分野別問題(解説つき)

准看護師試験|分野別 問題インデックス

最終更新:2026年8月11日

准看護師試験は14科目から出題されます。分野別に代表問題を掲載しています。全1000問をまとめて解くならトレーナーへ進んでください。

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人体の仕組みと働き全112問中 8問を掲載

問1
成人の安静時における正常な心拍数はどれか。
  • 120〜40回/分
  • 240〜60回/分
  • ✔60〜80回/分
  • 4100〜120回/分
  • 5120〜140回/分
解説:【なぜ正解か】成人の安静時心拍数は60〜80回/分が基準。心臓が全身に血液を送るのに過不足のない回数で、これを外れると循環に影響が出る。
【誤答の理由】60回/分未満は徐脈、100回/分以上は頻脈。20〜40回/分は完全房室ブロックなど、120回/分以上は発熱・脱水・出血・心不全などで生じる異常値。
【関連知識】新生児は120〜140回/分と多く、成長とともに減少する。心拍数と脈拍数が一致しない場合(脈拍欠損)は心房細動や期外収縮を疑い、両者を同時に測定する。
問2
赤血球の主な働きはどれか。
  • ✔酸素の運搬
  • 2抗体の産生
  • 3異物の貪食
  • 4血液凝固因子の産生
  • 5止血
解説:【なぜ正解か】赤血球に含まれるヘモグロビンが肺で酸素と結合し、全身の組織へ運搬する。組織では酸素を放し、二酸化炭素の一部も運ぶ。
【誤答の理由】止血は血小板と凝固因子、抗体産生は形質細胞(B細胞由来)、異物の貪食は好中球・単球(マクロファージ)、凝固因子の産生は肝臓の役割。
【関連知識】赤血球の寿命は約120日で、古くなると脾臓で破壊される。産生には鉄・ビタミンB12・葉酸と、腎臓から出るエリスロポエチンが必要。腎不全で貧血になるのはこのためである。
問3
胆汁を産生する臓器はどれか。
  • 1膵臓
  • ✔肝臓
  • 3十二指腸
  • 4脾臓
  • 5胆嚢
解説:【なぜ正解か】胆汁は肝臓の肝細胞で1日約500〜800mL産生される。脂肪を乳化して消化酵素が働きやすくする働きをもつ。
【誤答の理由】胆嚢は産生ではなく貯蔵と濃縮を行う器官。膵臓は膵液(消化酵素)、脾臓は免疫と赤血球の処理、十二指腸は胆汁の受け入れ先である。
【関連知識】胆汁自体には消化酵素は含まれない。胆道が閉塞すると胆汁が腸へ流れず、白色便・黄疸・掻痒感が出現する。胆嚢摘出後も肝臓で胆汁は作られるため消化は可能である。
問4
体温調節中枢が存在するのはどれか。
  • 1脊髄
  • 2大脳皮質
  • ✔視床下部
  • 4延髄
  • 5小脳
解説:【なぜ正解か】体温調節中枢は間脳の視床下部にある。ここがセットポイントを決め、産熱と放熱のバランスを自律神経を介して調整する。
【誤答の理由】延髄は呼吸・心臓・血管運動・嚥下・嘔吐の中枢、小脳は平衡と運動の協調、大脳皮質は高次機能を担う。
【関連知識】視床下部は体温のほか、摂食・飲水・睡眠・情動・内分泌(下垂体の支配)の中枢でもある。感染時は発熱物質によりセットポイントが上がり、これに体温が追いつくまで悪寒戦慄が生じる。
問5
成人の全血液量は体重の約何%か。
  • 1約1%
  • 2約3%
  • ✔約8%
  • 4約15%
  • 5約20%
解説:【なぜ正解か】成人の全血液量は体重の約8%(およそ1/13)。体重50kgなら約4L、60kgなら約4.8Lとなる。
【誤答の理由】約1%や3%では生命維持に必要な循環血液量に足りず、15%や20%は過大な見積もりである。
【関連知識】全血液量の約20%を失うと出血性ショックの危険が生じ、約1/3を急速に失うと生命に関わる。血液の内訳は血漿が約55%、血球成分が約45%である。
問6
インスリンを分泌するのはどれか。
  • 1副腎皮質
  • 2下垂体前葉
  • 3膵ランゲルハンス島A(α)細胞
  • ✔膵ランゲルハンス島B(β)細胞
  • 5甲状腺濾胞細胞
解説:【なぜ正解か】インスリンは膵ランゲルハンス島のB(β)細胞から分泌され、血糖を細胞内へ取り込ませて血糖値を下げる唯一のホルモンである。
【誤答の理由】A(α)細胞はグルカゴンを分泌して血糖を上げる。甲状腺は代謝、副腎皮質はコルチゾール、下垂体前葉は成長ホルモンなどを分泌する。
【関連知識】血糖を上げるホルモンはグルカゴン・アドレナリン・コルチゾール・成長ホルモンと複数あるのに対し、下げるのはインスリンだけ。この非対称性が糖尿病の起こりやすさの背景にある。
問7
呼吸中枢が存在するのはどれか。
  • 1脊髄
  • 2大脳
  • 3間脳
  • 4中脳
  • ✔延髄
解説:【なぜ正解か】呼吸中枢は脳幹の延髄にある。血液中の二酸化炭素濃度を感知して呼吸のリズムと深さを自動的に調節している。
【誤答の理由】大脳は随意的な呼吸の調節には関わるが、自動的なリズムは作らない。中脳・間脳・脊髄に呼吸の基本リズムを生む中枢はない。
【関連知識】延髄は「生命の座」と呼ばれ、心臓・血管運動・嚥下・咳嗽・嘔吐の中枢も集まる。延髄が障害されると自発呼吸が停止する。脳ヘルニアで延髄が圧迫されるのが致命的なのはこのためである。
問8
骨格筋について正しいのはどれか。
  • ✔横紋筋であり随意筋である
  • 2自動能をもつ
  • 3主に内臓壁を構成する
  • 4平滑筋である
  • 5不随意筋である
解説:【なぜ正解か】骨格筋は顕微鏡で横縞(横紋)が見え、自分の意思で動かせる随意筋である。運動神経(体性神経)に支配される。
【誤答の理由】平滑筋は内臓や血管壁を構成する不随意筋。自動能をもつのは心筋(および平滑筋の一部)で、心筋は横紋筋でありながら不随意筋という例外的存在である。
【関連知識】筋の分類は「横紋の有無」と「随意か不随意か」の2軸で整理する。骨格筋=横紋・随意、心筋=横紋・不随意、平滑筋=横紋なし・不随意、と覚えると混同しない。

