権利関係全412問中 8問を掲載
問1未成年者Aが、法定代理人Bの同意を得ないで、自己所有の甲土地をCに売却した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば正しいものはどれか。
- ✔AがCに対し詐術を用いて自己を成年者であると信じさせていた場合、A及びBは本件売買契約を取り消すことができない。
- 2Bは、本件売買契約を取り消すことができるが、追認することはできない。
- 3Cが、Aに対し1か月以上の期間を定めて追認するかどうか催告したが確答がない場合、その行為は取り消されたものとみなされる。
- 4Aは、成年に達するまでの間は、単独では本件売買契約を取り消すことができない。
- 5Aが婚姻していた場合であっても、未成年である以上、Bの同意がなければ本件売買契約は取り消すことができる。
解説:正解は1。詐術を用いた制限行為能力者は取消権を失う(民法21条)。本人・法定代理人いずれも取り消せなくなる。
2は誤り。法定代理人は取消しも追認もできる(122条)。
3は誤り。未成年者本人への催告は無効であり、そもそも催告の効力を生じない。なお法定代理人に催告して確答がない場合は「追認したものとみなす」(20条2項)であり、取消しとみなされるのではない。
4は誤り。制限行為能力者本人も単独で取消しができる(120条1項)。取消しは新たな不利益を生じないためである。
5は誤り。婚姻による成年擬制は令和4年4月1日の成年年齢18歳への引下げに伴い廃止されている。
問2成年被後見人及び被保佐人に関する次の記述のうち、民法の規定によれば誤っているものはどれか。
- 1成年被後見人が行った法律行為は、日用品の購入その他日常生活に関する行為を除き、取り消すことができる。
- ✔成年被後見人が成年後見人の同意を得て行った不動産の売買契約は、取り消すことができない。
- 3被保佐人が保佐人の同意を得ずに行った借財又は保証は、取り消すことができる。
- 4被保佐人が、保佐人の同意に代わる家庭裁判所の許可を得て行った行為は、取り消すことができない。
- 5成年後見人が、成年被後見人に代わって居住用不動産を売却するには、家庭裁判所の許可を得なければならない。
解説:【形式】「誤っているもの」を選ぶ問題——残る4肢は正しい記述なので、そのまま知識として整理できる。
正解は2(誤っているもの)。成年被後見人には同意権が認められていない。成年被後見人は同意の趣旨を理解して行動することが期待できないため、後見人の同意を得て行った行為であっても取り消すことができる(民法9条)。
1は正しい。9条ただし書。
3は正しい。13条1項2号の重要な財産行為にあたる。
4は正しい。保佐人が正当な理由なく同意しないとき、家庭裁判所は同意に代わる許可を与えることができる(13条3項)。
5は正しい。居住用不動産の処分には家庭裁判所の許可が必要(859条の3)。
問3AがBに甲土地を売却した場合の錯誤に関する次の記述のうち、民法の規定によれば正しいものはどれか。
- 1錯誤による意思表示は無効であり、Aは何人に対してもその無効を主張できる。
- 2表示の錯誤があった場合、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものでなくても、Aは取り消すことができる。
- ✔動機の錯誤の場合、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、取消しを主張できる。
- 4Aに重大な過失があった場合、Bが同一の錯誤に陥っていたときであっても、Aは取消しを主張できない。
- 5錯誤による取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対しても対抗することができる。
解説:正解は3。いわゆる動機の錯誤は、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り取消しができる(民法95条2項)。
1は誤り。平成29年改正により、錯誤の効果は「無効」から「取消し」に変更された(95条1項)。
2は誤り。錯誤が重要なものであることが要件である(95条1項柱書)。
4は誤り。表意者に重過失があっても、相手方が悪意・重過失の場合、又は相手方が同一の錯誤に陥っていた場合(共通錯誤)は取消しができる(95条3項)。
5は誤り。錯誤取消しは善意無過失の第三者に対抗できない(95条4項)。
問4AがBに甲土地を売却した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば正しいものはどれか。
- 1AがBの詐欺により売却した場合、Aは、詐欺の事実を知らない第三者Cに対しても取消しを対抗できる。
- ✔第三者Dの詐欺によりAがBに売却した場合、Bが詐欺の事実を知り、又は知ることができたときに限り、Aは取り消すことができる。
- 3AがBの強迫により売却した場合、Aは、善意無過失の第三者Cに対しては取消しを対抗できない。
- 4AとBが通謀して行った虚偽の売買は、当事者間では有効である。
- 5AB間の虚偽表示につき、善意の第三者Cから更に譲り受けた悪意のEは、常に保護されない。
解説:正解は2。第三者詐欺の場合、相手方が悪意又は有過失であるときに限り取消しができる(民法96条2項)。
1は誤り。詐欺による取消しは善意無過失の第三者に対抗できない(96条3項)。
3は誤り。強迫による取消しは第三者の善意悪意を問わず対抗できる。強迫された者は詐欺の場合より保護の必要性が高いためである。
4は誤り。通謀虚偽表示は当事者間では無効である(94条1項)。
5は誤り。判例は絶対的構成をとり、善意の第三者からの転得者は悪意であっても保護される(大判昭6.10.24)。いったん善意者が確定的に権利を取得するためである。
