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弁理士試験|分野別 問題インデックス

最終更新:2026年8月11日

弁理士短答式は条文知識の正確さが問われます。8科目に分けて代表問題を掲載しています。全1000問をまとめて解くならトレーナーへ進んでください。

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特許法全333問中 8問を掲載

問1
特許法上の「発明」に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1自然法則それ自体も、技術的な価値を有する限り発明に該当する。
  • 2経済法則を利用した資金運用方法も、技術的思想であれば発明に該当する。
  • 3「高度のものであること」という要件は、実用新案法上の考案にも同様に課されている。
  • 4発明は「物の発明」に限られ、「方法の発明」は特許の対象とならない。
  • ✔発明とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。
解説:【正解】5(他の4肢はどこかに誤りを含む)
発明の定義は特許法2条1項のとおりで、(1)自然法則の利用、(2)技術的思想、(3)創作、(4)高度性の4要素からなる。自然法則それ自体や経済法則の利用は発明に当たらない。発明のカテゴリーは物・方法・物を生産する方法の3類型(2条3項)。実用新案法上の考案には「高度」の要件はない(実用新案法2条1項)。
★ポイント:発明=自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの(特2条1項)。「高度」は考案(実用新案)との区別のための要件で、考案の定義に高度性はない。
問2
産業上利用することができる発明に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1人間から採取した血液を分析する方法は、およそ産業上利用することができる発明に該当しない。
  • 2人間を手術する方法であっても、産業上利用することができる発明に該当する。
  • 3医療機器そのものの発明は、産業上利用することができる発明に該当しない。
  • 4医薬の発明は、公序良俗に反するため特許を受けることができない。
  • ✔人間を手術し、治療し、又は診断する方法は、産業上利用することができる発明に該当しないと解されている。
解説:【正解】5(他の4肢はどこかに誤りを含む)
29条1項柱書の「産業上利用することができる発明」について、審査基準上、人間を手術・治療・診断する方法(医療行為)は該当しないと扱われる。もっとも医療機器・医薬品といった「物」の発明は特許の対象となり、人体から採取したものを処理・分析する方法も、同一人に戻すことを前提としない限り対象となり得る。
★ポイント:産業上利用可能性(29条1項柱書):医療行為(人間を手術・治療・診断する方法)は該当しないが、医療機器・医薬そのものは特許対象。個人的にのみ利用される発明・現実に実施できない発明も否定される。
問3
新規性(特許法29条1項)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 1新規性の判断時は「特許出願前」であり、出願の時刻まで考慮される。
  • 2特許出願前に日本国内において公然実施をされた発明は、新規性を欠く。
  • ✔新規性の判断は日本国内で公知となった発明に限られ、外国で公知となった発明は考慮されない。
  • 4特許出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明は、新規性を欠く。
  • 5特許出願前に外国において頒布された刊行物に記載された発明は、新規性を欠く。
解説:【正解】3(「誤り・不適切」を選ぶ問題。残る4肢は正しい記述なので、そのまま知識として整理できる)
29条1項は1号(公然知られた発明)・2号(公然実施をされた発明)・3号(頒布された刊行物記載・電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明)を掲げ、いずれも「日本国内又は外国において」とされている(世界主義)。したがって外国での公知も新規性を否定する。判断時は「出願前」であり日(時)単位ではなく時刻まで考慮される。
★ポイント:新規性(29条1項):出願「前」(時分まで考慮)に、日本国内又は外国で、公然知られた・公然実施された・刊行物記載/電気通信回線で公衆利用可能となった発明は不可。内外国とも対象(世界公知)。
問4
新規性喪失の例外(特許法30条)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1本条の適用を受けた場合、当該発明の出願日は公知となった日まで遡及する。
  • 2適用期間は、公知となった日から6月以内である。
  • 3適用を受けるための証明書は、いかなる場合も特許出願と同時に提出しなければならない。
  • ✔特許を受ける権利を有する者の意に反して発明が公知となった場合、その日から1年以内に出願すれば適用を受けられる。
  • 5意に反する公知の場合であっても、出願と同時にその旨を記載した書面を提出しなければならない。
解説:【正解】4(他の4肢はどこかに誤りを含む)
30条の期間は公開日から1年以内(平成30年改正)。1項の「意に反する公知」の場合は書面・証明書の提出は不要で、2項の「行為に起因する公知」の場合に出願と同時の書面提出および出願日から30日以内の証明書提出が必要(30条3項)。また本条は出願日を遡及させるものではなく、当該公開を新規性・進歩性判断の資料から除外するにすぎない。
★ポイント:新規性喪失の例外(30条):意に反する公知と行為に起因する公知の双方に適用。公知日から1年以内の出願+行為起因の場合は出願と同時に主張・30日以内に証明書提出。
問5
進歩性(特許法29条2項)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1進歩性を欠くことは拒絶理由とはなるが、無効理由とはならない。
  • 2進歩性は、出願審査の請求があった時を基準として判断される。
  • 3進歩性の判断において、外国で頒布された刊行物を引用することはできない。
  • ✔進歩性の判断主体は、当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者である。
  • 5進歩性が否定されるのは、公知の発明と同一である場合に限られる。
解説:【正解】4(他の4肢はどこかに誤りを含む)
29条2項は、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(当業者)が29条1項各号の発明に基づいて容易に発明をすることができたときは特許を受けられない旨を定める。判断基準時は「特許出願前」。同一の場合は新規性(1項)の問題である。進歩性欠如は拒絶理由(49条2号)であり無効理由(123条1項2号)でもある。
★ポイント:進歩性(29条2項)は当業者が29条1項各号の発明に基づいて容易に発明をすることができたかで判断。新規性がない発明に進歩性の判断はない(新規性が前提)。
問6
いわゆる拡大された先願の地位(特許法29条の2)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 1後願の発明が先願の当初明細書等に記載された発明と同一である場合に適用される。
  • ✔先願が出願公開前に取り下げられた場合であっても、先願としての地位は認められ本条が適用される。
  • 3先願が出願公開又は特許掲載公報の発行がされていることが必要である。
  • 4先願と後願の出願人が出願時において同一である場合には適用されない。
  • 5先願と後願の発明者が同一である場合には適用されない。
解説:【正解】2(「誤り・不適切」を選ぶ問題。残る4肢は正しい記述なので、そのまま知識として整理できる)
29条の2は、先願が出願公開又は特許掲載公報の発行がされたことを要件とするため、公開前に取り下げ・放棄・却下された出願には適用されない。また発明者同一の場合、および出願時に出願人が同一の場合は除外される(29条の2ただし書)。判断は先願の「当初明細書等」に記載された発明との同一性で行う。
★ポイント:拡大先願(29条の2):後願の出願後に公開された先願の明細書等に記載された発明と同一なら拒絶。発明者同一・出願人同一(公開時ではなく後願の出願時に判断)の場合は適用除外。先願が取り下げられても公開されていれば適用あり。
問7
先願(特許法39条)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1同一の発明について異なる日に出願があったときは、先に出願審査の請求をした者が特許を受ける。
  • 2同一の発明について同日に二以上の特許出願があったときは、いずれの出願人も特許を受けることができない。
  • 3特許出願が放棄されたときであっても、その出願は先願の地位を有する。
  • 4同一の発明について特許出願と実用新案登録出願が競合した場合、両者の間に先後願関係は生じない。
  • ✔同一の発明について同日に二以上の特許出願があったときは、協議により定めた一の出願人のみが特許を受けることができる。
解説:【正解】5(他の4肢はどこかに誤りを含む)
39条2項により同日出願の場合はまず協議が命じられ、協議が成立すればその一の出願人のみが特許を受ける。協議不成立・不能のときはいずれも受けられない。異日出願は先願優先(39条1項)。放棄・取下げ・却下された出願、および拒絶査定等が確定した出願は初めからなかったものとみなされ先願の地位を失う(39条5項)。特許出願と実用新案登録出願の間にも先後願関係が生じる(39条3項・4項)。
★ポイント:先願主義(39条):同日出願は協議命令→協議不成立・不能なら双方拒絶(くじ引きは商標のみ)。放棄・取下げ・却下された出願や拒絶査定確定した出願は先願の地位を失う(協議不成立による拒絶の場合は先願の地位が残る)。
問8
職務発明(特許法35条)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1職務発明について使用者等が有する通常実施権は、登録しなければ効力を生じない。
  • 2職務発明について、使用者等は常に当然に特許を受ける権利を取得する。
  • ✔契約、勤務規則その他の定めにおいてあらかじめ使用者等に特許を受ける権利を取得させることを定めたときは、その権利は発生した時から使用者等に帰属する。
  • 4従業者等がした発明であれば、その性質上使用者等の業務範囲に属さないものであっても職務発明となる。
  • 5使用者等が特許を受ける権利を取得した場合、従業者等は相当の利益を受ける権利を有しない。
解説:【正解】3(他の4肢はどこかに誤りを含む)
平成27年改正により、あらかじめの定めがある場合は特許を受ける権利が発生時から使用者等に原始帰属する(35条3項)。職務発明の要件は(1)使用者等の業務範囲に属し、(2)従業者等の現在又は過去の職務に属する発明であること(35条1項)。使用者等は職務発明について法定通常実施権を有し(35条1項)、登録は不要。従業者等は相当の利益を受ける権利を有する(35条4項)。
★ポイント:職務発明(35条):使用者は無償の法定通常実施権を取得。契約・勤務規則等で特許を受ける権利を原始的に使用者帰属とすることが可能(平成27年改正)。従業者は相当の利益を受ける権利を有する。