食生活と栄養全56問中 8問を掲載

問1
三大栄養素に含まれるのはどれか。
  • 1食物繊維
  • 2ビタミン
  • 3ミネラル
  • ✔たんぱく質
  • 5水
解説:【なぜ正解か】三大栄養素は糖質(炭水化物)・脂質・たんぱく質の3つ。エネルギー源となり、身体を構成する材料にもなる。
【誤答の理由】ビタミンとミネラルはエネルギーを産生せず、身体の調子を整える働きをもつ。水と食物繊維も同様にエネルギー源ではない。
【関連知識】三大栄養素にビタミン・ミネラルを加えて五大栄養素という。食物繊維を第六の栄養素と呼ぶこともある。エネルギー産生栄養素バランスは糖質50〜65%、脂質20〜30%、たんぱく質13〜20%が目安。
問2
糖質1gから得られるエネルギー量はどれか。
  • 11kcal
  • ✔4kcal
  • 37kcal
  • 49kcal
  • 512kcal
解説:【なぜ正解か】糖質は1gあたり4kcalのエネルギーを産生する。最も利用されやすく、脳や赤血球の主要なエネルギー源となる。
【誤答の理由】9kcalは脂質、7kcalはアルコールの値。1kcalや12kcalに該当する栄養素はない。
【関連知識】糖質4・たんぱく質4・脂質9・アルコール7(kcal/g)はアトウォーター係数と呼ばれ、必ず覚えておきたい数値。エネルギー計算問題の基礎になる。
問3
脂質1gから得られるエネルギー量はどれか。
  • 12kcal
  • 24kcal
  • 37kcal
  • ✔9kcal
  • 512kcal
解説:【なぜ正解か】脂質は1gあたり9kcalと、三大栄養素の中で最も効率よくエネルギーを産生する。少量で高カロリーを摂取できる。
【誤答の理由】4kcalは糖質とたんぱく質、7kcalはアルコールの値である。
【関連知識】この高効率さゆえに、食が細い高齢者や低栄養患者には脂質を活用した栄養補給が有効。一方で肥満や脂質異常症では摂取を控える対象となる。細胞膜やホルモンの材料でもあり、極端な制限は避ける。
問4
ビタミンKの欠乏により生じやすいのはどれか。
  • 1脚気
  • 2夜盲症
  • 3壊血病
  • 4くる病
  • ✔出血傾向
解説:【なぜ正解か】ビタミンKは肝臓で血液凝固因子(プロトロンビンなど)を合成する際に不可欠。欠乏すると凝固が障害され出血傾向となる。
【誤答の理由】夜盲症はビタミンA、壊血病はビタミンC、くる病はビタミンD、脚気はビタミンB1の欠乏症である。
【関連知識】新生児は腸内細菌が未熟でビタミンKが不足しやすく、新生児メレナや頭蓋内出血を防ぐためビタミンK2シロップを投与する。抗凝固薬ワルファリンはビタミンKの働きを妨げることで効果を発揮する。
問5
血液透析を受けている患者への食事指導で適切なのはどれか。
  • ✔食塩を制限する
  • 2リンの多い食品を勧める
  • 3たんぱく質を積極的に多く摂る
  • 4生野菜や果物を多く摂りカリウムを補う
  • 5水分は制限しなくてよい
解説:【なぜ正解か】透析患者では腎臓から水分と塩分を排泄できないため、食塩制限が体液貯留・高血圧・心不全の予防に直結する。
【誤答の理由】カリウムの多い生野菜・果物は高カリウム血症から心停止を招く危険があり制限する。水分・リンも制限が必要。たんぱく質は透析で失われる分を考慮した適量とし、極端な高たんぱくにはしない。
【関連知識】制限の柱は「塩分・水分・カリウム・リン」の4つ。野菜は小さく切って茹でこぼす、果物は缶詰のシロップを残すなど、具体的な調理の工夫を指導する。
問6
ビタミンB1の欠乏で生じるのはどれか。
  • 1骨軟化症
  • ✔脚気
  • 3夜盲症
  • 4壊血病
  • 5悪性貧血
解説:【なぜ正解か】ビタミンB1(チアミン)は糖質代謝の補酵素。欠乏すると末梢神経障害と心不全を主症状とする脚気を生じる。
【誤答の理由】夜盲症はビタミンA、壊血病はビタミンC、悪性貧血はビタミンB12、骨軟化症はビタミンDの欠乏による。
【関連知識】アルコール多飲者、偏食者、長期の輸液のみの管理では欠乏しやすく、ウェルニッケ脳症(眼球運動障害・失調・意識障害)を起こす。糖を含む輸液を先に投与すると症状が悪化するため、B1の補充を優先する。
問7
必須アミノ酸の説明として正しいのはどれか。
  • 1乳児にのみ必要なアミノ酸
  • 2体内で十分に合成できるアミノ酸
  • ✔体内で合成できず食事から摂取する必要があるアミノ酸
  • 4エネルギー源にならないアミノ酸
  • 5脂質から作られるアミノ酸
解説:【なぜ正解か】必須アミノ酸は体内で合成できない、または必要量を合成できないため、食事から摂取しなければならないアミノ酸である。成人では9種類。
【誤答の理由】体内で十分合成できるものは非必須アミノ酸。必須アミノ酸もエネルギー源になり、乳児に限った概念でもない。脂質からは作られない。
【関連知識】9種類すべてをバランスよく含む食品ほどアミノ酸スコアが高く、肉・魚・卵・大豆製品が優秀。穀類はリジンが少ないため、ご飯と大豆(味噌汁・納豆)の組み合わせは補い合う好例である。
問8
食物繊維の働きとして正しいのはどれか。
  • 1骨を形成する
  • 2酸素を運搬する
  • 3主要なエネルギー源となる
  • ✔便通を整え腸内環境を改善する
  • 5たんぱく質の材料となる
解説:【なぜ正解か】食物繊維は消化されずに大腸まで届き、便のかさを増して腸を刺激し排便を促す。腸内細菌のエサとなり腸内環境も改善する。
【誤答の理由】消化されないためエネルギー源にはほぼならない。たんぱく質の材料や骨の形成、酸素運搬の働きもない。
【関連知識】不溶性繊維(野菜・穀類)は便のかさを増やし、水溶性繊維(海藻・果物)は血糖上昇を緩やかにしコレステロールを下げる。摂取目標は成人で1日18〜21g以上。弛緩性便秘には有効だが、けいれん性便秘では刺激の強い不溶性繊維を控える。

薬物と看護全75問中 8問を掲載

問1
麻薬の保管方法で正しいのはどれか。
  • 1一般の内服薬と同じ薬品棚に保管する
  • ✔鍵をかけた堅固な設備(金庫)に保管する
  • 3冷所であれば施錠は不要である
  • 4使用後の残液は流しに廃棄する
  • 5出納の記録は不要である
解説:【なぜ正解か】麻薬及び向精神薬取締法により、麻薬は鍵をかけた堅固な設備(金庫等)に、他の医薬品と区別して保管することが定められている。
【誤答の理由】一般薬と同じ棚での保管、冷所であれば施錠不要、といった扱いはいずれも法令違反。残液は勝手に廃棄できず、帳簿の記載も義務である。
【関連知識】金庫は移動しにくいよう固定する。使用後のアンプル残液や空アンプルは麻薬管理者に返却し、廃棄は複数名の立会いのもとで記録を残す。施用できるのは麻薬施用者免許をもつ医師等に限られる。
問2
与薬の6R(誤薬防止の原則)に含まれないのはどれか。
  • 1正しい薬剤
  • 2正しい用量
  • ✔正しい価格
  • 4正しい時間
  • 5正しい患者
解説:【なぜ正解か】6Rは正しい患者・薬剤・用量・用法(経路)・時間・目的(記録)の6つ。薬価や価格は誤薬防止の観点に含まれない。
【誤答の理由】患者・薬剤・用量・時間はいずれも6Rの正規の項目であり、誤ればそのまま事故につながる。
【関連知識】かつては5Rだったが「正しい目的」を加えて6Rとするのが一般的。これに「正しい記録」を加えて7Rとする考え方もある。薬袋を取り出す時・準備する時・戻す(投与する)時の3回確認と組み合わせて実施する。
問3
最も速やかに薬効が現れる与薬経路はどれか。
  • 1経口
  • 2皮下注射
  • 3筋肉内注射
  • ✔静脈内注射
  • 5経皮
解説:【なぜ正解か】静脈内注射は薬剤が直接循環血液中に入るため、吸収の過程を経ず最も速やかに効果が現れる。
【誤答の理由】経口は消化管での吸収と肝臓での初回通過効果を受けるため最も遅い。皮下・筋肉内は組織からの吸収を要し、経皮はさらに緩徐である。
【関連知識】効果が速い分、副作用も急激に出現する。投与中と投与直後の観察が特に重要で、アナフィラキシーに備えた準備が求められる。吸収速度は静脈内>筋肉内>皮下>経口の順と覚える。
問4
ワルファリンカリウム内服中の患者が避けるべき食品はどれか。
  • 1白米
  • 2鶏卵
  • 3りんご
  • 4牛乳
  • ✔納豆
解説:【なぜ正解か】納豆はビタミンKを非常に多く含み、しかも腸内で納豆菌がビタミンKを産生し続けるため、ワルファリンの抗凝固作用を強く減弱させる。
【誤答の理由】牛乳・白米・鶏卵・りんごはビタミンK含有量が少なく、通常の摂取では影響しない。
【関連知識】クロレラ食品と青汁も同様の理由で禁忌。ほうれん草などの緑黄色野菜は完全禁止ではなく大量摂取を避ける。ワルファリン内服中はPT-INRで効果を評価し、出血傾向(歯肉出血・血尿・皮下出血)を観察する。
問5
副腎皮質ステロイド薬の長期投与による副作用でないのはどれか。
  • ✔低血圧
  • 2満月様顔貌
  • 3易感染性
  • 4骨粗鬆症
  • 5高血糖
解説:【なぜ正解か】ステロイドは鉱質コルチコイド作用によりナトリウムと水を貯留させるため、低血圧ではなく高血圧をきたす。
【誤答の理由】満月様顔貌(ムーンフェイス)、易感染性、骨粗鬆症、高血糖はいずれもステロイドの代表的な副作用である。
【関連知識】他に消化性潰瘍、中心性肥満、皮膚の菲薄化、不眠、精神症状、白内障・緑内障がある。急な自己中断は副腎不全を招くため、必ず医師の指示で徐々に減量する。感染徴候の早期発見が看護の要点。
問6
インスリン自己注射で最も吸収が速い部位はどれか。
  • 1大腿
  • ✔腹壁
  • 3上腕
  • 4臀部
  • 5足背
解説:【なぜ正解か】インスリンの吸収速度は腹壁が最も速い。皮下脂肪が厚く血流が安定しているため、吸収のばらつきも少ない。
【誤答の理由】吸収速度は腹壁>上腕>大腿>臀部の順で遅くなる。足背は皮下組織が薄く注射部位として用いない。
【関連知識】同一部位への反復注射は硬結(リポハイパートロフィー)を生じ、そこに注射すると吸収が不安定になり血糖コントロールが乱れる。2〜3cmずつずらしてローテーションするよう指導する。運動や入浴も吸収を早める。
問7
抗菌薬の内服指導で正しいのはどれか。
  • 1牛乳で服用すると吸収がよくなる
  • 2症状が改善したら自己判断で中止する
  • ✔指示された期間、確実に飲みきる
  • 4飲み忘れたら次回に2回分をまとめて飲む
  • 5余った薬は家族に譲ってよい
解説:【なぜ正解か】抗菌薬を症状改善だけで中断すると、生き残った菌が再増殖し再燃や耐性菌の出現を招く。指示された期間を飲みきることが原則である。
【誤答の理由】自己判断の中止、2回分のまとめ飲み、他人への譲渡はいずれも危険。牛乳は一部の抗菌薬(テトラサイクリン系・ニューキノロン系)でカルシウムと結合し吸収を妨げる。
【関連知識】薬剤耐性(AMR)対策として、ウイルス性の感冒に抗菌薬は無効であることも説明する。飲み忘れた場合は気づいた時点で1回分を服用し、次回が近ければ1回とばす。
問8
皮内注射の針の刺入角度で適切なのはどれか。
  • ✔皮膚とほぼ平行(0〜10度)
  • 220度
  • 330度
  • 445度
  • 590度
解説:【なぜ正解か】皮内注射は表皮と真皮の間という極めて浅い層に薬液を入れるため、皮膚とほぼ平行(0〜10度)に刺入する。正しく行うと白い膨疹ができる。
【誤答の理由】20〜30度は皮下注射、45〜90度は筋肉内注射の角度。深く刺すと皮下に入り判定できなくなる。
【関連知識】刺入角度は皮内0〜10度、皮下10〜30度、筋肉内45〜90度、静脈内15〜20度と整理する。皮内注射はツベルクリン反応や薬剤アレルギー検査に用いられ、注射後は揉まない。

