分野別問題(解説つき)

2級ジーゼル自動車整備士|分野別 問題インデックス

最終更新:2026年9月3日

2級ジーゼル自動車整備士は燃料噴射・排出ガスから故障診断・計算まで26分野から出題されます。分野別に代表問題を掲載しています。全1000問をまとめて解くならトレーナーへ進んでください。

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燃焼全25問中 4問を掲載

問1
ディーゼル・エンジンの着火方式として適切なものは次のうちどれか。
  • 1グロー・プラグによる連続点火
  • 2電気火花による点火
  • ✔高温高圧の空気による自己着火(圧縮着火)
  • 4予混合気の火炎伝播
  • 5触媒による接触着火
解説:【正解】3「高温高圧の空気による自己着火(圧縮着火)」 ディーゼル・エンジンは空気のみを高圧縮比で圧縮して500〜700℃程度の高温にし、そこへ燃料を噴射して自己着火させる。グロー・プラグは冷間始動を助ける補助装置で、運転中の着火源ではない。
問2
直接噴射式燃焼室が副室式と比較して優れている点として適切なものは次のうちどれか。
  • 1噴射圧力が低くてよい
  • 2燃焼騒音が小さい
  • 3燃焼室の構造が複雑である
  • 4NOxの発生量が少ない
  • ✔冷間始動性が良く熱効率が高い
解説:【正解】5「冷間始動性が良く熱効率が高い」 直接噴射式は燃焼室表面積が小さく冷却損失が少ないため熱効率と始動性に優れ、燃料消費率が良い。一方で高い噴射圧力と精密な噴霧が必要で、燃焼騒音とNOxは大きくなる傾向がある。
問3
ディーゼル・ノックの原因として適切なものは次のうちどれか。
  • ✔着火遅れが長く、蓄積した燃料が一度に燃焼する
  • 2セタン価が高すぎる
  • 3圧縮比が高すぎる
  • 4冷却水温が高すぎる
  • 5噴射時期が遅すぎることのみ
解説:【正解】1「着火遅れが長く、蓄積した燃料が一度に燃焼する」 着火遅れ期間が長いと、その間に噴射された多量の燃料が一斉に燃焼して急激な圧力上昇を招く。これがディーゼル・ノックで、セタン価の低い燃料、低圧縮比、低水温、噴射時期過進角などが要因となる。
問4
ディーゼル・エンジンの燃焼過程の順序として適切なものは次のうちどれか。
  • 1直接燃焼期間 → 着火遅れ期間 → 火炎伝播期間 → 後燃え期間
  • 2火炎伝播期間 → 着火遅れ期間 → 直接燃焼期間 → 後燃え期間
  • 3着火遅れ期間 → 直接燃焼期間 → 火炎伝播期間 → 後燃え期間
  • ✔着火遅れ期間 → 火炎伝播期間 → 直接燃焼期間 → 後燃え期間
  • 5後燃え期間 → 着火遅れ期間 → 火炎伝播期間 → 直接燃焼期間
解説:【正解】4「着火遅れ期間 → 火炎伝播期間 → 直接燃焼期間 → 後燃え期間」 噴射開始から着火までの着火遅れ期間、蓄積した燃料が急激に燃える火炎伝播(急激燃焼)期間、噴射に応じて燃える直接燃焼(制御燃焼)期間、噴射終了後の後燃え期間の順に進む。着火遅れが長いとディーゼル・ノックとなる。

燃料装置全59問中 4問を掲載

問5
軽油の着火性を表す指数として適切なものは次のうちどれか。
  • 1引火点
  • 2動粘度
  • 3オクタン価
  • 4流動点
  • ✔セタン価
解説:【正解】5「セタン価」 セタン価は軽油の着火性(着火遅れの短さ)を表し、値が高いほど着火しやすくディーゼル・ノックが起こりにくい。オクタン価は逆に自己着火のしにくさを表す指数でガソリンに用いる。
問6
コモンレール式燃料噴射装置の特徴として不適切なものは次のうちどれか。
  • ✔噴射量はカムのリフト量で機械的に決まる
  • 2噴射圧力をエンジン回転速度や負荷と独立して設定できる
  • 3多段噴射(パイロット噴射など)が可能である
  • 4噴射時期を電子制御できる
  • 5蓄圧室(コモンレール)に高圧燃料を蓄える
解説:【正解】1「噴射量はカムのリフト量で機械的に決まる」 コモンレール式では噴射量・時期はインジェクタの通電時間とレール圧の電子制御で決まり、カムのリフト量には依存しない。この独立制御により低速から高圧噴射でき、パイロット噴射で騒音とNOxを低減できる。
問7
列型燃料噴射ポンプにおいて、プランジャのリード(斜め溝)の役割として適切なものは次のうちどれか。
  • ✔噴射終了時期を変えて噴射量を調整する
  • 2噴射開始時期を決める
  • 3燃料の圧力を一定に保つ
  • 4ノズルの開弁圧を調整する
  • 5燃料中の空気を抜く
解説:【正解】1「噴射終了時期を変えて噴射量を調整する」 プランジャを回転させるとリードとスピル・ポートが一致する位置が変わり、有効ストローク(噴射終了時期)が変化して噴射量が増減する。噴射開始時期はプランジャ上面がフィード・ホールを閉じた瞬間で、回転位置によらず一定である。
問8
ガバナの主な役割として適切なものは次のうちどれか。
  • 1噴射時期を進角させる
  • 2燃料の圧力を検出する
  • 3燃料温度を制御する
  • ✔エンジン回転速度に応じて噴射量を自動調整し回転を制御する
  • 5過給圧を制御する
解説:【正解】4「エンジン回転速度に応じて噴射量を自動調整し回転を制御する」 ガバナは無負荷時の過回転(オーバラン)や、アイドル回転の不安定を防ぐため、回転速度に応じてコントロール・ラックを動かし噴射量を自動調整する。最高回転速度の制限と低速安定が主目的である。

エンジン本体全26問中 4問を掲載

問9
ディーゼル・エンジンの圧縮比がガソリン・エンジンより高い理由として適切なものは次のうちどれか。
  • 1排気温度を下げるため
  • ✔圧縮端の温度を燃料の着火温度以上にするため
  • 3ノッキングを防止するため
  • 4燃料噴射圧力を下げるため
  • 5始動トルクを小さくするため
解説:【正解】2「圧縮端の温度を燃料の着火温度以上にするため」 自己着火させるには圧縮端温度を燃料の着火点以上に高める必要があり、そのため圧縮比は概ね15〜23程度と高い。結果として熱効率も高くなるが、筒内圧が高くなるため各部の剛性を大きくする必要がある。
問10
ディーゼル・エンジンのピストンに設けられるキャビティ(くぼみ)の主な目的として適切なものは次のうちどれか。
  • 1ピストン重量を軽くするため
  • ✔燃焼室を形成し空気の渦流(スワール)を強めるため
  • 3圧縮比を下げるため
  • 4ピストン・リングを保持するため
  • 5冷却水を導くため
解説:【正解】2「燃焼室を形成し空気の渦流(スワール)を強めるため」 直接噴射式ではピストン頂部のキャビティが燃焼室そのものを形成し、圧縮行程終わりに空気の渦流(スキッシュ・スワール)を強めて燃料と空気の混合を促進する。形状は噴霧パターンと対で設計される。
問11
ディーゼル・エンジンのシリンダ・ライナのうち、湿式ライナの特徴として適切なものは次のうちどれか。
  • 1乾式より肉厚を薄くできない
  • 2交換ができない
  • 3冷却水に直接触れないため冷却性能が劣る
  • ✔冷却水に直接触れ冷却性能が良いが水漏れ対策が必要である
  • 5ブロックと一体に鋳造されている
解説:【正解】4「冷却水に直接触れ冷却性能が良いが水漏れ対策が必要である」 湿式ライナは外周が直接冷却水に接するため冷却性能に優れ、交換も容易だが、シール・リングによる水漏れ対策が必要で、取付け時の突出し量(プロトルージョン)管理が重要となる。
問12
シリンダ・ライナの突出し量(プロトルージョン)を管理する理由として適切なものは次のうちどれか。
  • 1ピストン・クリアランスを決めるため
  • 2ライナを冷却するため
  • 3圧縮比を調整するため
  • ✔ヘッド・ガスケットの面圧を確保しガス漏れと冷却水漏れを防ぐため
  • 5バルブ・タイミングを決めるため
解説:【正解】4「ヘッド・ガスケットの面圧を確保しガス漏れと冷却水漏れを防ぐため」 突出し量が不足するとガスケットの面圧が足りずガス漏れ・水漏れを生じ、過大だとライナの変形やガスケットの損傷を招く。ダイヤル・ゲージで規定値内にあることを確認し、シムで調整する。

