分野別問題(解説つき)

銀行業務検定2級|分野別 問題インデックス

最終更新:2026年8月11日

銀行業務検定2級は種目ごとに出題内容が異なります。種目別に代表問題を掲載しています。全1000問をまとめて解くならトレーナーへ進んでください。

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法務2級全250問中 8問を掲載

問1
預金の帰属に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • ✔無記名定期預金については、判例上、原則として出捐者(資金の拠出者)が預金者と解される。
  • 2記名式の預金については、いかなる場合も預金通帳の名義人が預金者となる。
  • 3預金者の認定は、預入れ行為を行った者が誰かのみによって一義的に決まる。
  • 4他人名義で預金した場合、その預金契約は当然に無効となる。
  • 5預金の帰属は、金融機関が任意に決定することができる。
解説:1が正解です。判例(最判昭48.3.27等)は、無記名定期預金について、自らの出捐により自己の預金とする意思で預入れした者を預金者と解する「客観説(出捐者説)」を採用しています。一方、普通預金など記名式の預金については、近時の判例(最判平15.2.21ほか)は預金契約の当事者の合意や取引の実態を重視し、名義人説的な判断を示す場合もあり、預金の種類・取引形態により結論が異なります。したがって、2・3・4・5のように一義的に決まるとする記述は誤りです。5については、預金の帰属は法律関係の問題であり、金融機関が任意に決められるものではありません。
問2
いわゆる誤振込(振込依頼人が誤って別人の口座に振り込んだ場合)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1振込依頼人と受取人との間に振込みの原因となる法律関係がない場合、受取人は預金債権を取得しない。
  • 2受取人が誤振込金であることを知りながら払戻しを受けても、刑事責任を問われることはない。
  • 3仕向銀行は、受取人の同意がなくても被仕向銀行に組戻しを指示して払い戻させることができる。
  • 4誤振込であることが判明した場合、被仕向銀行は当然に当該預金を凍結する義務を負う。
  • ✔受取人は預金債権を取得するが、振込依頼人に対して不当利得返還義務を負う。
解説:5が正解です。最判平8.4.26は、振込依頼人と受取人との間に振込みの原因となる法律関係が存在しなくても、受取人は当該金額相当の預金債権を取得すると判示しました。ただし受取人は振込依頼人に対して不当利得返還義務を負います。したがって1は誤り。組戻しは受取人の承諾を得て行うのが原則であり3は誤り。被仕向銀行に当然の凍結義務はなく4も誤り。誤振込と知りながら払戻しを受ける行為は詐欺罪等に問われうる(最決平15.3.12)ため2も誤りです。
問3
預貯金債権と遺産分割に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • ✔判例変更により、預貯金債権は遺産分割の対象となるとされている。
  • 2預貯金債権は可分債権であるから、相続開始と同時に当然に法定相続分に応じて分割される。
  • 3共同相続人の1人は、他の相続人の同意がなくても常に法定相続分相当額の払戻しを請求できる。
  • 4遺産分割前の払戻し制度により、相続人は預貯金の全額を単独で払い戻すことができる。
  • 5遺産分割前の払戻し制度は、家庭裁判所の判断を経なければ一切利用できない。
解説:1が正解です。最大決平28.12.19は従来の判例を変更し、普通預金債権・通常貯金債権・定期貯金債権はいずれも相続開始により当然分割されることはなく、遺産分割の対象となると判示しました。したがって2・3は誤りです。2018年の相続法改正で創設された遺産分割前の預貯金債権の払戻し制度(民法909条の2)は、相続開始時の預貯金額×3分の1×当該相続人の法定相続分(同一金融機関あたり150万円が上限)の範囲で単独払戻しを認めるもので、家庭裁判所の判断を要しません。よって4・5も誤りです。
問4
預金と貸金債権との相殺に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1相殺の意思表示には、必ず預金者の同意が必要である。
  • 2受働債権である定期預金が満期未到来の場合、銀行は相殺することができない。
  • ✔自働債権である貸金債権が弁済期未到来であっても、期限の利益喪失により弁済期を到来させれば相殺できる。
  • 4相殺は将来に向かってのみ効力を生じ、遡及効はない。
  • 5銀行取引約定書に相殺予約の定めがあっても、その効力は判例上否定されている。
