分野別問題(解説つき)

不動産鑑定士|分野別 問題インデックス

最終更新:2026年8月11日

不動産鑑定士の短答式は行政法規と鑑定理論の2科目です。それぞれ500問ずつ掲載しています。全1000問をまとめて解くならトレーナーへ進んでください。

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行政法規全500問中 8問を掲載

問1
土地基本法に定める土地についての基本理念に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1土地は私有財産であるから、その利用について公共の福祉による制約を受けることはない。
  • ✔土地は、その所在する地域の自然的、社会的、経済的及び文化的諸条件に応じて適正に利用され、また取引されるべきものとされている。
  • 3土地の投機的取引は、地価の適正化に資するものとして推奨されている。
  • 4土地の価値の増加に伴う利益に応じた負担を土地所有者に求める考え方は、基本理念に含まれていない。
  • 5土地基本法は、国及び地方公共団体の責務のみを定め、事業者や国民の責務については規定していない。
解説:【正解】2(他の4肢はどこかに誤りを含む)
土地基本法は、土地について「公共の福祉優先」(第2条)、「適正な利用及び取引」(第3条)、「投機的取引の抑制」(第4条)、「価値の増加に伴う利益に応じた負担」(第5条)を基本理念として掲げる。したがって2が正しい。1は公共の福祉優先の理念に反し、3は投機的取引は抑制されるべきものとされている点で誤り。4は第5条に規定があるため誤り。5は国・地方公共団体のほか事業者及び国民の責務も定められている(第6条〜第9条)ため誤り。
★ポイント:土地基本法の基本理念:公共の福祉優先(2条)・適正な利用及び管理(3条)・投機的取引の抑制(4条)・価値増加に伴う利益に応じた適切な負担(5条)。令和2年改正で「管理」の観点と土地所有者等の責務(6条)が拡充。
問2
令和2年改正後の土地基本法における土地所有者等の責務に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 1土地所有者等は、土地の所有権又は使用及び収益を目的とする権利を有する者をいう。
  • 2土地所有者等は、基本理念にのっとり、土地の利用及び管理並びに取引を行う責務を有する。
  • 3土地所有者等は、土地の所有権の登記その他の権利関係の明確化のための措置を適切に講ずるよう努めなければならない。
  • 4土地所有者等の責務には、周辺地域の良好な環境の形成を図るとともに、その環境を害さないよう努めることが含まれる。
  • ✔土地所有者等が土地を適正に管理する責務は、当該土地が現に利用されている場合に限って課される。
解説:【正解】5(「誤り・不適切」を選ぶ問題。残る4肢は正しい記述なので、そのまま知識として整理できる)
令和2年改正により、所有者不明土地・管理不全土地問題に対応するため、土地所有者等の責務(第6条)が拡充された。土地の適正な「管理」の責務は、低未利用地や現に利用されていない土地についても及ぶものであり、現に利用されている土地に限定されない。よって5が誤り。1、2、3、4はいずれも同法の規定に沿う。
★ポイント:土地基本法の基本理念:公共の福祉優先(2条)・適正な利用及び管理(3条)・投機的取引の抑制(4条)・価値増加に伴う利益に応じた適切な負担(5条)。令和2年改正で「管理」の観点と土地所有者等の責務(6条)が拡充。
問3
不動産の鑑定評価に関する法律に基づく不動産鑑定士の登録に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  • 1不動産鑑定士となる資格を有する者は、国土交通大臣の登録を受けなくても不動産鑑定士の名称を用いることができる。
  • ✔不動産鑑定士の登録は、国土交通省に備える不動産鑑定士名簿に登録することによって行われる。
  • 3不動産鑑定士の登録には5年ごとの更新が必要である。
  • 4実務修習を修了していなくても、短答式及び論文式試験に合格すれば直ちに登録を受けることができる。
  • 5不動産鑑定士の登録は、事務所を有する都道府県知事が行う。
解説:【正解】2(他の4肢はどこかに誤りを含む)
不動産鑑定士の登録は、国土交通省に備える不動産鑑定士名簿への登録による(法第15条)。1は名称独占が定められており登録なしに名称使用はできないため誤り。3は不動産鑑定士登録に有効期間の定めはなく(更新制は不動産鑑定業者登録)誤り。4は試験合格後に実務修習を修了し国土交通大臣の確認を受けて初めて登録できるため誤り。5は登録権者は国土交通大臣であり誤り。