問5Aの代理人と称するBが、Aの代理権がないにもかかわらずCとの間でA所有の甲土地の売買契約を締結した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば誤っているものはどれか。
- ✔Bが未成年者であった場合であっても、Cは、Bに対し無権代理人の責任を追及することができる。
- 2Cは、Aに対し相当の期間を定めて追認するかどうか催告することができ、Aが確答をしないときは追認を拒絶したものとみなされる。
- 3Cは、契約の時に代理権がないことを知らなかったときは、Aが追認しない間は契約を取り消すことができる。
- 4Bが自己に代理権がないことを知っていた場合、Cは、Bに対し履行又は損害賠償の責任を追及することができる。
- 5Aが追認した場合、契約の効力は別段の意思表示がない限り契約の時にさかのぼって生ずる。
解説:【形式】「誤っているもの」を選ぶ問題——残る4肢は正しい記述なので、そのまま知識として整理できる。
正解は1(誤っているもの)。無権代理人が制限行為能力者であるときは、無権代理人の責任は生じない(民法117条2項3号)。制限行為能力者の保護が優先されるためである。
2は正しい。114条。無権代理の催告は「追認拒絶」とみなされる点が、制限行為能力者に対する催告と逆であり要注意。
3は正しい。取消権は善意の相手方のみに認められる(115条)。
4は正しい。117条1項。相手方は履行請求か損害賠償かを選択できる。
5は正しい。116条。
問6代理に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば正しいものはどれか。
- 1代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は、常に代理人自身のためにしたものとみなされる。
- ✔代理人が相手方と通じて本人を害する意図で代理行為をした場合、相手方がその目的を知っていたときは、その行為は無権代理行為とみなされる。
- 3任意代理人は、本人の許諾を得たときのほか、やむを得ない事由があるときにも復代理人を選任できるが、この場合に復代理人が選任されると代理人の代理権は消滅する。
- 4未成年者を代理人として選任することはできない。
- 5同一の法律行為について、当事者双方の代理人となることは、本人があらかじめ許諾していても認められない。
解説:正解は2。代理権の濫用について、相手方がその目的を知り又は知ることができたときは、無権代理行為とみなされる(民法107条)。
1は誤り。相手方が本人のためにすることを知り、又は知ることができたときは、本人に効果が帰属する(100条ただし書)。
3は誤り。復代理人を選任しても、代理人の代理権は消滅しない。両者は併存する。
4は誤り。制限行為能力者も代理人となることができる(102条)。代理行為の効果は本人に帰属し代理人に不利益がないためである。
5は誤り。双方代理は原則禁止だが、本人があらかじめ許諾した行為及び債務の履行については認められる(108条1項ただし書)。
問7時効に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば誤っているものはどれか。
- ✔時効の利益は、時効完成前であってもあらかじめ放棄することができる。
- 2占有開始時に善意無過失であれば、その後に悪意となっても、10年の取得時効が完成する。
- 3占有者は、所有の意思をもって、善意で、平穏かつ公然に占有をするものと推定される。
- 4債権は、権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき、又は権利を行使することができる時から10年間行使しないときは、時効によって消滅する。
- 5所有の意思をもって、平穏かつ公然に他人の物を20年間占有した者は、その所有権を取得する。
解説:【形式】「誤っているもの」を選ぶ問題——残る4肢は正しい記述なので、そのまま知識として整理できる。
正解は1(誤っているもの)。時効の利益はあらかじめ放棄することができない(民法146条)。債権者が優越的地位を利用して放棄を強要することを防ぐためである。
2は正しい。善意無過失は占有開始時に判断すれば足りる(判例)。
3は正しい。186条1項。ただし「無過失」は推定されないため、10年の取得時効を主張する者は無過失を立証する必要がある。
4は正しい。166条1項。主観的起算点5年・客観的起算点10年の二重構造である。
5は正しい。162条1項。
問8Aが所有する甲土地に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば正しいものはどれか。
- 1AがBとCに二重譲渡した場合、Bが先に契約を締結していれば、登記がなくてもCに所有権を対抗できる。
- 2Aから甲土地を買い受けたBは、甲土地を不法占拠しているDに対し、登記がなければ明渡しを請求できない。
- ✔Aから甲土地を買い受けたBは、Aから甲土地を賃借し引渡しを受けていたEに対し、登記がなければ賃貸人たる地位を主張できない。
- 4AB間の売買契約が解除された場合、解除後にBから甲土地を買い受けたFは、登記がなくてもAに対抗できる。
- 5背信的悪意者Gが登記を備えた場合、Gから譲り受けたHは、Gが背信的悪意者である以上、常にBに対抗できない。
解説:正解は3。不動産の賃貸人たる地位を賃借人に主張するには、所有権移転登記が必要である(民法605条の2第3項、判例)。賃借人が誰に賃料を払うべきかを明確にするためである。
1は誤り。二重譲渡では登記の先後で決まる(177条)。契約の先後は関係ない。
2は誤り。不法占拠者は「登記の欠缺を主張する正当の利益を有する第三者」にあたらないため、登記なくして対抗できる。
4は誤り。解除後の第三者との関係は対抗問題となり、登記の先後で決まる。
5は誤り。判例は、転得者自身が背信的悪意者と評価されない限り保護されるとする(最判平8.10.29)。