解説:3が正解です。相殺には自働債権の弁済期到来が必要ですが、銀行取引約定書の期限の利益喪失条項により弁済期を到来させれば相殺が可能です。受働債権(預金)は銀行自身が期限の利益を放棄できるため、満期未到来でも相殺でき2は誤り。相殺は単独行為であり相手方の同意は不要で1も誤り。相殺の効力は相殺適状時に遡及する(民法506条2項)ため4も誤り。相殺予約の効力は判例上有効とされており(最大判昭45.6.24)5も誤りです。
問5
預金債権が差し押さえられた場合の銀行の相殺に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1差押え後に取得した貸金債権であっても、差押え前から取引があれば相殺できる。
  • 2判例は制限説を採り、差押え前に取得した債権であっても弁済期の先後により相殺の可否が決まるとしている。
  • 3差押えを受けた預金については、供託しない限り相殺は認められない。
  • 4預金が差し押さえられた時点で、銀行の相殺権はすべて消滅する。
  • ✔判例は無制限説を採り、差押え前に取得した債権であれば、両債権の弁済期の先後を問わず相殺できるとしている。
解説:最大判昭45.6.24は、差押え前に取得した債権を自働債権とする相殺について、両債権の弁済期の先後を問わず相殺できるとする無制限説を採用しました。現行民法511条1項もこれを明文化しています。したがって5が正解で2・4・3は誤り。差押え後に取得した債権による相殺は原則認められない(同条2項但書の例外を除く)ため1も誤りです。
問6
白地手形に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1白地手形は要件を欠くため、常に無効な手形である。
  • 2白地補充権の消滅時効は、手形上の請求権と同様に満期から3年である。
  • 3白地手形の譲渡には、必ず債権譲渡の方法によらなければならない。
  • 4白地手形の所持人は、補充前であっても支払呈示をすれば適法な呈示となる。
  • ✔白地部分が不当に補充された場合でも、悪意または重大な過失なく取得した所持人には対抗できない。
解説:手形法10条は、白地手形が予めなした合意と異なる補充をされた場合でも、その違反をもって所持人に対抗できない旨を定め、ただし所持人が悪意または重大な過失により手形を取得した場合はこの限りでないとしています。したがって5が正解。白地手形は補充により完成手形となる有効な有価証券であり1は誤り。補充権の時効は判例上、原則5年(商事消滅時効)とされ2は誤り。補充前の呈示は適法な呈示とならず4も誤り。白地手形も裏書により譲渡でき3も誤りです。
問7
手形の人的抗弁の切断に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1手形の裏書譲渡を受けた者に対しては、いかなる抗弁も主張できない。
  • ✔手形債務者は、所持人が債務者を害することを知って手形を取得した場合には、前者に対する人的抗弁を対抗できる。
  • 3取立委任裏書の被裏書人に対しても、人的抗弁は切断される。
  • 4期限後裏書によって手形を取得した者に対しても、人的抗弁は切断される。
  • 5手形が無権限者により偽造された場合、これは人的抗弁にあたる。
解説:手形法17条は、手形により請求を受けた者は所持人の前者に対する人的関係に基づく抗弁をもって所持人に対抗できないが、所持人が債務者を害することを知って手形を取得したときはこの限りでないと定めています。したがって2が正解。手形要件の欠缺や偽造・意思無能力などは物的抗弁であり誰に対しても主張できるため1・5は誤り。取立委任裏書(手形法18条)および期限後裏書(同20条)では人的抗弁は切断されないため3・4も誤りです。
問8
線引小切手に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1線引に違反して支払った銀行は、いかなる場合も責任を負わない。
  • 2特定線引小切手は、線引内に記載された銀行以外の銀行にも支払うことができる。
  • 3線引は一度なされると、いかなる方法によっても抹消することができない。
  • ✔一般線引小切手の支払人は、他の銀行または自己の取引先に対してのみ支払うことができる。
  • 5一般線引は特定線引に変更することはできない。
解説:4が正解です。小切手法38条1項は、一般線引小切手について支払人は銀行または支払人の取引先に対してのみ支払いができると定めています。特定線引小切手は指定された銀行(またはその銀行が支払人である場合は自己の取引先)にのみ支払えるため2は誤り。線引の抹消は原則効力を生じない(同37条5項)ものの、実務上は裏面に届出印を押捺する「線引解除」の取扱いがあり、また一般線引から特定線引への変更は可能なため3・5は誤り。線引違反の支払銀行は小切手金額を限度に損害賠償責任を負う(同38条5項)ため1も誤りです。