疾病の成り立ち全76問中 8問を掲載

問1
成人の高血圧(診察室血圧)の基準はどれか。
  • 1120/80mmHg以上
  • 2130/80mmHg以上
  • ✔140/90mmHg以上
  • 4160/100mmHg以上
  • 5180/110mmHg以上
解説:【なぜ正解か】診察室血圧では収縮期140mmHg以上または拡張期90mmHg以上を高血圧と定義する。どちらか一方でも該当すれば高血圧である。
【誤答の理由】120/80mmHg未満が正常血圧、130/80mmHg台は高値血圧の範囲。160/100や180/110はより重症の分類に該当する。
【関連知識】家庭血圧では135/85mmHg以上が基準で、診察室より5mmHg低く設定されている。白衣高血圧や仮面高血圧を見分けるため、家庭血圧の測定と記録が重視される。
問2
糖尿病の三大合併症に含まれるのはどれか。
  • 1気管支喘息
  • 2肝硬変
  • 3甲状腺機能亢進症
  • ✔糖尿病網膜症
  • 5胃潰瘍
解説:【なぜ正解か】糖尿病の三大合併症は網膜症・腎症・神経障害で、いずれも細小血管の障害による。頭文字から「しめじ(神経・目・腎臓)」と覚える。
【誤答の理由】胃潰瘍・気管支喘息・肝硬変・甲状腺機能亢進症は糖尿病の典型的な三大合併症ではない。
【関連知識】網膜症は成人失明の主要原因、腎症は透析導入原因の第1位。神経障害は最も早く出現し、足の傷に気づかず壊疽・切断に至ることがある。大血管障害は「えのき(壊疽・脳梗塞・虚血性心疾患)」と覚える。
問3
わが国で最も頻度の高い貧血はどれか。
  • 1再生不良性貧血
  • 2溶血性貧血
  • 3巨赤芽球性貧血
  • 4腎性貧血
  • ✔鉄欠乏性貧血
解説:【なぜ正解か】鉄欠乏性貧血はわが国で最も頻度が高い貧血で、特に月経のある女性に多い。鉄不足によりヘモグロビンが十分に作れず小球性低色素性貧血となる。
【誤答の理由】再生不良性貧血・溶血性貧血・巨赤芽球性貧血はいずれも頻度が低い。腎性貧血は慢性腎臓病患者に限られる。
【関連知識】特徴的所見はスプーン状爪(匙状爪)、口角炎、異食症(氷を好んで食べるなど)。原因として消化管出血や子宮筋腫が隠れていることがあり、原因検索が重要。鉄剤はビタミンCと摂ると吸収が高まる。
問4
脳梗塞の危険因子として適切でないのはどれか。
  • ✔低体重
  • 2高血圧
  • 3心房細動
  • 4糖尿病
  • 5脂質異常症
解説:【なぜ正解か】低体重は脳梗塞の危険因子ではない。むしろ肥満・メタボリックシンドロームがリスクを高める。
【誤答の理由】高血圧は最大の危険因子、糖尿病と脂質異常症は動脈硬化を進め、心房細動は心内血栓による心原性脳塞栓症を起こす。
【関連知識】脳梗塞は原因により、アテローム血栓性(大血管の動脈硬化)、ラクナ梗塞(細い穿通枝の閉塞)、心原性脳塞栓症(心房細動由来)に分類される。心原性は突然発症し梗塞範囲が大きく重症化しやすい。
問5
急性心筋梗塞の胸痛の特徴はどれか。
  • 1ニトログリセリンで速やかに消失する
  • ✔30分以上持続する
  • 3深呼吸で必ず増強する
  • 4圧迫すると再現できる
  • 5数秒で自然に消失する
解説:【なぜ正解か】心筋梗塞では冠動脈が完全に閉塞して心筋が壊死するため、痛みは30分以上持続し、ニトログリセリンでも消失しない。
【誤答の理由】数秒で消える痛みは心疾患らしくない。安静やニトログリセリンで数分以内に軽快するのは狭心症。深呼吸で増強するのは胸膜炎、圧迫で再現するのは筋骨格系の痛みを示唆する。
【関連知識】痛みは前胸部の締めつけ感で、左肩・頸部・下顎・心窩部への放散痛を伴う。高齢者や糖尿病患者では神経障害により無痛性梗塞となることがあり、呼吸困難や意識障害のみのこともある。
問6
肝硬変にみられない症状はどれか。
  • 1くも状血管腫
  • 2食道静脈瘤
  • ✔多尿
  • 4腹水
  • 5黄疸
解説:【なぜ正解か】肝硬変では低アルブミン血症と門脈圧亢進により腹水が貯留し、体液が血管外へ移動するため尿量はむしろ減少する。多尿はみられない。
【誤答の理由】腹水・黄疸・くも状血管腫・食道静脈瘤はいずれも肝硬変の代表的所見である。
【関連知識】他に手掌紅斑、女性化乳房、羽ばたき振戦(肝性脳症)がある。食道静脈瘤の破裂は大量吐血を起こし致命的。肝性脳症ではたんぱく質を制限し、アンモニア産生を抑えるため便秘を防ぐ。
問7
がんの三大治療に含まれないのはどれか。
  • 1手術療法
  • 2化学療法
  • 3放射線療法
  • ✔食事療法
  • 5以上のいずれも三大治療である
解説:【なぜ正解か】がんの三大治療は手術療法・化学療法・放射線療法。食事療法はこれらを支える支持療法であり、がんそのものを治す治療法ではない。
【誤答の理由】手術・化学療法・放射線療法はいずれも三大治療に該当する。
【関連知識】近年は免疫チェックポイント阻害薬による免疫療法が「第4の治療」と呼ばれる。科学的根拠のない民間療法に頼って標準治療を中断する患者もおり、思いを傾聴しながら正確な情報を提供する姿勢が求められる。
問8
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の最大の原因はどれか。
  • 1加齢
  • 2肥満
  • 3運動不足
  • ✔喫煙
  • 5飲酒
解説:【なぜ正解か】COPD患者の約9割に喫煙歴があり、喫煙が最大かつ最も重要な原因である。「タバコ病」とも呼ばれる。
【誤答の理由】飲酒・加齢・肥満・運動不足はCOPDの直接の原因ではない。加齢は肺機能の低下に関与するが主因ではない。
【関連知識】治療の第一歩は禁煙で、これにより肺機能低下の速度を緩やかにできる。症状は労作時呼吸困難、慢性の咳と痰、呼気延長。口すぼめ呼吸の指導、栄養管理、呼吸リハビリテーション、ワクチン接種が重要となる。