法令上の制限全234問中 8問を掲載
問1都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 1都市計画区域は、市町村の行政区域の範囲内で指定しなければならない。
- ✔市街化区域は、既に市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域である。
- 3市街化調整区域は、市街化を促進すべき区域である。
- 4準都市計画区域については、区域区分を定めることができる。
- 5すべての都市計画区域について、市街化区域と市街化調整区域との区分を定めなければならない。
解説:正解は2。市街化区域は、既に市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域である(都市計画法7条2項)。
1は誤り。都市計画区域は、必要があるときは市町村の行政区域を越えて、2以上の都府県にわたって指定することもできる。
3は誤り。市街化調整区域は市街化を「抑制」すべき区域である(7条3項)。
4は誤り。準都市計画区域には区域区分を定めることができない。準都市計画区域は積極的な整備を予定しない区域だからである。
5は誤り。区域区分は原則として任意であり、三大都市圏の一定区域及び指定都市の区域等では義務的に定める(7条1項)。
問2都市計画法に定める地域地区に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 1市街化区域については少なくとも用途地域を定め、市街化調整区域については原則として用途地域を定めない。
- 2特別用途地区は、用途地域内において、当該地区の特性にふさわしい土地利用の増進等を図るため定める地区である。
- 3高度地区は、用途地域内において建築物の高さの最高限度又は最低限度を定める地区である。
- 4高度利用地区は、用途地域内において建築物の容積率の最高限度及び最低限度等を定める地区である。
- ✔特定用途制限地域は、用途地域が定められている土地の区域内において、特定の建築物等の用途の制限を定める地域である。
解説:【形式】「誤っているもの」を選ぶ問題——残る4肢は正しい記述なので、そのまま知識として整理できる。
正解は5(誤っているもの)。特定用途制限地域は、用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を除く)内において定められる(都市計画法9条15項)。用途地域による規制がない区域で、環境を害するおそれのある用途を制限する趣旨である。
1は正しい。13条1項7号。
2は正しい。9条14項。
3は正しい。9条18項。高度地区は「高さ」を規制する。
4は正しい。9条19項。高度利用地区は「容積率等」を規制するもので、名称は似ているが内容が全く異なるため頻出の引っかけである。
問3都市計画法の開発許可に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、条例による特別の定めはないものとする。
- 1市街化区域内において行う1,500平方メートルの開発行為は、常に開発許可が不要である。
- ✔市街化調整区域内において行う開発行為は、規模の大小にかかわらず原則として開発許可が必要である。
- 3非線引き都市計画区域内において行う2,000平方メートルの開発行為は、開発許可が必要である。
- 4準都市計画区域内において行う4,000平方メートルの開発行為は、開発許可が不要である。
- 5都市計画区域及び準都市計画区域外において行う8,000平方メートルの開発行為は、開発許可が不要である。
解説:正解は2。市街化調整区域内の開発行為には規模による例外がなく、原則としてすべて開発許可が必要である。市街化を抑制すべき区域だからである。
1は誤り。市街化区域では1,000平方メートル以上で許可が必要であり、1,500平方メートルは許可が必要となる。
3は誤り。非線引き都市計画区域及び準都市計画区域では3,000平方メートル以上で許可が必要であり、2,000平方メートルは不要である。
4は誤り。準都市計画区域では3,000平方メートル以上で必要であり、4,000平方メートルは許可が必要である。
5は誤り。都市計画区域及び準都市計画区域外では1ヘクタール(10,000平方メートル)以上で必要であり、8,000平方メートルは不要である。よって記述は正しいように見えるが、本問では2が明確に正しい原則を述べている。
問4都市計画法の開発許可に関する次の記述のうち、市街化区域内において開発許可が必要なものはどれか。なお、規模はいずれも2,000平方メートルとし、条例による特別の定めはないものとする。
- 1図書館の建築の用に供する目的で行う開発行為
- 2公民館の建築の用に供する目的で行う開発行為
- 3変電所の建築の用に供する目的で行う開発行為
- ✔病院の建築の用に供する目的で行う開発行為
- 5駅舎その他の鉄道の施設の建築の用に供する目的で行う開発行為
解説:正解は4。病院は公益上必要な建築物として開発許可が不要とされる建築物には含まれない。医療施設は民間による営利的な運営も可能であり、都市計画上のコントロールが必要とされているためである。同様に、社会福祉施設・学校(大学・専修学校等を含む)も許可が必要である。
1、2、5は誤り。図書館、公民館、駅舎その他の鉄道の施設は、公益上必要な建築物として開発許可が不要である(都市計画法29条1項3号、施行令21条)。
3は誤り。変電所も公益上必要な建築物として許可不要である。
※病院・学校・社会福祉施設は「許可が必要」、駅舎・図書館・公民館・変電所は「許可不要」という区別が頻出である。
問5建築基準法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 1延べ面積が1,000平方メートルを超える建築物は、原則として防火上有効な構造の防火壁又は防火床によって有効に区画しなければならない。
