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計画・環境設備
分野別問題:計画・環境設備
一級建築士|計画・環境設備
最終更新:2026年8月11日
一級建築士の計画・環境設備分野を集中的に演習します。
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問1
日本の伝統的な木造建築における「書院造」の特徴として、最も不適当なものはどれか。
1
床の間、違い棚、付書院などの座敷飾りを備える
2
畳を敷き詰めた座敷を基本とする
3
襖や障子による間仕切りを多用する
✔
数寄屋造の影響を受けて発展し、簡素・自由な意匠を特徴とする
5
室町時代に成立し、近世の武家住宅の基本形式となった
解説:
書院造は室町時代に成立し、床の間・違い棚・付書院といった座敷飾りを備え、畳敷きの座敷、襖・障子による建具構成を特徴とする武家住宅の形式である。近世を通じて武家住宅の基本形式として定着した。一方、選択肢4の「数寄屋造の影響を受けて簡素・自由な意匠を特徴とする」は逆であり、数寄屋造は書院造を基礎としながら茶室建築の影響を受けて成立したものであるため、成立の前後関係が誤りである。したがって最も不適当なのは4。
問2
集合住宅の住棟計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
階段室型は、各住戸のプライバシーが確保しやすい形式である
2
廊下型(片廊下型)は、住戸数に対してエレベーターの効率が良い
3
スキップフロア型は、共用廊下の面積を削減しつつ通風・採光を確保しやすい
4
コア型は、住戸をコアの周囲に配置し、エレベーターホールを共用する形式である
✔
階段室型は、片廊下型に比べて一般にエレベーター1台あたりの住戸数を多く確保できる
解説:
階段室型は2〜3戸ごとに階段室(またはエレベーター)を設ける形式であり、1つのエレベーターがサービスできる住戸数は片廊下型よりも少なくなる。片廊下型は1つの廊下・エレベーターに多数の住戸がアクセスできるため、エレベーター効率は片廊下型の方が優れている。よって5は誤り。階段室型はプライバシー性や通風性に優れる反面、エレベーター設置コストが割高になりやすい。
問3
劇場・ホールの計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
プロセニアム形式は、額縁状の開口を通して舞台を見る形式である
2
アリーナ形式は、客席が舞台を取り囲む形式で一体感が得られやすい
3
オープンステージ形式は、舞台と客席の間に明確な境界を設けない形式である
✔
プロセニアム形式は、アリーナ形式に比べて演出の自由度や舞台機構の多様性で劣る
5
客席の見通し線(視線)計画では、前列の観客の頭が視界を妨げないようにC値を検討する
解説:
プロセニアム形式は額縁(プロセニアムアーチ)を通して舞台を見る伝統的な形式で、迫り・引き割りなど多彩な舞台機構を組み込みやすく、演出の自由度は高い。アリーナ形式は臨場感・一体感に優れる一方、舞台機構は制約を受けやすい。したがって「プロセニアム形式が演出の自由度で劣る」とする4は逆であり誤り。視線計画におけるC値(見上げ角に関する指標)は客席計画上の重要な検討項目である。
問4
学校施設の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
オープンスクール型は、教室と多目的スペースを一体的に計画する方式である
2
フィンガープラン型は、教室棟を廊下でつなぎ、各棟を指状に配置する方式である
3
クラスターとは、複数の教室群をまとめて一つの生活単位として計画する考え方である
✔
オープンスクール型は、教科担任制よりも学級担任制の運用に不向きである
5
特別教室は、一般教室から独立して配置し、利用の集中や騒音を考慮する
解説:
オープンスクール型は教室間の間仕切りを開放的にし、多目的スペースと一体的に活用することで、グループ学習や個別学習など多様な学習形態に対応しやすい方式である。学級担任制・教科担任制のいずれにも対応しうる柔軟性を持たせることが企図されており、「学級担任制の運用に不向き」と断定するのは不適当。フィンガープランやクラスター計画は、いずれも学校建築の代表的な配置計画手法である。
問5
病院の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
看護単位は、1人の看護師長が管理する入院患者の単位を指す
2
病棟の平面形式には、単廊下型、複廊下型、放射型などがある
✔
ICU(集中治療室)は、一般病棟から離れた低アクセス性の場所に配置することが望ましい
4
手術部門は、感染防止のためクリーンゾーンとして厳重な清浄度管理を行う
5
外来部門と病棟部門は、動線を分離し交錯を避けることが望ましい
解説:
ICUは重篤患者に対して迅速な処置が必要となるため、手術部門や救急部門との連携がとりやすい高アクセス性の位置に配置することが望ましいとされる。「低アクセス性の場所に配置する」とする3は誤り。看護単位の考え方、病棟の平面形式、手術部門のクリーンゾーン管理、外来・病棟動線の分離はいずれも病院計画における基本的事項である。
問6
都市計画・地域計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
近隣住区論は、小学校を中心とした住区構成の考え方を示したものである
2
コンパクトシティは、都市機能を集約し郊外への拡散を抑制する都市構造の考え方である
3
TOD(公共交通指向型開発)は、鉄道駅等の周辺に高密度な複合開発を誘導する手法である
✔
ニュータウンは、既成市街地の内部を再開発することで新たに整備される市街地をいう
5
ゾーニングは、用途に応じて土地利用を区分する都市計画の手法である
解説:
ニュータウンとは、大都市周辺部などの郊外において、計画的に開発される新しい市街地・住宅地をいい、既成市街地の「内部」を再開発するものではない。既成市街地内部の再開発は、市街地再開発事業などが該当する。したがって4は誤り。近隣住区論、コンパクトシティ、TOD、ゾーニングに関する記述は都市計画の基本概念として正しい。
問7
バリアフリー・ユニバーサルデザインに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
ユニバーサルデザインとは、障害の有無等にかかわらずできるだけ多くの人が利用しやすいよう設計する考え方である
2
車椅子使用者用の駐車施設は、一般に幅3.5m以上を確保することが望ましい
3
視覚障害者誘導用ブロックには、警告ブロックと誘導ブロックの2種類がある
4
バリアフリー法上の建築物移動等円滑化基準では、階段には手すりを設けることが求められる
✔
車椅子使用者用便房は、一般便房と同一の広さで計画することが原則とされる
解説:
車椅子使用者用便房は、車椅子の転回や移乗動作に必要な空間を確保するため、一般便房よりも広いスペース(一般に2m×2m程度以上)を確保することが必要とされており、「一般便房と同一の広さ」とすることは誤り。ユニバーサルデザインの定義、車椅子使用者用駐車施設の幅員、誘導用ブロックの種類、階段手すりに関する記述は正しい。
問8
高齢者・福祉施設の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
ユニットケア型の特別養護老人ホームは、10人程度を1ユニットとして生活の場を構成する方式である
2
ユニットケアは、従来型の大規模な多床室での集団処遇に比べ、個別性を重視した処遇を目指すものである
3
サービス付き高齢者向け住宅は、安否確認・生活相談サービスの提供が義務付けられている
✔
デイサービスセンターは、高齢者が居住しながら長期の介護サービスを受ける施設である
5
グループホームは、認知症高齢者等が少人数で共同生活を営む形態の施設である
解説:
デイサービスセンター(通所介護施設)は、高齢者が自宅から通い、日帰りで入浴・食事・機能訓練等のサービスを受ける施設であり、「居住しながら長期の介護サービスを受ける」という記述は誤りで、これは特別養護老人ホーム等の入所(入居)系施設の説明に該当する。ユニットケア、サービス付き高齢者向け住宅、グループホームに関する記述は正しい。