感染と予防全56問中 8問を掲載

問1
標準予防策において感染性があるものとして扱うのはどれか。
  • 1毛髪
  • 2爪
  • 3汗
  • 4健常な皮膚
  • ✔血液・体液・分泌物・排泄物
解説:【なぜ正解か】標準予防策では、感染症の有無にかかわらずすべての患者の血液・体液・分泌物・排泄物・粘膜・損傷皮膚を感染性があるものとして扱う。
【誤答の理由】汗だけは例外として感染性がないものとみなす。健常な皮膚・毛髪・爪も対象外である。
【関連知識】「誰が感染しているか分からない」という前提に立つのが標準予防策の本質。これに加えて、病原体の伝播経路に応じた接触・飛沫・空気感染予防策を上乗せする。手指衛生が最も基本かつ有効な対策である。
問2
空気感染(飛沫核感染)する疾患はどれか。
  • ✔結核
  • 2ノロウイルス感染症
  • 3MRSA感染症
  • 4疥癬
  • 5インフルエンザ
解説:【なぜ正解か】結核は飛沫核(5μm未満)となって空気中を長時間漂うため空気感染する。同じ空間にいるだけで感染しうる。
【誤答の理由】インフルエンザは飛沫感染、ノロウイルスは経口・接触感染、MRSAと疥癬は接触感染である。
【関連知識】空気感染するのは結核・麻疹・水痘の3つ。「ケッカク・マシン・ミズボウソウ」と語呂で覚える。対応は陰圧個室への収容、職員はN95マスク(フィットテスト実施)、患者はサージカルマスクの着用となる。
問3
手洗いで最も洗い残しが生じやすい部位はどれか。
  • 1手背
  • ✔指先・爪の間
  • 3前腕
  • 4手首
  • 5手掌
解説:【なぜ正解か】指先と爪の間は凹凸が多く、意識しないと洗い残しが最も生じやすい。細菌数も多い部位である。
【誤答の理由】手掌・手背は面積が広く自然に洗えるため残りにくい。前腕と手首も重要だが、指先ほど見落とされない。
【関連知識】洗い残しの多い部位は指先・爪、指の間、母指、手首。爪は短く切り、時計・指輪は外して行う。石けんによる手洗いは30秒以上のこすり洗いが目安。目に見える汚れがなければアルコール擦式消毒でよい。
問4
ノロウイルスの消毒に有効なのはどれか。
  • 1逆性石けん
  • 2消毒用エタノール
  • ✔次亜塩素酸ナトリウム
  • 4クロルヘキシジン
  • 5ポビドンヨード
解説:【なぜ正解か】ノロウイルスはエンベロープをもたないためアルコールが効きにくい。次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が有効である。
【誤答の理由】消毒用エタノール・クロルヘキシジン・逆性石けんは効果が不十分。ポビドンヨードは主に皮膚・粘膜の消毒に用いる。
【関連知識】加熱の場合は85〜90℃で90秒以上。吐物処理では手袋・マスク・エプロンを着用し、外側から内側へ静かに拭き取って換気する。乾燥した吐物が舞い上がり空気を介して感染することがあるため放置は禁物。
問5
B型肝炎の主な感染経路はどれか。
  • 1経口感染
  • 2飛沫感染
  • 3空気感染
  • ✔血液・体液を介した感染
  • 5健常皮膚の接触
解説:【なぜ正解か】B型肝炎ウイルスは血液・体液を介して感染する。針刺し事故、性行為、母子感染が主要な経路である。
【誤答の理由】経口感染するのはA型・E型肝炎。飛沫や空気による感染、健常皮膚の接触では感染しない。
【関連知識】B型・C型は血液媒介、A型・E型は経口(食物・水)と整理する。B型は感染力がHIVより格段に強く、医療従事者はHBワクチンの接種と抗体価の確認が必須。日常生活では歯ブラシやカミソリの共用を避けるよう指導する。
問6
針刺し事故が起きた直後の対応で最も適切なのはどれか。
  • 1アルコールで拭くだけでよい
  • 2傷口を口で吸う
  • 3翌日の勤務時に報告する
  • 4そのまま業務を継続する
  • ✔流水で洗い流し直ちに責任者へ報告する
解説:【なぜ正解か】受傷部位を直ちに流水と石けんで洗い流し、速やかに責任者へ報告することで、感染源の確認と必要な予防措置を早期に受けられる。
【誤答の理由】業務継続や翌日の報告では予防措置の適期を逃す。アルコール消毒だけでは不十分。傷口を口で吸うのは口腔粘膜からの感染リスクを生む。
【関連知識】B型肝炎では曝露後48時間以内の抗HBs人免疫グロブリンとワクチン、HIVでは可能な限り速やかな予防内服が検討される。予防の基本はリキャップをせず、使用直後に耐貫通性容器へ廃棄すること。
問7
飛沫感染で飛沫が到達するおおよその距離はどれか。
  • 1約10cm
  • ✔約1〜2m
  • 3約5m
  • 4約10m
  • 5距離に関係なく空気中を漂う
解説:【なぜ正解か】飛沫は水分を含み重いため、咳やくしゃみで飛んでも約1〜2mで落下する。この距離がマスクや距離確保の根拠となる。
【誤答の理由】10cmでは近すぎ、5m・10mは飛沫核(空気感染)の話。飛沫は空気中を漂い続けない。
【関連知識】飛沫(5μm以上)は1〜2mで落ちるが、飛沫核(5μm未満)は乾燥して軽くなり長時間浮遊する。前者の対策はサージカルマスク、後者はN95マスクと陰圧室。インフルエンザ・風疹・流行性耳下腺炎は飛沫感染、結核・麻疹・水痘は空気感染と分類して覚える。
問8
肺結核患者のケアを行う際に看護師が着用するマスクはどれか。
  • ✔N95マスク
  • 2不織布マスク(一般用)
  • 3マスクは不要
  • 4ガーゼマスク
  • 5サージカルマスク
解説:【なぜ正解か】結核は空気感染するため、微細な飛沫核を捕集できるN95マスクを看護師が着用する。着用時はシールチェックで密着を確認する。
【誤答の理由】ガーゼ・サージカル・一般の不織布マスクでは飛沫核を防げない。マスクなしでのケアは論外である。
【関連知識】逆に患者にはサージカルマスクを着用してもらう(咳で飛沫核の発生源となるのを防ぐため)。「医療者がN95、患者がサージカル」という組み合わせを混同しないこと。病室は陰圧管理とし、N95は事前のフィットテストで自分に合う型を確認しておく。

看護と倫理全38問中 8問を掲載

問1
インフォームド・コンセントの説明として正しいのはどれか。
  • 1医師が最善と考える治療を一方的に決めること
  • ✔十分な説明を受けたうえで患者が自ら同意すること
  • 3家族が患者に代わって同意すること
  • 4同意した後は撤回できないこと
  • 5説明は口頭で行えば記録は不要であること
解説:【なぜ正解か】インフォームド・コンセントは、十分な情報提供を受けたうえで患者本人が自発的に同意することを指す。主体はあくまで患者である。
【誤答の理由】医療者が一方的に決めるのはパターナリズム。家族による代諾は本人に判断能力がある限り不適切。同意はいつでも撤回でき、記録も必要である。
【関連知識】説明すべき内容は病状、治療の目的・方法・危険性、代替となる方法、何もしない場合の予後など。看護師は説明を補い、理解度を確認して、必要なら医師に再説明を依頼する役割をもつ。
問2
患者の個人情報の取り扱いで適切なのはどれか。
  • ✔業務上知り得た秘密は退職後も守る
  • 2SNSに匿名なら投稿してよい
  • 3看護記録を持ち帰って記載する
  • 4家族であれば誰にでも病状を伝えてよい
  • 5エレベーター内で患者の話題を話す
解説:【なぜ正解か】保健師助産師看護師法に定める守秘義務は、資格を離れた後(退職後)も継続する。時間的な制限はない。
【誤答の理由】家族であっても本人の同意なく病状を伝えることはできない。エレベーターや廊下での会話、SNSへの投稿は匿名でも特定される危険がある。看護記録の持ち帰りは紛失のリスクから禁じられる。
【関連知識】違反には罰則がある。看護学生にも同様の守秘義務が課され、実習記録は個人が特定されない形で記載し施錠管理する。第三者提供の例外は生命・身体の保護に必要で本人の同意が困難な場合など。
問3
患者の権利を守り、その意思を代弁する看護師の役割を表すのはどれか。
  • 1パターナリズム
  • ✔アドボカシー
  • 3コンプライアンス
  • 4ノーマライゼーション
  • 5リビングウィル
解説:【なぜ正解か】アドボカシー(権利擁護)は、患者が自己決定できるよう支援し、その意思を代弁する看護師の重要な役割を指す。
【誤答の理由】パターナリズムは医療者が父権的に決定すること。コンプライアンスは指示の遵守、ノーマライゼーションは障害の有無にかかわらず共に生活する理念、リビングウィルは終末期の事前意思表示である。
【関連知識】患者は病気や情報量の差から弱い立場に置かれやすい。看護師は最も患者の近くにいる職種として、言葉にできない思いを察知しチームに伝えることが求められる。
問4
リビングウィルの説明として正しいのはどれか。
  • 1死亡後に作成される記録
  • 2財産の相続に関する遺言書
  • ✔判断能力があるうちに終末期医療の希望を書面で示すもの
  • 4医師が作成する診断書
  • 5家族が決定した治療方針
解説:【なぜ正解か】リビングウィルは、判断能力があるうちに終末期の医療やケアに関する希望を書面で示しておくもの。事前指示の一形態である。
【誤答の理由】財産に関する遺言、医師の診断書、家族が決めた方針、死亡後の記録はいずれも別のもの。
【関連知識】現在はACP(アドバンス・ケア・プランニング/人生会議)として、本人・家族・医療者が繰り返し話し合う「過程」が重視されている。一度決めた意思も変更できることを保証し、話し合いの経過を記録に残すことが大切である。
問5
近代看護の創始者とされ、クリミア戦争で活躍したのはどれか。
  • 1ヴァージニア・ヘンダーソン
  • 2マズロー
  • 3キューブラー・ロス
  • 4高木兼寛
  • ✔フローレンス・ナイチンゲール
解説:【なぜ正解か】ナイチンゲールはクリミア戦争で衛生改善により兵士の死亡率を劇的に下げ、『看護覚え書』で環境を整えることが看護の本質だと説いた近代看護の創始者である。
【誤答の理由】ヘンダーソンは14の基本的欲求で知られる看護理論家、マズローは欲求階層説の心理学者、キューブラー・ロスは死の受容過程の精神科医、高木兼寛は脚気研究で知られる日本の医師である。
【関連知識】ナイチンゲールは統計学を用いて衛生状態を可視化したことでも有名。換気・保温・清潔・光・静けさといった環境の要素は、現代の療養環境整備の原点として今も生きている。
問6
QOLの説明として最も適切なのはどれか。
  • ✔生活の質。その人らしい満足のいく生活を表す概念
  • 2医療費の総額
  • 3入院日数
  • 4検査値の総合点
  • 5生命の長さのみを示す指標
解説:【なぜ正解か】QOL(Quality of Life)は生活の質を意味し、その人が自分らしく満足して生きられているかを表す概念である。
【誤答の理由】生命の長さのみを示すのは平均寿命などの量的指標。医療費・入院日数・検査値はQOLそのものではない。
【関連知識】延命(生命の量)とQOL(生命の質)はときに対立し、終末期医療における意思決定の軸となる。健康寿命の延伸もQOLの考え方に基づく。看護目標を立てる際、検査値の改善だけでなく「その人が望む生活」に近づけているかを評価する視点が重要。
問7
身体拘束が例外的に認められる3要件に含まれないのはどれか。
  • 1切迫性
  • 2非代替性
  • 3一時性
  • ✔家族の希望
  • 5以上のすべてが要件である
解説:【なぜ正解か】身体拘束の3要件は切迫性(生命・身体の危険が差し迫っている)・非代替性(他に方法がない)・一時性(必要最短時間)。家族の希望は要件に含まれない。
【誤答の理由】切迫性・非代替性・一時性の3つはすべて満たす必要がある正規の要件である。
【関連知識】3要件を満たしても、実施の判断は組織的に行い、理由・時間・状態を記録し、定期的に解除を検討する義務がある。安易な拘束は身体機能低下・せん妄悪化・尊厳の侵害を招く。離床センサー、日中の点滴、固定の工夫など代替策の検討が先である。
問8
セカンドオピニオンの説明として正しいのはどれか。
  • 1主治医を変更すること
  • ✔診断や治療方針について他の医師の意見を求めること
  • 3看護師が意見を述べること
  • 4家族が治療を決めること
  • 5治療を中断すること
解説:【なぜ正解か】セカンドオピニオンは、診断や治療方針について主治医以外の医師の意見を求めること。より納得して治療を選ぶための患者の権利である。
【誤答の理由】主治医の変更(転医)とは異なる。看護師の意見や家族の決定、治療の中断を指す言葉でもない。
【関連知識】受ける際は主治医に紹介状(診療情報提供書)と検査資料を依頼する。「主治医に悪い」とためらう患者は多く、権利であることを伝え申し出やすい雰囲気をつくるのが看護師の役割。意見を聞いた後は元の主治医と改めて方針を相談する流れが基本。