★ポイント:不動産鑑定士は名称独占資格。登録は国土交通省の名簿(更新制なし)。鑑定業者は事務所ごとに専任の不動産鑑定士を置き、大臣登録(2以上の都道府県)/知事登録の区分がある。
問4
不動産鑑定業者の登録に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • ✔不動産鑑定業者の登録簿は非公開とされ、一般の閲覧に供されることはない。
  • 2二以上の都道府県内に事務所を設けて不動産鑑定業を営もうとする者は、国土交通大臣の登録を受ける。
  • 3不動産鑑定業者の登録の有効期間は5年であり、更新を受けなければ効力を失う。
  • 4不動産鑑定業者は、その事務所ごとに専任の不動産鑑定士を置かなければならない。
  • 5不動産鑑定業を営もうとする者は、国土交通大臣又は都道府県知事の登録を受けなければならない。
解説:【正解】1(「誤り・不適切」を選ぶ問題。残る4肢は正しい記述なので、そのまま知識として整理できる)
不動産鑑定業者登録簿は一般の閲覧に供される(法第25条)ため、1が誤り。2・5は法第22条のとおりで、事務所が二以上の都道府県にわたる場合は大臣登録、一の都道府県内のみなら知事登録である。3は法第23条により有効期間5年。4は法第35条により事務所ごとに専任の不動産鑑定士の設置義務がある。
★ポイント:不動産鑑定士は名称独占資格。登録は国土交通省の名簿(更新制なし)。鑑定業者は事務所ごとに専任の不動産鑑定士を置き、大臣登録(2以上の都道府県)/知事登録の区分がある。
問5
不動産鑑定士が行う業務に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1不動産鑑定士は、不動産の鑑定評価以外の業務を行ってはならない。
  • ✔不動産鑑定士は、不動産の客観的価値に作用する要因に関する調査若しくは分析又は不動産の利用、取引若しくは投資に関する助言を行うことができる。
  • 3不動産の鑑定評価は、不動産鑑定士でなくても不動産の専門知識があれば業として行うことができる。
  • 4不動産鑑定士は、自己の所有する不動産についても報酬を得て鑑定評価を行うことができる。
  • 5不動産鑑定士は、依頼者の求めがあれば、鑑定評価額の水準についてあらかじめ合意した上で評価を行ってよい。
解説:【正解】2(他の4肢はどこかに誤りを含む)
不動産鑑定士は鑑定評価業務のほか、隣接・周辺業務として不動産の価値に作用する要因の調査・分析、利用・取引・投資に関する助言等(鑑定評価等業務)を行うことができる(法第3条第2項)。1は誤り。3は鑑定評価は不動産鑑定士の独占業務であるため誤り。4は自己の利害関係のある不動産の評価は不公正なおそれがあり原則として行ってはならない(法第6条、業務上の義務)。5は依頼者との額の合意は不当鑑定につながり許されない。
★ポイント:不動産鑑定士は名称独占資格。登録は国土交通省の名簿(更新制なし)。鑑定業者は事務所ごとに専任の不動産鑑定士を置き、大臣登録(2以上の都道府県)/知事登録の区分がある。
問6
地価公示法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 1公示区域は、都市計画区域その他の土地取引が相当程度見込まれるものとして国土交通省令で定める区域である。
  • 2標準地は、土地の利用状況、環境等が通常と認められる一団の土地について選定される。
  • 3公示価格は、標準地について毎年1回、1月1日を価格時点として公示される。
  • ✔公示区域からは、国土利用計画法の規制区域が含まれる区域も除かれない。
  • 5標準地の正常な価格の判定は、二人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求め、その結果を審査し、必要な調整を行って行われる。
解説:【正解】4(「誤り・不適切」を選ぶ問題。残る4肢は正しい記述なので、そのまま知識として整理できる)
公示区域は、都市計画区域その他土地取引が相当程度見込まれる区域のうち、国土利用計画法の規制区域を除いた区域である(法第2条第1項)。よって4が誤り。1、2、3、5はいずれも地価公示法の規定どおりで、標準地の選定(第3条)、価格時点1月1日、二人以上の不動産鑑定士による鑑定評価(第2条第1項)が定められている。
★ポイント:地価公示:土地鑑定委員会が標準地の正常な価格を毎年1月1日時点で判定し公示。2人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求める。効力=一般の指標・公共用地取得価格の算定規準・収用の事業認定告示時価格の規準等。
問7