問9
オフィスビルの計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
コアの配置形式には、センターコア、サイドコア、分散コアなどがある
2
レンタブル比は、延べ面積に対する貸室面積(収益部分)の割合をいう
3
OA化に対応するため、二重床(フリーアクセスフロア)を採用することがある
4
モデュラーコーディネーションは、設計・生産の合理化を目的として寸法の整合を図る手法である
✔
レンタブル比は、一般に高いほど貸室面積が少なく、共用部分の割合が大きいことを示す
解説:
レンタブル比は延べ面積に対する貸室(収益)面積の割合であり、この値が高いほど貸室面積の割合が大きく、共用部分(廊下・階段・設備スペース等)の割合が小さいことを示す。「レンタブル比が高いほど貸室面積が少なく共用部分の割合が大きい」とする5は逆であり誤り。コアの配置形式、二重床、モデュラーコーディネーションに関する記述は正しい。
問10
住宅の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
コレクティブハウジングは、独立した住戸を持ちながら共用の生活空間を持つ集住形態である
2
コーポラティブハウスは、入居希望者が組合を結成し、共同で企画・設計・建設を行う方式の住宅である
3
スケルトン・インフィル住宅は、構造躯体と内装・設備を分離し、後者の変更を容易にする考え方である
✔
食寝分離とは、就寝空間と食事空間を同一の室で使用する住まい方の考え方である
5
就寝分離とは、親と子供の就寝空間を分離する考え方である
解説:
食寝分離とは、食事をとる空間(食事室)と就寝する空間(寝室)を「分離」する住まい方の考え方であり、西山夘三が提唱した概念として知られる。「同一の室で使用する」とする4はこの定義と逆であり誤り。コレクティブハウジング、コーポラティブハウス、スケルトン・インフィル、就寝分離に関する記述は正しい。
問11
図書館の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
開架式は、利用者が書架に直接アクセスして資料を選べる方式である
2
閉架式は、利用者が直接書架に立ち入れず、係員を通じて資料を出納する方式である
3
ブラウジングコーナーは、雑誌・新聞等を気軽に閲覧できるスペースである
✔
児童室は、一般に大人の閲覧室と明確に動線を分離せず一体で計画することが望ましい
5
レファレンスサービスは、利用者の調査・研究を支援するための情報提供サービスである
解説:
児童室は、児童の利用特性(声を出す、活発に動く等)を踏まえ、一般の大人向け閲覧室とは音や動線の面で一定の配慮をもって区分して計画することが望ましいとされる。「動線を分離せず一体で計画することが望ましい」とする4は、実務上の一般的な計画方針と異なり不適当。開架式・閉架式、ブラウジングコーナー、レファレンスサービスに関する記述は正しい。
問12
美術館・博物館の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
展示室の照度は、展示物の材質・劣化特性に応じて上限を設けることがある
2
動線計画には、順路を固定する「一筆書き型」と自由に回遊できる「回遊型」がある
✔
収蔵庫は、温湿度変動の影響を受けにくいよう外壁に面して大きな窓を設けることが望ましい
4
トップライトを設ける場合、紫外線や熱、直射日光の影響について検討が必要である
5
展示ケースは、資料保護の観点から防犯・防塵・調湿等の機能を持たせることがある
解説:
収蔵庫は資料保存のため温湿度・光・害虫等の影響を厳密に管理する必要があり、外気の影響を受けやすい大きな窓を設けることは望ましくない。むしろ外壁に面する開口部を極力設けず、独立した空調管理が可能な閉鎖的な空間として計画するのが一般的である。したがって3は誤り。展示室照度、動線計画、トップライトの検討事項、展示ケースの機能に関する記述は正しい。
問13
事務所ビルの環境・設備計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
ダブルスキンは、外壁を二重構成とし中間層の通気等により断熱・遮熱性能を高める手法である
2
エアフローウィンドウは、窓面のブラインドと窓の間に空気を流し、日射熱負荷を低減する方式である
✔
タスク・アンビエント照明は、全ての机上面を高照度で均一に照らすことを基本とする照明方式である
4
自然換気を積極的に利用する建築計画は、パッシブデザインの一手法として位置づけられる
5
光ダクトは、自然光を室内の奥まで導入するための設備である
解説:
タスク・アンビエント照明は、作業面(タスク)に必要な照度を手元の照明器具で確保し、周囲(アンビエント)は低めの照度で全体を照らすことで、省エネルギー化とグレア低減を図る照明方式であり、「全ての机上面を高照度で均一に照らす」という全般照明の考え方とは異なる。したがって3は誤り。ダブルスキン、エアフローウィンドウ、パッシブデザイン、光ダクトに関する記述は正しい。
問14
インテリア・什器計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
モデュール(基準寸法)は、部材や空間の設計における基準となる寸法単位である
2
人間工学(エルゴノミクス)は、人体の寸法・動作特性等を設計に反映させる考え方である
3
アフォーダンスとは、物や環境の形状・特性が人間の行動を誘発・示唆する性質をいう
✔
パーソナルスペースは、他者との物理的な距離の取り方に関する心理的な空間概念であり、文化や関係性の影響を受けない
5
サイン計画は、施設内の案内表示を体系的に計画することをいう
解説:
パーソナルスペース(対人距離)は、文化的背景、個人差、相手との関係性(親密度)等によって適切とされる距離が異なることが知られており、「文化や関係性の影響を受けない」とする4は誤り。エドワード・ホールの提唱した対人距離の分類(密接距離・個体距離・社会距離・公衆距離)は文化差の存在を前提とした概念である。モデュール、人間工学、アフォーダンス、サイン計画に関する記述は正しい。
問15
建築計画における人体寸法・動作空間に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
階段の勾配は、蹴上げと踏面の寸法比によって決まる
2
廊下の有効幅員は、通行者のすれ違いや車椅子使用者の通行を考慮して計画される
3
建築基準法施行令では、住宅の階段について蹴上げ・踏面の最小・最大寸法が定められている
4
モデュロールは、コルビュジエが人体寸法と黄金比を基に提唱した寸法体系である
✔
車椅子使用者の最小回転半径は、一般に建築物の廊下幅員の検討において考慮する必要はない
解説:
車椅子使用者の円滑な通行・転回のためには、廊下幅員やスペースの計画において車椅子の最小回転半径(一般に直径1.5m程度)を考慮することが、バリアフリー設計上不可欠な検討事項である。「考慮する必要はない」とする5は誤り。階段勾配、廊下幅員、建築基準法施行令の階段寸法規定、モデュロールに関する記述は正しい。
問16
公共建築・公共施設の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)は、民間資金・ノウハウを活用して公共施設を整備・運営する手法である
2
コンバージョンとは、既存建築物の用途を変更して再生・活用することをいう
3
リノベーションとは、既存建築物の性能や価値を新築時以上に向上させる改修をいう
✔
PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)は、専ら公共主体のみで施設整備を行う手法をいう
5
ストック活用とは、既存の建築物・インフラを有効活用していく考え方をいう
解説:
PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)は、公共と民間が連携・協働して公共サービスの提供や施設整備を行う手法の総称であり、PFIもPPPの一形態として位置づけられる。「専ら公共主体のみで施設整備を行う」とする4は、PPPの定義(官民連携)と矛盾しており誤り。PFI、コンバージョン、リノベーション、ストック活用に関する記述は正しい。
問17