財務2級全250問中 8問を掲載

問1
当座比率について、最も適切なものはどれか。
  • 1流動資産÷流動負債×100で計算される。
  • ✔当座資産÷流動負債×100で計算され、流動比率より厳格な短期支払能力の指標である。
  • 3当座資産には棚卸資産が含まれる。
  • 4当座比率は高いほど収益性が高いことを示す。
  • 5当座比率は自己資本比率と同義である。
解説:当座比率=当座資産÷流動負債×100です。当座資産は現金預金・受取手形・売掛金・有価証券など換金性の高い資産で、棚卸資産は含まれません。棚卸資産を除く分、流動比率(流動資産÷流動負債)よりも厳格に短期支払能力を測る指標であり、2が正解です。1は流動比率の算式、3は誤り。当座比率は安全性指標であって収益性指標ではないため4は誤り、5も誤りです。
問2
ROE(自己資本利益率)のデュポン分解として、最も適切なものはどれか。
  • 1総資本利益率 × 売上高利益率
  • 2売上高利益率 × 自己資本回転率
  • ✔売上高利益率 × 総資本回転率 × 財務レバレッジ
  • 4売上高利益率 × 総資本回転率 ÷ 財務レバレッジ
  • 5当期純利益 ÷ 総資産
解説:ROE=当期純利益÷自己資本は、当期純利益÷売上高(売上高当期純利益率)×売上高÷総資本(総資本回転率)×総資本÷自己資本(財務レバレッジ)に分解できます。したがって3が正解です。この分解により、ROEの変動が収益性・効率性・財務構成のいずれに起因するかを分析できます。4は財務レバレッジを除算しており誤り、5はROA(総資産利益率)の算式です。
問3
売上高1,000百万円、変動費600百万円、固定費300百万円の企業の損益分岐点売上高として、最も適切なものはどれか。
  • 1600百万円
  • 2700百万円
  • ✔750百万円
  • 4800百万円
  • 5900百万円
解説:限界利益=1,000-600=400百万円、限界利益率=400÷1,000=40%です。損益分岐点売上高=固定費÷限界利益率=300÷0.4=750百万円となり、3が正解です。なお当期の営業利益は400-300=100百万円、損益分岐点比率は750÷1,000=75%、経営安全率は25%となります。
問4
前問と同じ条件(売上高1,000百万円、変動費600百万円、固定費300百万円)で、営業利益200百万円を確保するために必要な売上高として、最も適切なものはどれか。
  • 11,100百万円
  • 21,150百万円
  • 31,200百万円
  • ✔1,250百万円
  • 51,300百万円
解説:目標利益達成売上高=(固定費+目標利益)÷限界利益率で求めます。(300+200)÷0.4=1,250百万円となり、4が正解です。変動費率が60%で一定と仮定すると、売上高1,250百万円のとき変動費750百万円、限界利益500百万円、固定費300百万円を差し引いて営業利益200百万円となり、検算が合います。
問5
間接法によるキャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1減価償却費は税引前当期純利益から減算する。
  • 2仕入債務の増加額は減算する。
  • 3棚卸資産の増加額は加算する。
  • ✔売上債権の増加額は減算する。
  • 5貸倒引当金の増加額は減算する。
解説:間接法では税引前当期純利益に非資金費用を加算し、運転資本の増減を調整します。売上債権の増加は資金の回収が遅れることを意味するため減算し、4が正解です。減価償却費は非資金費用のため加算(1は誤り)、棚卸資産の増加は資金の滞留のため減算(3は誤り)、仕入債務の増加は支払の繰延べのため加算(2は誤り)、貸倒引当金の増加は非資金費用のため加算(5は誤り)します。
問6
フリー・キャッシュ・フロー(FCF)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1FCFがマイナスであれば、常に経営が悪化していることを意味する。
  • 2営業活動によるCF+財務活動によるCFで算出する。
  • ✔営業活動によるCF+投資活動によるCFで簡便的に算出されることが多い。
  • 4FCFは当期純利益と常に一致する。
  • 5FCFの算定に減価償却費は関係しない。
解説:FCFは企業が自由に使えるキャッシュを示し、実務上は営業活動によるCF+投資活動によるCF(投資CFは通常マイナス)で簡便的に算出されます。したがって3が正解です。理論的にはNOPAT+減価償却費-設備投資額-運転資本増加額で算出します。成長投資が先行する局面ではFCFがマイナスでも問題ないため1は誤り。当期純利益とは一致せず4は誤り、減価償却費は算定に関係するため5も誤りです。