始動補助全6問中 4問を掲載

問13
グロー・プラグに関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1燃料を加熱して粘度を下げる
  • 2始動時に燃料を追加噴射する
  • 3排気を加熱してDPFを再生する
  • 4運転中は常時通電され点火源となる
  • ✔冷間始動時に燃焼室または副室を予熱する
解説:【正解】5「冷間始動時に燃焼室または副室を予熱する」 グロー・プラグは冷間時に燃焼室(副室式では副室)を予熱し、圧縮端温度不足による始動不良を防ぐ。近年はセラミック式など急速昇温タイプが用いられ、始動後もアフタグローで白煙・騒音を低減するものがある。
問14
グロー・プラグの役割として適切なものは次のうちどれか。
  • 1燃料を噴射する
  • 2運転中の点火源となる
  • 3排気を浄化する
  • 4冷却水を加熱する
  • ✔冷間時に燃焼室を予熱して始動を助ける
解説:【正解】5「冷間時に燃焼室を予熱して始動を助ける」 冷間時は圧縮端温度が上がりにくいため、予熱により着火を助ける。始動後もしばらく通電(アフタグロー)して白煙と騒音を低減するものが多い。
問15
グロー・プラグの種類に関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1すべて同じ昇温速度である
  • 2電気を使わない
  • ✔シース型やセラミック型があり、セラミック型は急速昇温が可能である
  • 41種類しかない
  • 5予熱時間は常に一定である
解説:【正解】3「シース型やセラミック型があり、セラミック型は急速昇温が可能である」 セラミック型は数秒で規定温度に達し、始動性と白煙低減に優れる。制御ユニットが水温などに応じて通電時間を決める。
問16
グロー・プラグの点検方法として適切なものは次のうちどれか。
  • 1燃圧を測定する
  • 2点検はできない
  • 3電圧レンジで測定する
  • ✔抵抗値を測定し、規定値と比較して断線や短絡を判定する
  • 5目視のみで判断する
解説:【正解】4「抵抗値を測定し、規定値と比較して断線や短絡を判定する」 断線していれば抵抗が無限大、短絡していれば規定より小さくなる。1本でも不良があると該当気筒の始動性が悪化し白煙を生じる。

排出ガス全53問中 4問を掲載

問17
ディーゼル・エンジンの黒煙の主成分として適切なものは次のうちどれか。
  • 1炭化水素
  • 2硫黄酸化物
  • 3窒素酸化物
  • 4一酸化炭素
  • ✔すす(固形炭素)
解説:【正解】5「すす(固形炭素)」 黒煙は空気不足の局所で燃料が熱分解して生じるすす(固形炭素)が主成分で、PM(粒子状物質)の中核をなす。噴射量過大、噴射時期不良、エア・クリーナ詰まり、ノズル不良などが発生原因となる。
問18
ディーゼル・エンジンにおけるNOxとPMの関係として適切なものは次のうちどれか。
  • 1両者は排出量に相関がない
  • 2PMを減らすと必ずNOxも減る
  • 3いずれもEGRのみで同時解決できる
  • 4両者は同時に減少させやすい
  • ✔NOxを減らそうとするとPMが増える傾向がある
解説:【正解】5「NOxを減らそうとするとPMが増える傾向がある」 燃焼温度を下げるとNOxは減るが酸化が不十分になりPM(すす)が増える。逆に高温にするとPMは減りNOxが増える。このトレードオフのため、EGRで筒内NOxを抑えつつDPFやSCRで後処理する組合せが用いられる。
問19
DPF(ディーゼル微粒子捕集フィルタ)に関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1COをCO2に酸化するのみである
  • 2NOxを窒素に還元する
  • 3硫黄分を吸着し続け再生を要しない
  • 4燃料中の水分を分離する
  • ✔PMを捕集し、堆積後は再生して燃焼除去する
解説:【正解】5「PMを捕集し、堆積後は再生して燃焼除去する」 DPFは多孔質セラミックでPMを捕集し、堆積量が増えると排気温度を上げてすすを燃焼させる再生を行う。再生には燃料のポスト噴射などが用いられ、短距離走行の繰り返しでは再生不良による目詰まりを起こしやすい。
問20
尿素SCRシステムに関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1尿素水で排気温度を上げDPFを再生する
  • 2尿素水でPMを洗浄する
  • ✔尿素水から生じたアンモニアでNOxを還元する
  • 4尿素水でCOを酸化する
  • 5尿素水を燃料に混合して燃焼させる
解説:【正解】3「尿素水から生じたアンモニアでNOxを還元する」 尿素水(AdBlue等)を排気中に噴射し、加水分解で生じたアンモニアがSCR触媒上でNOxをN2とH2Oに還元する。尿素水が不足するとNOx浄化ができないため、警告およびエンジン出力制限が行われる。

吸排気装置全25問中 4問を掲載

問21
インタクーラの目的として適切なものは次のうちどれか。
  • 1冷却水を冷却する
  • 2排気温度を上げる
  • ✔過給後の吸入空気を冷却し充填効率を高める
  • 4燃料を冷却する
  • 5エンジン・オイルを冷却する
解説:【正解】3「過給後の吸入空気を冷却し充填効率を高める」 過給により圧縮された空気は温度が上がり密度が低下する。インタクーラで冷却することで密度を高めて充填効率を向上させ、出力向上と燃焼温度低下によるNOx低減にも寄与する。
問22
エア・クリーナ・エレメントが詰まった場合に生じる現象として適切なものは次のうちどれか。
  • 1噴射圧力が上昇する
  • 2排気温度が下がり燃費が向上する
  • ✔吸入空気量が減り黒煙が増加する
  • 4圧縮圧力が上昇する
  • 5吸入空気量が増え出力が向上する
解説:【正解】3「吸入空気量が減り黒煙が増加する」 エレメントの詰まりで吸入空気量が減ると空気過剰率が下がり、不完全燃焼により黒煙が増加し出力低下・燃費悪化を招く。ダスト・インジケータ等で汚れを確認し、規定に従い清掃・交換する。
問23
ターボチャージャのウエスト・ゲート・バルブの役割として適切なものは次のうちどれか。
  • 1吸気を冷却する
  • ✔過給圧が規定以上になると排気の一部をタービンから逃がす
  • 3排気を再循環させる
  • 4排気を絞って制動力を得る
  • 5過給圧を常に最大にする
解説:【正解】2「過給圧が規定以上になると排気の一部をタービンから逃がす」 ウエスト・ゲートは過給圧が設定値を超えると開いて排気の一部をタービンをバイパスさせ、過給圧の上がりすぎによるエンジン損傷を防ぐ。可変ノズル式(VNT/VGT)ではノズル開度で同様の制御を行う。
問24
過給機のサージング現象に関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1タービンが過回転する現象
  • 2軸受が焼付く現象
  • 3過給圧が低下し続ける現象
  • ✔コンプレッサの吐出流量が少なく圧力比が高いときに流れが不安定になる現象
  • 5排気が逆流する現象
解説:【正解】4「コンプレッサの吐出流量が少なく圧力比が高いときに流れが不安定になる現象」 サージングは低流量・高圧力比の領域でコンプレッサ内の流れが剥離し、脈動と異音(サージ音)を生じる現象。エア・クリーナの詰まりや吸気系の絞りが誘因となることがあり、コンプレッサ・マップのサージ・ラインで示される。