実用新案法全54問中 8問を掲載

問1
実用新案登録を受けることができる考案に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1考案は、高度のものでなければならない。
  • 2方法に係る考案も、実用新案登録を受けることができる。
  • 3物質の発明に相当する考案も、実用新案登録の対象となる。
  • 4画像の意匠に相当する考案も、実用新案登録の対象となる。
  • ✔物品の形状、構造又は組合せに係る考案であることが必要である。
解説:【正解】5(他の4肢はどこかに誤りを含む)
実用新案法3条1項柱書により、保護対象は物品の形状、構造又は組合せに係る考案に限られ、方法や物質(化学物質等)は対象外。考案は自然法則を利用した技術的思想の創作であり(実用新案法2条1項)、特許法上の発明と異なり「高度のもの」という要件はない。
★ポイント:実用新案:物品の形状・構造・組合せに係る考案(方法は保護されない)。無審査登録(基礎的要件のみ審査)、存続期間は出願から10年。権利行使には技術評価書の提示+警告が必要(何人も評価書請求可・登録後は取下げ不可)。
問2
実用新案登録出願の審査に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1実用新案登録出願については、出願審査の請求が必要である。
  • 2実用新案登録出願については、出願公開の制度が設けられている。
  • 3実用新案登録出願については、拒絶査定不服審判を請求することができない。
  • 4実用新案登録出願については、新規性及び進歩性の実体審査が行われる。
  • ✔実用新案登録出願については、基礎的要件の審査は行われるが、新規性・進歩性の実体審査は行われない。
解説:【正解】5(他の4肢はどこかに誤りを含む)
実用新案法は無審査登録主義を採り、方式要件と基礎的要件(6条の2)の審査のみが行われ、新規性・進歩性は審査されない。したがって出願審査請求制度・出願公開制度はない(早期に登録公報が発行される)。なお補正命令に応じない場合等の却下処分に対する不服は別途規定されている。
★ポイント:実用新案:物品の形状・構造・組合せに係る考案(方法は保護されない)。無審査登録(基礎的要件のみ審査)、存続期間は出願から10年。権利行使には技術評価書の提示+警告が必要(何人も評価書請求可・登録後は取下げ不可)。
問3
実用新案技術評価書に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 1実用新案権の消滅後は、実用新案技術評価の請求をすることができない場合がある。
  • 2実用新案技術評価書は、審査官が作成する。
  • 3実用新案技術評価の請求は、何人もすることができる。
  • ✔実用新案技術評価の請求は、一度した後であっても取り下げることができる。
  • 5実用新案権者は、技術評価書を提示して警告をした後でなければ、権利を行使することができない。
解説:【正解】4(「誤り・不適切」を選ぶ問題。残る4肢は正しい記述なので、そのまま知識として整理できる)
実用新案技術評価の請求は取り下げることができない(実用新案法12条5項)。請求は何人もすることができ(同条1項)、審査官が評価書を作成する(同条3項)。権利行使には技術評価書の提示による警告が必要(同法29条の2)。実用新案権消滅後は、無効審判により無効にされた後等は請求できない(12条2項ただし書等)。
★ポイント:実用新案:物品の形状・構造・組合せに係る考案(方法は保護されない)。無審査登録(基礎的要件のみ審査)、存続期間は出願から10年。権利行使には技術評価書の提示+警告が必要(何人も評価書請求可・登録後は取下げ不可)。
問4
実用新案権の存続期間に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • ✔実用新案登録出願の日から10年をもって終了する。
  • 2設定の登録の日から10年をもって終了する。
  • 3実用新案登録出願の日から20年をもって終了する。
  • 4実用新案登録出願の日から6年をもって終了する。
  • 5更新登録により、無制限に更新することができる。
解説:【正解】1(他の4肢はどこかに誤りを含む)
実用新案法15条により、実用新案権の存続期間は実用新案登録出願の日から10年をもって終了する(平成16年改正により6年から10年に延長)。更新制度はない。
★ポイント:特許権の存続期間は出願日から20年。延長登録:医薬品等の処分待ち期間(5年限度)と期間補償(審査遅延)の2制度がある。
問5
実用新案登録請求の範囲等の訂正に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • ✔実用新案権者は、原則として一度に限り、実用新案登録請求の範囲の減縮等を目的とする訂正をすることができる。
  • 2訂正は、実用新案権の設定の登録前にしなければならない。
  • 3訂正をするには、訂正審判を請求しなければならない。
  • 4訂正により、実用新案登録請求の範囲を拡張することができる。
  • 5訂正は、回数の制限なくすることができる。
解説:【正解】1(他の4肢はどこかに誤りを含む)
実用新案法14条の2により、実用新案権者は訂正書を提出して請求の範囲の減縮、誤記の訂正、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正ができるが、請求項の削除を除き原則として一度に限られる(14条の2第7項)。実用新案法には訂正審判の制度はなく訂正書によることに注意。範囲の実質的拡張・変更は認められない。
★ポイント:訂正審判(126条):特許請求の範囲の減縮・誤記誤訳の訂正・明瞭でない記載の釈明・請求項間の引用関係の解消が目的。実質上の拡張・変更は不可。無効審判係属中は訂正審判を請求できず訂正の請求による。
問6
実用新案登録に基づく特許出願(特許法46条の2)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 1実用新案登録に基づく特許出願をするときは、その実用新案権を放棄しなければならない。
  • 2実用新案登録に基づく特許出願は、実用新案登録出願の日から3年を経過したときはすることができない。
  • ✔実用新案登録に基づく特許出願は、実用新案登録出願の日にされたものとみなされない。
  • 4実用新案登録無効審判について最初の答弁書提出期間を経過した後は、することができない。
  • 5実用新案技術評価書の請求があった後は、原則としてすることができない。
解説:【正解】3(「誤り・不適切」を選ぶ問題。残る4肢は正しい記述なので、そのまま知識として整理できる)
特許法46条の2第2項により、実用新案登録に基づく特許出願はその実用新案登録に係る実用新案登録出願の時にしたものとみなされる。時期的制限として出願日から3年経過後は不可、技術評価の請求後は原則不可、無効審判の最初の答弁書提出期間経過後は不可(同条1項各号)。出願時に実用新案権の放棄が必要(同条1項柱書)。
★ポイント:実用新案登録に基づく特許出願(46条の2):実用新案登録出願の日から3年以内に限り可能で、実用新案権の放棄が必要。自ら技術評価を請求した後や、評価書の警告等を受けた後は原則不可。
問7
実用新案権の行使に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • ✔実用新案権者が権利行使をした後に実用新案登録が無効となった場合、原則として相手方に生じた損害を賠償する責めに任ずる。
  • 2実用新案権の侵害については、過失の推定規定が設けられている。
  • 3実用新案権については、間接侵害の規定は設けられていない。
  • 4実用新案権者は、無効となった場合でも一切責任を負わない。
  • 5実用新案権者は、技術評価書を提示することなく差止請求をすることができる。
解説:【正解】1(他の4肢はどこかに誤りを含む)
実用新案法29条の3第1項により、実用新案権者等が権利行使等をした後に登録が無効となったときは、原則として相手方に与えた損害を賠償する責めに任ずる(ただし技術評価書の評価に基づき権利行使をした場合等は免責)。無審査主義の裏返しの規定である。特許法103条の過失推定は準用されていない(同法30条参照)。権利行使には技術評価書の提示による警告が必要(29条の2)。間接侵害の規定(28条)はある。
★ポイント:実用新案:物品の形状・構造・組合せに係る考案(方法は保護されない)。無審査登録(基礎的要件のみ審査)、存続期間は出願から10年。権利行使には技術評価書の提示+警告が必要(何人も評価書請求可・登録後は取下げ不可)。
問8
出願の変更に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1出願の変更をした場合、新たな出願は変更の日にされたものとみなされる。
  • 2実用新案登録出願人は、実用新案権の設定の登録後は、特許出願に変更することができない。
  • 3出願の変更をした場合、もとの出願は取り下げたものとみなされない。
  • 4意匠登録出願を実用新案登録出願に変更することはできない。
  • ✔特許出願人は、その特許出願を実用新案登録出願に変更することができる。
解説:【正解】5(他の4肢はどこかに誤りを含む)
特許法46条1項・実用新案法10条により、特許出願から実用新案登録出願への変更、実用新案登録出願から特許出願への変更のいずれも可能。意匠登録出願から実用新案登録出願への変更も認められる(実用新案法10条2項)。変更出願はもとの出願の時にしたものとみなされ(実用新案法10条3項等)、もとの出願は取り下げたものとみなされる(同条5項)。なお設定登録後は46条の2の手続による。
★ポイント:出願変更:実案→特許(46条・実案登録出願から3年以内)、意匠→特許等、それぞれ期間制限が異なる。変更後は元の出願時に出願したものとみなされ、元の出願は取り下げたものとみなされる。