地価公示における「正常な価格」に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1当該土地に建物その他の定着物がある場合には、これらが存するものとして通常成立すると認められる価格をいう。
  • 2当該土地に地上権その他土地の使用収益を制限する権利が存する場合には、これらの権利が存するものとして価格を判定する。
  • ✔自由な取引が行われるとした場合におけるその取引において通常成立すると認められる価格をいい、定着物がある場合や使用収益を制限する権利が存する場合には、これらが存しないものとして通常成立すると認められる価格をいう。
  • 4近隣の取引事例の単純平均額をもって正常な価格とする。
  • 5売り急ぎ等の事情がある取引であっても、現実に成立した価格である以上、そのまま正常な価格とされる。
解説:【正解】3(他の4肢はどこかに誤りを含む)
地価公示法第2条第2項は、正常な価格を「自由な取引が行われるとした場合におけるその取引において通常成立すると認められる価格」とし、建物その他の定着物があるとき又は地上権その他土地の使用収益を制限する権利が存するときは、これらが存しないものとして通常成立すると認められる価格をいうと定める。すなわち更地としての価格である。よって3が正しく、1・2は逆であり誤り。4・5は正常価格の概念に反する。
★ポイント:地価公示:土地鑑定委員会が標準地の正常な価格を毎年1月1日時点で判定し公示。2人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求める。効力=一般の指標・公共用地取得価格の算定規準・収用の事業認定告示時価格の規準等。
問8
公示価格の効力に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 1都市及びその周辺の地域等において土地の取引を行う者は、取引の対象土地に類似する利用価値を有すると認められる標準地の公示価格を指標として取引を行うよう努めなければならない。
  • 2不動産鑑定士が公示区域内の土地について正常な価格を求めるときは、公示価格を規準としなければならない。
  • 3土地収用法その他の法律により土地を収用することができる事業の用に供するため公示区域内の土地を取得する場合、当該土地の取得価格は公示価格を規準として算定しなければならない。
  • 4公示価格を規準とするとは、対象土地の価格を求めるに際し、当該対象土地とこれに類似する利用価値を有すると認められる一又は二以上の標準地との間に均衡を保たせることをいう。
  • ✔一般の土地取引において公示価格を指標とすることは法的義務であり、これに反する取引は無効となる。
解説:【正解】5(「誤り・不適切」を選ぶ問題。残る4肢は正しい記述なので、そのまま知識として整理できる)
一般の土地取引について公示価格を指標とすることは努力義務であって(法第1条の2)、これに反しても取引が無効となるわけではない。よって5が誤り。2は法第8条、3は法第9条、4は法第11条の規準の定義であり、いずれも正しい。
★ポイント:地価公示:土地鑑定委員会が標準地の正常な価格を毎年1月1日時点で判定し公示。2人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求める。効力=一般の指標・公共用地取得価格の算定規準・収用の事業認定告示時価格の規準等。

鑑定理論全500問中 8問を掲載

問1
不動産の種別に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 1不動産の種別とは、不動産の用途に関して区分される不動産の分類をいう。
  • 2地域の種別は、宅地地域、農地地域、林地地域等に分けられる。
  • 3宅地地域は、住宅地域、商業地域、工業地域に細分される。
  • 4見込地とは、宅地地域、農地地域、林地地域等の相互間において、ある種別の地域から他の種別の地域へと転換しつつある地域のうちにある土地をいう。
  • ✔移行地とは、宅地地域内において住宅地域から商業地域へと移行しつつある地域のうちにある土地をいい、地域の種別が異なる地域相互間の変化は含まない。
解説:【正解】5(「誤り・不適切」を選ぶ問題。残る4肢は正しい記述なので、そのまま知識として整理できる)
移行地とは、宅地地域、農地地域、林地地域等のうちにあって、細分された種別の地域の間で移行しつつある地域のうちにある土地をいう。宅地地域内における住宅地域から商業地域への移行はその一例であるが、農地地域内の田から畑への移行等も含まれる。設問5は定義を宅地地域内に限定している点で誤り。1、2、3、4は基準総論第2章の定義として正しい。
★ポイント:不動産の種別=地域の種別(宅地地域・農地地域等)と土地の種別(宅地・農地・見込地等)。類型=宅地(更地・建付地・借地権・底地・区分地上権)と建物及びその敷地(自用・貸家・借地権付建物等)。