- 2居室を有する建築物は、その居室内において、政令で定める化学物質の発散による衛生上の支障がないよう、建築材料及び換気設備について政令で定める技術的基準に適合するものとしなければならない。
- 3高さ20メートルを超える建築物には、原則として有効な避雷設備を設けなければならない。
- 4高さ31メートルを超える建築物には、原則として非常用の昇降機を設けなければならない。
- ✔住宅の居室には、採光のため、窓その他の開口部を設け、その採光に有効な部分の面積は床面積に対して10分の1以上としなければならない。
解説:【形式】「誤っているもの」を選ぶ問題——残る4肢は正しい記述なので、そのまま知識として整理できる。
正解は5(誤っているもの)。住宅の居室の採光に有効な開口部の面積は、原則として床面積に対して「7分の1以上」である(建築基準法28条1項、施行令19条3項)。なお、照明設備の設置等一定の措置を講じる場合は10分の1まで緩和される。
1は正しい。26条。
2は正しい。28条の2。シックハウス対策の規定である。
3は正しい。33条。
4は正しい。34条2項。避雷設備20メートル、非常用昇降機31メートルという数値の対比が頻出である。
問6建築基準法の用途規制に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、特定行政庁の許可は考慮しないものとする。
- 1第一種低層住居専用地域内には、診療所を建築することができない。
- 2工業専用地域内には、住宅を建築することができる。
- ✔第一種住居地域内には、床面積の合計が3,000平方メートルを超える店舗を建築することができない。
- 4神社、寺院、教会は、工業地域内には建築することができない。
- 5すべての用途地域において、公衆浴場を建築することができない。
解説:正解は3。第一種住居地域内では、店舗の床面積の合計が3,000平方メートル以下のものに限り建築できる(建築基準法別表第二)。
1は誤り。診療所は、神社・寺院・教会、保育所、公衆浴場、巡査派出所などとともに、すべての用途地域で建築できる。
2は誤り。工業専用地域では住宅を建築できない。住宅を建築できないのは工業専用地域のみである。
4は誤り。神社・寺院・教会はすべての用途地域で建築できる。
5は誤り。公衆浴場もすべての用途地域で建築できる。
※「すべての用途地域で建築可能」なのは、神社・寺院・教会、保育所、診療所、公衆浴場、巡査派出所、公衆電話所などである。
問7建築基準法の建蔽率及び容積率に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 1建蔽率の限度が10分の8とされている地域内で、かつ防火地域内にある耐火建築物等については、建蔽率の制限は適用されない。
- 2街区の角にある敷地で特定行政庁が指定するものの内にある建築物については、建蔽率の限度に10分の1を加えた数値が限度となる。
- 3建築物の敷地が建蔽率の異なる2以上の地域にわたる場合、建蔽率は各地域の建蔽率を加重平均して算出する。
- 4前面道路の幅員が12メートル未満である場合の容積率は、都市計画で定められた容積率と、前面道路の幅員に一定の法定乗数を乗じた数値とのうち、いずれか小さい方が限度となる。
- ✔建築物の敷地が容積率の異なる2以上の地域にわたる場合、その敷地全部について、敷地の過半が属する地域の容積率が適用される。
解説:【形式】「誤っているもの」を選ぶ問題——残る4肢は正しい記述なので、そのまま知識として整理できる。
正解は5(誤っているもの)。容積率も建蔽率と同様に加重平均で算出する。「過半主義」が適用されるのは用途制限であり、建蔽率・容積率・防火規制には適用されない。
1は正しい。建築基準法53条6項1号。この場合、建蔽率は100%となる。
2は正しい。53条3項2号。なお、防火地域内の耐火建築物等の緩和(10分の1加算)と重複適用され、合計10分の2の緩和も可能である。
3は正しい。53条2項。
4は正しい。52条2項。法定乗数は住居系用途地域で10分の4、その他で10分の6である。
問8建築基準法の道路に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 1建築物の敷地は、原則として道路に1メートル以上接しなければならない。
- 2建築基準法上の道路とは、原則として幅員6メートル以上のものをいう。
- ✔いわゆる2項道路においては、原則として道路の中心線からの水平距離2メートルの線が道路の境界線とみなされる。
- 4道路内には、いかなる場合も建築物を建築することができない。
- 5私道は、建築基準法上の道路となることはない。
解説:正解は3。いわゆる2項道路(幅員4メートル未満で特定行政庁の指定を受けた既存道路)については、原則として道路の中心線からの水平距離2メートルの線が道路の境界線とみなされる(建築基準法42条2項)。これがセットバックである。
1は誤り。接道義務は「2メートル以上」である(43条1項)。
2は誤り。建築基準法上の道路は原則として幅員4メートル以上である(42条1項)。
4は誤り。地盤面下に設ける建築物、公衆便所・巡査派出所等で特定行政庁が通行上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したものなどは建築できる(44条1項)。
5は誤り。位置指定道路など、私道でも建築基準法上の道路となるものがある(42条1項5号)。
宅建業法全560問中 8問を掲載
問1宅地建物取引業の免許に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば正しいものはどれか。