意匠法全136問中 8問を掲載

問1
意匠法上の「意匠」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 1意匠とは、物品の形状、模様若しくは色彩若しくはこれらの結合であって、視覚を通じて美感を起こさせるものをいう。
  • ✔物品に記録・表示されていない画像は、いかなる場合も意匠に含まれない。
  • 3建築物の形状等も、意匠に含まれる。
  • 4物品の部分についての形状等も、意匠に含まれる。
  • 5画像であって、機器の操作の用に供されるもの又は機器がその機能を発揮した結果として表示されるものは、意匠に含まれる。
解説:【正解】2(「誤り・不適切」を選ぶ問題。残る4肢は正しい記述なので、そのまま知識として整理できる)
令和元年改正により、物品に記録・表示されていない画像(クラウド等から提供される操作画像・表示画像)も意匠の対象となった(意匠法2条1項かっこ書)。同改正で建築物の意匠、内装の意匠も対象化された。部分意匠は平成10年改正以来認められている。
★ポイント:意匠=物品・建築物・画像の形状等であって視覚を通じて美感を起こさせるもの(令和元年改正で建築物・画像単体を追加)。機器の操作用・機能発揮の表示用でない画像(映画等)は保護されない。
問2
工業上利用することができる意匠に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • ✔工業上利用することができる意匠であるためには、量産可能性があることが必要である。
  • 2工業上利用することができる意匠には、農業・鉱業に利用される物品の意匠は含まれない。
  • 3工業上利用可能性は、意匠登録の要件ではない。
  • 4純粋美術の著作物である絵画も、工業上利用することができる意匠に該当する。
  • 5自然物を意匠の主体に使用したもので量産できないものも、意匠登録を受けることができる。
解説:【正解】1(他の4肢はどこかに誤りを含む)
意匠法3条1項柱書は「工業上利用することができる意匠」を登録要件とし、審査基準上、意匠が具体的であること、量産可能性(工業的生産過程を経て同一物を反復して多量に生産できること)が求められる。純粋美術の著作物や量産できない自然物そのものは該当しない。「工業」は農業・鉱業等を含む広義の産業を意味する。
問3
意匠の新規性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1新規性を欠くことは拒絶理由となるが、無効理由とはならない。
  • ✔意匠登録出願前に日本国内又は外国において公然知られた意匠に類似する意匠は、意匠登録を受けることができない。
  • 3新規性の判断において、意匠に係る物品の類否は考慮されない。
  • 4公知意匠と同一の意匠のみが新規性を欠く。
  • 5外国において公然知られた意匠は、新規性の判断において考慮されない。
解説:【正解】2(他の4肢はどこかに誤りを含む)
意匠法3条1項3号により、1号・2号の意匠(公知意匠、頒布刊行物記載・電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった意匠)に類似する意匠も登録を受けられない。世界公知主義であり外国での公知も含まれる。意匠の類否は物品の用途・機能の同一性又は類似性と形状等の類否から判断される。新規性欠如は無効理由でもある(48条1項1号)。
★ポイント:新規性(29条1項):出願「前」(時分まで考慮)に、日本国内又は外国で、公然知られた・公然実施された・刊行物記載/電気通信回線で公衆利用可能となった発明は不可。内外国とも対象(世界公知)。
問4
創作非容易性(意匠法3条2項)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1創作非容易性を欠く意匠であっても、新規性があれば意匠登録を受けることができる。
  • ✔意匠登録出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が公然知られた形状等に基づいて容易に創作をすることができた意匠は、意匠登録を受けることができない。
  • 3創作非容易性の判断の基礎となる資料は、意匠に係る物品と同一又は類似の物品に係るものに限られる。
  • 4創作非容易性の判断主体は、一般需要者である。
  • 5創作非容易性は、意匠登録の要件ではない。
解説:【正解】2(他の4肢はどこかに誤りを含む)
3条2項は当業者(その意匠の属する分野における通常の知識を有する者)を判断主体とし、公然知られた形状・模様・色彩又はこれらの結合に基づいて容易に創作できた意匠を排除する。新規性判断と異なり物品の同一・類似は要求されず、寄せ集め・置換・構成比率の変更等が典型例。なお新規性の判断主体は需要者である点と対比される。
★ポイント:商標の登録要件(3条1項):普通名称・慣用商標・記述的表示・ありふれた氏又は名称・極めて簡単でありふれた標章等は登録不可。3条2項で使用による識別力獲得を主張できるのは3号〜5号。
問5
意匠法3条の2(先願意匠の一部と同一又は類似の後願意匠)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • ✔本条は、先願の意匠の全体と同一又は類似の意匠にも適用される。
  • 2先願と後願の出願人が同一である場合には、一定の要件の下で適用が除外される。
  • 3先願と後願の創作者が同一であっても、当然に適用が除外されるわけではない。
  • 4先願が意匠公報の発行前に取り下げられた場合には、適用されない。
  • 5先願の意匠公報が発行された後に出願された後願であって、先願の意匠の一部と同一又は類似の意匠には適用される。
解説:【正解】1(「誤り・不適切」を選ぶ問題。残る4肢は正しい記述なので、そのまま知識として整理できる)
3条の2は先願意匠の「一部」と同一又は類似の後願意匠を排除する規定であり、全体と同一・類似の場合は先願(9条)の問題となる。適用には先願の意匠公報発行が必要で、発行前の取下げ等では適用されない。出願人が同一で、かつ後願が先願の意匠公報発行前に出願された場合はただし書により除外される。
★ポイント:意匠の先願(9条):同日出願は協議命令→協議不成立・不能ならいずれも登録を受けられない(くじで定めるのは商標のみ)。類似意匠間にも先願の規定が適用され、自己の類似意匠は関連意匠制度で救済する。
問6
意匠法における先願(9条)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1意匠登録出願が放棄された場合であっても、先願の地位を有する。
  • 2異日出願の場合、後の出願人であっても創作の日が早ければ登録を受けることができる。
  • 3同日出願の場合、いずれの出願人も意匠登録を受けることができない。
  • 4同一又は類似の意匠について同日に二以上の出願があったときは、特許庁長官が行うくじにより定めた一の出願人が登録を受ける。
  • ✔同一又は類似の意匠について同日に二以上の意匠登録出願があったときは、協議により定めた一の出願人のみが意匠登録を受けることができる。
解説:【正解】5(他の4肢はどこかに誤りを含む)
意匠法9条2項により同日出願は協議によって定めた一の出願人のみが登録を受け、協議不成立・不能のときはいずれも受けられない。くじによるのは商標法8条5項の場合であり混同しやすい。放棄・取下げ・却下された出願、拒絶査定等が確定した出願は先願の地位を失う(9条3項)。
★ポイント:意匠の先願(9条):同日出願は協議命令→協議不成立・不能ならいずれも登録を受けられない(くじで定めるのは商標のみ)。類似意匠間にも先願の規定が適用され、自己の類似意匠は関連意匠制度で救済する。
問7
意匠登録出願の手続に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • ✔意匠登録出願は、経済産業省令で定める物品の区分等により、意匠ごとにしなければならない。
  • 2複数の意匠を一つの願書で出願することは、いかなる場合も認められない。
  • 3意匠登録出願を分割することはできない。
  • 4一意匠一出願の要件に違反した場合、無効理由となる。
  • 5意匠登録出願の願書には、図面を添付することができず、写真によらなければならない。
解説:【正解】1(他の4肢はどこかに誤りを含む)
意匠法7条は一意匠一出願の原則を定める。令和元年改正・その後の運用により複数意匠一括出願の手続的な扱いが認められているが、実体としては意匠ごとに登録される。願書には図面を添付するが、写真・ひな形・見本によることもできる(6条2項)。7条違反は拒絶理由(17条1号)だが無効理由ではない。出願の分割は認められる(10条の2)。
問8
組物の意匠に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1組物の意匠については、秘密意匠の請求をすることができない。
  • 2組物の意匠については、構成物品ごとに意匠権が発生する。
  • ✔同時に使用される二以上の物品等であって経済産業省令で定めるものを構成する物品等に係る意匠は、組物全体として統一があるときは一意匠として出願し登録を受けることができる。
  • 4組物の意匠については、関連意匠の登録を受けることができない。
  • 5組物の意匠については、部分意匠として登録を受けることができない。
解説:【正解】3(他の4肢はどこかに誤りを含む)
意匠法8条により、組物を構成する物品等に係る意匠は組物全体として統一があるときに一意匠として出願・登録できる。意匠権は組物全体について一つ発生する。令和元年改正により組物についても部分意匠、関連意匠の登録が可能となった。秘密意匠の請求も可能。
★ポイント:部分意匠は物品等の部分に係る意匠。組物(同時に使用される二以上の物品で経済産業省令で定めるもの)・内装の意匠(令和元年新設・全体として統一的な美感)は全体として1意匠として出願。