問2
不動産の類型に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  • ✔更地とは、建物等の定着物がなく、かつ、使用収益を制約する権利の付着していない宅地をいう。
  • 2建付地とは、建物等の用に供されている敷地で、建物等及びその敷地が同一の所有者に属し、当該所有者による使用収益を制約する権利の付着していない宅地をいい、更地に含まれる。
  • 3底地とは、借地権の付着している宅地における借地権をいう。
  • 4区分地上権の付着した宅地とは、区分地上権が設定されていない宅地をいう。
  • 5借地権とは、宅地の所有権をいう。
解説:【正解】1(他の4肢はどこかに誤りを含む)
更地は、建物等の定着物がなく、かつ使用収益を制約する権利の付着していない宅地である。よって1が正しい。2は建付地の定義自体は正しいが、建付地は更地とは別の類型であり「更地に含まれる」との部分が誤り。3は底地は借地権の付着している宅地の「所有権」であり誤り。4は定義が逆で誤り。5は借地権は建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権であり誤り。
★ポイント:不動産の種別=地域の種別(宅地地域・農地地域等)と土地の種別(宅地・農地・見込地等)。類型=宅地(更地・建付地・借地権・底地・区分地上権)と建物及びその敷地(自用・貸家・借地権付建物等)。
問3
建付地の鑑定評価に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1建付地の価格は、常に更地価格を上回る。
  • ✔建物と敷地との適応の状態が最有効使用に至らない場合には、建付減価が生じることがある。
  • 3建付減価は、建物の経済的残存耐用年数が長いほど大きくなる。
  • 4建付増価が生じることは理論上あり得ない。
  • 5建付地の評価においては、建物等の状態を考慮する必要はない。
解説:【正解】2(他の4肢はどこかに誤りを含む)
建付地の価格は、敷地と建物等との適応の状態が最有効使用に至らない場合に更地価格を下回ることがあり、これを建付減価という。よって2が正しい。1は建付減価が生じうるため誤り。3は残存耐用年数が長いほど不適応な状態が長期間続くため、一般に建付減価はむしろ大きくなる傾向があるが、本記述は無条件の一般化であり適切でない。4は容積率が現行法規で縮小された既存不適格建築物など、建物の存在が敷地の効用を高める場合に建付増価が生じうるため誤り。5は建付地の評価は建物等との関連において把握されるため誤り。
★ポイント:不動産の種別=地域の種別(宅地地域・農地地域等)と土地の種別(宅地・農地・見込地等)。類型=宅地(更地・建付地・借地権・底地・区分地上権)と建物及びその敷地(自用・貸家・借地権付建物等)。
問4
複合不動産の鑑定評価に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 1複合不動産とは、建物及びその敷地のように、土地と建物等とが結合して構成されている不動産をいう。
  • 2自用の建物及びその敷地とは、建物所有者と敷地所有者が同一人であり、その所有者による使用収益を制約する権利の付着していない場合における当該建物及びその敷地をいう。
  • 3貸家及びその敷地とは、建物所有者と敷地所有者が同一人であるが、建物が賃貸されている場合における当該建物及びその敷地をいう。
  • 4借地権付建物とは、借地権を権原とする建物が存する場合における当該建物及び借地権をいう。
  • ✔区分所有建物及びその敷地の評価においては、専有部分のみを対象とし、共用部分及び敷地利用権は考慮しない。
解説:【正解】5(「誤り・不適切」を選ぶ問題。残る4肢は正しい記述なので、そのまま知識として整理できる)
区分所有建物及びその敷地の評価では、専有部分に加え共用部分の共有持分及び敷地利用権(敷地の共有持分等)を一体として評価対象とする。よって5が誤り。1、2、3、4は各類型の定義として正しい。
★ポイント:不動産の種別=地域の種別(宅地地域・農地地域等)と土地の種別(宅地・農地・見込地等)。類型=宅地(更地・建付地・借地権・底地・区分地上権)と建物及びその敷地(自用・貸家・借地権付建物等)。
問5
不動産の価格を形成する要因に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 1価格形成要因は、一般的要因、地域要因及び個別的要因に分けられる。
  • 2一般的要因は、自然的要因、社会的要因、経済的要因及び行政的要因に大別される。
  • 3一般的要因は、一般経済社会における不動産のあり方及びその価格の水準に影響を与える要因である。