制動装置全37問中 4問を掲載

問25
排気ブレーキの作動原理として適切なものは次のうちどれか。
  • 1変速機を強制的にニュートラルにする
  • ✔排気管を絞り、排気行程の抵抗を増して制動力を得る
  • 3吸気を絞って負圧をつくる
  • 4エンジンを逆回転させる
  • 5ブレーキ液圧を高める
解説:【正解】2「排気管を絞り、排気行程の抵抗を増して制動力を得る」 排気ブレーキは排気管内のバタフライ・バルブで排気の流れを絞り、排気行程の背圧を高めることでエンジンの回転抵抗を増し、補助制動力を得る。フット・ブレーキの負担を軽減しフェードを防ぐ。
問26
空気式ブレーキ(エア・ブレーキ)に関する記述として不適切なものは次のうちどれか。
  • ✔空気圧が低下すると制動力は増大する
  • 2エア・タンクにはドレンがたまるため水抜きが必要である
  • 3圧縮空気の圧力でブレーキを作動させる
  • 4アンローダで規定圧力を保つ
  • 5踏力が小さくても大きな制動力が得られる
解説:【正解】1「空気圧が低下すると制動力は増大する」 空気圧が低下すれば制動力は不足し極めて危険であるため、低圧警報装置の装備が求められる。なおスプリング・ブレーキは空気圧低下時にばね力で作動する構造で、これは駐車ブレーキ側の安全機構である。
問27
エア・ドライヤの役割として適切なものは次のうちどれか。
  • 1ブレーキ・チャンバを潤滑する
  • 2圧縮空気を冷却する
  • 3圧縮空気の圧力を高める
  • 4排気ブレーキを作動させる
  • ✔圧縮空気中の水分と油分を除去する
解説:【正解】5「圧縮空気中の水分と油分を除去する」 圧縮空気には水分と油分が含まれ、そのまま系統に入ると腐食、バルブの凍結、作動不良を招く。エア・ドライヤは乾燥剤で水分を吸着し、定期的に再生(パージ)する。乾燥剤カートリッジは定期交換が必要である。
問28
ブレーキ・チャンバの役割として適切なものは次のうちどれか。
  • ✔空気圧を機械的な力(押し力)に変換しブレーキを作動させる
  • 2空気圧を液圧に変換する
  • 3空気を貯めておく
  • 4空気圧を検出する
  • 5空気を圧縮する
解説:【正解】1「空気圧を機械的な力(押し力)に変換しブレーキを作動させる」 ブレーキ・チャンバはダイヤフラムに空気圧を作用させ、プッシュ・ロッドを押し出してスラック・アジャスタを介しブレーキ・カムを回す。プッシュ・ロッドのストロークが過大な場合はライニングすき間の調整が必要である。

動力伝達全39問中 4問を掲載

問29
乾式単板クラッチのクラッチ・ディスクに設けられたトーション・スプリング(ダンパ・スプリング)の役割として適切なものは次のうちどれか。
  • 1クラッチの圧着力を高める
  • ✔接続時の回転方向の衝撃やねじり振動を吸収する
  • 3レリーズ・ベアリングを潤滑する
  • 4クラッチ・ペダルを戻す
  • 5ディスクの摩耗を検出する
解説:【正解】2「接続時の回転方向の衝撃やねじり振動を吸収する」 トーション・スプリングは回転方向のショックとねじり振動を吸収し、駆動系のがたつきや異音を防ぐ。軸方向のクッションはクッショニング・プレート(クッション・プレート)が受け持つ。
問30
デファレンシャルの主な役割として適切なものは次のうちどれか。
  • ✔旋回時に左右輪の回転差を許容する
  • 2前後輪の回転差を吸収する
  • 3プロペラ・シャフトの振動を吸収する
  • 4駆動力を増大させるのみである
  • 5変速比を切り替える
解説:【正解】1「旋回時に左右輪の回転差を許容する」 旋回時は外側車輪の走行距離が長くなるため、デファレンシャルが左右輪に回転差を与えてタイヤの引きずりを防ぐ。ただし片輪が空転すると駆動力が伝わらなくなるため、差動制限装置(LSD)を設ける場合がある。
問31
クラッチ・ペダルの遊びが全くない場合に生じる現象として適切なものは次のうちどれか。
  • 1クラッチが切れなくなる
  • 2レリーズ・ベアリングが保護される
  • 3変速がしやすくなる
  • ✔クラッチが半クラッチ状態となり滑りや焼損を生じる
  • 5クラッチ・ディスクの寿命が延びる
解説:【正解】4「クラッチが半クラッチ状態となり滑りや焼損を生じる」 遊びがないとレリーズ・ベアリングがダイヤフラム・スプリングを常に押した状態となり、圧着力が不足して滑りや異常摩耗、レリーズ・ベアリングの早期損傷を招く。逆に遊びが大きすぎるとクラッチが切れきらない。
問32
シンクロメッシュ機構のシンクロナイザ・リングの役割として適切なものは次のうちどれか。
  • 1ギヤ比を変える
  • 2ギヤを軸方向に移動させる
  • ✔摩擦により回転速度差をなくして噛み合わせを容易にする
  • 4潤滑油を循環させる
  • 5動力を遮断する
解説:【正解】3「摩擦により回転速度差をなくして噛み合わせを容易にする」 シンクロナイザ・リングはコーン面の摩擦でギヤとハブの回転速度を同期させ、ドッグ・ギヤの噛み合いをスムーズにする。摩耗するとギヤ鳴きやシフト時の入りにくさが生じる。

潤滑装置全10問中 4問を掲載

問33
ディーゼル・エンジンのエンジン・オイルがガソリン・エンジンより早く汚れやすい主な理由として適切なものは次のうちどれか。
  • 1燃焼温度が低いため
  • 2粘度が低いため
  • 3オイル・ポンプの吐出量が少ないため
  • 4冷却水が混入しやすいため
  • ✔すす(PM)や硫黄分の混入が多いため
解説:【正解】5「すす(PM)や硫黄分の混入が多いため」 ディーゼルは燃焼で生じるすすがブローバイとともにオイルへ混入し、また燃料中の硫黄分に由来する酸性成分が生じるため、オイルは黒く汚れやすい。清浄分散性と塩基価(TBN)の高い専用オイルを使用する。
問34
オイル・クーラを設ける主な目的として適切なものは次のうちどれか。
  • 1スラッジを除去するため
  • ✔油温上昇による粘度低下と酸化劣化を抑えるため
  • 3油圧を下げるため
  • 4オイルの粘度を上げるため
  • 5オイル量を減らすため
解説:【正解】2「油温上昇による粘度低下と酸化劣化を抑えるため」 油温が過度に上がると粘度が低下して油膜が保持できず、酸化劣化も急速に進む。オイル・クーラは冷却水または外気でオイルを冷却し、油温を適正範囲に保つ。高出力・過給エンジンでは特に重要となる。
問35
DPF装着車に指定される低灰分(ローSAPS)エンジン・オイルに関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1添加剤を一切含まない
  • 2粘度が特に高い
  • ✔硫酸灰分・リン・硫黄の量を抑え、DPFの目詰まりを抑制する
  • 4交換周期が不要になる
  • 5ガソリン車専用である
解説:【正解】3「硫酸灰分・リン・硫黄の量を抑え、DPFの目詰まりを抑制する」 オイル由来の灰分はDPFに蓄積して再生でも燃焼せず、徐々に目詰まりを進行させる。低灰分オイル(DH-2など)を使用することで蓄積を抑えられる。指定外オイルの使用はDPFの寿命を著しく縮める。
問36
ディーゼルのエンジン・オイルが早く黒くなる理由として適切なものは次のうちどれか。
  • 1添加剤の色によるため
  • 2燃料が混入するため
  • ✔燃焼で生じたすすがブローバイとともに混入するため
  • 4水分が混入するため
  • 5冷却水が混入するため
解説:【正解】3「燃焼で生じたすすがブローバイとともに混入するため」 黒くなること自体は正常である。量の増加、粘度の低下、燃料臭、乳白色への変色といった変化に着目して異常を判断する。