保育所・幼稚園の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
保育室は、乳幼児の発達段階に応じて年齢別に区分して計画されることが多い
2
園庭は、外遊びや自然との触れ合いを通じた発達を促す屋外空間として計画される
3
保育所の避難計画では、乳幼児の自力避難が困難であることを踏まえた配慮が必要である
4
幼保連携型認定こども園は、幼稚園と保育所の両方の機能を併せ持つ施設である
✔
保育室の床面積は、児童の年齢にかかわらず一律の基準面積が定められている
解説:
児童福祉施設の設備運営基準等において、保育室(ほふく室・保育室等)の1人当たりの必要面積は、乳児・満2歳未満児と満2歳以上児など、年齢区分に応じて異なる基準が定められている。「年齢にかかわらず一律の基準面積」とする5は誤り。保育室の年齢別区分、園庭の役割、避難計画上の配慮、幼保連携型認定こども園に関する記述は正しい。
問18
ホテル・宿泊施設の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
ホテルの客室部門とパブリック部門(宴会場・レストラン等)は、動線を分離して計画することが一般的である
2
バックヤード(従業員用通路等)は、宿泊客の動線とできる限り交錯しないよう計画する
✔
シティホテルは、主に観光地に立地し長期滞在を主目的とする宿泊施設である
4
コンベンション機能を持つホテルでは、大規模な宴会場・会議室の動線計画が重要となる
5
客室の平面計画では、ベッド配置や水回り(浴室・洗面)の配置効率が重視される
解説:
シティホテルは、都市部に立地し、ビジネス・観光等の短期滞在の宿泊客を主な対象とする宿泊施設であり、「主に観光地に立地し長期滞在を主目的とする」という記述はリゾートホテルの特徴に近く、シティホテルの説明として不適当である。客室部門とパブリック部門の動線分離、バックヤードの計画、コンベンション機能、客室平面計画に関する記述は正しい。
問19
駅・交通施設の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
駅前広場は、交通結節点として歩行者・自動車・バス等の動線を調整する機能を持つ
2
バリアフリー法に基づき、一定規模以上の鉄道駅にはエレベーター等の移動円滑化設備の設置が求められる
3
ペデストリアンデッキは、歩行者と自動車の交通を立体的に分離する歩行者専用の通路施設である
4
駅のプラットホームは、乗降客の滞留・移動を考慮し、有効幅員等が計画される
✔
ホームドア(可動式ホーム柵)は、主に列車の走行速度を向上させることを目的として設置される
解説:
ホームドア(可動式ホーム柵)は、プラットホームからの転落事故や列車との接触事故を防止し、乗客の安全性を確保することを主目的として設置される設備であり、「列車の走行速度の向上」を目的とするものではない。したがって5は誤り。駅前広場、バリアフリー法に基づく移動円滑化設備、ペデストリアンデッキ、プラットホームの有効幅員に関する記述は正しい。
問20
建築史・様式に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
ゴシック建築は、尖頭アーチ・リブヴォールト・フライングバットレスを特徴とする建築様式である
2
ロマネスク建築は、ゴシック建築に先行し、重厚な壁体と小さな窓を特徴とする建築様式である
3
ルネサンス建築は、古代ギリシャ・ローマの建築様式の復興を志向した建築様式である
✔
バロック建築は、直線的で装飾を排した簡素な意匠を特徴とする建築様式である
5
ゴシック建築の代表例として、フランスのシャルトル大聖堂などが挙げられる
解説:
バロック建築は、曲線的で動的な造形、豊かな装飾、劇的な光と陰影の演出を特徴とする建築様式であり、「直線的で装飾を排した簡素な意匠」という記述はバロック建築の特徴とは正反対であり誤り(この記述はむしろモダニズム建築の一部特徴に近い)。ゴシック建築、ロマネスク建築、ルネサンス建築、シャルトル大聖堂に関する記述は建築史上正しい。
問21
建築構法・生産システムに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
プレハブ工法は、工場生産された部材を現場で組み立てる工法である
2
BIM(Building Information Modeling)は、建築物の属性情報を含む3次元モデルを活用する設計・施工手法である
3
モックアップは、実物大の試作品により意匠・性能等を事前に確認する手法である
4
ユニット工法は、住戸単位等をあらかじめ工場で製作し現場に据え付ける工法である
✔
BIMは、意匠設計にのみ活用され、構造・設備設計や施工管理に活用することはできない
解説:
BIMは意匠設計だけでなく、構造設計(構造解析との連携)、設備設計(干渉チェック等)、さらには施工計画・維持管理段階に至るまで、建築物のライフサイクル全体を通じて幅広く活用されている統合的な情報活用手法である。「意匠設計にのみ活用され、他の用途には活用できない」とする5は誤り。プレハブ工法、モックアップ、ユニット工法に関する記述は正しい。
問22
公園・緑地計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
街区公園(旧・児童公園)は、主として近隣に居住する者の利用に供することを目的とした公園である
2
ビオトープは、生物が生息・生育できる空間を人工的・自然的に創出したものをいう
3
緑地率とは、敷地面積に対する緑化面積の割合をいう
4
都市公園法は、都市公園の設置及び管理に関する基準等を定める法律である
✔
街区公園の誘致距離は、一般に半径1km程度を標準として計画される
解説:
街区公園の誘致距離は、都市公園法施行令等において半径250m程度を標準として計画されるとされており、「半径1km程度」とする5は過大であり誤り(近隣公園は半径500m程度、地区公園は半径1km程度が目安とされる)。街区公園の目的、ビオトープ、緑地率、都市公園法に関する記述は正しい。
問23
福祉のまちづくり・共生社会に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
ノーマライゼーションとは、障害の有無にかかわらず誰もが普通に生活できる社会を目指す理念である
2
インクルーシブデザインは、多様な利用者を初期段階から設計プロセスに参加させる考え方を含む
3
ソーシャルインクルージョンとは、社会的に弱い立場にある人々を包摂し社会参加を促す考え方である
✔
バリアフリーとユニバーサルデザインは、全く同一の概念であり、区別する必要はない
5
アクセシビリティとは、施設やサービス等への利用しやすさ・到達しやすさをいう
解説:
バリアフリーは既存の「障壁(バリア)」を除去する対症的なアプローチであるのに対し、ユニバーサルデザインは当初から誰もが利用しやすいように設計する予防的・包括的なアプローチであり、両者は理念・アプローチの点で異なる概念として整理されるのが一般的である。「全く同一の概念であり区別する必要はない」とする4は誤り。ノーマライゼーション、インクルーシブデザイン、ソーシャルインクルージョン、アクセシビリティに関する記述は正しい。
問24
街並み・景観計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
景観法は、良好な景観の形成を促進するための基本理念や施策を定めた法律である
2
景観計画区域内において、一定の行為(建築等)について届出等の手続が求められることがある
3
伝統的建造物群保存地区は、歴史的な集落・町並みを保存するために定められる地区である
✔
スカイラインとは、建築物の色彩計画に特化した概念であり、高さや稜線とは無関係である
5
景観協定は、住民等の合意に基づき、一定区域内での景観形成のルールを定める制度である
解説:
スカイラインとは、建築物や山並み等の「輪郭線・稜線」(特に高さ方向の見え方)を指す概念であり、色彩計画とは異なる。「色彩計画に特化した概念であり、高さや稜線とは無関係」とする4は誤り、スカイラインはむしろ高さ・稜線そのものに関する概念である。景観法、景観計画区域内の届出、伝統的建造物群保存地区、景観協定に関する記述は正しい。
問25