患者の心理全38問中 8問を掲載

問1
キューブラー・ロスによる死の受容過程で最初の段階はどれか。
  • 1抑うつ
  • 2受容
  • 3怒り
  • ✔否認
  • 5取引
解説:【なぜ正解か】キューブラー・ロスの死の受容過程は否認から始まる。受け入れがたい現実から自我を守るための最初の反応である。
【誤答の理由】怒り・取引・抑うつ・受容はいずれも後続の段階。順序を問う問題では最初が「否認」であることが問われやすい。
【関連知識】順序は否認→怒り→取引→抑うつ→受容。ただし直線的に進むとは限らず、行きつ戻りつする。各段階に応じた関わりが必要で、怒りの段階では感情を受け止め、否定せずに寄り添う姿勢が求められる。
問2
マズローの欲求階層説で最も基本的な欲求はどれか。
  • 1自己実現の欲求
  • 2承認の欲求
  • 3所属と愛の欲求
  • 4安全の欲求
  • ✔生理的欲求
解説:【なぜ正解か】マズローの欲求階層説では、生理的欲求(呼吸・食事・排泄・睡眠)が最下層に位置し、最も優先される基本的欲求とされる。
【誤答の理由】安全、所属と愛、承認、自己実現の順に上位となる。自己実現は最上位の欲求である。
【関連知識】下位の欲求が満たされて初めて上位の欲求が現れるとされる。看護でも、痛みや呼吸困難といった生理的な苦痛の緩和を優先し、その後に心理的・社会的なニードへ関わる、という優先順位づけの根拠になる。
問3
もっともらしい理由をつけて自分の失敗を正当化する適応機制はどれか。
  • ✔合理化
  • 2昇華
  • 3退行
  • 4投影
  • 5抑圧
解説:【なぜ正解か】合理化は、受け入れがたい事実にもっともらしい理由をつけて正当化し、自我を守る適応機制である。
【誤答の理由】抑圧は苦痛な記憶を意識から締め出すこと、昇華は社会的に認められる形で欲求を発散すること、退行は幼児期の行動に戻ること、投影は自分の感情を他人のものとみなすこと。
【関連知識】イソップ寓話の「すっぱいブドウ」が合理化の典型例。適応機制は誰にでもみられる正常な心の働きであり、それ自体は病的ではない。過度に用いられ現実適応を妨げる場合に問題となる。
問4
不安の強い患者への対応で最も適切なのはどれか。
  • 1気にしないよう指導する
  • ✔訴えを傾聴し感情を受け止める
  • 3話題を変えて気をそらす
  • 4家族にのみ説明する
  • 5「大丈夫」と繰り返し断言する
解説:【なぜ正解か】不安の強い患者にはまず傾聴と受容によって感情の表出を促し、信頼関係を築くことが基本である。感情を受け止めることで不安は軽減する。
【誤答の理由】「気にしないで」という指導や話題の転換は感情を否定するメッセージになる。家族にのみ説明するのは本人の自己決定権を損なう。根拠のない「大丈夫」の断言は信頼を失う。
【関連知識】不安の背景には情報不足による誤解があることも多く、正確な情報提供が有効な場合もある。まず聴いてから、必要な情報を提供するという順序が大切である。
問5
乳房切除術を受けた患者への対応で最も適切なのはどれか。
  • 1話題を避ける
  • 2創部を見ないよう指導する
  • ✔ボディイメージの変化に伴う思いを傾聴する
  • 4「命が助かったのだから」と説得する
  • 5家族にのみ説明する
解説:【なぜ正解か】乳房の喪失はボディイメージの大きな変容であり喪失体験である。まず思いの表出を促し傾聴することが心理的回復の出発点となる。
【誤答の理由】創部を見ないよう指導するのは現実の直視をむしろ妨げる。「命が助かったのだから」は感情の否定。家族のみへの説明や話題の回避は患者を孤立させる。
【関連知識】創部を見られるようになる時期には個人差があり、患者のペースを尊重する。補整下着や人工乳房、乳房再建の情報提供(アピアランスケア)、同病者の会の紹介も支援となる。パートナーとの関係への配慮も忘れない。
問6
フィンクの危機理論における段階の順序で正しいのはどれか。
  • 1防御的退行→適応→衝撃→承認
  • 2衝撃→適応→承認→防御的退行
  • 3承認→衝撃→防御的退行→適応
  • ✔衝撃→防御的退行→承認→適応
  • 5適応→衝撃→承認→防御的退行
解説:【なぜ正解か】フィンクの危機モデルは衝撃→防御的退行→承認→適応の4段階。突然の外傷や障害を負った人の心理過程を説明する。
【誤答の理由】他の並びはいずれも順序が入れ替わっており誤り。最初が「衝撃」、最後が「適応」と押さえれば選べる。
【関連知識】防御的退行では否認や現実逃避により心を守る。この時期に現実を突きつけるのは有害で、安全と安心の保証が必要。承認の段階で悲嘆しながら現実に向き合い始め、適応へ進む。キューブラー・ロス(死の受容)と混同しないよう対比して覚える。
問7
非言語的コミュニケーションに含まれないのはどれか。
  • 1表情
  • 2視線
  • 3身振り
  • 4声の調子
  • ✔手紙の文章
解説:【なぜ正解か】手紙の文章は言葉そのものを用いた言語的コミュニケーションである。
【誤答の理由】表情・視線・身振りは非言語的コミュニケーション。声の調子(大きさ・速さ・抑揚)は準言語と呼ばれ、非言語的要素に含まれる。
【関連知識】伝達内容の多く(諸説あるが過半)は非言語的要素が担うとされる。言葉で「大丈夫」と言いながら表情が硬い、といった言語と非言語の不一致に気づくことが観察の要点。タッチング、沈黙、距離のとり方も重要な非言語的関わりである。
問8
患者の話を聴く際の態度として適切でないのはどれか。
  • ✔患者の話をさえぎって助言する
  • 2沈黙を待つ
  • 3患者と同じ目の高さになる
  • 4視線を合わせる
  • 5うなずきや相づちを用いる
解説:【なぜ正解か】話をさえぎって助言することは「あなたの話より私の意見が大事」というメッセージになり、信頼関係を損なう。まず最後まで聴くことが傾聴の基本である。
【誤答の理由】視線を合わせる、うなずき・相づち、沈黙を待つ、目の高さを合わせることはいずれも傾聴の適切な態度である。
【関連知識】沈黙は患者が考えを整理する大切な時間であり、無理に埋めない。助言や評価を急がず、感情の反映(「つらかったのですね」)や要約で理解を確かめながら聴く。聴くこと自体が援助になるという認識が出発点となる。