商標法全171問中 8問を掲載

問1
商標法上の「商標」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • ✔におい(嗅覚)による標章も、現行商標法上、商標として登録を受けることができる。
  • 2音も、商標として登録を受けることができる。
  • 3商標には、文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合が含まれる。
  • 4動き商標、ホログラム商標、位置商標も、商標として登録を受けることができる。
  • 5商標には、業として商品を生産・譲渡等をする者がその商品について使用をするもののほか、役務について使用をするものも含まれる。
解説:【正解】1(「誤り・不適切」を選ぶ問題。残る4肢は正しい記述なので、そのまま知識として整理できる)
平成26年改正により、動き・ホログラム・色彩のみ・音・位置の各商標が保護対象に加わったが、におい商標や触覚商標は導入されていない。商標は2条1項で標章であって業として商品・役務について使用をするものと定義され、標章には文字・図形・記号・立体的形状・色彩・音等が含まれる(2条1項柱書)。
★ポイント:商標=人の知覚によって認識できるもののうち文字・図形・記号・立体的形状・色彩又はこれらの結合、音等であって業として商品・役務に使用するもの。使用(2条3項)の各号も条文レベルで問われる。
問2
商標登録を受けることができない商標に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1商品の産地を表示する商標は、いかなる場合も登録を受けることができない。
  • 2ありふれた氏又は名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であっても、当然に登録を受けることができる。
  • 3極めて簡単でありふれた標章のみからなる商標は、識別力の有無にかかわらず登録される。
  • ✔その商品の普通名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標は、登録を受けることができない。
  • 5需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標であっても、3条1項各号に該当しなければ登録される。
解説:【正解】4(他の4肢はどこかに誤りを含む)
商標法3条1項1号は普通名称、2号は慣用商標、3号は産地・品質等の記述的商標、4号はありふれた氏又は名称、5号は極めて簡単でありふれた標章、6号は識別力を欠くその他の商標を規定する。3号〜5号に該当する商標であっても、使用により識別力を獲得した場合には3条2項により登録が認められる。
★ポイント:商標の登録要件(3条1項):普通名称・慣用商標・記述的表示・ありふれた氏又は名称・極めて簡単でありふれた標章等は登録不可。3条2項で使用による識別力獲得を主張できるのは3号〜5号。
問3
商標法3条2項に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 13条1項1号に該当する商標も、使用による識別力を獲得すれば登録を受けることができる。
  • 23条2項は、3条1項6号に該当する商標にも適用される。
  • 33条2項の適用を受けた場合、指定商品・役務の範囲に制限は生じない。
  • ✔3条1項3号から5号までに該当する商標であっても、使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるものについては、登録を受けることができる。
  • 53条2項の適用を受けるためには、日本全国において周知であることが必要とされる旨が条文上明記されている。
解説:【正解】4(他の4肢はどこかに誤りを含む)
3条2項は3条1項3号・4号・5号に該当する商標に限って適用され、1号(普通名称)・2号(慣用商標)・6号には適用されない。実務上は使用の事実により識別力が認められた商品・役務の範囲で登録される。
★ポイント:商標の登録要件(3条1項):普通名称・慣用商標・記述的表示・ありふれた氏又は名称・極めて簡単でありふれた標章等は登録不可。3条2項で使用による識別力獲得を主張できるのは3号〜5号。
問4
他人の氏名等を含む商標に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • ✔他人の肖像又は他人の氏名若しくは名称を含む商標は、その他人の承諾を得ているときは登録を受けることができる。
  • 2本号の該当性は、査定時ではなく出願時のみを基準として判断される。
  • 3他人の著名な雅号・芸名は、本号の対象とならない。
  • 4他人の氏名を含む商標は、他人の承諾があっても登録を受けることができない。
  • 5本号は、故人の氏名にも当然に適用される。
解説:【正解】1(他の4肢はどこかに誤りを含む)
4条1項8号は他人の肖像、氏名、名称、著名な雅号・芸名・筆名等を含む商標を不登録とするが、その他人の承諾を得ているものは除かれる。なお令和5年改正により、他人の氏名を含む商標について一定の知名度要件と政令要件が加えられた。4条1項8号を含む多くの号は、4条3項に掲げるものを除き査定・審決時を基準に判断される(4条3項)。「他人」は現存者を指す。
★ポイント:4条1項の不登録事由は公益的事由(消尽しない)と私益的事由の区別、判断時点(査定時原則・4条3項は出願時判断)が頻出。他人の周知商標(10号)・混同(15号)・著名商標の不正目的使用(19号)の使い分け。
問5
先願に係る他人の登録商標との関係に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • ✔他人の先願に係る登録商標と同一又は類似の商標であって、その指定商品若しくは指定役務と同一又は類似のものについて使用をするものは、登録を受けることができない。
  • 2本号は、他人の商標が未登録であっても適用される。
  • 3本号に該当する場合であっても、先願商標権者の承諾があれば当然に登録される。
  • 4商標が類似していても、指定商品が非類似であれば常に登録を受けることができる。
  • 5本号の判断は、出願時を基準として行われる。
解説:【正解】1(他の4肢はどこかに誤りを含む)
4条1項11号は、他人の先願に係る登録商標と同一・類似の商標を、同一・類似の商品・役務について使用するものを不登録とする。判断基準時は査定・審決時(4条3項の例外に含まれない)。なお令和5年改正でコンセント制度(4条4項)が導入され、先行商標権者の承諾があり混同のおそれがない場合には登録が認められ得る点に注意。
★ポイント:先願主義(39条):同日出願は協議命令→協議不成立・不能なら双方拒絶(くじ引きは商標のみ)。放棄・取下げ・却下された出願や拒絶査定確定した出願は先願の地位を失う(協議不成立による拒絶の場合は先願の地位が残る)。
問6
混同を生ずるおそれ等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 1他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標は、登録を受けることができない。
  • 24条1項10号は、他人の業務に係る商品等を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標について規定している。
  • 3他人の業務に係る商品等を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって、不正の目的をもって使用をするものは登録を受けることができない。
  • ✔4条1項19号は、指定商品又は指定役務が類似することを要件としている。
  • 54条1項15号は、4条1項10号から14号までに該当するものを除く旨が規定されている。
解説:【正解】4(「誤り・不適切」を選ぶ問題。残る4肢は正しい記述なので、そのまま知識として整理できる)
4条1項19号は商品・役務の類似を要件とせず、周知・著名商標の同一・類似の商標を不正の目的で使用するものを広く排除する(いわゆるフリーライド・ダイリューション防止)。15号は10号〜14号に該当するものを除く広義の混同を対象とする補充規定。10号は日本国内の周知商標について、同一・類似の商品役務を要件とする。
★ポイント:4条1項の不登録事由は公益的事由(消尽しない)と私益的事由の区別、判断時点(査定時原則・4条3項は出願時判断)が頻出。他人の周知商標(10号)・混同(15号)・著名商標の不正目的使用(19号)の使い分け。
問7
商標法4条3項に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 14条3項は、4条1項11号にも適用される。
  • ✔4条1項8号、10号、15号、17号又は19号に該当する商標であっても、商標登録出願の時に該当しないものについては、これらの規定は適用されない。
  • 34条3項は、3条1項各号の判断基準時についての規定である。
  • 44条1項の各号の該当性は、すべて出願時を基準として判断される。
  • 54条1項の各号の該当性は、すべて査定時を基準として判断される。
解説:【正解】2(他の4肢はどこかに誤りを含む)
4条3項は、4条1項8号・10号・15号・17号・19号について、出願時にも該当していることを要求する(いわゆる出願時と査定時の双方で判断)。これら以外の号は査定・審決時が基準。11号は含まれない。
★ポイント:4条1項の不登録事由は公益的事由(消尽しない)と私益的事由の区別、判断時点(査定時原則・4条3項は出願時判断)が頻出。他人の周知商標(10号)・混同(15号)・著名商標の不正目的使用(19号)の使い分け。
問8
商標法における先願(8条)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1同日出願の場合、常にくじによって定められる。
  • 2商標登録出願が放棄された場合であっても、先願の地位を有する。
  • ✔同一又は類似の商標について同日に二以上の商標登録出願があったときは、協議により定めた一の出願人のみが登録を受けることができ、協議が成立しないときは特許庁長官が行うくじにより定めた一の出願人が登録を受ける。
  • 4同日出願の場合、協議が成立しないときはいずれの出願人も登録を受けることができない。
  • 5異日出願の場合、後願であっても使用開始が早ければ登録を受けることができる。
解説:【正解】3(他の4肢はどこかに誤りを含む)
商標法8条2項・5項により、同日出願は協議によりまず定め、協議が成立しない場合は特許庁長官の行うくじにより一の出願人を定める。特許法39条・意匠法9条ではくじの制度がなく、いずれも登録を受けられない点との相違が頻出。放棄・取下げ・却下等の出願は先願の地位を有しない(8条3項)。
★ポイント:先願主義(39条):同日出願は協議命令→協議不成立・不能なら双方拒絶(くじ引きは商標のみ)。放棄・取下げ・却下された出願や拒絶査定確定した出願は先願の地位を失う(協議不成立による拒絶の場合は先願の地位が残る)。