電装全41問中 4問を掲載

問37
ディーゼル車の始動系においてバッテリ容量が大きく設定される主な理由として適切なものは次のうちどれか。
  • 1発電機の効率が低いため
  • 2ヘッドランプが大きいため
  • 3点火装置の消費電力が大きいため
  • ✔圧縮比が高くクランキング抵抗が大きいうえ予熱電流も必要なため
  • 5燃料ポンプが電動式のため
解説:【正解】4「圧縮比が高くクランキング抵抗が大きいうえ予熱電流も必要なため」 高圧縮比のためクランキングトルクが大きく、さらにグロー・プラグの予熱電流も加わるため、大容量バッテリと大出力スタータが必要となる。24V系を採用する車両が多いのもこのためである。
問38
24V電気方式が大型車に採用される主な理由として適切なものは次のうちどれか。
  • 1感電の危険がないから
  • 2バッテリの寿命が2倍になるから
  • 3電球が明るくなるから
  • 4充電時間が半分になるから
  • ✔同じ電力を得るのに電流が半分で済み、配線を細くできるから
解説:【正解】5「同じ電力を得るのに電流が半分で済み、配線を細くできるから」 電力が同じなら電圧を2倍にすると電流は半分になり、配線の断面積や電圧降下、発熱を抑えられる。始動時に大電流を要する大型ディーゼルでは大きな利点となる。バッテリは12V2個を直列に接続する。
問39
リダクション式スタータ・モータの特徴として適切なものは次のうちどれか。
  • ✔減速ギヤによりトルクを増大させ、小型・軽量で大きな始動トルクが得られる
  • 2直結式より大型になる
  • 3低トルクだが高速回転が得られる
  • 4減速機構がないため構造が簡単である
  • 524V車には使用できない
解説:【正解】1「減速ギヤによりトルクを増大させ、小型・軽量で大きな始動トルクが得られる」 リダクション式は電機子とピニオンの間に減速ギヤを設け、モータを高速小型化しながら大きな始動トルクを得る。圧縮比の高いディーゼルの始動に適しており、消費電流も抑えられる。
問40
急速予熱システム(QOS)の特徴として適切なものは次のうちどれか。
  • 1予熱に数分を要する
  • ✔短時間で規定温度に達し、始動後もアフタグローを行うものがある
  • 3水温にかかわらず通電時間は一定である
  • 4グロー・プラグを使用しない
  • 5始動後は必ず即座に通電が切れる
解説:【正解】2「短時間で規定温度に達し、始動後もアフタグローを行うものがある」 急速予熱システムはセラミック式などの急速昇温グロー・プラグと制御ユニットにより、数秒で予熱を完了する。始動後もしばらく通電(アフタグロー)して白煙や燃焼騒音を低減するものが多い。通電時間は水温等で制御される。

冷却装置全22問中 4問を掲載

問41
過給機付きディーゼル・エンジンでオーバヒートを起こした場合、ターボチャージャに生じやすい不具合として適切なものは次のうちどれか。
  • 1コンプレッサの結露
  • 2インペラの錆
  • 3ウエスト・ゲートの固着のみ
  • ✔軸受部の潤滑不良による焼付き
  • 5タービン・ブレードの伸長
解説:【正解】4「軸受部の潤滑不良による焼付き」 ターボは高温高速で作動し、エンジン・オイルで潤滑・冷却されている。オーバヒートや高負荷直後のアイドリングなしの停止はオイルの炭化(コーキング)を招き、軸受の焼付きの原因となる。
問42
シリンダ・ライナ外面に生じるキャビテーション・エロージョンの主な原因として適切なものは次のうちどれか。
  • ✔ライナの微振動により冷却水中に気泡が発生・消滅し表面が侵食される
  • 2冷却水温の低下のみ
  • 3冷却水の凍結
  • 4冷却水の油分混入
  • 5ライナの熱膨張
解説:【正解】1「ライナの微振動により冷却水中に気泡が発生・消滅し表面が侵食される」 ライナが燃焼圧力で微振動すると冷却水中に気泡が生じ、その消滅時の衝撃で金属表面が削られる。防止には規定濃度の冷却水添加剤(SCA/DCA)を維持し、ライナの突出し量を規定内に管理することが重要である。
問43
大型ディーゼルの冷却水に添加剤(SCA/DCA)を用いる主な目的として適切なものは次のうちどれか。
  • 1粘度を高めるため
  • ✔キャビテーション・エロージョンと腐食を防止するため
  • 3冷却水の色を着けるため
  • 4凍結温度を上げるため
  • 5沸点を下げるため
解説:【正解】2「キャビテーション・エロージョンと腐食を防止するため」 湿式ライナを持つ大型ディーゼルではライナ外面のキャビテーション侵食が問題となるため、添加剤で保護皮膜を形成する。添加剤は使用とともに消耗するため、濃度を定期的に測定し補充する必要がある。
問44
ビスカス・ファン・カップリングの作動として適切なものは次のうちどれか。
  • 1排気圧力で作動する
  • 2水温センサの電気信号でモータを回す
  • ✔ラジエータを通過した空気の温度に応じてシリコン・オイルの伝達を変え、ファン回転を制御する
  • 4常にエンジンと直結して回転する
  • 5電磁石でファンを断続する
解説:【正解】3「ラジエータを通過した空気の温度に応じてシリコン・オイルの伝達を変え、ファン回転を制御する」 バイメタルが感知した温度に応じて内部のシリコン・オイルの流通を変え、粘性によるトルク伝達量を変化させる。低温時はファンを空転させて駆動損失と騒音を抑える。オイル漏れや固着が不具合として生じる。

法令全39問中 4問を掲載

問45
道路運送車両法上、車両総重量8トン以上の事業用貨物自動車の定期点検整備の周期として適切なものは次のうちどれか。
  • 16か月ごとのみ
  • ✔3か月ごとおよび12か月ごと
  • 31か月ごと
  • 424か月ごとのみ
  • 512か月ごとのみ
解説:【正解】2「3か月ごとおよび12か月ごと」 事業用貨物自動車や大型車は3か月ごとと12か月ごとの定期点検整備が義務付けられており、点検整備記録簿の記載・保存も必要である。法令の周期は改正されることがあるため最新の法令を確認すること。
問46
自動車の使用者が行う日常点検整備の実施義務について、適切なものは次のうちどれか。
  • 11年に1回行えばよい
  • 2法令上の定めはない
  • 3車検時にまとめて行えばよい
  • 4整備工場のみが実施できる
  • ✔使用者が走行距離や運行状態等から判断した適切な時期に行う
解説:【正解】5「使用者が走行距離や運行状態等から判断した適切な時期に行う」 日常点検整備は使用者の義務であり、自家用乗用車等は走行距離・運行状態などから判断した適切な時期に、事業用自動車等は1日1回運行の開始前に行うこととされている。
問47
道路運送車両法上、認証を受けた自動車特定整備事業者に選任が義務付けられている者は次のうちどれか。
  • 1検査主任者
  • 2安全運転管理者
  • ✔整備主任者
  • 4運行管理者
  • 5整備管理者
解説:【正解】3「整備主任者」 特定整備事業者には整備士資格等の要件を満たす整備主任者の選任が義務付けられる。整備管理者は一定台数以上の自動車を使用する使用者側に選任義務があり、両者は制度上の位置づけが異なる。
問48
自動車の使用者が点検整備記録簿を保存すべき期間として適切なものは次のうちどれか。
  • 15年
  • 26か月
  • 31年
  • ✔2年
  • 53年
解説:【正解】4「2年」 点検整備記録簿は記載の日から2年間(自家用乗用車等の場合)保存することとされている。車両の整備履歴を示す重要な書類であり、車両とともに保管する。保存期間は車種区分により異なる場合があるため最新の法令を確認すること。

故障診断全144問中 4問を掲載

問49
ディーゼル・エンジンで白煙が出る原因として最も考えられるものは次のうちどれか。
  • 1冷却水温の過高
  • ✔未燃焼燃料や水分が霧状で排出されている
  • 3エア・クリーナの詰まり
  • 4燃料の噴射量過多
  • 5過給圧の過大
解説:【正解】2「未燃焼燃料や水分が霧状で排出されている」 白煙は燃焼しなかった燃料が霧状のまま排出されるもので、冷間時、圧縮圧力不足、噴射時期の遅れ、グロー不良などが原因。冷却水がシリンダ内へ漏れた場合も水蒸気による白煙となる。黒煙は空気不足、青白煙はオイル上がり/下がりを疑う。
問50
圧縮圧力が全気筒で一様に低い場合に最も考えられる原因は次のうちどれか。
  • ✔ピストン・リングの摩耗などによる経年的な圧縮漏れ
  • 2ヘッド・ガスケットの1か所抜け
  • 31気筒のバルブ焼損
  • 4スタータの不良
  • 51本のインジェクタ不良
解説:【正解】1「ピストン・リングの摩耗などによる経年的な圧縮漏れ」 全気筒が一様に低下している場合はリングやシリンダの経年摩耗が疑われる。特定気筒のみ低い場合はバルブ焼損・ガスケット抜け・リング固着などを疑い、オイルを少量入れて再測定(ウェット・テスト)すると判別しやすい。
問51
ディーゼル・エンジンの出力不足を訴える車両で、点検の優先度が最も低いものは次のうちどれか。
  • 1エア・クリーナの詰まり
  • ✔冷却水の量
  • 3過給圧の低下
  • 4圧縮圧力の低下
  • 5燃料フィルタの詰まり
解説:【正解】2「冷却水の量」 出力不足は吸気・燃料・圧縮・過給の各系統を優先して点検する。冷却水量はオーバヒートに関わるが出力不足の直接原因としては優先度が低い。ただしオーバヒートによる出力低下もあり得るため、無関係ではない。
問52
過給機付きディーゼルで白煙と同時にオイル消費が多い場合に考えられる原因として最も適切なものは次のうちどれか。
  • 1燃料フィルタの詰まり
  • 2噴射時期の遅れ
  • ✔ターボチャージャのオイル・シール不良
  • 4EGRバルブの固着
  • 5エア・クリーナの詰まり
解説:【正解】3「ターボチャージャのオイル・シール不良」 ターボの軸シールが劣化するとエンジン・オイルが吸気側または排気側へ漏れ、燃焼して青白い煙とオイル消費増を生じる。吸気ダクト内やインタクーラ内のオイル付着を点検すると判別しやすい。