問7
所要運転資金(経常運転資金)の算式として、最も適切なものはどれか。
  • 1売上債権+棚卸資産+仕入債務
  • 2現金預金+売上債権-仕入債務
  • 3売上債権-棚卸資産-仕入債務
  • 4流動資産-流動負債
  • ✔売上債権+棚卸資産-仕入債務
解説:経常運転資金=売上債権+棚卸資産-仕入債務で算出します。売上代金の回収と仕入代金の支払のタイムラグにより恒常的に必要となる資金であり、5が正解です。売上が増加すればこの金額も増加するため、増加運転資金の資金需要が生じます。4は正味運転資本(ワーキング・キャピタル)の算式であり、経常運転資金とは異なります。
問8
キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1売上債権回転日数+棚卸資産回転日数+仕入債務回転日数で算出する。
  • 2CCCがマイナスになることはありえない。
  • 3CCCが長いほど資金効率が良い。
  • ✔売上債権回転日数+棚卸資産回転日数-仕入債務回転日数で算出する。
  • 5CCCは収益性を示す指標である。
解説:CCC=売上債権回転日数+棚卸資産回転日数-仕入債務回転日数で算出され、仕入代金の支払から売上代金の回収までに要する日数を表します。したがって4が正解。短いほど資金効率が良いため3は誤り。前受金ビジネスや現金商売でマイナスになる企業も存在するため2は誤り。CCCは資金効率(効率性)の指標であり収益性指標ではないため5も誤りです。

税務2級全250問中 8問を掲載

問1
所得税の所得区分に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1個人事業主が事業用車両を売却した場合の所得は、事業所得となる。
  • 2生命保険の満期保険金(一時払養老保険で契約5年超、一時金受取)は、雑所得となる。
  • ✔アパートを賃貸することによる所得は、事業的規模であっても原則として不動産所得となる。
  • 4退職手当は、給与所得に区分される。
  • 5上場株式の譲渡益は、事業所得に区分される。
解説:不動産の貸付けによる所得は、いわゆる5棟10室基準を満たす事業的規模であっても、所得区分としては不動産所得となります(3が正解)。事業用固定資産の売却は譲渡所得のため1は誤り。契約者=受取人の満期保険金を一時金で受け取る場合は一時所得のため2は誤り(金融類似商品に該当する一時払養老保険等で保険期間5年以内のものは源泉分離課税)。退職手当は退職所得で4は誤り。上場株式の譲渡益は譲渡所得(申告分離課税)で5も誤りです。
問2
退職所得の計算に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。ただし、特定役員退職手当等および短期退職手当等には該当しないものとする。
  • 1勤続20年以下の部分の退職所得控除額は、1年当たり70万円である。
  • 2勤続20年超の部分の退職所得控除額は、1年当たり40万円である。
  • 3退職所得は総合課税の対象である。
  • ✔退職所得の金額は、(収入金額-退職所得控除額)×2分の1で計算する。
  • 5「退職所得の受給に関する申告書」を提出しない場合でも、源泉徴収は行われない。
解説:退職所得=(収入金額-退職所得控除額)×1/2(4が正解)。退職所得控除額は勤続20年以下の部分が1年当たり40万円(最低80万円)、20年超の部分が1年当たり70万円のため1・2は逆で誤り。退職所得は申告分離課税のため3は誤り。「退職所得の受給に関する申告書」を提出しない場合は収入金額に一律20.42%の源泉徴収が行われるため5も誤りです。
問3
所得税の損益通算に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1雑所得の損失は、他の所得と損益通算できる。
  • 2生活に通常必要でない資産(別荘等)の譲渡損失は、他の所得と損益通算できる。
  • ✔不動産所得の損失のうち、土地等の取得に係る負債の利子相当額は損益通算できない。
  • 4上場株式の譲渡損失は、給与所得と損益通算できる。
  • 5一時所得の損失は、事業所得と損益通算できる。
解説:不動産所得の損失のうち、土地等を取得するために要した負債の利子に相当する部分の金額は損益通算の対象外です(3が正解)。損益通算できるのは不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の損失(いわゆる「不事山譲」)に限られるため、雑所得・一時所得の損失は通算できず1・5は誤り。生活に通常必要でない資産の譲渡損失は原則通算できず2は誤り。上場株式等の譲渡損失は申告分離課税の配当所得等とのみ通算でき、給与所得とは通算できないため4も誤りです。