条約全116問中 8問を掲載

問1
パリ条約に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1パリ条約は、工業所有権のうち特許及び商標のみを対象としている。
  • 2内国民待遇の原則の下では、外国人は内国民より有利な待遇を受けることが保障されている。
  • ✔各同盟国の国民は、内国民待遇の原則により、他の同盟国において当該他の同盟国の国民に課される条件及び手続に従う限り、その国の国民と同一の保護を受ける。
  • 4内国民待遇の原則は、同盟国の国民が当該同盟国に住所を有することを条件としている。
  • 5パリ条約は、同盟国の国民でない者には一切適用されない。
解説:【正解】3(他の4肢はどこかに誤りを含む)
パリ条約2条(1)は内国民待遇の原則を定め、同条(2)により住所又は営業所を有することを条件としてはならない(ただし司法上・行政上の手続、住所の選定、代理人の選任については留保がある)。3条により、非同盟国の国民でも同盟国に住所又は現実かつ真正の営業所を有する者は同盟国の国民とみなされる。1条(2)により対象は特許、実用新案、意匠、商標、サービスマーク、商号、原産地表示、不正競争の防止と広い。
★ポイント:パリ条約の三大原則:内国民待遇・優先権(特許/実用新案12月、意匠/商標6月)・各国特許独立。優先権の効果は後の出願を第一国出願時に出願したものと同様に扱うこと(新規性等の判断基準時)。
問2
パリ条約による優先権の優先期間に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1すべての工業所有権について12月である。
  • 2特許及び意匠については12月、実用新案及び商標については6月である。
  • ✔特許及び実用新案については12月、意匠及び商標については6月である。
  • 4すべての工業所有権について6月である。
  • 5特許については12月、実用新案・意匠・商標については6月である。
解説:【正解】3(他の4肢はどこかに誤りを含む)
パリ条約4条C(1)により、優先期間は特許及び実用新案について12月、意匠及び商標について6月である。優先期間は最初の出願の日から開始し、出願の日は期間に算入されない(4条C(2))。
★ポイント:パリ条約の三大原則:内国民待遇・優先権(特許/実用新案12月、意匠/商標6月)・各国特許独立。優先権の効果は後の出願を第一国出願時に出願したものと同様に扱うこと(新規性等の判断基準時)。
問3
パリ条約4条の2(特許独立の原則)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1特許独立の原則は、優先権を主張して取得した特許には適用されない。
  • 2ある同盟国で特許の存続期間が満了した場合、他の同盟国の特許も当然に消滅する。
  • 3特許独立の原則は、商標には類似の規定が存在しない。
  • ✔同盟国の国民が各同盟国において出願した特許は、他の国において同一の発明について取得した特許と独立のものとする。
  • 5ある同盟国で特許が無効とされた場合、他の同盟国の特許も当然に無効となる。
解説:【正解】4(他の4肢はどこかに誤りを含む)
パリ条約4条の2(1)は特許独立の原則を定め、同(2)により無効・消滅の理由および通常の存続期間についても独立とされる。優先権を伴って取得した特許にも適用される(同(5))。商標については6条(3)に商標独立の原則がある。
★ポイント:パリ条約の三大原則:内国民待遇・優先権(特許/実用新案12月、意匠/商標6月)・各国特許独立。優先権の効果は後の出願を第一国出願時に出願したものと同様に扱うこと(新規性等の判断基準時)。
問4
パリ条約6条の2に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1周知商標に基づく登録無効の請求期間について、条約上一切の定めはない。
  • 2悪意で登録された商標についても、5年の請求期間制限が適用される。
  • ✔同盟国は、他の同盟国において周知であると認められる商標と同一又は類似の商標の登録を拒絶し又は無効とすることを約束する。
  • 46条の2は、役務商標には一切適用されない。
  • 5周知商標の保護は、登録商標に限られる。
解説:【正解】3(他の4肢はどこかに誤りを含む)
パリ条約6条の2(1)は、当該国において周知であると認められる商標の複製・模倣・翻訳である商標の登録を拒絶・無効とし、その使用を禁止することを約束する。無効請求は登録の日から少なくとも5年の期間が認められる(同(2))が、悪意で登録された商標については期間の制限を定めてはならない(同(3))。役務商標についてはTRIPS協定16条(2)により準用が及ぶ。
★ポイント:パリ条約の三大原則:内国民待遇・優先権(特許/実用新案12月、意匠/商標6月)・各国特許独立。優先権の効果は後の出願を第一国出願時に出願したものと同様に扱うこと(新規性等の判断基準時)。
問5
特許協力条約(PCT)に基づく国際出願に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1国際出願をすると、指定国において自動的に特許が付与される。
  • ✔国際出願をすることにより、指定国において国際出願日に正規の国内出願をしたのと同一の効果が与えられる。
  • 3国際出願の願書には、指定国を個別に指定して記載しなければならない。
  • 4国際出願は、必ず国際事務局に対して行わなければならない。
  • 5国際出願は、日本語で作成することができない。
解説:【正解】2(他の4肢はどこかに誤りを含む)
PCT11条(3)により、国際出願日が認められた国際出願は各指定国において国際出願日に正規の国内出願をしたのと同一の効果を有する。PCTは出願手続の統一を図る制度であり特許を付与する制度ではない(各国が付与)。国際出願は受理官庁(通常は自国の特許庁)に提出する(10条)。2004年以降、すべての締約国が自動的に指定される「みなし全指定」。日本語での出願も可能。
★ポイント:PCT:国際出願は全指定国への正規の国内出願の効果。国際調査は全件、国際予備審査は請求により実施。国際公開は優先日から18月。国内移行は原則優先日から30月以内(翻訳文提出)。
問6
PCTに基づく国際調査に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 1すべての国際出願は、国際調査の対象とされる。
  • ✔国際調査報告は、発明の特許性について拘束力を有する判断である。
  • 3国際調査機関は、国際調査報告とともに特許性に関する見解書を作成する。
  • 4国際調査報告は、出願人及び国際事務局に送付される。
  • 5国際調査報告は、国際調査機関が作成する。
解説:【正解】2(「誤り・不適切」を選ぶ問題。残る4肢は正しい記述なので、そのまま知識として整理できる)
国際調査報告は関連のある先行技術を発見することを目的とし(PCT15条(2))、特許性についての拘束力ある判断ではない。各指定国は自国の基準で判断する。すべての国際出願が国際調査の対象となり(15条(1))、国際調査機関が報告を作成する。見解書(規則43の2)も作成される。
★ポイント:PCT:国際出願は全指定国への正規の国内出願の効果。国際調査は全件、国際予備審査は請求により実施。国際公開は優先日から18月。国内移行は原則優先日から30月以内(翻訳文提出)。
問7
PCTに基づく国際公開に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • ✔国際出願は、原則として優先日から18月経過後速やかに国際公開される。
  • 2出願人は、国際公開を早期に行うよう請求することができない。
  • 3国際公開は、受理官庁が行う。
  • 4国際出願は、国際出願日から18月経過後に国際公開される。
  • 5国際公開は、常に英語で行われる。
解説:【正解】1(他の4肢はどこかに誤りを含む)
PCT21条(2)(a)により、国際公開は優先日から18月経過後速やかに国際事務局によって行われる。出願人の請求により早期公開も可能(同(2)(b))。国際公開の言語は国際出願の言語(所定の公開言語)であり、日本語出願は日本語で公開される(英語の要約等が付される)。
★ポイント:PCT:国際出願は全指定国への正規の国内出願の効果。国際調査は全件、国際予備審査は請求により実施。国際公開は優先日から18月。国内移行は原則優先日から30月以内(翻訳文提出)。
問8
PCTに基づく国際出願の国内段階への移行に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1国内移行の期限は、優先日から20月である。
  • 2国内移行手続をしなくても、指定国において国際出願の効果は維持される。
  • ✔出願人は、原則として優先日から30月を経過する時までに、指定官庁に対し所定の翻訳文の提出及び国内手数料の支払をしなければならない。
  • 4国内移行の期限は、各国が独自に定めるものであり条約上の定めはない。
  • 5国際予備審査の請求をした場合に限り、優先日から30月の期限が適用される。
解説:【正解】3(他の4肢はどこかに誤りを含む)
PCT22条(1)により、出願人は優先日から30月を経過する時までに指定官庁に翻訳文の提出等を行う。かつては第I章のみの場合20月、第II章(国際予備審査請求)の場合30月とされていたが、2002年の改正により一律30月となった(一部の国に経過的留保あり)。期限内に手続をしないと国際出願の効果は消滅する(24条)。
★ポイント:PCT:国際出願は全指定国への正規の国内出願の効果。国際調査は全件、国際予備審査は請求により実施。国際公開は優先日から18月。国内移行は原則優先日から30月以内(翻訳文提出)。