音楽ホール・劇場の音響計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
音楽ホールの最適残響時間は、一般に講演を主目的とするホールに比べて長く設定される
2
反射板・反響板は、初期反射音を客席へ届け、音の豊かさや明瞭度を高めるために設けられる
✔
エコー(フラッターエコー等)は、望ましい音響効果として積極的に活用すべき現象である
4
客席の吸音特性は、満席時と空席時とで大きく異なることがあるため設計上の配慮が必要である
5
シューボックス型のホールは、平行な側壁による側方反射音が得られやすい形状とされる
解説:
エコー(反響)やフラッターエコー(平行面間で音が往復し明瞭な反復音として知覚される現象)は、一般に音響障害として認識され、聴感上不快感を与えるため、音響設計上は防止・低減すべき現象として扱われる。「望ましい音響効果として積極的に活用すべき」とする3は誤り。音楽ホールの残響時間、反射板の役割、客席吸音特性、シューボックス型ホールに関する記述は正しい。
問26
サステナブル建築・環境配慮型設計に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
パッシブデザインは、機械設備に極力頼らず自然エネルギーを活用する設計手法である
2
アクティブデザインは、機械設備を積極的に用いてエネルギー効率の向上等を図る設計手法である
3
エンボディドカーボン(体化炭素)は、建材の製造・輸送・施工等に伴い排出されるCO2等をいう
4
LCCM住宅は、建設時から運用・廃棄までのCO2排出量の収支をマイナスにすることを目指す住宅である
✔
パッシブデザインとアクティブデザインは、互いに排他的であり、同一の建築物で併用することはできない
解説:
パッシブデザイン(自然エネルギー活用)とアクティブデザイン(機械設備によるエネルギー効率向上)は、多くの実際の建築プロジェクトにおいて組み合わせて採用される相互補完的な設計手法であり、「互いに排他的で併用できない」とする5は誤り。実務上はパッシブ手法で負荷を低減した上で、必要な部分にアクティブ手法(高効率設備等)を導入することが一般的である。パッシブデザイン、アクティブデザイン、エンボディドカーボン、LCCM住宅に関する記述は正しい。
問27
サイン・情報デザインに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
ピクトグラムは、言語によらず視覚的に情報を伝達する図記号である
2
ウェイファインディングとは、利用者が目的地に迷わず到達できるよう空間・情報を計画する考え方である
3
サイン計画では、視認性・可読性のほか、設置高さや配置間隔等も検討事項となる
✔
案内サインの文字は、視認性よりもデザイン性を常に優先して計画すべきである
5
多言語対応のサイン計画は、外国人利用者等の利便性向上に資する
解説:
サイン計画においては、デザイン性も考慮要素の一つではあるが、案内表示の本来の目的(情報を確実に伝達すること)を踏まえれば、視認性・可読性の確保を優先することが原則であり、「デザイン性を常に優先すべき」とする4は不適当。ピクトグラム、ウェイファインディング、サイン計画の検討事項、多言語対応に関する記述は正しい。
問28
建築とまちづくりに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
リノベーションまちづくりは、既存ストックを活用しながら地域の価値向上を図る取組みをいう
2
エリアマネジメントは、地域における良好な環境や地域の価値を維持・向上させるための住民・事業者等による主体的な取組みをいう
3
プレイスメイキングは、公共空間等を人々にとって魅力的な「場」として再構築する取組みをいう
✔
コミュニティデザインは、建築物単体の意匠デザインのみを対象とし、地域社会との関わりは考慮しない
5
タクティカル・アーバニズムは、低コスト・短期的な社会実験を通じて都市空間の改善を図る手法をいう
解説:
コミュニティデザインは、建築物単体の意匠デザインにとどまらず、地域住民との関わりやコミュニティの形成・活性化を含めた、より広い社会的な観点からのデザインを扱う概念であり、「地域社会との関わりは考慮しない」とする4は誤り。リノベーションまちづくり、エリアマネジメント、プレイスメイキング、タクティカル・アーバニズムに関する記述は正しい。
問29
茶室・数寄屋建築に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
にじり口は、茶室への出入口として設けられる、小さく開口を絞った入口である
2
床の間は、掛け軸や花等を飾るための座敷飾りである
3
数寄屋造は、書院造を基調としながら、より自由で簡素な意匠を取り入れた建築様式である
✔
茶室建築は、一般に開放的で大空間を志向する意匠を特徴とする
5
露地は、茶室に付随する庭(通路空間)であり、茶事における精神的な導入の役割を持つ
解説:
茶室建築は、一般に小規模で閉鎖的な空間(四畳半や更に小さい草庵風の茶室等)を特徴とし、簡素・静寂な空間性を重視する建築であり、「開放的で大空間を志向する意匠」とする4は茶室建築の特徴とは逆であり誤り。にじり口、床の間、数寄屋造、露地に関する記述は正しい。
問30
近代建築運動・思潮に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
モダニズム建築は、装飾を排し機能性・合理性を重視する建築思潮である
2
アール・ヌーヴォーは、有機的な曲線モチーフを特徴とする19世紀末の装飾様式である
3
バウハウスは、ドイツで設立された、芸術と工業技術の統合を志向した造形教育機関である
4
CIAM(近代建築国際会議)は、モダニズム建築・都市計画の理念を国際的に共有・推進した組織である
✔
ポストモダニズムは、モダニズムの機能主義的な単純化をさらに徹底し、装飾を完全に排除する思潮である
解説:
ポストモダニズムは、モダニズム建築の禁欲的な機能主義・装飾の排除に対する反動・批判として登場した思潮であり、歴史的様式の引用や装飾性、多様な意味性の回復を特徴とする点にその本質がある。「モダニズムをさらに徹底し装飾を完全に排除する」とする5はポストモダニズムの本質と正反対であり誤り。モダニズム、アール・ヌーヴォー、バウハウス、CIAMに関する記述は正しい。
問31
サステナブルデザイン・環境共生住宅に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
環境共生住宅は、地域環境・地球環境と共生し、健康で快適な居住環境を実現する住宅の考え方である
2
打ち水や緑のカーテン等は、伝統的な暑さ対策の知恵として現代の省エネルギー手法にも応用される
3
縁側は、内部空間と外部空間を緩やかに連続させる中間領域として、伝統的な日本建築に見られる空間である
4
通り土間は、建物の中央部を貫通する屋内的な通路空間であり、通風等の環境調整機能を持つ場合がある
✔
伝統的な日本建築の知恵は、現代の省エネルギー設計とは相反する概念であり、応用の余地はない
解説:
打ち水、緑のカーテン、縁側、通り土間等に代表される伝統的な日本建築の環境調整の知恵は、パッシブデザインの手法として現代の省エネルギー設計にも積極的に応用されており、「相反する概念であり応用の余地はない」とする5は誤り。環境共生住宅、伝統的暑さ対策の応用、縁側、通り土間に関する記述は正しい。
問32
スポーツ施設の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
体育館のアリーナ部分は、多目的な利用に対応できるよう可動間仕切り等が設けられることがある
2
屋内プールの計画では、更衣室・シャワー室からプールサイドへの動線計画が重要となる
3
観客席からの見やすさを確保するため、視距離やせり上がり角度等が検討される
4
スポーツ施設の床材には、衝撃吸収性等の機能を持つ材料が用いられることがある
✔
体育館の天井高さは、競技種目にかかわらず、一律の高さで計画することが望ましい
解説:
体育館の天井高さは、バレーボール・バスケットボール・バドミントン等、実施する競技種目の特性(ボールの軌道や必要なクリアランス等)に応じて必要な高さが異なるため、「競技種目にかかわらず一律の高さで計画することが望ましい」とする5は誤り。アリーナの可動間仕切り、屋内プールの動線計画、観客席の視距離、スポーツ床材の機能に関する記述は正しい。