問4
住宅借入金等特別控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1所得金額にかかわらず適用を受けることができる。
  • 2控除は所得控除として総所得金額から差し引かれる。
  • 3中古住宅は一切対象とならない。
  • 4給与所得者は、適用初年度も年末調整のみで控除を受けられる。
  • ✔適用を受けるには、原則として住宅の床面積が50㎡以上であることなどの要件を満たす必要がある。
解説:住宅ローン控除の適用には、原則として床面積50㎡以上(特例により40㎡以上とされる場合あり)で2分の1以上が居住用であること、償還期間10年以上の借入れであることなどの要件があり、5が正解です。合計所得金額2,000万円以下という所得要件があるため1は誤り。所得控除ではなく税額控除のため2は誤り。給与所得者でも適用初年度は確定申告が必要(2年目以降は年末調整可)で4は誤り。一定の要件を満たす既存住宅も対象となるため3も誤りです。
問5
配当所得の課税方式に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1非上場株式の配当は、金額にかかわらず総合課税を選択できない。
  • 2総合課税を選択した場合、上場株式等の譲渡損失と損益通算できる。
  • 3申告分離課税を選択した場合、配当控除の適用を受けられる。
  • ✔上場株式等の配当については、総合課税・申告分離課税・申告不要のいずれかを選択できる。
  • 5配当所得の計算上、株式取得のための負債利子は控除できない。
解説:上場株式等(大口株主等を除く)の配当は、総合課税・申告分離課税・申告不要のいずれかを選択できます(4が正解)。上場株式等の譲渡損失と損益通算できるのは申告分離課税を選択した場合であり2は誤り。配当控除は総合課税を選択した場合に限り適用されるため3は誤り。非上場株式の配当は原則総合課税(少額配当は申告不要選択可)で1は誤り。配当所得は収入金額から元本取得のための負債の利子を控除して計算するため5も誤りです。
問6
法人税における交際費等の損金不算入に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1接待飲食費については、その全額を損金算入できる。
  • 2資本金1億円以下の中小法人は、交際費等の全額を損金算入できる。
  • ✔1人当たり10,000円以下の飲食費は、一定の要件を満たせば交際費等から除外できる。
  • 4専ら従業員の慰安のための運動会・旅行等の費用も交際費等に該当する。
  • 5交際費等の損金不算入額は、法人税の税額控除により調整される。
解説:2024年4月1日以後開始事業年度から、交際費等から除外される飲食費の基準額は1人当たり5,000円以下から10,000円以下に引き上げられました(3が正解)。中小法人は年800万円までの定額控除限度額または接待飲食費の50%相当額のいずれかを選択して損金算入するため2・1は誤り。専ら従業員の慰安のための運動会・旅行等の費用は福利厚生費として交際費等から除かれ4は誤り。損金不算入は所得金額の加算調整で行われ税額控除ではないため5も誤りです。
問7
役員給与の損金算入に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1事前確定届出給与は、届出額と異なる金額を支給しても全額損金算入できる。
  • 2役員賞与は、いかなる場合も損金算入できない。
  • 3定期同額給与の改定は、事業年度中いつでも自由に行える。
  • ✔定期同額給与、事前確定届出給与、業績連動給与のいずれかに該当すれば、原則として損金算入できる。
  • 5不相当に高額な役員給与であっても、上記3類型に該当すれば全額損金算入できる。
解説:法人税法34条により、役員給与は定期同額給与・事前確定届出給与・業績連動給与のいずれかに該当する場合に原則として損金算入が認められます(4が正解)。事前確定届出給与の要件を満たせば役員賞与も損金算入できるため2は誤り。定期同額給与の改定は原則として事業年度開始の日から3か月以内(臨時改定事由・業績悪化改定事由を除く)に限られ3は誤り。届出額と異なる支給をすると全額が損金不算入となり1は誤り。不相当に高額な部分は損金不算入(同条2項)で5も誤りです。
問8
青色申告法人の欠損金の繰越控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1繰越期間は5年である。