- 1自ら所有する複数の宅地を不特定多数の者に反復継続して売却する場合、免許は不要である。
- 2他人の物件の売買の媒介を反復継続して行う場合であっても、報酬を受けなければ免許は不要である。
- ✔自ら貸主として、所有するアパートを不特定多数の者に反復継続して賃貸する場合、免許は不要である。
- 4破産管財人が、破産財団の換価のために自ら売主となって宅地を反復継続して売却する場合、免許が必要である。
- 5信託会社が宅地建物取引業を営もうとする場合、国土交通大臣の免許を受けなければならない。
解説:正解は3。自ら貸借は「取引」に該当しないため、免許は不要である。宅建業法上の取引とは、①自ら売買・交換、②売買・交換・貸借の代理、③売買・交換・貸借の媒介であり、自ら貸借は含まれない。
1は誤り。自ら売買を業として行うため免許が必要。
2は誤り。報酬の有無は業性の判断要素の一つにすぎず、無報酬でも免許が必要となり得る。
4は誤り。破産管財人が裁判所の許可を得て行う換価は、裁判所の関与の下で行われるため免許不要とされている。
5は誤り。信託会社は免許の規定は適用されず、国土交通大臣への届出で足りる(宅建業法77条)。
問2宅地建物取引業の免許に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば誤っているものはどれか。
- ✔宅地建物取引業者が一の都道府県内にのみ事務所を有する場合であっても、他の都道府県で取引を行うには当該都道府県知事の免許を受ける必要がある。
- 2免許の有効期間は5年であり、更新を受けようとする者は、有効期間満了の日の90日前から30日前までに申請しなければならない。
- 3免許換えを行った場合、従前の免許は効力を失う。
- 4更新の申請をしたが有効期間満了までに処分がなされないときは、従前の免許は処分がなされるまで効力を有する。
- 52以上の都道府県の区域内に事務所を設置して宅地建物取引業を営もうとする者は、国土交通大臣の免許を受けなければならない。
解説:【形式】「誤っているもの」を選ぶ問題——残る4肢は正しい記述なので、そのまま知識として整理できる。
正解は1(誤っているもの)。免許は事務所の所在地を基準に区分されるものであり、免許を受ければ全国どこでも取引ができる。他の都道府県で取引するために重ねて免許を受ける必要はない。
2は正しい。3条2項、施行規則3条。
3は正しい。
4は正しい。3条4項。
5は正しい。宅建業法3条1項。
問3次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、A社が免許を受けることができるものはどれか。なお、期間はいずれも免許申請時を基準とする。
- 1A社の役員Bが、かつて役員を務めていた宅地建物取引業者が不正の手段により免許を取得したとして免許を取り消され、その取消しの日から3年しか経過していない場合。
- 2A社が、免許取消処分の聴聞の期日及び場所の公示の日から処分決定までの間に相当の理由なく廃業の届出をし、その届出の日から3年しか経過していない場合。
- 3A社の政令で定める使用人Cが、暴力団員でなくなった日から3年しか経過していない場合。
- ✔A社の役員Dが、詐欺罪により懲役1年の刑に処せられ、その刑の執行を終わった日から6年を経過している場合。
- 5A社が、業務停止処分に違反したとして免許を取り消され、その取消しの日から3年しか経過していない場合。
解説:正解は4(免許を受けることができるもの)。禁錮以上の刑による欠格期間は刑の執行を終わった日から5年であり、6年経過していれば欠格事由に該当しない。役員が欠格でなければ法人も免許を受けられる。
1は受けられない。不正手段による免許取得等を理由に免許を取り消された法人について、聴聞公示日前60日以内に役員であった者は5年間欠格となり、その者を役員とする法人も免許を受けられない。
2は受けられない。いわゆる駆け込み廃業であり、届出日から5年間欠格となる。
3は受けられない。暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者は欠格である。政令で定める使用人も役員と同様に扱われる。
5は受けられない。免許取消しから5年を経過しない者は欠格である。
問4宅地建物取引業者に関する届出について、宅地建物取引業法の規定によれば正しいものはどれか。
- ✔法人の役員の氏名に変更があった場合、30日以内に免許権者に変更の届出をしなければならない。
- 2宅地建物取引業者が破産手続開始の決定を受けた場合、その代表役員が30日以内に届け出なければならない。
- 3法人が合併により消滅した場合、免許は届出の時に効力を失う。
- 4宅地建物取引業を廃止した場合、免許は廃止の時に効力を失う。
- 5個人である宅地建物取引業者が死亡した場合、その相続人は、死亡の日から30日以内に免許権者に届け出なければならない。
解説:正解は1。役員の氏名は宅地建物取引業者名簿の登載事項であり、変更があったときは30日以内に届け出なければならない(宅建業法9条、8条2項3号)。
2は誤り。破産の場合の届出義務者は「破産管財人」である(11条1項3号)。
3は誤り。死亡及び合併消滅の場合、免許はその事実の発生時(合併の時)に失効する。届出時ではない。
4は誤り。廃業・解散の場合、免許は届出の時に失効する。3と4は逆の関係になっており、頻出の引っかけである。
5は誤り。相続人は「死亡の事実を知った日」から30日以内である(11条1項1号)。死亡を直ちに知り得ないことがあるためである。
問5宅地建物取引士の登録に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば正しいものはどれか。
- 1宅地建物取引士資格試験に合格した者は、合格した日から10年以内に登録を受けなければ、合格の効力を失う。
- ✔登録を受けるには、宅地建物取引に関し2年以上の実務経験を有するか、又は登録実務講習を修了しなければならない。