問33
公共建築の維持管理・ファシリティマネジメントに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
ファシリティマネジメント(FM)は、施設及びその環境を経営資源として総合的に企画・管理・活用する経営活動をいう
2
長寿命化計画は、建築物の適切な維持管理により、更新・建替えまでの期間を延ばすことを目的の一つとする
3
公共施設等総合管理計画は、地方公共団体が保有する公共施設等の全体状況を把握し、長期的な管理方針を定める計画である
✔
ライフサイクルコストの低減は、建設時の初期投資額を最小化することのみを意味する
5
予防保全型の維持管理は、事後保全型に比べて、長期的にはライフサイクルコストの低減につながる場合がある
解説:
ライフサイクルコストは、建設時の初期投資費用だけでなく、その後の運用・維持管理・修繕・更新・解体等、建築物の生涯にわたる総費用を対象とする概念であり、その低減は初期投資の最小化のみを意味するものではない(初期投資を抑えた結果、維持管理費が増大しトータルコストが増加する場合もある)。「初期投資額を最小化することのみを意味する」とする4は誤り。FMの定義、長寿命化計画、公共施設等総合管理計画、予防保全型維持管理に関する記述は正しい。
問34
複合施設・PPP事業における計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
複合用途建築物では、各用途の利用時間帯や動線特性の違いを踏まえた計画上の配慮が必要となる
2
BTO方式(Build Transfer Operate)は、民間事業者が施設を建設後、所有権を公共に移転し、その後の運営を民間が行うPFIの事業方式の一つである
3
BOT方式(Build Operate Transfer)は、民間事業者が施設を建設・運営した後、契約期間終了時に公共に所有権を移転する事業方式である
4
複合施設における防災計画では、用途ごとに異なる利用者特性(来街者・従業員等)を考慮する必要がある
✔
PPP事業においては、事業のリスク分担を検討する必要は一切なく、常に公共側が全てのリスクを負担する
解説:
PPP・PFI事業においては、事業の性質やリスクの内容に応じて、公共と民間の間で適切にリスクを分担することが事業スキーム構築上の重要な検討事項であり、「リスク分担の検討は一切不要で常に公共側が全リスクを負担する」とする5は誤り。複合用途建築物の計画上の配慮、BTO方式、BOT方式、複合施設の防災計画に関する記述は正しい。
問35
サイン・避難計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
避難安全検証法は、火災時の避難に要する時間と、煙等により避難が困難となるまでの時間を比較して安全性を検証する手法である
2
排煙上の無窓居室とは、一定の開口部の条件を満たさない居室であり、排煙設備の設置等が必要となる場合がある
3
二方向避難の原則は、火災等の非常時に、1つの経路が使用できない場合でも別の経路で避難できるようにする考え方である
4
避難経路のわかりやすさは、避難誘導灯やサイン計画等によっても向上を図ることができる
✔
避難安全検証法を用いる場合、建築基準法の避難関係規定への適合性は一切問われない
解説:
避難安全検証法は、建築基準法上の避難関係規定に代わる性能評価的な検証手法として位置づけられるものであり、この検証法を用いる場合であっても、建築物が避難の安全性を確保していることを別の形で示す必要があり、建築基準法上の要求性能(避難の安全確保)への適合性が問われなくなるわけではない。「適合性は一切問われない」とする5は誤り。避難安全検証法の考え方、排煙上の無窓居室、二方向避難の原則、避難誘導灯やサイン計画に関する記述は正しい。
問36
歴史的建造物の保存・活用に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
重要文化財の建造物は、文化財保護法に基づき指定され、現状変更等に一定の制限が課される
2
登録有形文化財は、指定文化財に比べて、比較的緩やかな保護措置のもとで届出制等により運用される制度である
3
曳家(ひきや)は、建築物を解体せずに、そのままの状態で移動させる工法である
4
免震レトロフィットは、既存建築物の免震化改修を意味する用語として用いられることがある
✔
歴史的建造物の耐震補強では、意匠的価値を損なわないよう配慮する必要はなく、構造性能の向上のみを検討すればよい
解説:
歴史的建造物の耐震補強においては、構造性能の向上を図りつつ、当該建造物が有する歴史的・意匠的価値をできる限り損なわないよう、補強方法(免震レトロフィット、内部からの補強等)を工夫することが強く求められており、「意匠的価値を損なわないよう配慮する必要はない」とする5はこの分野の基本的な考え方に反し誤り。重要文化財、登録有形文化財、曳家、免震レトロフィットに関する記述は正しい。
問37
オフィス・ワークプレイスの計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
フリーアドレス方式は、社員の座席を固定せず、自由に選択できるオフィスレイアウトの方式である
2
ABW(Activity Based Working)は、業務内容に応じて働く場所を選択できる働き方の考え方である
3
サテライトオフィスは、本社等とは別に設けられる遠隔勤務地点のオフィスをいう
4
ワークプレイスの計画において、コミュニケーションの活性化を目的とした共用スペースが設けられることがある
✔
フリーアドレス方式の導入は、常に座席数を在籍者数と同数以上確保することを前提とする
解説:
フリーアドレス方式は、在籍者全員が同時に出社しない前提(テレワークや外勤等の状況)を踏まえ、座席の利用率向上やオフィス面積の効率化を図る狙いで導入されることが多く、必ずしも在籍者数と同数以上の座席数を確保することを前提とするものではない。「常に在籍者数と同数以上確保することを前提とする」とする5は誤り。フリーアドレス方式、ABW、サテライトオフィス、共用スペースに関する記述は正しい。
問38
建築計画における避難弱者・災害時要配慮者への対応に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
福祉避難所は、高齢者・障害者等、避難所生活において特別な配慮を必要とする者のために開設される避難所である
2
水平避難と垂直避難は、災害の種類や施設の立地条件等に応じて選択される避難の考え方である
3
津波避難ビルは、津波発生時に一時的な緊急避難場所として指定される建築物である
4
要配慮者利用施設では、避難確保計画の作成等が求められる場合がある
✔
災害時要配慮者への対応は、平常時の防災計画において検討する必要はなく、災害発生後にのみ検討すればよい
解説:
災害時要配慮者への対応(避難経路の確保、情報伝達手段の整備、福祉避難所の指定等)は、平常時からの防災計画・避難計画の中で事前に検討・準備しておくべき事項であり、「災害発生後にのみ検討すればよい」とする5は防災の基本的な考え方に反し誤り。福祉避難所、水平避難・垂直避難、津波避難ビル、要配慮者利用施設の避難確保計画に関する記述は正しい。
問39
建築計画における採光・通風の実務的検討に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
建築基準法上の採光規定では、居室の種類に応じて必要な採光に有効な部分の面積の割合(採光関係比率等)が定められている
2
天窓(トップライト)は、側窓に比べて同じ開口面積であれば採光効果が大きいとされることがある
3
通風計画では、風の入口と出口を対角に設ける等、通風経路の確保が検討される
✔
住宅の居室における換気に関する規定と、採光に関する規定は、目的も基準も同一であり区別する必要はない
5
ライトウェル(光庭)は、建物内部に光を導入するための吹抜け状の空間である
解説:
建築基準法における採光規定(居室の採光に必要な開口部の面積等)と換気規定(居室の換気に必要な開口部の面積、換気設備の設置義務等)は、それぞれ異なる目的(採光は自然光の確保、換気は空気環境の確保)に基づき、異なる基準(採光関係比率、換気に必要な開口部面積の割合等)が定められている別個の規定であり、「目的も基準も同一であり区別する必要はない」とする4は誤り。採光規定、天窓の採光効果、通風計画、ライトウェルに関する記述は正しい。
問40
建築計画における気候風土適応型の設計に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
高床式の建築は、湿気や浸水の多い地域における伝統的な建築の知恵の一つである
2
深い軒や庇は、夏季の日射を遮り、冬季の低い太陽高度の日射を取り込む工夫として用いられることがある
3
土蔵造は、防火性・断熱性等に配慮した伝統的な建築構法の一つである
4
気候風土適応型の住宅の設計に関する基準等が、省エネルギー関連の制度において考慮される場合がある
✔
気候風土に応じた伝統的な建築の知恵は、現代の省エネルギー基準の考え方とは無関係であり、両者が関連付けられることはない
解説:
気候風土適応型住宅の推進に関する制度等にみられるように、伝統的構法など地域の気候風土に応じた建築の工夫は、現代の省エネルギー基準(外皮性能基準等)の運用において適切に評価・考慮される仕組みが設けられており、「無関係であり関連付けられることはない」とする5は誤り。高床式建築、深い軒・庇、土蔵造、気候風土適応型住宅に関する記述は正しい。
問41
建築物の防犯計画(CPTED:環境設計による犯罪予防)に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
自然監視性の確保は、周囲からの見通しを確保し、犯罪を行いにくい環境をつくる考え方である
2
領域性の強化は、空間の所有・管理の意識を明確にし、部外者の侵入を心理的に抑制する考え方である
3
接近の制御は、部外者が容易に敷地・建物内に接近できないよう計画する考え方である
4
対象物の強化とは、窓・扉等の防犯性能を高め、侵入を物理的に困難にする考え方である
✔
防犯計画における自然監視性の確保は、プライバシーの確保とは常に両立し、設計上の配慮を要さない
解説:
自然監視性の確保(見通しの確保)とプライバシーの確保(視線を遮る)は、時として相反する要求となる場合があり(例えば住戸の窓計画等)、両者のバランスをどのようにとるかは設計上の重要な検討事項であって、「常に両立し設計上の配慮を要さない」とする5は誤り。自然監視性、領域性の強化、接近の制御、対象物の強化に関する記述はCPTEDの基本原則として正しい。
問42
建築物のエイジフレンドリーデザイン・多世代共生に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
多世代交流施設は、高齢者から子供まで、幅広い世代が利用・交流できるよう計画される施設である
2
サービス付き高齢者向け住宅と保育施設等を併設する計画は、多世代共生の取組みの一例として挙げられる
3
エイジフレンドリーシティは、高齢者にとって暮らしやすいまちづくりを目指す考え方である
4
多世代共生の計画においては、それぞれの世代の利用特性やニーズの違いを考慮した空間計画が求められる
✔
多世代共生施設の計画では、各世代の動線・利用時間帯等の違いを考慮する必要は一切ない
解説:
多世代共生施設の計画においては、高齢者・子供等、それぞれの世代の身体特性・利用時間帯・動線特性等の違いを踏まえた空間計画上の配慮(安全性の確保、動線の交錯回避等)が重要な検討事項とされており、「考慮する必要は一切ない」とする5は誤り。多世代交流施設、サービス付き高齢者向け住宅と保育施設の併設、エイジフレンドリーシティ、利用特性の考慮に関する記述は正しい。
問43
建築計画における住環境評価・住まい方調査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
POE(Post Occupancy Evaluation:使用後評価)は、建築物の竣工・利用開始後に、実際の使用実態や満足度等を評価する手法である
2
アンケート調査やヒアリング調査は、住まい方調査における代表的な調査手法である
3
行動観察調査は、実際の利用者の行動を観察し、空間の使われ方等を把握する調査手法である
4
POEの結果は、その後の改修計画や、新たな建築計画へのフィードバックに活用されることがある
✔
POEは、設計段階でのみ実施されるものであり、竣工後の建築物には適用できない
解説:
POE(使用後評価)は、その定義自体が「竣工・利用開始後(Post Occupancy)」の評価を意味しており、設計段階ではなく、実際に建築物が使用された後の実態を把握し、今後の計画にフィードバックすることを目的とする手法であるため、「設計段階でのみ実施され、竣工後の建築物には適用できない」とする5はPOEの定義と正反対であり誤り。POEの定義、アンケート・ヒアリング調査、行動観察調査、フィードバックの活用に関する記述は正しい。
問44
建築物の防災・避難計画における群集歩行に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
群集歩行速度は、群集密度が高くなるほど一般に低下する傾向がある
2
避難計算においては、廊下や階段の有効幅員に応じた避難流動係数(歩行密度当たりの通過人数等)が用いられることがある
3
ボトルネック(出入口や階段等の狭隘部)は、避難時の滞留を生じさせやすい箇所である
4
群集流動の評価は、避難安全検証法における検討要素の一つとなり得る
✔
群集歩行の特性は、避難計画の検討において考慮する必要がない
解説:
群集歩行の特性(群集密度と歩行速度の関係、ボトルネックにおける滞留現象等)は、避難安全検証法をはじめとする避難計画の検討において重要な考慮要素であり、「考慮する必要がない」とする5は誤り。群集歩行速度と密度の関係、避難流動係数、ボトルネック、避難安全検証法における群集流動の評価に関する記述は正しい。
問45
公共建築物における設計者選定・プロポーザル方式に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
プロポーザル方式は、設計者の技術力・提案内容等を総合的に評価して選定する方式である
2
コンペ方式(設計競技)は、具体的な設計案(デザイン案)を提出させ、その優劣を審査して選定する方式である
✔
価格競争方式(入札方式)は、設計料の多寡のみによって設計者を選定する方式であり、公共建築の設計者選定において一般的に推奨される方式とされている
4
設計者選定における審査委員会には、専門家(学識経験者等)が加わることが一般的である
5
プロポーザル方式やコンペ方式は、設計の質を重視した設計者選定の考え方に基づく方式である
解説:
公共建築物の設計者選定においては、設計の質や技術力を適切に評価する観点から、プロポーザル方式やコンペ方式が一般的に推奨されており、単に設計料の多寡のみで決定する価格競争方式(入札方式)は、設計の質の確保という観点から必ずしも適切ではないとされ、国土交通省等のガイドラインにおいてもプロポーザル方式等の活用が推奨されている。「価格競争方式が公共建築の設計者選定において一般的に推奨される」とする3は誤り。プロポーザル方式、コンペ方式、審査委員会、設計の質を重視する考え方に関する記述は正しい。
問46
建築計画における採光・遮光の実務手法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
ルーバー(庇状の日除け)は、日射を遮蔽しつつ、通風や眺望を確保する手法として用いられることがある
2
ライトシェルフは、上部で反射させた光を天井面等を通じて室奥へ導く採光手法の一つである
3
ブラインドやカーテン等の可動遮蔽物は、時間帯や季節に応じた日射調整に用いられる
4
南面の窓においては、夏季の高い太陽高度からの日射を遮り、冬季の低い太陽高度からの日射を取り入れる庇の設計が検討されることがある
✔
遮光・採光の計画は、建物の方位や周辺環境の影響を受けないため、一律の設計手法を適用すればよい
解説:
遮光・採光の計画(庇の出寸法、ルーバーの角度、ライトシェルフの設置等)は、建物の方位(南面・北面・東西面等)、緯度、周辺建物による日影の影響等、個別の敷地・環境条件を踏まえて検討されるべき事項であり、「建物の方位や周辺環境の影響を受けないため一律の設計手法を適用すればよい」とする5は誤り。ルーバー、ライトシェルフ、可動遮蔽物、南面の庇設計に関する記述は正しい。
問47
建築物のライフサイクルにおける改修・コンバージョンの実務に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
オフィスビルから住宅へのコンバージョンでは、住宅としての採光・換気規定等への適合性の検討が必要となる場合がある
2
既存建築物の耐震性能が不足する場合、コンバージョンに際して耐震補強が併せて検討されることがある
3
用途変更を伴うコンバージョンでは、変更後の用途に応じた建築基準法令の規定への適合性が問題となる場合がある
4
既存建築物の躯体(構造体)を活用したコンバージョンは、解体・新築に比べて、環境負荷の低減が期待できる場合がある
✔
コンバージョンにおいては、既存建築物の構造や設備の現況にかかわらず、あらゆる用途への変更が常に技術的・法的に可能である
解説:
コンバージョン(用途変更を伴う改修)の実現可能性は、既存建築物の構造躯体の状況(階高、スパン、耐震性能等)、設備の状況、法規制上の制約(用途地域、容積率、避難規定等)等に大きく依存するものであり、「構造や設備の現況にかかわらず、あらゆる用途への変更が常に技術的・法的に可能」とする5は実務上も誤り。住宅への用途変更時の規定適合、耐震補強の検討、用途変更時の法適合、環境負荷低減効果に関する記述は正しい。
問48
建築計画における可動間仕切り・多目的空間に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
可動間仕切りは、室の用途や規模の変更に応じて空間を柔軟に区画・統合できる建具である
2
多目的ホールは、講演会・展示会・イベント等、複数の用途に対応できるよう計画される空間である
3
遮音性能の高い可動間仕切りは、会議室等の間仕切りとして用いられることがある
4
可動間仕切りの計画においては、収納スペースや操作性についても検討が必要となる
✔
可動間仕切りを用いた空間は、常に固定間仕切りと同等以上の遮音性能を発揮する
解説:
可動間仕切りは、その構造・材質・気密性能等により遮音性能が異なり、一般に固定間仕切り(コンクリート壁等)に比べて、可動部分の気密性の制約から遮音性能が劣る場合が多いとされ、「常に固定間仕切りと同等以上の遮音性能を発揮する」とする5は誤り。可動間仕切りの定義、多目的ホール、遮音性能の高い可動間仕切りの用途、収納・操作性の検討に関する記述は正しい。
問49
建築計画における駐車場・自動車関連施設に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
自走式駐車場は、運転者が自ら車両を運転して駐車する形式の駐車場である
2
機械式駐車場は、パレット等の機械装置により車両を格納する形式の駐車場である
3
駐車場法は、一定規模以上の建築物における駐車施設の付置等について定める法律である
4
駐車場の計画では、車路の勾配・幅員・回転半径等の検討が必要となる
✔
駐車場の計画において、歩行者と車両の動線分離は考慮する必要がない
解説:
駐車場計画においては、歩行者の安全確保の観点から、車両動線と歩行者動線をできる限り分離し、交錯を避けることが計画上の基本的な配慮事項とされており、「歩行者と車両の動線分離は考慮する必要がない」とする5は誤り。自走式駐車場、機械式駐車場、駐車場法、車路の勾配・幅員・回転半径に関する記述は正しい。
問50
建築計画における採光・眺望に配慮した住棟配置に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
住棟の南北軸配置は、各住戸に均等な日照を確保しやすい配置手法の一つとされる
2
隣棟間隔は、日照・採光・プライバシー等の確保のため、建物高さ等に応じて検討される
3
住棟配置計画では、卓越風向を考慮した通風経路の確保も検討事項となり得る
4
高層住棟の計画においては、周辺への日影の影響についても検討が必要となる
✔
住棟配置の計画において、日照・採光・通風等の環境要因は考慮する必要がない
解説:
住棟配置計画は、日照・採光・通風・プライバシー・眺望等、居住環境に関わる複数の環境要因を総合的に考慮して検討されるべき事項であり、「日照・採光・通風等の環境要因は考慮する必要がない」とする5は住棟配置計画の基本的な考え方に反し誤り。南北軸配置、隣棟間隔、卓越風向の考慮、高層住棟の日影影響に関する記述は正しい。
問51
建築計画における子供の遊び場・児童福祉施設の外構計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
遊具の配置計画では、年齢層に応じた安全な利用距離・空間の確保が検討される
2
外構計画において、転落・衝突等の事故防止のための安全対策(クッション材の設置等)が検討されることがある
3
見守りのしやすさ(保育者からの視認性)は、児童福祉施設の外構計画における重要な検討事項の一つである
4
遊び場の計画では、日照・日陰のバランスにも配慮することが望ましいとされる
✔
児童福祉施設の外構における安全性の検討は、屋内の保育室計画とは無関係であり、独立して検討すればよい
解説:
児童福祉施設における外構(園庭等)の安全性の検討は、屋内の保育室からの動線計画や、保育士による見守りのしやすさ(屋内から園庭を見渡せるか等)等、屋内計画と密接に関連するものであり、「屋内の保育室計画とは無関係であり独立して検討すればよい」とする5は誤り。遊具配置計画、転落・衝突防止対策、見守りのしやすさ、日照・日陰バランスに関する記述は正しい。
問52
建築計画における音環境と空間デザインの融合に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
オープンオフィスにおける音環境計画では、会話音の伝搬やプライバシーへの配慮が必要となる
2
サウンドマスキングは、環境音を活用し、会話の内容が周囲に聞き取られにくくする手法の一つである
3
会議室の遮音性能は、周囲の執務スペースとの音漏れを防止する観点から検討される
4
音環境計画は、空間の間仕切りやレイアウト計画と関連付けて検討されることがある
✔
オープンオフィスの音環境計画において、会話のプライバシーは考慮する必要のない要素である
解説:
オープンオフィスにおける音環境計画では、開放的な空間であるがゆえに、会話内容の周囲への伝搬(音漏れ)によるプライバシーの問題が生じやすく、サウンドマスキングの導入や適切な間仕切り計画等により配慮することが重要な検討事項とされており、「会話のプライバシーは考慮する必要のない要素である」とする5は誤り。オープンオフィスの音環境計画、サウンドマスキング、会議室の遮音性能、レイアウト計画との関連に関する記述は正しい。
問53
建築計画における避難安全性とインテリアデザインの両立に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
避難経路上の内装材料には、火災時の延焼拡大防止の観点から、一定の性能(不燃・準不燃等)が求められる場合がある
2
意匠性の高い照明器具であっても、避難誘導灯としての機能を有するものが開発・使用されることがある
3
避難経路の視認性を確保しつつ、意匠的な調和を図る設計上の工夫が求められることがある
4
家具の配置計画は、避難経路の有効幅員を確保する観点からも検討されることがある
✔
避難安全性の確保とインテリアデザインの質の向上は、常に相反する概念であり、両立させることは不可能である
解説:
実際の建築設計実務においては、避難安全性を確保しつつ意匠性の高い空間デザインを実現する事例が数多く存在し(意匠性の高い誘導灯、視認性と調和したサイン計画等)、両者は工夫次第で両立可能な要素であるため、「常に相反する概念であり両立させることは不可能である」とする5は誤り。避難経路の内装材料規制、意匠性の高い誘導灯、視認性と意匠の両立、家具配置と避難経路幅員に関する記述は正しい。
問54
建築計画における展示施設の照明・展示ケースに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