著作権法全76問中 8問を掲載

問1
著作権法上の著作物に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1アイデアそのものも、独創的であれば著作物として保護される。
  • 2著作物として保護されるためには、文化庁への登録が必要である。
  • ✔著作物とは、思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。
  • 4事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道も、著作物として保護される。
  • 5プログラムは、著作物に含まれない。
解説:【正解】3(他の4肢はどこかに誤りを含む)
著作権法2条1項1号が著作物を定義する。著作権は無方式主義により創作と同時に発生し登録は不要(17条2項)。保護されるのは表現であってアイデアそのものではない。プログラムの著作物は10条1項9号に例示。事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道は著作物に該当しない(10条2項)。
★ポイント:著作物=思想又は感情を創作的に表現したものであって文芸・学術・美術・音楽の範囲に属するもの。アイデア・事実・ありふれた表現は保護されない。プログラムは著作物、プログラム言語・規約・解法は除外。
問2
著作権の保護期間に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1著作権は、原則として著作者の死後50年を経過するまでの間、存続する。
  • ✔著作権は、原則として著作者の死後70年を経過するまでの間、存続する。
  • 3法人その他の団体が著作の名義を有する著作物の著作権は、創作後50年である。
  • 4著作権の保護期間は、著作物の登録の日から起算される。
  • 5映画の著作物の著作権は、公表後30年である。
解説:【正解】2(他の4肢はどこかに誤りを含む)
著作権法51条2項により、著作権は原則として著作者の死後70年を経過するまで存続する(平成30年のTPP整備法により50年から70年に延長)。無名・変名の著作物および団体名義の著作物は公表後70年(52条、53条)、映画の著作物も公表後70年(54条)。保護期間は死亡・公表・創作の翌年から起算(57条)。
★ポイント:著作権の保護期間:原則死後70年、無名・変名/団体名義は公表後70年、映画は公表後70年(TPP11整備法で50年から延長)。
問3
職務著作(著作権法15条)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • ✔法人等の発意に基づき従業者が職務上作成する著作物で、法人等が自己の著作の名義の下に公表するものは、契約等に別段の定めがない限り、その法人等が著作者となる。
  • 2プログラムの著作物についても、法人等の名義で公表することが職務著作の要件である。
  • 3職務著作の場合であっても、著作者人格権は従業者に帰属する。
  • 4職務著作の場合、著作権は法人等に帰属するが著作者は従業者である。
  • 5職務著作が成立するためには、従業者が法人等と雇用関係にあることが条文上明記されている。
解説:【正解】1(他の4肢はどこかに誤りを含む)
著作権法15条1項は、(1)法人等の発意、(2)法人等の業務に従事する者が職務上作成、(3)法人等の著作名義での公表、(4)別段の定めがないことを要件とし、法人等が著作者となる。著作者となる以上、著作者人格権も法人等に帰属する。プログラムの著作物については公表名義の要件が不要(15条2項)。「業務に従事する者」は雇用関係に限られず実質的に判断される。
問4
著作者人格権に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • ✔著作者人格権は、相続の対象となる。
  • 2同一性保持権は、著作者の意に反する改変を受けない権利である。
  • 3著作者が存しなくなった後も、一定の行為が禁止される。
  • 4著作者人格権は、著作者の一身に専属し、譲渡することができない。
  • 5著作者人格権には、公表権、氏名表示権及び同一性保持権が含まれる。
解説:【正解】1(「誤り・不適切」を選ぶ問題。残る4肢は正しい記述なので、そのまま知識として整理できる)
著作権法59条により著作者人格権は一身専属であり、譲渡はもとより相続の対象ともならない。公表権(18条)、氏名表示権(19条)、同一性保持権(20条)の3つからなる。著作者の死後も人格的利益の保護のため一定の行為が禁止される(60条)。
★ポイント:著作者人格権=公表権・氏名表示権・同一性保持権。一身専属で譲渡不可(59条)。著作者の死後も一定の保護(60条)。法人著作(15条)の要件(発意・職務上作成・法人名義公表・別段の定めなし)も頻出。
問5
著作権(著作財産権)に含まれる権利に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 1二次的著作物の利用に関する原著作者の権利が含まれる。
  • ✔同一性保持権が含まれる。
  • 3譲渡権及び貸与権が含まれる。
  • 4翻訳権、翻案権等が含まれる。
  • 5複製権、上演権及び演奏権、公衆送信権が含まれる。
解説:【正解】2(「誤り・不適切」を選ぶ問題。残る4肢は正しい記述なので、そのまま知識として整理できる)
同一性保持権(20条)は著作者人格権であり、著作権(著作財産権)には含まれない。著作権は複製権(21条)、上演権・演奏権(22条)、上映権(22条の2)、公衆送信権等(23条)、口述権(24条)、展示権(25条)、頒布権(26条)、譲渡権(26条の2)、貸与権(26条の3)、翻訳権・翻案権等(27条)、二次的著作物の利用に関する原著作者の権利(28条)からなる。
問6
私的使用のための複製に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • ✔個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用することを目的とするときは、原則としてその使用する者が複製することができる。
  • 2私的使用目的であれば、公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器を用いて複製することもできる。
  • 3私的使用のための複製には、複製の主体についての制限はない。
  • 4私的使用目的であれば、著作権を侵害する自動公衆送信であることを知りながら行うデジタル方式の録音・録画も適法である。
  • 5私的使用のための複製については、補償金の制度は存在しない。
解説:【正解】1(他の4肢はどこかに誤りを含む)
30条1項柱書により、私的使用目的の複製は「その使用する者が」複製する場合に限られる。1号により公衆用自動複製機器を用いる複製、2号により技術的保護手段の回避による複製、3号・4号により違法配信からの録音録画・侵害著作物のダウンロードは除外される。私的録音録画補償金の制度がある(30条3項)。
★ポイント:権利制限:私的使用のための複製(30条・違法ダウンロードの除外に注意)、引用(32条:公正な慣行・正当な範囲、出所明示)、教育・図書館・非営利無料の上演等、それぞれの要件を条文単位で正確に。
問7
著作物の引用に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • ✔公表された著作物は、公正な慣行に合致し、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われるものであれば、引用して利用することができる。
  • 2引用に際して出所を明示する必要はない。
  • 3引用された著作物について、同一性保持権が及ぶことはない。
  • 4引用が認められるためには、著作権者の許諾が必要である。
  • 5未公表の著作物であっても、自由に引用することができる。
解説:【正解】1(他の4肢はどこかに誤りを含む)
32条1項により、公表された著作物は公正な慣行に合致し引用の目的上正当な範囲内であれば引用して利用できる。判例上、明瞭区別性と主従関係が求められる。出所の明示が必要(48条1項1号)。権利制限規定であるため許諾は不要だが、著作者人格権(同一性保持権等)には影響しない(50条)。
★ポイント:著作物=思想又は感情を創作的に表現したものであって文芸・学術・美術・音楽の範囲に属するもの。アイデア・事実・ありふれた表現は保護されない。プログラムは著作物、プログラム言語・規約・解法は除外。
問8
共同著作物に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1共同著作物の侵害に対して、各著作者が単独で差止請求をすることはできない。
  • 2共同著作物とは、二人以上の者が共同して創作した著作物であって、各人の寄与を分離して個別的に利用できるものをいう。
  • 3共同著作物の各著作者は、単独で著作権を行使することができる。
  • ✔共同著作物の著作者人格権は、著作者全員の合意によらなければ行使することができない。
  • 5共有著作権については、各共有者は正当な理由の有無にかかわらず合意の成立を妨げることができる。
解説:【正解】4(他の4肢はどこかに誤りを含む)
64条1項により著作者人格権は全員の合意によらなければ行使できず、65条2項により共有著作権も全員の合意によらなければ行使できない。ただし各共有者は正当な理由がない限り合意の成立を妨げることができない(64条2項、65条3項)。共同著作物は各人の寄与を分離して個別的に利用することが「できない」もの(2条1項12号)。117条により各著作者は単独で差止請求等ができる。
★ポイント:著作物=思想又は感情を創作的に表現したものであって文芸・学術・美術・音楽の範囲に属するもの。アイデア・事実・ありふれた表現は保護されない。プログラムは著作物、プログラム言語・規約・解法は除外。