  • ✔一般的要因は全国一律に作用するため、地域分析において考慮する必要はない。
  • 5価格形成要因は常に変動の過程にあるため、その分析に当たっては動的に把握する必要がある。
解説:【正解】4(「誤り・不適切」を選ぶ問題。残る4肢は正しい記述なので、そのまま知識として整理できる)
一般的要因は、地域要因を通じて個々の不動産の価格に間接的に影響を及ぼすものであり、地域分析においてはその地域に及ぼす作用の程度を的確に把握する必要がある。全国一律に作用するから考慮不要とするのは誤りであり、4が正解。1、2、3、5は基準総論第3章の内容として正しい。
★ポイント:価格形成要因は一般的要因(自然的・社会的・経済的・行政的)・地域要因・個別的要因の3層。それぞれの分析が地域分析・個別分析に対応する。
問6
地域要因に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  • ✔地域要因とは、一般的要因の相関結合によって規模、構成の内容、機能等にわたる各地域の特性を形成し、その地域に属する不動産の価格の形成に全般的な影響を与える要因をいう。
  • 2地域要因は個々の不動産に固有のものであり、地域全体に共通するものではない。
  • 3住宅地域の地域要因には、商業施設の配置の状態や顧客の質と量は含まれない。
  • 4地域要因は行政的要因を含まない。
  • 5地域要因は時間の経過によって変化することはない。
解説:【正解】1(他の4肢はどこかに誤りを含む)
地域要因は、一般的要因の相関結合によって各地域の特性を形成し、その地域に属する不動産の価格形成に全般的な影響を与える要因である。よって1が正しい。2は個々の不動産に固有なのは個別的要因であり誤り。3は住宅地域の地域要因にも日常品店舗への接近性等が含まれ、また設問は誤解を招く表現であるが、商業施設の配置状態は住宅地域の快適性に関わる要因として考慮されるため誤り。4は都市計画規制等の行政的要因も地域要因を構成するため誤り。5は地域要因は絶えず変動するため誤り。
★ポイント:価格形成要因は一般的要因(自然的・社会的・経済的・行政的)・地域要因・個別的要因の3層。それぞれの分析が地域分析・個別分析に対応する。
問7
宅地の個別的要因に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • ✔土壌汚染の存否及びその状態は、個別的要因に含まれない。
  • 2宅地の個別的要因には、間口、奥行、地積、形状等が含まれる。
  • 3宅地の個別的要因には、接面街路の系統及び構造や接面街路との関係が含まれる。
  • 4宅地の個別的要因には、公法上及び私法上の規制、制約等が含まれる。
  • 5宅地の個別的要因には、地勢、地質、地盤等の自然的条件が含まれる。
解説:【正解】1(「誤り・不適切」を選ぶ問題。残る4肢は正しい記述なので、そのまま知識として整理できる)
土壌汚染の存否及びその状態は、宅地の個別的要因として明示されており、価格に重大な影響を与える。よって1が誤り。2、3、4、5はいずれも宅地の個別的要因として基準に掲げられている。
★ポイント:価格形成要因は一般的要因(自然的・社会的・経済的・行政的)・地域要因・個別的要因の3層。それぞれの分析が地域分析・個別分析に対応する。
問8
価格形成要因の把握及び分析に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1価格形成要因は、鑑定評価の依頼目的にかかわらず、常にすべて同じ深度で調査しなければならない。
  • ✔不動産鑑定士は、価格形成要因について、対象不動産の確認、資料の収集及び整理を的確に行い、その分析を通じて対象不動産の価格を判定する。
  • 3価格形成要因の分析においては、過去の実績のみを重視し、将来の動向は考慮しない。
  • 4依頼者から提供された資料は、その正確性を確認することなくそのまま採用してよい。
  • 5価格形成要因のうち行政的要因は、価格に影響を与えないため分析対象から除外される。
解説:【正解】2(他の4肢はどこかに誤りを含む)
鑑定評価は、価格形成要因を的確に把握し分析することを通じて行われる。よって2が正しい。1は依頼目的、対象不動産の種類・類型に応じて調査の深度は異なるため誤り。3は不動産の価格は将来の収益性等の期待を反映するため将来動向の分析が不可欠であり誤り。4は依頼者提供資料についても不動産鑑定士自らその内容を確認・検討する必要があり誤り。5は行政的要因は重要な価格形成要因であり誤り。
★ポイント:価格形成要因は一般的要因(自然的・社会的・経済的・行政的)・地域要因・個別的要因の3層。それぞれの分析が地域分析・個別分析に対応する。