展示照明の演色性は、展示物の色彩や質感を正確に伝えるために重要な要素とされる
2
展示ケース内の照度は、資料の材質・劣化特性(紫外線への感受性等)を踏まえて設定されることがある
3
展示物の劣化防止のため、紫外線カットフィルムやUVカットガラス等が用いられることがある
4
展示照明の設計では、グレア(まぶしさ)や反射による見えにくさへの配慮も検討される
✔
展示照明の照度・演色性は、展示物の保存や見やすさには一切関係しない
解説:
展示照明の照度・演色性は、展示物の色彩・質感の正確な視認性を左右するだけでなく、過度な照度や紫外線を含む光は展示物(特に紙・繊維・絵画等の劣化しやすい資料)の劣化を促進する要因ともなるため、展示物の保存性と見やすさの両面に密接に関係する重要な検討事項であり、「一切関係しない」とする5は誤り。展示照明の演色性、展示ケース内照度の設定、紫外線カット対策、グレアへの配慮に関する記述は正しい。
問55
建築計画における複合開発・再開発事業に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
市街地再開発事業は、老朽化した木造密集市街地等において、土地の合理的利用と都市機能の更新を図る事業である
2
権利変換方式は、市街地再開発事業において、従前の権利者の権利を再開発後の建物の床に変換する仕組みである
3
立体道路制度は、道路の上空又は路面下に建築物を建築することを可能にする制度である
4
再開発事業においては、関係権利者間の合意形成プロセスが重要な検討事項となる
✔
市街地再開発事業は、いかなる場合も権利者全員の同意を必要とせず、行政の一方的な決定のみで実施される
解説:
市街地再開発事業(特に組合施行の第一種市街地再開発事業等)は、地権者等による組合の設立や事業計画の決定等、関係権利者の一定の合意形成手続を経て実施されるものであり、「行政の一方的な決定のみで実施される」とする5は誤り。市街地再開発事業の目的、権利変換方式、立体道路制度、合意形成プロセスの重要性に関する記述は正しい。
問56
建築計画における商業施設のテナント計画・動線計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
核テナント(アンカーテナント)は、集客力の高いテナントを商業施設内に配置し、施設全体の集客を図る計画手法である
2
モール型商業施設では、回遊性を高めるための動線計画(モール空間の設計等)が重要となる
3
バックヤード(搬入・在庫スペース等)の計画は、テナントの運営効率に影響する
4
商業施設の防災計画では、来街者の避難経路の確保が重要な検討事項となる
✔
テナント計画・動線計画は、商業施設の売上げや利用者の回遊行動には一切影響を及ぼさない
解説:
テナント配置(核テナントの配置等)や動線計画(モール空間の設計、店舗の視認性の確保等)は、商業施設における利用者の回遊行動や各店舗への集客、ひいては施設全体・各テナントの売上げに直接的な影響を及ぼす重要な計画要素であることが、商業施設計画の実務・理論において広く認識されており、「売上げや利用者の回遊行動には一切影響を及ぼさない」とする5は誤り。核テナント、モール型商業施設の回遊性、バックヤード計画、防災計画に関する記述は正しい。
問57
建築計画における病院の感染症対策動線計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
感染症病棟では、清潔ゾーンと不潔ゾーンを区分し、動線を分離することが重要とされる
2
前室(アンテルーム)は、感染症病室への出入りに際し、防護具の着脱等を行うための緩衝空間として設けられることがある
3
陰圧室は、室内の空気が周囲へ流出しないよう、室内を周囲より低い気圧に保つ病室である
4
医療従事者と患者・面会者の動線は、感染拡大防止の観点から分離が検討されることがある
✔
感染症対策における動線計画は、平常時の病院運営には一切影響を及ぼさない
解説:
感染症対策を考慮した動線計画(清潔・不潔ゾーンの区分、前室の設置等)は、パンデミック等の非常時だけでなく、平常時における院内感染防止の観点からも重要な計画要素であり、また平常時の病院運営(人員配置、患者動線等)にも一定の影響を及ぼすものであるため、「平常時の病院運営には一切影響を及ぼさない」とする5は誤り。清潔・不潔ゾーンの区分、前室の役割、陰圧室、動線分離の検討に関する記述は正しい。
問58
建築計画における多目的トイレ・オールジェンダートイレに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
多目的トイレは、車椅子使用者、乳幼児連れ、オストメイト(人工肛門・人工膀胱保有者)等、多様な利用者に対応するために設けられることがある
2
オストメイト対応設備(汚物流し等)は、多目的トイレに設置されることがある
3
オールジェンダートイレは、性自認・性的指向にかかわらず利用できるトイレとして計画される場合がある
4
多目的トイレの数・配置は、施設の規模や用途に応じて検討されることが望ましいとされる
✔
多目的トイレの整備は、施設のバリアフリー性能やインクルーシブな環境づくりには一切寄与しない
解説:
多目的トイレ・オールジェンダートイレの整備は、多様な利用者(障害者、高齢者、乳幼児連れ、性的マイノリティ等)が安心して利用できる環境を実現するものであり、施設全体のバリアフリー性能及びインクルーシブな環境づくりに大きく寄与する取組みとして位置づけられるため、「一切寄与しない」とする5は誤り。多目的トイレの対象、オストメイト対応設備、オールジェンダートイレ、数・配置の検討に関する記述は正しい。
問59
建築計画における複合福祉施設・地域包括ケアシステムに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
地域包括ケアシステムは、高齢者等が住み慣れた地域で生活を継続できるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援を一体的に提供する体制をいう
2
小規模多機能型居宅介護施設は、通い・訪問・泊まりのサービスを一体的に提供する在宅系サービス拠点である
3
地域密着型サービスは、住み慣れた地域での生活継続を支援するため、市町村が指定・監督を行うサービス類型である
4
複合施設の計画において、各機能(診療所・介護施設・住宅等)の連携を考慮した配置計画が検討されることがある
✔
地域包括ケアシステムの実現において、建築計画上の配慮は一切不要である
解説:
地域包括ケアシステムの実現には、医療・介護・住まい等の各機能が地域内で有機的に連携できるよう、施設の配置計画や動線計画、複合施設内の各機能間のアクセス性等、建築計画上の様々な配慮が求められるものであり、「建築計画上の配慮は一切不要である」とする5は誤り。地域包括ケアシステムの定義、小規模多機能型居宅介護、地域密着型サービス、複合施設の連携配置に関する記述は正しい。
問60
建築計画における木造密集市街地の防災まちづくりに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1
木造密集市街地は、老朽木造建築物が密集し、地震時の延焼危険性等が高い市街地をいう
2
不燃化特区制度は、木造密集市街地における不燃化建替えの促進等を図る施策の一つである
3
狭あい道路の拡幅整備は、木造密集市街地における避難路・消防活動空間の確保に寄与する取組みである
4
老朽建築物の除却・共同化建替え等は、木造密集市街地の防災性向上に資する取組みとして推進されることがある
✔
木造密集市街地の防災まちづくりにおいて、建築物の不燃化や道路の拡幅整備は考慮する必要のない要素である
解説:
木造密集市街地の防災まちづくりにおいては、建築物の不燃化(耐火建築物への建替え促進等)や狭あい道路の拡幅整備(避難路・消防活動空間の確保)が、地震・火災時の被害軽減を図る上での中心的な取組みとして位置づけられており、「考慮する必要のない要素である」とする5は誤り。木造密集市街地の定義、不燃化特区制度、狭あい道路の拡幅、老朽建築物の除却・共同化建替えに関する記述は正しい。
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