保健医療福祉の仕組み全48問中 8問を掲載

問1
介護保険制度の第1号被保険者の年齢はどれか。
  • 120歳以上
  • 240歳以上
  • 360歳以上
  • ✔65歳以上
  • 575歳以上
解説:【なぜ正解か】介護保険の第1号被保険者は65歳以上の者。原因を問わず要介護・要支援状態と認定されればサービスを利用できる。
【誤答の理由】40歳以上は第2号被保険者の要件。20歳・60歳・75歳はいずれも介護保険の被保険者区分ではない。
【関連知識】第2号被保険者は40〜64歳の医療保険加入者で、末期がんや初老期認知症など16種類の特定疾病に起因する場合に限り給付を受けられる。保険者(運営主体)は市町村で、申請先も市町村となる。
問2
特定健康診査(メタボ健診)の対象年齢はどれか。
  • 120〜39歳
  • 230〜64歳
  • ✔40〜74歳
  • 465〜74歳
  • 575歳以上
解説:【なぜ正解か】特定健康診査は40〜74歳の医療保険加入者が対象。生活習慣病の発症前段階での介入を目的としている。
【誤答の理由】20〜39歳や75歳以上は対象外。75歳以上は後期高齢者医療制度による健診となる。
【関連知識】内臓脂肪型肥満に着目し、腹囲(男性85cm・女性90cm以上)を必須項目とする。結果に応じて動機づけ支援・積極的支援の特定保健指導が行われる。実施主体は医療保険者である。
問3
70歳未満の一般被保険者の医療費自己負担割合はどれか。
  • 10割
  • 21割
  • 32割
  • ✔3割
  • 55割
解説:【なぜ正解か】義務教育就学後から70歳未満の一般被保険者の医療費自己負担割合は3割と定められている。
【誤答の理由】小学校就学前は2割、70〜74歳は原則2割、75歳以上は原則1割(一定以上の所得がある場合は2割または3割)である。
【関連知識】自己負担が高額になった場合は高額療養費制度により、所得区分に応じた限度額を超えた分が払い戻される。限度額適用認定証を事前に提示すれば窓口での支払いを限度額までに抑えられる。
問4
地域包括支援センターの役割として適切でないのはどれか。
  • 1介護予防ケアマネジメント
  • 2包括的・継続的ケアマネジメント支援
  • ✔入院患者の手術の実施
  • 4総合相談支援
  • 5権利擁護
解説:【なぜ正解か】地域包括支援センターは相談・支援・調整を担う機関であり、手術などの医療行為は行わない。
【誤答の理由】総合相談支援、権利擁護、介護予防ケアマネジメント、包括的・継続的ケアマネジメント支援は同センターの4つの基本業務である。
【関連知識】市町村が設置し、保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員の3職種が配置される。高齢者虐待への対応や成年後見制度の活用支援も権利擁護業務に含まれ、地域包括ケアシステムの中核を担う。
問5
母子健康手帳を交付するのはどれか。
  • 1医療機関
  • 2日本産科婦人科学会
  • 3都道府県
  • ✔市町村
  • 5保健所
解説:【なぜ正解か】母子保健法により、妊娠の届出をした者に対して市町村が母子健康手帳を交付する。
【誤答の理由】都道府県や保健所ではなく市町村が交付主体。医療機関や学会は交付しない。
【関連知識】母子健康手帳は妊娠期から乳幼児期までの健康記録が一冊で管理でき、健診結果や予防接種歴が記載される。転居や災害時にも継続的な保健指導を可能にする。1歳6か月児・3歳児健診も市町村が実施する。
問6
要介護認定の申請先はどれか。
  • 1都道府県
  • ✔市町村(または地域包括支援センター等)
  • 3保健所
  • 4医師会
  • 5年金事務所
解説:【なぜ正解か】要介護認定の申請先は保険者である市町村。地域包括支援センター等による申請代行も認められている。
【誤答の理由】都道府県・保健所・医師会・年金事務所は介護保険の申請窓口ではない。
【関連知識】申請後は認定調査員による訪問調査と主治医意見書をもとに、コンピュータによる一次判定、介護認定審査会による二次判定を経て、要支援1〜2・要介護1〜5(または非該当)に認定される。認定結果への不服は都道府県の介護保険審査会に申し立てる。
問7
訪問看護ステーションが訪問看護を行う際に必要な書類はどれか。
  • 1市町村長の推薦状
  • 2ケアマネジャーの資格証
  • ✔主治医が交付する訪問看護指示書
  • 4本人の戸籍謄本
  • 5保健所長の許可証
解説:【なぜ正解か】訪問看護は医療行為を含むため、主治医が交付する訪問看護指示書に基づいて実施される。これが法的な前提となる。
【誤答の理由】戸籍謄本・保健所長の許可・市町村長の推薦・ケアマネジャーの資格証は訪問看護の実施要件ではない。
【関連知識】実施後は訪問看護報告書を主治医に提出し、連携を保つ。介護保険と医療保険の両方から提供され、原則は介護保険優先だが、末期がんや厚生労働大臣が定める疾病等では医療保険となる。急性増悪時には特別訪問看護指示書により頻回の訪問が可能になる。
問8
生活保護法による扶助のうち、原則として現物給付されるのはどれか。
  • 1葬祭扶助
  • 2生活扶助
  • 3住宅扶助
  • ✔医療扶助
  • 5教育扶助
解説:【なぜ正解か】医療扶助は現金ではなく、指定医療機関での診療という現物給付で行われる。介護扶助も同様に現物給付である。
【誤答の理由】生活・住宅・教育・葬祭の各扶助は原則として金銭給付である。
【関連知識】生活保護の8扶助は生活・教育・住宅・医療・介護・出産・生業・葬祭。「医療と介護だけ現物」と覚える。生活保護は日本国憲法第25条の生存権に基づく最後のセーフティネットで、申請先は福祉事務所。医療機関では医療券により受診する。

看護と法律全48問中 8問を掲載

問1
准看護師の資格・業務を規定している法律はどれか。
  • 1健康保険法
  • 2地域保健法
  • 3看護師等の人材確保の促進に関する法律
  • 4医療法
  • ✔保健師助産師看護師法
解説:【なぜ正解か】准看護師の資格・業務は保健師助産師看護師法(第6条など)に規定されている。
【誤答の理由】医療法は医療提供施設について、健康保険法は保険給付について、地域保健法は保健所等について定める。人材確保法は看護職員の確保・支援に関する法律である。
【関連知識】准看護師は都道府県知事の免許を受け、医師・歯科医師・看護師の指示を受けて療養上の世話と診療の補助を行う。業務独占かつ名称独占の資格であり、守秘義務も同法に規定されている。
問2
准看護師の免許を与えるのはどれか。
  • ✔都道府県知事
  • 2市町村長
  • 3保健所長
  • 4日本看護協会長
  • 5厚生労働大臣
解説:【なぜ正解か】准看護師の免許は都道府県知事が与える。試験も都道府県が実施する。
【誤答の理由】厚生労働大臣が免許を与えるのは保健師・助産師・看護師。市町村長や保健所長、職能団体は免許を与える立場にない。
【関連知識】「准看護師だけが都道府県知事、他は厚生労働大臣」と対比で覚える。免許は試験合格後に申請して籍に登録されることで効力を生じる。本籍や氏名が変わった場合は訂正の申請が必要である。
問3
保健師助産師看護師法に定める准看護師の業務はどれか。
  • 1医師の指示なく単独で診断を行う
  • ✔医師・歯科医師・看護師の指示を受けて療養上の世話と診療の補助を行う
  • 3処方箋を交付する
  • 4手術の執刀を行う
  • 5診断書を作成する
解説:【なぜ正解か】准看護師は医師、歯科医師または看護師の指示を受けて、療養上の世話および診療の補助を行うと法律に規定されている。
【誤答の理由】診断、処方箋の交付、手術の執刀、診断書の作成はいずれも医師(歯科医師)の業務であり、准看護師は行えない。単独での診断も不可である。
【関連知識】看護師は「医師・歯科医師の指示」で足りるのに対し、准看護師は「看護師の指示」も受ける点が異なる。特定行為研修制度は看護師を対象とした制度であり、准看護師は対象外である。
問4
業務従事者届(看護師等業務従事者届)の提出頻度はどれか。
  • 1毎年
  • ✔2年ごと
  • 33年ごと
  • 45年ごと
  • 5免許取得時のみ
解説:【なぜ正解か】業務従事者届は2年ごとに提出する。その年の12月31日現在の状況を、翌年1月15日までに就業地の都道府県知事へ届け出る。
【誤答の理由】毎年・3年・5年ごとではなく2年ごと。免許取得時のみの届出では就業状況を把握できない。
【関連知識】看護職員の就業状況を把握し、需給計画や人材確保に活用するための制度である。免許自体に更新制度はない点と混同しないこと。離職時にはナースセンターへの届出制度もある。
問5
医療法が主に定めている内容はどれか。
  • 1感染症の分類
  • 2看護師の免許要件
  • ✔病院・診療所などの医療提供施設に関する事項
  • 4健康保険の給付内容
  • 5介護サービスの給付
解説:【なぜ正解か】医療法は病院・診療所・助産所といった医療提供施設の開設、人員配置基準、構造設備、医療安全の確保などを定める法律である。
【誤答の理由】看護師の免許要件は保健師助産師看護師法、健康保険の給付は健康保険法、介護サービスは介護保険法、感染症の分類は感染症法が定める。
【関連知識】病院は20床以上、診療所は19床以下または無床と区別される。医療安全管理指針の策定、職員研修、院内感染対策、医療事故調査制度への対応も医療法に基づく義務である。
問6
保健師助産師看護師法において、准看護師が行ってはならないのはどれか。
  • 1医師の指示に基づく処置の介助
  • ✔診断および処方
  • 3療養上の世話
  • 4与薬の介助
  • 5バイタルサインの測定
解説:【なぜ正解か】診断と処方は医師(歯科医師)にのみ認められた医行為であり、准看護師は行えない。
【誤答の理由】与薬の介助、バイタルサイン測定、医師の指示に基づく処置の介助、療養上の世話はいずれも准看護師が行える業務である。
【関連知識】准看護師の業務は「医師・歯科医師・看護師の指示を受けて」行う療養上の世話と診療の補助。指示があっても診断・処方・手術の執刀・診断書作成はできない。絶対的医行為(医師にしかできない行為)と診療の補助の区別を意識して整理する。
問7
保健師助産師看護師法における業務独占・名称独占の説明で正しいのはどれか。
  • 1准看護師には名称の制限がない
  • 2看護師でない者が看護師と名乗ってもよい
  • ✔看護師でない者が業として診療の補助を行ってはならない
  • 4名称独占はない
  • 5業務独占はない
解説:【なぜ正解か】看護師・准看護師は業務独占資格であり、無資格者が業として診療の補助や療養上の世話を行うことは法律で禁止されている。
【誤答の理由】名乗ることも禁止される(名称独占もある)。名称独占・業務独占の両方をもつため「ない」とする選択肢は誤り。准看護師にも名称の制限はある。
【関連知識】業務独占+名称独占=医師・看護師・助産師など。名称独占のみ=保健師・栄養士・介護福祉士など(業務自体は他の人もできるが名乗れない)。この2つの概念の区別は頻出なので具体例とセットで覚える。
問8
応召義務が規定されているのはどれか。
  • 1介護福祉士
  • 2看護師
  • 3准看護師
  • ✔医師
  • 5薬剤師
解説:【なぜ正解か】応召義務は医師法第19条に規定され、診療に従事する医師は正当な事由がなければ診療を拒めないとされる。
【誤答の理由】看護師・准看護師・薬剤師・介護福祉士の各法律に応召義務の規定はない。
【関連知識】歯科医師にも同様の規定がある(歯科医師法)。看護師には応召義務はないが、療養上の世話を正当な理由なく放棄すれば別の法的・倫理的責任が問われうる。「応召義務=医師(歯科医師)」と端的に覚えてよい。

