理は裁判外の私的整理、特定調停は簡易裁判所が管轄する(特定調停法4条)。
問24特定商取引に関する法律のクーリング・オフに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1連鎖販売取引におけるクーリング・オフ期間は8日間である。
- 2金銭消費貸借契約そのものは特定商取引法のクーリング・オフの対象である。
- 3訪問販売におけるクーリング・オフ期間は20日間である。
- 4クーリング・オフの意思表示は口頭でのみ可能である。
- ✔訪問販売におけるクーリング・オフ期間は、法定書面を受領した日から起算して8日間である。
解説:訪問販売・電話勧誘販売・特定継続的役務提供のクーリング・オフ期間は法定書面受領日から起算して8日間、連鎖販売取引・業務提供誘引販売取引は20日間である。意思表示は書面又は電磁的記録で行う。金銭消費貸借契約自体は特定商取引法の指定対象取引ではないが、割賦販売法の抗弁権の接続等を通じて与信契約が影響を受ける場合がある。
財務及び会計全100問中 8問を掲載
問25貸借対照表に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1貸借対照表の借方には負債及び純資産が記載される。
- 2貸借対照表は現金の増減のみを表示する。
- ✔貸借対照表は、一定時点における企業の財政状態を表す財務諸表であり、資産=負債+純資産の関係が成り立つ。
- 4貸借対照表には収益及び費用が記載される。
- 5貸借対照表は、一定期間における企業の経営成績を表す財務諸表である。
解説:貸借対照表(B/S)は決算日など一定時点における財政状態を表し、借方(左側)に資産、貸方(右側)に負債及び純資産が記載され、常に「資産=負債+純資産」が成立する。一定期間の経営成績を表すのは損益計算書(P/L)、現金の増減を表すのはキャッシュ・フロー計算書である。
問26損益計算書における各利益に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1営業利益は、売上総利益から特別損失を差し引いて算出される。
- ✔売上総利益は、売上高から売上原価を差し引いて算出される。
- 3税引前当期純利益は、売上高から売上原価を差し引いた金額である。
- 4経常利益は、営業利益に特別利益を加え特別損失を差し引いて算出される。
- 5当期純利益は、経常利益から販売費及び一般管理費を差し引いて算出される。
解説:損益計算書の構造は、売上高-売上原価=売上総利益、売上総利益-販売費及び一般管理費=営業利益、営業利益+営業外収益-営業外費用=経常利益、経常利益+特別利益-特別損失=税引前当期純利益、税引前当期純利益-法人税等=当期純利益、という順序である。この段階構造の理解が出題の中心となる。
問27流動比率に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- ✔流動比率は、流動資産÷流動負債×100で算出され、短期的な支払能力を示す指標である。
- 2流動比率は固定資産と自己資本の関係を示す指標である。
- 3流動比率は低いほど短期的な安全性が高いことを示す。
- 4流動比率は、流動負債÷流動資産×100で算出される。
- 5流動比率は企業の収益性を示す指標である。
解説:流動比率=流動資産÷流動負債×100(%)であり、1年以内に現金化される資産で1年以内に支払うべき負債をどれだけ賄えるかを示す短期的支払能力(安全性)の指標である。一般に200%以上が望ましいとされる。より厳格な指標として当座比率(当座資産÷流動負債×100)がある。固定資産と自己資本の関係を示すのは固定比率である。
問28自己資本比率に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- ✔自己資本比率は、自己資本÷総資本×100で算出され、高いほど財務の安全性が高いとされる。
- 2自己資本比率は、他人資本÷総資本×100で算出される。
- 3自己資本比率は売上高に対する利益の割合を示す。
- 4自己資本比率は企業の成長性を示す指標である。
- 5自己資本比率は低いほど財務の安全性が高い。
解説:自己資本比率=自己資本÷総資本(総資産)×100(%)であり、総資本のうち返済不要の自己資本が占める割合を示す。数値が高いほど借入依存度が低く、財務の安全性が高いと評価される。売上高に対する利益の割合は売上高利益率、資本に対する利益の割合はROE(自己資本利益率)・ROA(総資産利益率)である。
問29ある企業の当期純利益が600万円、自己資本が5,000万円、総資産が2億円であった場合、ROE(自己資本利益率)として最も適切なものはどれか。
- ✔12.0%
- 224.0%
- 330.0%
- 46.0%
- 53.0%
解説:ROE(自己資本利益率)=当期純利益÷自己資本×100で算出される。本問では600万円÷5,000万円×100=12.0%となる。なおROA(総資産利益率)=当期純利益÷総資産×100=600万円÷2億円×100=3.0%である。両者を混同させる出題が多いため、分母が自己資本か総資産かを必ず確認すること。
問30キャッシュ・フロー計算書に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1キャッシュ・フロー計算書は、営業活動と投資活動の2区分により表示される。
- ✔キャッシュ・フロー計算書は、営業活動、投資活動、財務活動の3区分により表示される。
- 3借入金の返済による支出は営業活動によるキャッシュ・フローに区分される。
- 4固定資産の取得による支出は財務活動によるキャッシュ・フローに区分される。
- 5キャッシュ・フロー計算書は発生主義により作成される。
解説:キャッシュ・フロー計算書は「営業活動によるCF」「投資活動によるCF」「財務活動によるCF」の3区分で表示される。固定資産や有価証券の取得・売却は投資活動、借入れ・返済や増資・配当は財務活動に区分される。損益計算書が発生主義であるのに対し、キャッシュ・フロー計算書は現金主義に基づく点が特徴である。
問31個人の家計収支の分析に用いる「可処分所得」に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1可処分所得とは、年間収入から住宅ローン返済額を差し引いた金額をいう。
- ✔可処分所得とは、年間収入から所得税、住民税及び社会保険料を差し引いた金額をいう。
- 3可処分所得とは、年間収入に賞与を加算した金額をいう。
- 4可処分所得とは、年間収入そのものをいう。
- 5可処分所得とは、年間収入から生活費を差し引いた金額をいう。
解説:可処分所得=年間収入-(所得税+住民税+社会保険料)であり、いわゆる手取り収入を指す。個人の返済能力を判断する際には、可処分所得から生活費等を差し引いた「返済可能額」を把握することが重要となる。年間返済額を年収で除した返済負担率(返済比率)も併せて用いられる。
問32年収500万円、年間返済額が125万円である個人の返済負担率(返済比率)として最も適切なものはどれか。
- 112.5%
- 220.0%
- ✔25.0%
- 430.0%
- 540.0%
解説:返済負担率(返済比率)=年間返済額÷年収×100で算出する。本問では125万円÷500万円×100=25.0%である。一般に返済負担率が高いほど返済余力が乏しく、25〜35%を超えると返済が困難になりやすいとされる。返済能力の調査における重要な指標のひとつである。