不正競争防止法全49問中 8問を掲載

問1
不正競争防止法2条1項1号及び2号に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • ✔1号は他人の周知な商品等表示と同一又は類似の表示を使用して混同を生じさせる行為を、2号は他人の著名な商品等表示と同一又は類似の表示を自己の商品等表示として使用する行為を規定する。
  • 21号の適用には、当該表示が全国的に著名であることが必要である。
  • 32号の適用には、混同のおそれが必要である。
  • 41号及び2号の保護を受けるためには、商標登録を受けていることが必要である。
  • 51号及び2号の対象となる商品等表示には、商品の形態は含まれない。
解説:【正解】1(他の4肢はどこかに誤りを含む)
2条1項1号は周知表示混同惹起行為(周知性+混同のおそれが必要)、2号は著名表示冒用行為(著名性を要するが混同のおそれは不要)を規定する。1号の周知性は需要者の間に広く認識されていれば足り全国的である必要はない。登録は不要。商品の形態も出所表示機能を獲得すれば商品等表示に含まれ得る。
★ポイント:不競法2条1項:1号(周知表示混同惹起=混同要件あり)・2号(著名表示冒用=混同不要)・3号(形態模倣=日本国内で最初に販売された日から3年、機能確保に不可欠な形態は除外)。
問2
商品形態模倣行為(不正競争防止法2条1項3号)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1形態模倣行為の成立には、周知性が必要である。
  • 2善意・無重過失で譲り受けた者による譲渡についても、差止請求をすることができる。
  • ✔他人の商品の形態を模倣した商品を譲渡等する行為は、日本国内において最初に販売された日から3年を経過するまでの間、不正競争となる。
  • 4保護期間は、最初に販売された日から10年である。
  • 5同種の商品が通常有する形態も、保護の対象となる。
解説:【正解】3(他の4肢はどこかに誤りを含む)
不正競争防止法19条1項の適用除外により、日本国内において最初に販売された日から3年を経過した商品については3号の適用が除外される。同種の商品が通常有する形態は保護対象から除かれる(2条4項)。周知性は不要である点が1号と異なる。善意・無重過失で譲り受けた者による譲渡等にも適用除外がある。
★ポイント:不競法2条1項:1号(周知表示混同惹起=混同要件あり)・2号(著名表示冒用=混同不要)・3号(形態模倣=日本国内で最初に販売された日から3年、機能確保に不可欠な形態は除外)。
問3
営業秘密に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1有用性の要件は、営業秘密の定義に含まれていない。
  • 2営業秘密として保護されるためには、特許庁への届出が必要である。
  • 3営業秘密に係る不正競争については、刑事罰の規定はない。
  • 4公然と知られている情報であっても、秘密として管理していれば営業秘密となる。
  • ✔営業秘密とは、秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないものをいう。
解説:【正解】5(他の4肢はどこかに誤りを含む)
不正競争防止法2条6項は営業秘密の3要件として(1)秘密管理性、(2)有用性、(3)非公知性を定める。届出等の手続は不要。営業秘密侵害については差止め・損害賠償に加え刑事罰(21条)も規定されている。なお平成30年改正により限定提供データ(2条7項)の保護も導入された。
★ポイント:営業秘密の3要件=秘密管理性・有用性・非公知性。不正取得・使用・開示の各行為類型(2条1項4〜10号)と、限定提供データ(11〜16号)の区別。
問4
限定提供データに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1限定提供データの保護は、平成5年の法制定当初から設けられていた。
  • 2限定提供データは、秘密として管理されていることが要件である。
  • 3公然と知られている情報も、限定提供データとして保護される。
  • ✔限定提供データとは、業として特定の者に提供する情報として電磁的方法により相当量蓄積され、及び管理されている技術上又は営業上の情報をいう。
  • 5限定提供データに係る不正競争については、差止請求をすることができない。
解説:【正解】4(他の4肢はどこかに誤りを含む)
2条7項により、限定提供データとは業として特定の者に提供する情報として電磁的方法により相当量蓄積され及び管理されている技術上又は営業上の情報であって、秘密として管理されているものを除くと定義される(営業秘密との住み分け)。平成30年改正で導入された。秘密管理性は要件ではなく、逆に営業秘密に該当するものは除かれる。差止請求(3条)・損害賠償請求(4条)の対象となる。
問5
ドメイン名に係る不正競争に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1ドメイン名の不正取得については、目的の如何を問わず不正競争となる。
  • 2ドメイン名に係る不正競争が成立するためには、混同のおそれが必要である。
  • 3ドメイン名を保有するにとどまる行為は、不正競争とならない。
  • ✔不正の利益を得る目的又は他人に損害を加える目的で、他人の特定商品等表示と同一又は類似のドメイン名を使用する権利を取得し、若しくは保有し、又はそのドメイン名を使用する行為は、不正競争となる。
  • 5ドメイン名に関する規定は、不正競争防止法には存在しない。
解説:【正解】4(他の4肢はどこかに誤りを含む)
2条1項19号は、図利加害目的で他人の特定商品等表示と同一・類似のドメイン名を使用する権利を取得・保有し、又は使用する行為を不正競争とする(平成13年改正)。目的要件が必要であり、混同のおそれは要件ではない。保有するにとどまる行為も対象となる。
★ポイント:誤認惹起表示(20号)・信用毀損(21号)・代理人等の商標冒用(22号)・ドメイン名の不正取得(19号)など、各号の要件(不正の利益を得る目的等)の有無を対比。
問6
不正競争防止法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • ✔不正競争による損害賠償請求権については、消滅時効の特則が定められていない。
  • 2商品若しくは役務又はその広告等にその商品の原産地、品質、内容等について誤認させるような表示をする行為は、不正競争となる。
  • 3営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者は、差止めを請求することができる。
  • 4競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知し、又は流布する行為は、不正競争となる。
  • 5パリ条約の同盟国等において商標に関する権利を有する者の代理人等が、正当な理由なくその商標と同一・類似の商標を使用する行為は、不正競争となる。
解説:【正解】1(「誤り・不適切」を選ぶ問題。残る4肢は正しい記述なので、そのまま知識として整理できる)
15条により、営業秘密・限定提供データに係る一定の不正競争についての差止請求権は、使用の事実等を知った時から3年、使用開始の時から20年の期間制限が定められている。20号が原産地等誤認惹起、21号が信用毀損、22号が代理人等の商標無断使用。3条が差止請求権。
★ポイント:誤認惹起表示(20号)・信用毀損(21号)・代理人等の商標冒用(22号)・ドメイン名の不正取得(19号)など、各号の要件(不正の利益を得る目的等)の有無を対比。
問7
不正競争防止法における損害及び適用除外に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • ✔侵害者が侵害の行為により受けた利益の額は、営業上の利益を侵害された者が受けた損害の額と推定される。
  • 2自己の氏名を不正の目的でなく使用する行為についても、不正競争として差止請求をすることができる。
  • 3不正競争防止法には、信用回復措置の規定がない。
  • 4普通名称を普通に用いられる方法で使用する行為についても、周知表示混同惹起行為として差止請求をすることができる。
  • 5不正競争防止法には、損害額の推定に関する規定がない。
解説:【正解】1(他の4肢はどこかに誤りを含む)
5条2項により、侵害者が受けた利益の額は被侵害者が受けた損害の額と推定される(1項は数量に基づく算定、3項は使用料相当額)。19条1項1号により普通名称・慣用表示の普通に用いられる方法での使用、同項2号により自己の氏名の不正目的でない使用等は適用除外となる。信用回復措置は14条に規定がある。
★ポイント:損害額の推定等(102条):1項(譲渡数量×単位利益、実施能力・特定数量の控除+令和元年改正でライセンス相当額の併用可)・2項(侵害者利益の推定)・3項(実施料相当額)。
問8
不正競争防止法の目的に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1文化の発展に寄与することを目的とする。
  • 2営業秘密の保護のみを目的とする。
  • 3消費者の保護のみを目的とする。
  • ✔事業者間の公正な競争及びこれに関する国際約束の的確な実施を確保するため、不正競争の防止及び不正競争に係る損害賠償に関する措置等を講じ、もって国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
  • 5産業の発達に寄与することを目的とする。
解説:【正解】4(他の4肢はどこかに誤りを含む)
不正競争防止法1条は、事業者間の公正な競争及びこれに関する国際約束の的確な実施を確保するため、不正競争の防止及び不正競争に係る損害賠償に関する措置等を講じ、もって国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする旨を定める。「産業の発達」(特許法等)、「文化の発展」(著作権法)との相違が問われる。
★ポイント:誤認惹起表示(20号)・信用毀損(21号)・代理人等の商標冒用(22号)・ドメイン名の不正取得(19号)など、各号の要件(不正の利益を得る目的等)の有無を対比。