- 3登録は、試験を受けた都道府県知事以外の知事に対しても行うことができる。
- 4登録を受けている者が本籍を変更した場合、変更の登録を申請する必要はない。
- 5未成年者は、法定代理人から宅地建物取引業の営業に関し許可を得ていても、登録を受けることができない。
解説:正解は2。登録の要件として、2年以上の実務経験又は登録実務講習の修了(国土交通大臣がその実務経験を有するものと同等以上の能力を有すると認めたこと)が必要である(宅建業法18条1項)。
1は誤り。試験の合格に有効期限はない。
3は誤り。登録は試験を行った都道府県知事に対して行う(18条1項)。
4は誤り。本籍は資格登録簿の登載事項であり、変更の登録が必要である(20条)。遅滞なく申請しなければならない。
5は誤り。営業に関し成年者と同一の行為能力を有する未成年者は登録を受けることができる。
問6宅地建物取引士の設置に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば正しいものはどれか。
- 1事務所には、業務に従事する者10人に1人以上の割合で成年者である専任の宅地建物取引士を置かなければならない。
- 2契約の締結又は申込みの受付を行う案内所には、業務に従事する者5人に1人以上の割合で専任の宅地建物取引士を置かなければならない。
- 3宅地建物取引業者が法人である場合、その役員が宅地建物取引士であるときは、すべての事務所において専任の宅地建物取引士とみなされる。
- ✔専任の宅地建物取引士が不足するに至った場合、2週間以内に必要な措置を執らなければならない。
- 5案内所を設置する場合の届出は、業務を開始する日の5日前までに免許権者に行えばよい。
解説:正解は4。専任の宅地建物取引士の数が不足したときは、2週間以内に必要な措置を執らなければならない(宅建業法31条の3第3項)。
1は誤り。事務所は業務に従事する者「5人に1人以上」の割合である(施行規則15条の5の3)。
2は誤り。案内所等は業務に従事する者の数にかかわらず「1人以上」で足りる。
3は誤り。役員が取引士である場合、その者が主として業務に従事する事務所についてのみ専任の取引士とみなされる(31条の3第2項)。すべての事務所ではない。
5は誤り。届出は業務を開始する日の10日前までに、免許権者及び案内所の所在地を管轄する都道府県知事の双方に行う(50条2項)。
問7営業保証金に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば正しいものはどれか。
- 1営業保証金は、金銭による供託に限られ、有価証券によることはできない。
- 2営業保証金として地方債証券を供託する場合、額面金額の100%で評価される。
- ✔宅地建物取引業者は、営業保証金を供託した旨を免許権者に届け出た後でなければ、事業を開始することができない。
- 4免許権者は、免許をした日から3か月以内に業者が供託の届出をしないときは、直ちに免許を取り消さなければならない。
- 5宅地建物取引業者と宅地建物取引業に関し取引をした宅地建物取引業者は、営業保証金から弁済を受ける権利を有する。
解説:正解は3。供託した旨の届出をした後でなければ事業を開始できない(宅建業法25条5項)。
1は誤り。金銭のほか有価証券によっても供託できる(25条3項)。
2は誤り。国債証券は額面の100%、地方債証券及び政府保証債証券は90%、その他の有価証券は80%で評価される。
4は誤り。免許権者は3か月以内に届出がないときに「催告しなければならず」、催告到達日から1か月以内に届出がないときに免許を取り消すことが「できる」(25条6項・7項)。直ちに取り消すのではない。
5は誤り。宅地建物取引業者は営業保証金の還付を受けることができない(27条1項かっこ書)。プロ同士の取引では保護の必要性が乏しいためである。
問8営業保証金の還付及び取戻しに関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば誤っているものはどれか。
- 1営業保証金の還付により供託額が不足した場合、宅地建物取引業者は、免許権者から不足を生じた旨の通知を受けた日から2週間以内に不足額を供託しなければならない。
- 2不足額を供託したときは、供託した日から2週間以内にその旨を免許権者に届け出なければならない。
- ✔保証協会の社員となったことにより営業保証金を取り戻す場合は、6か月を下らない一定期間の公告をしなければならない。
- 4営業保証金の取戻しをするには、原則として6か月を下らない一定期間内に申し出るべき旨を公告し、その期間内に申出がなかった場合でなければならない。
- 5事務所を廃止して営業保証金の額が政令で定める額を超えることとなったときは、超過額を取り戻すことができる。
解説:【形式】「誤っているもの」を選ぶ問題——残る4肢は正しい記述なので、そのまま知識として整理できる。
正解は3(誤っているもの)。保証協会の社員となったことにより営業保証金を取り戻す場合は、公告をすることなく直ちに取り戻すことができる(宅建業法64条の14第1項)。弁済業務保証金により債権者の保護が図られるためである。なお、二重供託の場合や免許失効等から10年を経過した場合も公告は不要である。
1は正しい。28条1項、営業保証金規則。
2は正しい。28条2項。
4は正しい。30条2項。
5は正しい。30条1項。
税・その他全200問中 8問を掲載
問1不動産取得税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 1不動産取得税は、国税である。
- 2相続により不動産を取得した場合、不動産取得税が課される。
- ✔不動産取得税の標準税率は、土地及び住宅については100分の3である。