整備作業全110問中 4問を掲載

問53
シリンダ・ヘッド・ボルトの締付けに関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1必ず片側から順に締める
  • 2トルクは目安であり管理は不要である
  • 3塑性域締付けボルトは無制限に再使用できる
  • ✔中央から外側へ対角線状に2〜3回に分けて規定トルクまで締める
  • 5外側から中央へ順に一度に規定トルクで締める
解説:【正解】4「中央から外側へ対角線状に2〜3回に分けて規定トルクまで締める」 ヘッド・ボルトは中央から外側へ対角線状に、数回に分けて徐々に規定トルクまで締めることで、面圧を均一にしガスケットの吹き抜けや歪みを防ぐ。塑性域締付け(角度法)のボルトは再使用回数に制限があり、原則新品交換する。
問54
ディーゼル・エンジンの圧縮圧力測定に関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1スロットルを全閉にして行う
  • ✔ノズル・ホルダまたはグロー・プラグを外して取り付ける
  • 3燃料噴射を継続した状態で行う
  • 4スパーク・プラグ穴にゲージを取り付ける
  • 5エンジンが冷えた状態で行うのが原則である
解説:【正解】2「ノズル・ホルダまたはグロー・プラグを外して取り付ける」 ディーゼルにはプラグ穴がないため、ノズル・ホルダまたはグロー・プラグを取り外し専用アダプタでゲージを取り付ける。暖機後、燃料をカットし、全気筒同一条件のクランキング速度で測定する。
問55
ノズル・テスタによる噴射ノズルの点検項目として不適切なものは次のうちどれか。
  • 1後だれ(アフタ・ドリップ)の有無
  • 2噴霧の状態(霧化と噴霧角)
  • 3チャタリング音の有無
  • ✔ノズル・ホルダの締付けトルクの適否
  • 5噴射開始圧力(開弁圧)
解説:【正解】4「ノズル・ホルダの締付けトルクの適否」 ノズル・テスタでは開弁圧、噴霧状態、後だれ、チャタリング音、シート部の油密を点検する。締付けトルクはトルク・レンチで管理する取付け作業の項目であり、テスタで判定するものではない。高圧噴霧は皮膚を貫通する危険があるため絶対に手をかざさないこと。
問56
高圧燃料系統(コモンレール)を点検する際の注意事項として不適切なものは次のうちどれか。
  • ✔噴射中の噴霧に手をかざして噴射状態を確認する
  • 2規定トルクで確実に締め付ける
  • 3エンジン停止後、規定時間をおいて残圧が下がってから作業する
  • 4高圧配管の再使用は避け、原則新品に交換する
  • 5作業前後に燃料系統へ異物が入らないよう養生する
解説:【正解】1「噴射中の噴霧に手をかざして噴射状態を確認する」 コモンレールの噴射圧は非常に高く、噴霧は皮膚を貫通して重篤な傷害を起こす。絶対に手をかざしてはならない。また高圧配管はシート部が塑性変形するため再使用を避ける。

計算全144問中 4問を掲載

問57
シリンダの内径100mm、行程120mm、6気筒のディーゼル・エンジンの総排気量として最も近い値は次のうちどれか。
  • 1約6,650cm3
  • 2約4,650cm3
  • ✔約5,650cm3
  • 4約7,650cm3
  • 5約3,650cm3
解説:【正解】3「約5,650cm3」 1気筒の行程容積=(π/4)×D²×L=0.785×10²×12=約942cm3。6気筒では942×6=約5,652cm3となる。寸法はcmに換算してから計算する。
問58
行程容積が1,050cm3、燃焼室容積が70cm3のディーゼル・エンジンの圧縮比として適切なものは次のうちどれか。
  • 113:1
  • 215:1
  • 318:1
  • ✔16:1
  • 517:1
解説:【正解】4「16:1」 圧縮比=(1,050+70)÷70=1,120÷70=16。ディーゼルは自己着火に必要な圧縮端温度を得るため、概ね15〜23程度の高い圧縮比が用いられる。
問59
無負荷最高回転速度が2,600min-1、全負荷最高回転速度が2,400min-1のときのガバナの調速率として最も近い値は次のうちどれか。
  • 1約10.4%
  • 2約12.5%
  • 3約4.2%
  • ✔約8.3%
  • 5約6.3%
解説:【正解】4「約8.3%」 調速率=(無負荷最高回転速度-全負荷最高回転速度)÷全負荷最高回転速度×100=(2,600-2,400)÷2,400×100=約8.3%。値が小さいほど負荷変動に対する回転変化が少なく制御が安定していることを示す。
問60
各気筒の噴射量を測定したところ、最大52cm3、最小48cm3、平均50cm3であった。噴射量の不揃い率として適切なものは次のうちどれか。
  • ✔8%
  • 212%
  • 310%
  • 44%
  • 56%
解説:【正解】1「8%」 不揃い率=(最大噴射量-最小噴射量)÷平均噴射量×100=(52-48)÷50×100=8%。不揃いが大きいと気筒ごとの出力差により振動や黒煙、部品の偏摩耗を生じるため、規定値内に調整する。

走行装置全20問中 4問を掲載

問61
大型車のホイール・ナットに関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1すべて右ねじで方式による違いはない
  • 2増し締めは不要である
  • 3すべて左ねじである
  • 4締付けトルクは規定されていない
  • ✔ISO方式は左右とも右ねじ、JIS方式は左側が左ねじである
解説:【正解】5「ISO方式は左右とも右ねじ、JIS方式は左側が左ねじである」 JIS方式は回転による緩みを防ぐため左側車輪に左ねじを用いるが、ISO方式は左右とも右ねじで球面座を採用する。方式を混同すると重大事故につながる。走行後の増し締めと規定トルクの管理が重要である。
問62
複輪(ダブル・タイヤ)の点検に関する記述として不適切なものは次のうちどれか。
  • 1バルブの向きと点検のしやすさを確認する
  • 2内外輪の空気圧を等しく管理する
  • 3タイヤ間に石などの異物が挟まっていないか確認する
  • ✔内輪の空気圧は外輪より低くてよい
  • 5内外輪の外径差を小さく保つ
解説:【正解】4「内輪の空気圧は外輪より低くてよい」 複輪では内外輪の空気圧や外径に差があると荷重が偏り、片側に過大な負担がかかって早期摩耗やバーストを招く。内外輪は同一銘柄・同一摩耗程度のものを使用し、空気圧も等しく管理する。
問63
大型車のホイール脱落を防止するための対応として不適切なものは次のうちどれか。
  • 1走行後に増し締めを行い、以後も定期的に点検する
  • ✔装着後は緩まないので点検は不要である
  • 3ハブとホイールの接触面の錆や異物を除去する
  • 4規定トルクで対角線状に締め付ける
  • 5ボルト・ナットの伸びや変形、ねじ山の損傷を点検する
解説:【正解】2「装着後は緩まないので点検は不要である」 特に冬季のタイヤ交換後に脱落事故が多発している。装着後の初期なじみで緩むため一定距離走行後の増し締めが重要で、その後も定期的な点検を行う。ISO/JIS方式の違いにも注意する。
問64
大型車のタイヤの空気圧管理に関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1走行直後に測定する
  • ✔冷間時に測定し、複輪では内外輪をそろえ、指定圧を維持する
  • 3指定圧より低い方が乗り心地が良いので望ましい
  • 4内輪は測りにくいので省略してよい
  • 5高めにしておけば点検は不要である
解説:【正解】2「冷間時に測定し、複輪では内外輪をそろえ、指定圧を維持する」 空気圧不足は発熱とバーストの主因であり、大型車では特に危険が大きい。複輪では内外輪の圧力差が荷重の偏りを生む。エア・ゲージによる冷間時の測定と、バルブ・キャップの装着を徹底する。