四法横断全65問中 8問を掲載

問1
産業財産権の存続期間に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1意匠権は出願日から20年である。
  • ✔特許権は出願日から20年、実用新案権は出願日から10年、意匠権は出願日から25年、商標権は設定登録日から10年である。
  • 3実用新案権は出願日から6年である。
  • 4特許権は設定登録日から20年、意匠権は設定登録日から25年である。
  • 5商標権は設定登録日から20年である。
解説:【正解】2(他の4肢はどこかに誤りを含む)
特許法67条1項(出願日から20年)、実用新案法15条(出願日から10年)、意匠法21条1項(出願日から25年。令和元年改正)、商標法19条1項(設定登録日から10年、更新可)。起算点が商標のみ設定登録日である点が最重要。
★ポイント:特許権の存続期間は出願日から20年。延長登録:医薬品等の処分待ち期間(5年限度)と期間補償(審査遅延)の2制度がある。
問2
産業財産権の存続期間の更新に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1意匠権については、1回に限り更新することができる。
  • 2商標権の更新は、2回までに限られる。
  • ✔存続期間の更新が認められるのは商標権のみであり、特許権・実用新案権・意匠権については更新制度がない。
  • 4実用新案権については、更新登録の制度がある。
  • 5特許権についても、更新登録により存続期間を更新することができる。
解説:【正解】3(他の4肢はどこかに誤りを含む)
創作の保護を目的とする特許・実用新案・意匠は一定期間経過後に公有に帰すべきものとして更新が認められない。これに対し商標は業務上の信用の保護を目的とするため、20条により何度でも更新できる。防護標章登録に基づく権利も更新可能(65条の2)。
★ポイント:特許権の存続期間は出願日から20年。延長登録:医薬品等の処分待ち期間(5年限度)と期間補償(審査遅延)の2制度がある。
問3
産業財産権に関する登録に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • ✔通常実施権(通常使用権)は、登録しなければその後に権利を取得した者に対抗することができない。
  • 2特許権の移転(相続その他の一般承継によるものを除く)は、登録しなければ効力を生じない。
  • 3産業財産権を目的とする質権の設定、移転等は、登録しなければ効力を生じない。
  • 4専用実施権(専用使用権)の設定、移転等は、登録しなければ効力を生じない。
  • 5相続その他の一般承継による移転は、登録しなくても効力を生じるが、遅滞なく届け出なければならない。
解説:【正解】1(「誤り・不適切」を選ぶ問題。残る4肢は正しい記述なので、そのまま知識として整理できる)
平成23年改正により通常実施権の登録制度は廃止され、当然対抗制度に移行した(特許法99条、実用新案法19条3項、意匠法28条3項、商標法31条4項による準用)。登録は不要である。特許法98条の効力発生要件は四法に共通する。
問4
無効審判の請求人適格に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1意匠登録無効審判は、何人も請求することができる。
  • ✔特許・実用新案・意匠・商標のいずれについても、無効審判は原則として利害関係人に限り請求することができる。
  • 3無効審判の請求人適格については、法律上の制限がない。
  • 4商標登録無効審判は、何人も請求することができる。
  • 5特許無効審判は、何人も請求することができる。
解説:【正解】2(他の4肢はどこかに誤りを含む)
平成26年改正により特許無効審判の請求人適格が利害関係人に限定された(特許法123条2項)。実用新案法37条2項、意匠法48条2項、商標法46条2項も同様。これに対し商標法50条の不使用取消審判、51条・53条の不正使用取消審判は何人も請求できる。
★ポイント:特許無効審判(123条):利害関係人のみ請求可(冒認・共同出願違反は特許を受ける権利を有する者)、期間制限なし(特許権消滅後も可)。審決取消訴訟は知財高裁専属・出訴期間30日。
問5
無効審判の除斥期間に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1商標登録無効審判には、除斥期間の定めがない。
  • 2意匠登録無効審判には、設定の登録の日から3年の除斥期間がある。
  • 3すべての無効理由について、除斥期間が適用される。
  • 4特許無効審判にも、設定の登録の日から5年の除斥期間がある。
  • ✔設定の登録の日から5年の除斥期間が定められているのは商標法のみであり、特許法・実用新案法・意匠法には除斥期間の定めがない。
解説:【正解】5(他の4肢はどこかに誤りを含む)
商標法47条1項が一定の無効理由について設定登録日から5年の除斥期間を定める(不正競争の目的・不正の目的による登録は除外)。商標は使用による信用の蓄積を保護するため法的安定性が重視される。特許・実用新案・意匠には除斥期間の定めがなく、権利消滅後も無効審判を請求できる。
★ポイント:特許無効審判(123条):利害関係人のみ請求可(冒認・共同出願違反は特許を受ける権利を有する者)、期間制限なし(特許権消滅後も可)。審決取消訴訟は知財高裁専属・出訴期間30日。
問6
登録異議の申立てに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1異議申立ての制度は、四法すべてに設けられている。
  • 2特許異議の申立ては、利害関係人に限り行うことができる。
  • 3意匠法にも、登録異議の申立ての制度がある。
  • 4実用新案法にも、登録異議の申立ての制度がある。
  • ✔異議申立ての制度が設けられているのは特許法と商標法であり、申立期間は特許が公報発行日から6月、商標が2月である。
解説:【正解】5(他の4肢はどこかに誤りを含む)
特許法113条(公報発行日から6月、何人も)、商標法43条の2(公報発行日から2月、何人も)に異議申立て制度がある。意匠法には創設されておらず、実用新案法では平成5年改正により廃止された(無審査主義のため)。
★ポイント:特許異議申立て:特許掲載公報発行から6月以内に「何人も」可能。審理は書面審理。取消理由通知に対し訂正の請求が可能。維持決定に不服申立て不可(取消決定には知財高裁へ)。
問7
権利設定後の内容の是正制度に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • ✔特許法には訂正審判及び訂正の請求があり、実用新案法には訂正書による訂正があるが、意匠法及び商標法には訂正制度がない。
  • 2商標法には、指定商品の減縮を目的とする訂正審判の制度がある。
  • 3実用新案法にも訂正審判の制度がある。
  • 4四法すべてに訂正審判の制度がある。
  • 5意匠法にも訂正の請求の制度がある。
解説:【正解】1(他の4肢はどこかに誤りを含む)
特許法126条(訂正審判)・134条の2(訂正の請求)、実用新案法14条の2(訂正書。請求項の削除を除き原則1回)がある。意匠は図面等により意匠が特定されるため、商標は商標及び指定商品が明確であるため、訂正制度は設けられていない(商標では指定商品の一部放棄等で対応)。
★ポイント:訂正審判(126条):特許請求の範囲の減縮・誤記誤訳の訂正・明瞭でない記載の釈明・請求項間の引用関係の解消が目的。実質上の拡張・変更は不可。無効審判係属中は訂正審判を請求できず訂正の請求による。
問8
出願公開及び出願審査の請求に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1四法すべてに出願公開の制度がある。
  • 2商標法にも出願審査の請求の制度がある。
  • ✔出願公開の制度があるのは特許法(出願日から1年6月)と商標法(出願後速やかに)であり、出願審査の請求の制度があるのは特許法のみである。
  • 4実用新案法にも出願公開の制度がある。
  • 5意匠法にも出願公開の制度がある。
解説:【正解】3(他の4肢はどこかに誤りを含む)
特許法64条(1年6月)、商標法12条の2(出願があったときは出願公開しなければならない)。意匠は登録前の公開が模倣を招くため出願公開制度がなく、実用新案は無審査で早期に登録公報が発行されるため制度がない。出願審査請求は特許法48条の3のみ。
★ポイント:出願公開(64条):出願日(優先日ではなく最先の日基準)から1年6月経過後。出願人の請求による早期公開も可(請求の取下げ不可)。補償金請求権は警告+設定登録後に行使可能。