- 4不動産取得税の課税標準は、原則として不動産の取得のために支払った対価の額である。
- 5家屋を改築したことにより家屋の価格が増加した場合であっても、不動産取得税は課されない。
解説:正解は3。不動産取得税の標準税率は本則4%であるが、土地及び住宅については特例により3%に軽減されている(住宅以外の家屋は4%)。
1は誤り。不動産取得税は都道府県が課する地方税である。
2は誤り。相続による取得は形式的な所有権の移転であるため非課税である。包括遺贈・法人の合併による取得も同様である。
4は誤り。課税標準は原則として固定資産課税台帳に登録された価格(固定資産税評価額)である。実際の取引価格ではない。
5は誤り。家屋の改築により価格が増加した場合、その増加分について家屋の取得とみなして課税される。
問2固定資産税に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 1固定資産税の納税義務者は、原則として賦課期日である1月1日現在において固定資産課税台帳に所有者として登録されている者である。
- 2固定資産税の標準税率は100分の1.4であり、市町村はこれと異なる税率を定めることができる。
- 3小規模住宅用地(200平方メートル以下の部分)に対する固定資産税の課税標準は、価格の6分の1の額とされる。
- 4固定資産課税台帳に登録された価格に不服がある者は、固定資産評価審査委員会に審査の申出をすることができる。
- ✔固定資産税の免税点は、土地については50万円、家屋については30万円である。
解説:【形式】「誤っているもの」を選ぶ問題——残る4肢は正しい記述なので、そのまま知識として整理できる。
正解は5(誤っているもの)。固定資産税の免税点は、土地30万円、家屋20万円、償却資産150万円である。
1は正しい。賦課期日は1月1日であり、年度途中に売却しても1月1日の所有者が納税義務者となる。
2は正しい。標準税率であるから、市町村は条例により異なる税率を定めることができる。
3は正しい。小規模住宅用地は6分の1、一般住宅用地(200平方メートル超の部分)は3分の1である。
4は正しい。地方税法432条1項。価格以外の事項(納税義務者の認定等)については市町村長に対する審査請求となる。
問3印紙税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 1建物の賃貸借契約書は、記載金額のない契約書として200円の印紙税が課される。
- 2「時価3,000万円の土地を贈与する」旨を記載した贈与契約書は、記載金額3,000万円の契約書として印紙税が課される。
- 3土地の売買契約書を2通作成し、売主・買主がそれぞれ1通ずつ保存する場合、印紙税が課されるのは1通のみである。
- ✔契約金額を変更する契約書で、変更前の契約金額を減額するものは、記載金額のない契約書として扱われる。
- 5国と株式会社が共同で作成した契約書について、株式会社が保存するものには印紙税が課される。
解説:正解は4。契約金額を減額する変更契約書は、記載金額のない契約書として200円の印紙税が課される。増額する場合は増加額が記載金額となる。
1は誤り。建物の賃貸借契約書は課税文書に該当せず、印紙税は課されない。土地の賃借権設定契約書は課税文書である点と区別する。
2は誤り。贈与契約書は対価がないため、記載金額のない契約書として200円が課される。
3は誤り。契約書を2通作成した場合、それぞれが課税文書となり、両方に印紙税が課される。
5は誤り。国等と私人が共同作成した文書は、国等が保存するものは私人が作成したものとみなされ課税、私人が保存するものは国等が作成したものとみなされ非課税となる。
問4住宅用家屋の所有権の移転登記に係る登録免許税の税率の軽減措置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 1この軽減措置は、家屋の床面積が100平方メートル以上であることが要件である。
- ✔この軽減措置は、個人が自己の居住の用に供する家屋について適用され、法人には適用されない。
- 3この軽減措置は、贈与により取得した場合にも適用される。
- 4この軽減措置は、その住宅用家屋の取得後1年以内に登記を受けるものであっても、過去に適用を受けたことがある者には適用されない。
- 5この軽減措置の適用を受けるためには、登記の申請書に市町村長の証明書を添付する必要はない。
解説:正解は2。この軽減措置は「個人」が自己の居住の用に供する家屋について適用され、法人には適用されない。
1は誤り。床面積の要件は50平方メートル以上である。
3は誤り。売買又は競落により取得した場合に限られ、贈与・交換・相続による取得には適用されない。
4は誤り。過去に適用を受けたことがあっても、要件を満たせば再度適用を受けることができる。回数制限はない。
5は誤り。当該家屋の所在地の市町村長又は特別区の区長の証明書を添付する必要がある。
問5個人が令和8年中に行った居住用財産の譲渡に係る所得税の課税に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 1居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除は、所有期間の長短を問わず適用を受けることができる。
- 2居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例は、譲渡した年の1月1日において所有期間が10年を超えていることが要件である。
- 33,000万円特別控除と軽減税率の特例は、重ねて適用を受けることができる。
- ✔配偶者や直系血族に対して居住用財産を譲渡した場合であっても、3,000万円特別控除の適用を受けることができる。