  • 2中小法人等であっても、控除限度額は所得金額の50%に制限される。
  • ✔繰越期間は10年(2018年4月1日以後開始事業年度に生じた欠損金)である。
  • 4欠損金の繰戻し還付制度は廃止されている。
  • 5白色申告法人でも欠損金を繰り越すことができる。
解説:2018年4月1日以後開始事業年度に生じた青色欠損金の繰越期間は10年です(それ以前は9年)。したがって3が正解、1は誤り。中小法人等については所得金額の全額(100%)を限度に控除でき、控除限度額50%の制限は大法人に適用されるため2は誤り。欠損金の繰戻し還付は中小企業者等について適用されており4は誤り。青色申告法人であることが要件のため5も誤りです。

年金アドバイザー2級全250問中 8問を掲載

問1
国民年金の被保険者に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1第2号被保険者には、年齢の上限が20歳以上60歳未満と定められている。
  • ✔第1号被保険者は、日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の自営業者・学生等である。
  • 3第3号被保険者は、第1号被保険者に扶養される配偶者である。
  • 4任意加入被保険者の制度は廃止されている。
  • 5第3号被保険者には年齢要件がない。
解説:第1号被保険者は、日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者で、第2号・第3号被保険者に該当しない者(自営業者、学生、無職者等)です(2が正解)。第2号被保険者は厚生年金保険の被保険者であり、原則として年齢要件はない(ただし65歳以上で老齢年金の受給権を有する者は除く)ため1は誤り。第3号被保険者は第2号被保険者に扶養される20歳以上60歳未満の配偶者のため3・5は誤り。60歳以上65歳未満の者等が加入できる任意加入制度は存続しており4も誤りです。
問2
国民年金保険料の免除等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1産前産後期間の保険料免除期間は、受給資格期間には算入されるが年金額には反映されない。
  • 2全額免除期間は、老齢基礎年金の年金額に一切反映されない。
  • 3学生納付特例期間は、老齢基礎年金の年金額に2分の1が反映される。
  • 4保険料の追納は、免除等を受けた期間から5年以内に限られる。
  • ✔法定免除の対象者には、障害基礎年金の受給権者が含まれる。
解説:障害基礎年金または被用者年金の障害等級1級・2級の年金の受給権者、生活保護法の生活扶助を受けている者等は法定免除の対象です(5が正解)。全額免除期間は国庫負担相当分として年金額の2分の1(2009年3月以前は3分の1)が反映されるため2は誤り。学生納付特例および納付猶予の期間は受給資格期間には算入されますが年金額には反映されず3は誤り。追納は承認を受けた月前10年以内の期間について可能で4は誤り。産前産後期間の免除は保険料納付済期間として年金額に満額反映されるため1も誤りです。
問3
老齢基礎年金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1受給資格期間は原則25年である。
  • 2受給資格期間は原則10年である。
  • 3満額を受給するには40年(480月)の保険料納付済期間が必要である。
  • ✔2と3の両方が正しい。
  • 5支給開始年齢は原則70歳である。
解説:2017年8月より老齢基礎年金の受給資格期間は原則25年から10年に短縮されました(2は正しい)。また満額の老齢基礎年金を受給するには、20歳から60歳までの40年(480月)すべてが保険料納付済期間である必要があります(3も正しい)。したがって4が正解です。支給開始年齢は原則65歳のため5は誤りです。
問4
老齢基礎年金の繰上げ支給・繰下げ支給に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。ただし、1962年4月2日以後生まれの者とする。
  • 1繰上げ受給の減額率は1か月当たり0.5%である。
  • 2繰下げにより最大84%増額され、その上限年齢は80歳である。
  • 3繰下げ受給の増額率は1か月当たり0.7%で、最大70歳まで繰り下げられる。
  • ✔繰上げ受給の減額率は1か月当たり0.4%で、60歳まで繰り上げると24%減額される。
  • 5繰上げ請求後でも、いつでも取消しができる。