基礎看護全217問中 8問を掲載

問1
腋窩での体温測定において、水銀体温計で実測する場合の測定時間はどれか。
  • 11分
  • 23分
  • 35分
  • ✔10分
  • 520分
解説:【なぜ正解か】腋窩は体表であり深部体温に達するまで時間がかかるため、水銀体温計での実測には約10分を要する。
【誤答の理由】1〜5分では体温が上昇しきらず低値となる。20分は不必要に長い。
【関連知識】予測式の電子体温計は温度上昇の曲線から平衡値を推定するため数十秒で測定できる。同じ電子体温計でも実測モードでは10分程度かかる。腋窩は汗を拭き、体温計の先端を腋窩中央部(最深部)に下方から斜めに当て、上腕を密着させる。
問2
成人の上腕で血圧を測定する際のマンシェットの幅はどれか。
  • 15cm
  • 29cm
  • ✔13cm
  • 420cm
  • 525cm
解説:【なぜ正解か】成人の上腕用マンシェットの標準的な幅は13cm。上腕周囲径のおよそ40%が適切とされる。
【誤答の理由】幅が狭すぎる(5cm・9cm)と加圧が十分に伝わらず測定値は高く出る。広すぎる(20cm・25cm)と低く出る。
【関連知識】小児用は年齢に応じて幅が異なり、乳児は3cm、幼児は5〜7cm程度を用いる。巻く強さは指が1〜2本入る程度、下縁は肘窩の2〜3cm上、ゴム嚢の中央を上腕動脈に合わせ、上腕を心臓の高さに保つ。
問3
脈拍測定で最も一般的に用いる部位はどれか。
  • 1足背動脈
  • 2総頸動脈
  • 3上腕動脈
  • ✔橈骨動脈
  • 5大腿動脈
解説:【なぜ正解か】橈骨動脈は手首の母指側で体表近くを走行し、骨の上にあるため触知しやすく、日常のバイタルサイン測定に最も一般的に用いられる。
【誤答の理由】総頸動脈や大腿動脈は緊急時の心停止確認に用いる部位。上腕動脈は血圧測定時、足背動脈は末梢循環の評価に用いる。
【関連知識】示指・中指・薬指の3本を揃えて当て、母指では自分の脈と混同するため使わない。数だけでなくリズム、緊張度、左右差も観察する。左右差は動脈の狭窄や大動脈解離を示唆する。
問4
ジャパン・コーマ・スケール(JCS)でⅢ-300が示す状態はどれか。
  • 1呼びかけで容易に開眼する
  • 2意識清明
  • 3見当識障害あり
  • 4痛み刺激で開眼する
  • ✔痛み刺激に反応しない
解説:【なぜ正解か】JCSのⅢ桁は刺激しても覚醒しない状態で、300はそのうち痛み刺激にまったく反応しない最重症を示す。
【誤答の理由】意識清明は0、見当識障害はⅠ-2、呼びかけで容易に開眼はⅡ-10、痛み刺激で開眼はⅡ-30に相当する。
【関連知識】JCSは覚醒度で3段階に分ける方式(3-3-9度方式)。Ⅰ桁は刺激せずとも覚醒、Ⅱ桁は刺激で覚醒、Ⅲ桁は刺激で覚醒しない。数字が大きいほど重症。GCSは開眼・言語・運動の3項目で合計15点満点、8点以下を重症とする。
問5
仰臥位で褥瘡が最も好発する部位はどれか。
  • ✔仙骨部
  • 2大転子部
  • 3腸骨部
  • 4膝関節部
  • 5耳介部
解説:【なぜ正解か】仰臥位では体重が仙骨部に集中し、骨突出も著明なため褥瘡が最も好発する。
【誤答の理由】大転子部は側臥位、腸骨部は腹臥位、坐骨結節部は座位での好発部位。膝関節部と耳介部は側臥位・腹臥位で注意する部位である。
【関連知識】体位ごとの好発部位を整理しておく。仰臥位では仙骨部のほか後頭部・肩甲骨部・踵骨部にも注意。側臥位では30度側臥位をとると骨突出部への圧が分散される。体位変換は2時間以内(体圧分散寝具使用時は4時間以内)が目安。
問6
ファウラー位の上半身の挙上角度はどれか。
  • 1約15度
  • 2約30度
  • ✔約45度
  • 4約60度
  • 5約90度
解説:【なぜ正解か】ファウラー位(半座位)は上半身を約45度挙上した体位を指す。
【誤答の理由】15〜30度はセミファウラー位。60度や90度は座位に近く、ファウラー位の定義から外れる。
【関連知識】横隔膜が下がり肺が広がるため呼吸が楽になり、呼吸困難時や心不全患者に有効。経管栄養時は逆流と誤嚥を防ぐため30〜45度挙上とする。ただし仙骨部にずれ力が生じるため、褥瘡予防の観点から長時間の高角度は避ける。
問7
ボディメカニクスの原則として適切なのはどれか。
  • 1対象から離れて持ち上げる
  • ✔支持基底面を広くし重心を低くする
  • 3膝を伸ばしたまま腰をかがめる
  • 4支持基底面を狭くする
  • 5重心を高くする
解説:【なぜ正解か】足を前後左右に開いて支持基底面を広くし、膝を曲げて重心を低くすると身体が安定し、少ない力で安全に介助できる。
【誤答の理由】支持基底面を狭くする、重心を高くする、対象から離れる、膝を伸ばして腰をかがめる姿勢はいずれも不安定で腰部への負担が大きい。
【関連知識】原則は「支持基底面を広く」「重心を低く」「対象に近づく」「大きな筋群を使う」「てこの原理を利用」「身体をねじらない」「患者を小さくまとめる」。腰痛は看護職の代表的な職業性疾病であり、リフト等の福祉用具の活用も推奨される。
問8
経鼻胃管からの栄養剤注入前に必ず行うことはどれか。
  • 1チューブを抜去する
  • 2患者を仰臥位にする
  • ✔チューブが胃内にあることを確認する
  • 4栄養剤を冷やす
  • 5注入速度を最大にする
解説:【なぜ正解か】チューブが誤って気管内に留置されていると、栄養剤の注入により重篤な誤嚥性肺炎や窒息を起こす。注入前の位置確認は必須である。
【誤答の理由】体位は仰臥位ではなく30〜45度挙上とする。栄養剤を冷やすと下痢の原因になり、速度を最大にすると下痢・嘔吐・血糖上昇を招く。
【関連知識】確認方法は胃内容物の吸引による性状・pHの確認、気泡音の聴取、X線撮影など。気泡音のみでは不確実とされ、複数の方法を組み合わせる。注入後も30分〜1時間は上体挙上を保つ。