車体全20問中 4問を掲載

問65
大型貨物自動車に装着が義務付けられている突入防止装置(リヤ・バンパ)の目的として適切なものは次のうちどれか。
  • 1荷台の強度を上げるため
  • ✔後続の乗用車が床下へ潜り込むのを防ぐため
  • 3空気抵抗を減らすため
  • 4積載量を増やすため
  • 5後写鏡の代わりとするため
解説:【正解】2「後続の乗用車が床下へ潜り込むのを防ぐため」 車高の高い大型車に後続車が追突すると床下へ潜り込み重大な被害を招くため、所定の強度と取付け高さを備えた突入防止装置が求められる。側面には巻込防止装置が装着される。基準値は最新の法令を確認すること。
問66
巻込防止装置に関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1積荷の落下を防ぐ装置である
  • ✔側面から歩行者や自転車が車輪へ巻き込まれるのを防ぐ装置である
  • 3車体の振動を吸収する装置である
  • 4排気を導く装置である
  • 5後方からの追突を防ぐ装置である
解説:【正解】2「側面から歩行者や自転車が車輪へ巻き込まれるのを防ぐ装置である」 巻込防止装置は車両側面の車輪前後に設けられ、歩行者や二輪車が車輪の下へ巻き込まれることを防ぐ。一定の車両総重量以上の貨物自動車等に装着が義務付けられており、変形や欠損があれば修理・交換する。
問67
トレーラの連結装置(カプラ)の点検に関する記述として不適切なものは次のうちどれか。
  • 1連結後は目視と引き出し試験で確実に連結されたことを確認する
  • 2摩耗やがた、亀裂の有無を点検する
  • 3ロック機構の確実な作動を確認する
  • 4グリースなど所定の潤滑を行う
  • ✔ロックが不完全でも走行中に自然に締結される
解説:【正解】5「ロックが不完全でも走行中に自然に締結される」 連結が不完全なまま走行するとトレーラが分離し極めて重大な事故となる。連結後は必ずロックの状態を目視で確認し、引き出し試験で確実性を確かめる。摩耗・がたは基準に照らして判定し、必要なら交換する。
問68
荷台やあおりの点検に関する記述として不適切なものは次のうちどれか。
  • 1荷締め具の損傷を確認する
  • 2取付けボルトの緩みや腐食を点検する
  • 3あおりのロック機構が確実に作動するか確認する
  • 4荷台の変形や亀裂を確認する
  • ✔荷台の状態は走行安全に影響しない
解説:【正解】5「荷台の状態は走行安全に影響しない」 荷台やあおりの不具合は積荷の落下という重大事故に直結する。取付け部の緩みや腐食、ロック機構、荷締め具の状態は必ず点検する。積載方法や重心位置も走行安定性に大きく影響する。

電子制御全14問中 4問を掲載

問69
エンジン制御の学習値に関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • ✔部品交換や整備の内容によっては初期化(リセット)と再学習が必要となる
  • 2学習値は診断に利用できない
  • 3バッテリを外せば必ず正常化する
  • 4学習値は常に変化しないため気にしなくてよい
  • 5学習は新車時のみ行われる
解説:【正解】1「部品交換や整備の内容によっては初期化(リセット)と再学習が必要となる」 ECUは経時変化や個体差を学習値として補正しているため、関連部品を交換した際は初期化して再学習させないと不適切な補正が残る。学習値の偏り自体が不具合の手がかりになることも多い。
問70
大気圧センサの信号が用いられる目的として適切なものは次のうちどれか。
  • 1冷却水温を検出する
  • 2燃料の残量を検出する
  • ✔高地など大気圧が低い条件で噴射量や過給圧を補正し、黒煙や過給機の過回転を防ぐ
  • 4タイヤ空気圧を検出する
  • 5車速を検出する
解説:【正解】3「高地など大気圧が低い条件で噴射量や過給圧を補正し、黒煙や過給機の過回転を防ぐ」 高地では空気密度が低いため、同じ噴射量では空気不足となり黒煙が出る。また過給機は密度低下により回転が上がりやすい。大気圧に応じて噴射量と過給圧を補正することでこれらを防ぐ。
問71
吸気温センサの信号が用いられる目的として適切なものは次のうちどれか。
  • 1冷却水量を検出する
  • ✔吸入空気の密度を補正し、噴射量やEGR率を適正化する
  • 3燃料の種類を判別する
  • 4車速を補正する
  • 5タイヤ外径を補正する
解説:【正解】2「吸入空気の密度を補正し、噴射量やEGR率を適正化する」 同じ体積でも温度が高いほど空気の密度は低くなるため、質量としての空気量を求めるには温度補正が必要となる。EGR率の算出や過給圧制御にも用いられる。
問72
電子制御ディーゼルにおけるフェールセーフ制御に関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1警告灯は点灯しない
  • ✔主要センサの異常時に代替値で制御を継続し、出力を制限する場合がある
  • 3異常時は必ず即座にエンジンを停止する
  • 4異常でも通常どおりの性能が出る
  • 5DTCは記憶されない
解説:【正解】2「主要センサの異常時に代替値で制御を継続し、出力を制限する場合がある」 車両を安全に移動させるための制御である。段階的な出力低下は尿素水不足やDPF堆積、センサ異常など様々な条件で働くため、DTCとデータで原因を特定する。

環境全19問中 4問を掲載

問73
使用済み尿素水の取扱いに関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1一般ごみとして廃棄してよい
  • 2蒸発させて処理する
  • 3土壌に散布してよい
  • 4そのまま下水に流してよい
  • ✔法令および事業場の規定に従って適正に処理し、みだりに廃棄しない
解説:【正解】5「法令および事業場の規定に従って適正に処理し、みだりに廃棄しない」 尿素水は取扱いを誤れば水質への影響があり、事業場の管理基準と法令に従って処理する必要がある。また金属を腐食させるため、こぼれた場合は速やかに水で洗い流す。専用容器で保管する。
問74
整備工場における廃棄物管理に関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1委託先の許可の有無は確認不要である
  • 2保管期間の定めはない
  • 3廃タイヤは一般ごみとして出せる
  • ✔産業廃棄物は許可業者へ委託し、マニフェストで処理状況を管理する
  • 5分別は不要である
解説:【正解】4「産業廃棄物は許可業者へ委託し、マニフェストで処理状況を管理する」 廃油、廃液、廃タイヤ、廃バッテリなどは産業廃棄物に該当し、分別・適正保管のうえ許可業者へ委託し、マニフェストで最終処分まで確認する義務がある。委託先の許可内容の確認も排出事業者の責任である。
問75
フロン類の回収に関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1水に溶かして処理する
  • ✔廃車時や整備時には回収装置により回収し、大気放出は禁止されている
  • 3一般ごみとして廃棄する
  • 4回収の義務はない
  • 5少量なら放出してよい
解説:【正解】2「廃車時や整備時には回収装置により回収し、大気放出は禁止されている」 フロン類は法令により回収が義務付けられ、みだりな放出は禁止されている。整備時も回収・再生・充填の手順を守り、充填量を適正に管理することが漏れの早期発見にもつながる。
問76
アイドリング・ストップの実施に関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • ✔駐停車時の不要なアイドリングを控えることで燃料消費と排出ガスを削減できる
  • 2冬季は実施できない
  • 3効果はない
  • 4エンジンには常に悪影響しかない
  • 5法令上の要請はない
解説:【正解】1「駐停車時の不要なアイドリングを控えることで燃料消費と排出ガスを削減できる」 不要なアイドリングの抑制は自治体の条例等でも求められている。ただし冷却や暖機が必要な状況、荷役作業でPTOを使う場合など、実施できない場面もあるため状況に応じた判断が必要である。