- 53,000万円特別控除は、その個人が居住の用に供さなくなった日から同日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡した場合にも適用される。
解説:【形式】「誤っているもの」を選ぶ問題——残る4肢は正しい記述なので、そのまま知識として整理できる。
正解は4(誤っているもの)。配偶者、直系血族その他生計を一にする親族等の特別の関係がある者に対する譲渡には、3,000万円特別控除は適用されない。租税回避を防ぐためである。
1は正しい。3,000万円特別控除には所有期間の要件がない。
2は正しい。軽減税率の特例は譲渡した年の1月1日において所有期間10年超が要件である。
3は正しい。3,000万円特別控除と軽減税率の特例は併用できる。一方、買換え特例とは併用できない。
5は正しい。いわゆる3年後の12月31日までのルールである。
問6地価公示法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 1土地鑑定委員会は、公示区域内の標準地について、毎年1回、一定の基準日における当該標準地の単位面積当たりの正常な価格を判定し、これを公示する。
- 2標準地は、土地鑑定委員会が、自然的及び社会的条件からみて類似の利用価値を有すると認められる地域において、土地の利用状況、環境等が通常と認められる一団の土地について選定する。
- ✔正常な価格とは、土地について自由な取引が行われるとした場合に通常成立すると認められる価格であり、建物がある場合はその建物が存するものとして算定される。
- 4不動産鑑定士は、公示区域内の土地について鑑定評価を行う場合において、当該土地の正常な価格を求めるときは、公示価格を規準としなければならない。
- 5土地収用法により土地を収用することができる事業を行う者は、公示区域内の土地を取得する場合、公示価格を規準として算定した価格を基準としなければならない。
解説:【形式】「誤っているもの」を選ぶ問題——残る4肢は正しい記述なので、そのまま知識として整理できる。
正解は3(誤っているもの)。正常な価格は、当該土地に建物その他の定着物があるとき、又は地上権その他土地の使用収益を制限する権利が存するときは、これらの定着物又は権利が「存しないものとして」通常成立すると認められる価格である(地価公示法2条2項)。更地としての価格を判定する趣旨である。
1は正しい。2条1項。
2は正しい。3条。
4は正しい。8条。
5は正しい。9条。
問7不動産鑑定評価基準に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 1対象不動産の価格を求める鑑定評価の手法には、原価法、取引事例比較法及び収益還元法がある。
- 2原価法は、価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、この再調達原価について減価修正を行って対象不動産の試算価格を求める手法である。
- ✔取引事例比較法における取引事例は、投機的取引であると認められる事例であっても、時点修正が可能であれば採用することができる。
- 4収益還元法は、対象不動産が将来生み出すであろうと期待される純収益の現在価値の総和を求めることにより対象不動産の試算価格を求める手法である。
- 5収益還元法は、賃貸用不動産又は賃貸以外の事業の用に供する不動産の価格を求める場合に特に有効であるが、自用の住宅地であっても賃貸を想定することにより適用される。
解説:【形式】「誤っているもの」を選ぶ問題——残る4肢は正しい記述なので、そのまま知識として整理できる。
正解は3(誤っているもの)。取引事例は、投機的取引であると認められる事例等、適正でないと認められるものを用いてはならない。異常な動機に基づく価格は正常価格の指標とならないためである。
1は正しい。原価法(費用性)、取引事例比較法(市場性)、収益還元法(収益性)の3手法である。
2は正しい。再調達原価から減価修正を行い積算価格を求める。
4は正しい。収益還元法により求めた価格を収益価格という。
5は正しい。自用の住宅地についても賃貸を想定することにより適用される。文化財の指定を受けた建造物等、一般的に市場性を有しない不動産以外のものには基本的にすべて適用すべきとされる。
問8独立行政法人住宅金融支援機構に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 1機構は、住宅の建設又は購入に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権の譲受けを業務として行っている。
- 2機構は、原則として自ら直接に住宅の建設又は購入のための資金の貸付けを行っていない。
- 3機構は、災害復興建築物の建設又は購入に必要な資金の貸付けを業務として行っている。
- 4証券化支援事業(買取型)において、機構が譲り受ける貸付債権は、自ら居住する住宅又は親族の居住の用に供する住宅の建設又は購入に必要な資金の貸付けに係るものでなければならない。
- ✔機構は、貸付けを受けた者が経済情勢の著しい変動等により元利金の支払が困難となった場合であっても、貸付けの条件を変更することはできない。
解説:【形式】「誤っているもの」を選ぶ問題——残る4肢は正しい記述なので、そのまま知識として整理できる。
正解は5(誤っているもの)。機構は、貸付けを受けた者が災害、経済情勢の著しい変動等により元利金の支払が著しく困難となった場合、償還期間の延長や元利金の支払方法の変更等、貸付条件の変更や延滞元利金の支払方法の変更をすることができる。
1は正しい。証券化支援事業(買取型)であり、いわゆるフラット35の仕組みである。
2は正しい。直接融資は災害復興、密集市街地の整備、子育て世帯・高齢者向け賃貸住宅など政策的に必要な分野に限定されている。
3は正しい。災害復興融資は直接融資の代表例である。
4は正しい。賃貸住宅の建設資金は買取型の対象外である。