解説:1962年4月2日以後生まれの者の繰上げ減額率は1か月当たり0.4%で、60歳0か月まで繰り上げると60月×0.4%=24%の減額となります(4が正解)。1は1962年4月1日以前生まれに適用される0.5%で誤り。繰下げは1か月当たり0.7%増額で、上限は75歳(最大120月×0.7%=84%増額)のため3・2は誤り。繰上げ請求は一度行うと取り消せず、減額は生涯続くため5も誤りです。また老齢基礎年金と老齢厚生年金の繰上げは同時に行う必要があります。
問5
老齢厚生年金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1老齢厚生年金を受給するには、厚生年金保険の被保険者期間が10年以上必要である。
  • ✔老齢基礎年金の受給資格期間を満たし、厚生年金保険の被保険者期間が1か月以上あれば、65歳から老齢厚生年金を受給できる。
  • 3報酬比例部分の計算には、被保険者期間中の賞与は一切反映されない。
  • 4老齢厚生年金には、経過的加算は存在しない。
  • 5老齢厚生年金の支給開始年齢は、生年月日にかかわらず一律65歳である。
解説:老齢厚生年金は、老齢基礎年金の受給資格期間(10年)を満たした者に厚生年金保険の被保険者期間が1か月以上あれば65歳から支給されます(2が正解)。1は誤り。2003年4月以降は総報酬制により賞与も標準賞与額として年金額に反映されるため3は誤り。60歳台前半の老齢厚生年金の定額部分と老齢基礎年金の差額を補う経過的加算があるため4は誤り。特別支給の老齢厚生年金は生年月日・性別により60歳台前半から支給される場合があり5も誤りです。
問6
加給年金額に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1加給年金額の加算には、厚生年金保険の被保険者期間が10年以上あればよい。
  • ✔加給年金額の加算には、厚生年金保険の被保険者期間が原則20年以上必要である。
  • 3配偶者加給年金は、配偶者が70歳に達するまで支給される。
  • 4配偶者が20年以上の被保険者期間に基づく老齢厚生年金を受給している場合でも、加給年金は支給される。
  • 5子に係る加給年金額の対象となる子の年齢要件はない。
解説:加給年金額は、厚生年金保険の被保険者期間が原則20年(中高齢の資格期間の特例に該当する場合は15~19年)以上ある受給権者に、生計を維持されている65歳未満の配偶者または一定の子がいる場合に加算されます(2が正解)。配偶者加給年金は配偶者が65歳に達するまで支給され、その後は配偶者自身の老齢基礎年金に振替加算が行われるため3は誤り。配偶者が20年以上の被保険者期間に基づく老齢厚生年金等を受給している場合は支給停止となり4は誤り。対象となる子は18歳到達年度の末日までの子(障害等級1・2級の場合20歳未満)で5も誤りです。
問7
在職老齢年金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1在職老齢年金の仕組みは、70歳以降には適用されない。
  • 2基本月額と総報酬月額相当額の合計が支給停止調整額を超えると、超過額の全額が支給停止される。
  • 3老齢基礎年金も支給停止の対象となる。
  • ✔支給停止の対象となるのは老齢厚生年金であり、老齢基礎年金は支給停止されない。
  • 5経過的加算額も支給停止の対象となる。
解説:在職老齢年金による支給停止の対象は老齢厚生年金(報酬比例部分)であり、老齢基礎年金および経過的加算額は支給停止されません(4が正解、3・5は誤り)。支給停止額は(基本月額+総報酬月額相当額-支給停止調整額)×1/2であり、超過額の全額ではなく2分の1のため2は誤り。70歳以上の在職者も厚生年金保険の被保険者ではないものの在職老齢年金の仕組みが適用されるため1も誤りです。なお支給停止調整額は年度ごとに改定されます(2025年度は51万円)。
問8
在職定時改定に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • ✔65歳以上70歳未満の在職中の受給権者について、毎年9月1日を基準日として年金額が改定される。
  • 2退職するまで年金額は一切改定されない。
  • 360歳以上65歳未満の受給権者が対象である。
  • 4改定された年金額は翌年の4月分から支給される。
  • 5在職定時改定は任意の申出により行われる。
解説:2022年4月に導入された在職定時改定は、65歳以上70歳未満の在職中の老齢厚生年金の受給権者について、毎年9月1日を基準日としてその前月(8月)までの被保険者期間を算入して年金額を改定し、10月分(12月支払分)から反映させる仕組みです(1が正解)。導入前は退職時改定または70歳到達時まで改定されませんでしたが、現在は毎年改定されるため2は誤り。対象は65歳以上70歳未満で3は誤り。反映は10月分からのため4は誤り。申出は不要で5も誤りです。