測定全15問中 4問を掲載

問77
ノギスに関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1最小読取値は0.001mmである
  • 2測定力の管理が不要な精密測定器である
  • 3内径は測定できない
  • ✔本尺と副尺(バーニヤ)により0.05mmまたは0.02mm単位で読み取れる
  • 5深さの測定はできない
解説:【正解】4「本尺と副尺(バーニヤ)により0.05mmまたは0.02mm単位で読み取れる」 ノギスはバーニヤ目盛により0.05mmまたは0.02mm単位で読み取れ、外径・内径・深さ・段差を測定できる。ただし測定力の管理がしにくく、より高精度が必要な場合はマイクロメータを用いる。
問78
シリンダ・ライナ内径の測定に関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 11か所測定すれば十分である
  • 2目視で判断できる
  • ✔上・中・下の各位置で直交2方向を測定し、摩耗量とテーパ・真円度を求める
  • 4外径のみ測定すればよい
  • 5下端のみ測定する
解説:【正解】3「上・中・下の各位置で直交2方向を測定し、摩耗量とテーパ・真円度を求める」 摩耗は上死点付近が最も大きく、また荷重方向に偏るため楕円状になる。複数の高さと直交2方向を測定することで、摩耗量・テーパ・真円度を把握し、修正または交換を判断する。
問79
クランクシャフトの曲がりを測定する方法として適切なものは次のうちどれか。
  • 1シックネス・ゲージで測る
  • ✔両端のジャーナルをVブロックで支え、中央部にダイヤル・ゲージを当てて回転させ振れの1/2を曲がりとする
  • 3定盤に乗せて目視で判断する
  • 4マイクロメータで長さを測る
  • 5ノギスで外径を測る
解説:【正解】2「両端のジャーナルをVブロックで支え、中央部にダイヤル・ゲージを当てて回転させ振れの1/2を曲がりとする」 1回転させたときの指示値の振れ幅(全振れ)の1/2が曲がり量となる。規定値を超える場合は修正または交換する。同時にジャーナル・ピンの外径、テーパ、真円度も測定して総合的に判定する。
問80
シックネス・ゲージ(すきまゲージ)の用途として不適切なものは次のうちどれか。
  • 1バルブ・クリアランスの測定
  • 2ピストン・リングの合口すき間の測定
  • 3シリンダ・ヘッドの平面度の測定(ストレート・エッジと併用)
  • 4ピストン・リングのサイド・クリアランスの測定
  • ✔クランクシャフトの外径の測定
解説:【正解】5「クランクシャフトの外径の測定」 外径の測定はマイクロメータの役割である。シックネス・ゲージは2面間のすき間を測る道具で、適切な厚さの板がわずかな抵抗で入る状態が正しい測定である。無理に押し込むと誤った値となる。

材料全8問中 4問を掲載

問81
エンジンの排気バルブに耐熱鋼が用いられる理由として適切なものは次のうちどれか。
  • 1熱伝導を悪くするため
  • 2軽量化のため
  • ✔高温の燃焼ガスにさらされ、熱による強度低下と酸化に耐える必要があるため
  • 4加工が容易なため
  • 5電気を通しやすくするため
解説:【正解】3「高温の燃焼ガスにさらされ、熱による強度低下と酸化に耐える必要があるため」 排気バルブは高温の燃焼ガスに直接さらされ、傘部は700℃以上に達することもある。耐熱鋼が用いられ、大型では中空軸にナトリウムを封入して熱をステム側へ逃がす構造も採用される。
問82
すべり軸受(メタル)のオーバレイ(表面層)の役割として適切なものは次のうちどれか。
  • ✔なじみ性と異物の埋没性を与え、焼付きを防ぐ
  • 2摩擦を増やす
  • 3熱伝導を遮る
  • 4電気絶縁を行う
  • 5硬度を最大にする
解説:【正解】1「なじみ性と異物の埋没性を与え、焼付きを防ぐ」 オーバレイは軟らかい層で、初期のなじみを良くし、混入した微小な異物を埋め込んで軸を傷つけないようにする。裏金は強度を、中間層は疲労強度を担い、多層構造で相反する性能を両立している。
問83
ディーゼル・エンジンのピストンに用いられる材料の要件として適切でないものは次のうちどれか。
  • 1軽量であること
  • 2熱伝導性が良いこと
  • 3耐摩耗性があること
  • 4高温での強度が保たれること
  • ✔電気を通しやすいこと
解説:【正解】5「電気を通しやすいこと」 ディーゼルは筒内圧力と熱負荷が高いため、耐熱強度と熱伝導性が重視される。頂部のキャビティは燃焼室を形成し、冷却のためオイル・ジェットを備えるものもある。
問84
シリンダ・ライナに用いられる材料の要件として適切なものは次のうちどれか。
  • 1軽量であることのみ
  • 2柔らかいこと
  • 3電気を通しやすいこと
  • ✔耐摩耗性と熱伝導性を備えること
  • 5磁性を持つこと
解説:【正解】4「耐摩耗性と熱伝導性を備えること」 ピストン・リングとの摺動に耐える必要がある。内面には摩耗低減と油膜保持のためホーニング(クロスハッチ)加工が施される。

総合全96問中 4問を掲載

問85
次のうち、ディーゼル・エンジンの黒煙が増える要因として適切でないものはどれか。
  • ✔冷却水の濃度が低いこと
  • 2噴射量の過多
  • 3過給圧の低下
  • 4噴射ノズルの噴霧不良
  • 5エア・クリーナの詰まり
解説:【正解】1「冷却水の濃度が低いこと」 黒煙は空気不足または燃料過多で生じる。冷却水の濃度は防錆と凍結防止に関わるもので、燃焼状態には直接影響しない。吸気・過給・噴射の各系統を中心に点検する。
問86
次のうち、NOxを低減する手法の組合せとして適切なものはどれか。
  • 1DPF・酸化触媒・噴射圧力の上昇
  • ✔EGR・尿素SCR・燃焼温度の低下
  • 3圧縮比の上昇・吸気温の上昇
  • 4過給圧の上昇・噴射時期の進角
  • 5エア・クリーナの交換・オイルの交換
解説:【正解】2「EGR・尿素SCR・燃焼温度の低下」 NOxは高温で生成されるため、EGRによる燃焼温度の低下と、生成後の尿素SCRによる還元が主な対策となる。DPFと酸化触媒はPM・CO・HCが対象で、対象成分が異なる点を整理しておく。
問87
次のうち、コモンレール式が従来の噴射ポンプ式に対して優れている点として適切でないものはどれか。
  • 1噴射量と時期を電子的に精密制御できる
  • 2低速域から高い噴射圧力が得られる
  • ✔機械式のため構造が簡単で安価である
  • 4噴射圧力を回転速度と独立して設定できる
  • 5多段噴射により騒音とNOxを低減できる
解説:【正解】3「機械式のため構造が簡単で安価である」 コモンレールは高圧ポンプ、レール、電子制御インジェクタ、各種センサを要し、構造は複雑で高価である。その代わり制御自由度が飛躍的に高く、排出ガスと燃費の両立を可能にしている。
問88
次のうち、DPFの目詰まりを進行させる要因として適切でないものはどれか。
  • 1エンジン・オイルの過剰な消費
  • 2再生の中断の繰り返し
  • 3指定外の高灰分エンジン・オイルの使用
  • ✔地域・季節に適合した軽油の使用
  • 5短距離走行の繰り返し
解説:【正解】4「地域・季節に適合した軽油の使用」 適合した軽油の使用は正常な運用であり詰まりの要因ではない。短距離走行、高灰分オイル、再生の中断、オイル消費の増大はいずれも堆積を進める。日常の使い方も含めた顧客への説明が有効である。

ネットワーク全5問中 4問を掲載

問89
大型車の車載ネットワークに関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • ✔エンジン、変速機、制動、車体などの複数ECUが情報を共有し、診断機も同じ経路で通信する
  • 2各ECUは独立しており情報を共有しない
  • 3診断機は通信を使わない
  • 4ネットワークは搭載されていない
  • 5通信は1台のECUのみが行う
解説:【正解】1「エンジン、変速機、制動、車体などの複数ECUが情報を共有し、診断機も同じ経路で通信する」 少ない配線で多くの情報を共有でき、ハーネスの重量とコストを削減できる。通信異常は広範囲に影響するため、配線・終端抵抗・各ECUの電源とアースを点検する。
問90
CAN通信の線間抵抗を測定したところ約60Ωであった。この結果の判断として適切なものはどれか。
  • 1測定方法が誤っている
  • 2異常に高い
  • ✔両端の120Ωの終端抵抗が並列となっており正常と考えられる
  • 4終端抵抗が1つ断線している
  • 5短絡している
解説:【正解】3「両端の120Ωの終端抵抗が並列となっており正常と考えられる」 120Ωの終端抵抗が2つ並列で約60Ωとなる。約120Ωなら片方の終端抵抗または配線の断線、極端に低ければ短絡を疑う。
問91
車載ネットワークを用いる利点として適切なものはどれか。
  • 1配線が増える
  • 2通信速度が遅くなる
  • 3診断が不要になる
  • 4故障が減る
  • ✔配線本数を減らしながら多くの情報をECU間で共有できる
解説:【正解】5「配線本数を減らしながら多くの情報をECU間で共有できる」 センサの重複を減らしハーネスの重量とコストを削減できる。大型車は配線が長いため利点が大きい。
問92
通信異常のDTCが記憶された場合に点検すべき箇所として適切でないものはどれか。
  • 1終端抵抗と線間抵抗
  • 2各ECUの電源とアース
  • 3通信ラインの断線・短絡
  • 4コネクタの接触状態
  • ✔タイヤの空気圧
解説:【正解】5「タイヤの空気圧」 1つのECUの電源喪失が、他のECUから見た通信異常として現れることもある。共通する要素から確認する。

安全装置全8問中 4問を掲載

問93
大型車の車両安定性制御(ESC等)に関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • ✔横滑りや横転の傾向を検出し、制動力やエンジン出力を制御して姿勢を安定させる
  • 2制動力を増大させるだけの装置である
  • 3積載状態に影響されない
  • 4横転を完全に防げる
  • 5整備後の確認は不要である
解説:【正解】1「横滑りや横転の傾向を検出し、制動力やエンジン出力を制御して姿勢を安定させる」 重心が高く積載により挙動が大きく変わる大型車では特に有効である。ただし物理的な限界があり過信は禁物である。車輪速センサやヨー・レート・センサの点検が必要となる。
問94
大型車の衝突被害軽減ブレーキに関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1装着は任意である
  • 2悪天候でも性能は変わらない
  • 3あらゆる状況で衝突を回避できる
  • 4運転者の注意は不要になる
  • ✔作動条件や検知対象に限界があり、運転者の注意義務がなくなるわけではない
解説:【正解】5「作動条件や検知対象に限界があり、運転者の注意義務がなくなるわけではない」 一定の車両には装着が義務付けられている。センサの汚れや取付けのずれで検知できなくなるため、清掃と調整(エーミング)の状態を確認する。
問95
車線逸脱警報装置の点検に関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1冷却水の濃度を確認する
  • 2確認は不要である
  • 3タイヤの銘柄を確認する
  • 4燃料の残量を確認する
  • ✔カメラの視界(ガラスの汚れ・付着物)と取付け状態、エーミングの状態を確認する
解説:【正解】5「カメラの視界(ガラスの汚れ・付着物)と取付け状態、エーミングの状態を確認する」 カメラの視界を妨げるものがあると車線を検知できない。ガラス交換や車高の変更後は調整が必要となる場合がある。
問96
大型車のドライブ・レコーダを取り付ける際の注意事項として不適切なものは次のうちどれか。
  • 1運転者の視野を妨げない位置に取り付ける
  • 2フロント・ガラスへの取付け位置には基準がある
  • ✔視野を妨げても記録性能を優先してよい
  • 4配線を可動部やエアバッグ展開範囲から避ける
  • 5電源の取り方によっては暗電流が増える
解説:【正解】3「視野を妨げても記録性能を優先してよい」 フロント・ガラスへの装着物には位置の基準があり、視野を妨げる取付けは認められない。駐車監視機能付きは暗電流にも注意する。

電動化全5問中 4問を掲載

問97
ハイブリッド・トラックに関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1積載量は変わらない
  • ✔発進補助と回生により燃費を改善するが、高電圧系の作業には所定の知識と手順が必要となる
  • 3回生は行わない
  • 4高電圧系はないため通常の整備でよい
  • 5エンジンを持たない
解説:【正解】2「発進補助と回生により燃費を改善するが、高電圧系の作業には所定の知識と手順が必要となる」 発進・停止の多い配送用途で効果が大きい。高電圧系は感電の危険があるため、電源遮断と残留電圧の放電、絶縁保護具の使用が必須である。
問98
電動車の12V補機バッテリに関する記述として適切なものは次のうちどれか。
  • 1高電圧系から常に直結されている
  • ✔システムの起動に必要であり、上がるとシステムが起動できず走行できない場合がある
  • 3駆動用バッテリと同じものである
  • 4点検は不要である
  • 5搭載されていない
解説:【正解】2「システムの起動に必要であり、上がるとシステムが起動できず走行できない場合がある」 高電圧系からDC-DCコンバータを介して充電される。救援は12V系同士で行い、駆動用の高電圧系を用いてはならない。
問99
ハイブリッド・トラックの整備における注意事項として適切なものはどれか。
  • 1電源遮断後すぐに端子に触れてよい
  • 2高電圧ケーブルを切断して電源を切る
  • 3資格は不要である
  • ✔高電圧系は電源遮断と残留電圧の放電、絶縁保護具の使用が必要である
  • 5通常の整備と同じでよい
解説:【正解】4「高電圧系は電源遮断と残留電圧の放電、絶縁保護具の使用が必要である」 感電により致命傷となる危険がある。所定の教育を受けた者がメーカ指定の手順で作業し、作業区域の表示も行う。
問100
電動車の駆動用バッテリの取扱いに関する記述として適切でないものはどれか。
  • 1端子の短絡を防ぐ
  • 2保管や運搬の規定に従う
  • ✔損傷しても通常の廃棄でよい
  • 4水濡れを避ける
  • 5落下や衝撃を避ける
解説:【正解】3「損傷しても通常の廃棄でよい」 損傷したものは発熱や再発火のおそれがあり、指定のルートで処理する必要がある。保管場所や運搬方法にも規定がある。

安全作業全10問中 4問を掲載

問101
大型車の整備における基本的な安全確保として適切でないものは次のうちどれか。
  • 1重量部品は適切な吊り具や搬送具を使う
  • 2作業範囲の下に人が入らないようにする
  • 3保護具を着用する
  • 4車両を確実に支持し輪止めを使用する
  • ✔短時間の作業は支持を省略する
解説:【正解】5「短時間の作業は支持を省略する」 短時間であっても支持が不十分な状態は落下・転倒の危険がある。大型車は部品ひとつが重く、事故が致命的になりやすい。
問102
大型車の下回り作業における安全確保として適切なものは次のうちどれか。
  • 1短時間なら支持を省略する
  • 2ジャッキのみで支持する
  • ✔確実に支持し輪止めを使用したうえで、作業範囲の安全を確認する
  • 4確認は不要である
  • 5輪止めは不要である
解説:【正解】3「確実に支持し輪止めを使用したうえで、作業範囲の安全を確認する」 大型車は質量が大きく、落下事故が致命的となる。指定の支持点で確実に支え、複数人での作業では合図を統一する。
問103
高温部の近くで作業する際の注意事項として適切なものは次のうちどれか。
  • 1素手で触れて温度を確かめる
  • ✔十分に冷えるまで待ち、必要に応じて保護具を使用する
  • 3保護具は不要である
  • 4注意は不要である
  • 5すぐに作業を開始する
解説:【正解】2「十分に冷えるまで待ち、必要に応じて保護具を使用する」 排気系や冷却系は高温であり、やけどの危険がある。特にDPF再生直後の排気系は極めて高温になるため注意を要する。
問104
エンジン運転を伴う作業を行う場所の条件として適切なものは次のうちどれか。
  • 1場所は問わない
  • 2密閉した場所が望ましい
  • 3窓を閉めて行う
  • 4換気は不要である
  • ✔排気ガスによる中毒を防ぐため換気を確保する
解説:【正解】5「排気ガスによる中毒を防ぐため換気を確保する」 一酸化炭素は無色無臭で中毒の危険が高い。排気ダクトの使用や十分な換気を確保し、長時間の運転は避ける。