成人看護全94問中 8問を掲載

問1
術後の無気肺・肺炎を予防するために最も重要なのはどれか。
  • 1絶対安静を維持する
  • ✔早期離床と深呼吸・喀痰の促進
  • 3飲水を制限する
  • 4鎮痛薬を使用しない
  • 5面会を禁止する
解説:【なぜ正解か】早期離床と深呼吸・喀痰の促進により換気が改善し、無気肺や術後肺炎を予防できる。臥床の継続が最大のリスクとなる。
【誤答の理由】絶対安静は無気肺・肺炎・深部静脈血栓症・褥瘡・廃用症候群をすべて助長する。飲水制限は痰の粘稠度を上げ、鎮痛薬の不使用は疼痛で深呼吸を妨げる。
【関連知識】術前からの呼吸訓練(深呼吸、インセンティブスパイロメトリー、含嗽、禁煙)が効果的。適切な疼痛コントロールは離床と呼吸訓練を可能にする点で合併症予防に直結する。
問2
術後の深部静脈血栓症の予防として適切なのはどれか。
  • 1下肢を下垂させ続ける
  • 2下肢を長時間動かさない
  • ✔弾性ストッキングの着用と早期離床
  • 4水分摂取を控える
  • 5下肢をマッサージで強く揉む
解説:【なぜ正解か】弾性ストッキングによる圧迫と早期離床により下肢の静脈うっ滞を防ぎ、深部静脈血栓症を予防できる。
【誤答の理由】下肢を動かさない、水分を控える(血液濃縮)、下垂させ続けることはいずれも血栓形成を促す。すでに血栓がある可能性がある下肢を強く揉むと、血栓が遊離して肺血栓塞栓症を起こす危険がある。
【関連知識】予防は弾性ストッキング、間欠的空気圧迫装置、早期離床、足関節の底背屈運動、十分な補液。離床時の突然の呼吸困難・胸痛・SpO2低下は肺血栓塞栓症を疑い、直ちに報告する。
問3
消化管ストーマ(人工肛門)の観察で異常を示すのはどれか。
  • 1わずかに浮腫がある
  • 2粘膜が赤色である
  • 3粘膜が湿潤している
  • ✔粘膜が暗紫色である
  • 5便が排出されている
解説:【なぜ正解か】健常なストーマ粘膜は口腔粘膜と同様に鮮紅色で湿潤している。暗紫色や黒色は血流障害(壊死)を示す緊急所見である。
【誤答の理由】赤色で湿潤しているのは正常。便の排出があるのは機能している証拠。造設直後のわずかな浮腫は生理的で、数週間かけて縮小する。
【関連知識】ストーマ自体に知覚神経はないため痛みを感じない。観察点は色調、浮腫、出血、陥没、脱出、周囲皮膚の状態。面板の穴はストーマより1〜2mm大きい程度に調整し、交換時に必ず皮膚を観察する。
問4
心不全患者が呼吸を楽にするためにとる体位はどれか。
  • 1トレンデレンブルグ位
  • 2側臥位
  • 3仰臥位
  • 4腹臥位
  • ✔起座位(起座呼吸)
解説:【なぜ正解か】起座位では静脈還流が減少して肺うっ血が軽減し、横隔膜も下がって肺が広がるため呼吸が楽になる。
【誤答の理由】仰臥位やトレンデレンブルグ位(頭低位)は静脈還流を増やし、肺うっ血を悪化させる。腹臥位は心不全患者には適さない。
【関連知識】起座呼吸は左心不全の特徴的所見。夜間発作性呼吸困難、泡沫状でピンク色の痰、湿性ラ音も左心不全のサイン。一方、右心不全では下腿浮腫、頸静脈怒張、肝腫大といった体循環のうっ血症状が前面に出る。
問5
右片麻痺のある患者の更衣介助で正しいのはどれか。
  • ✔着るときは患側から、脱ぐときは健側から
  • 2着るときは健側から、脱ぐときは患側から
  • 3どちらでもよい
  • 4上衣は必ず頭からかぶせる
  • 5脱ぐときも着るときも健側から
解説:【なぜ正解か】「脱健着患」が原則。着るときは動かしにくい患側から、脱ぐときは健側から行うと、関節への負担が少なく患者も楽である。
【誤答の理由】着衣を健側から行うと、後から患側を無理に通すことになり関節を痛める。脱衣を患側から行うのも同様である。
【関連知識】「脱ぐのは健康な方から、着るのは患った方から」と語呂で覚える。上衣は前開きのものが安全で、点滴中は点滴側から着せる。実施中は関節可動域を超えない範囲でゆっくり動かし、疼痛の有無を確認する。
問6
内シャントを造設した上肢で禁止されるのはどれか。
  • 1シャント音の確認
  • ✔血圧測定や採血
  • 3保清
  • 4衣類の着用
  • 5軽い手指の運動
解説:【なぜ正解か】シャント肢での血圧測定や採血は血管を圧迫・損傷し、シャント閉塞を招くため禁止される。シャントは透析患者の命綱である。
【誤答の理由】軽い手指の運動は血流促進に有効。シャント音(スリル・血管雑音)の確認は患者自身が毎日行うべき自己管理項目。保清や衣類の着用は問題ない。
【関連知識】シャント肢では点滴、圧迫、腕時計、重い荷物、腕枕も避ける。シャント音が聞こえない、拍動が触れない、痛みや腫脹がある場合は閉塞や感染を疑い直ちに連絡するよう指導する。
問7
胃切除後の早期ダンピング症候群の予防として適切なのはどれか。
  • 11回量を多くして回数を減らす
  • 2高糖質の流動食を勧める
  • ✔少量ずつ回数を分け、食事中の水分を控える
  • 4食後すぐに歩行する
  • 5食事を急いで摂る
解説:【なぜ正解か】早期ダンピング症候群は高浸透圧の食物が急速に小腸へ流入して起こる。少量頻回摂取と食事中の水分制限により流入速度を緩やかにできる。
【誤答の理由】1回量を増やす、高糖質の流動食、急いで食べるのはいずれも症状を誘発する。食後すぐの歩行も食物の移動を早める。
【関連知識】早期(食後30分以内)は動悸・発汗・腹痛・下痢、後期(食後2〜3時間)は反応性低血糖による冷汗・めまいが特徴。後期には少量の糖分摂取が有効。食後20〜30分の臥床も予防に役立つ。
問8
気管切開患者のカニューレ管理で適切なのはどれか。
  • 1加湿は不要である
  • 2カフ圧は高いほどよい
  • ✔上気道での加温加湿が失われるため十分な加湿を行う
  • 4吸引は行わない
  • 5入浴時も孔をふさがなくてよい
解説:【なぜ正解か】気管切開では鼻腔・咽頭による加温加湿機能がバイパスされるため、人工鼻や加湿器による十分な加湿が必須となる。
【誤答の理由】加湿を怠ると分泌物が粘稠となり痰詰まりや閉塞を起こす。カフ圧は高すぎると気管粘膜を虚血させる。吸引は必要であり、入浴時は水の流入を防ぐ必要がある。
【関連知識】カフ圧は20〜30cmH2O(約15〜22mmHg)に保つ。低すぎると誤嚥、高すぎると気管粘膜の壊死や気管食道瘻を招く。カニューレの計画外抜去に備え、同サイズの予備を常備する。

老年看護全56問中 8問を掲載

問1
加齢による聴力の変化として正しいのはどれか。
  • 1低音域から聞こえにくくなる
  • ✔高音域から聞こえにくくなる
  • 3聴力は変化しない
  • 4音の大きさのみ問題になる
  • 5片側のみ低下する
解説:【なぜ正解か】加齢性難聴は蝸牛の有毛細胞の障害により、高音域から聞こえにくくなる感音難聴である。
【誤答の理由】低音域からではなく高音域から低下する。聴力は加齢で確実に変化し、単に音を大きくすれば解決するわけではない(明瞭度の問題がある)。通常は両側性に進行する。
【関連知識】高い声や早口は聞き取りにくいため、正面から、やや低い声で、ゆっくり話す。大声は音が歪んで逆効果になることがある。口元が見えるようにし、必要に応じて筆談を併用する。難聴は社会的孤立や認知症のリスク因子でもある。
問2
認知症の中核症状はどれか。
  • ✔記憶障害
  • 2抑うつ
  • 3幻覚
  • 4暴力行為
  • 5徘徊
解説:【なぜ正解か】中核症状は脳の器質的障害から直接生じる症状で、記憶障害・見当識障害・実行機能障害・失語・失認・失行が該当する。全例に共通して現れる。
【誤答の理由】徘徊・抑うつ・幻覚・暴力行為はBPSD(行動・心理症状)で、環境や関わり方、本人の不安によって出現し変化する。
【関連知識】中核症状は治療が難しいが、BPSDは環境調整やケアの工夫で軽減できる。BPSDの背景には痛み、便秘、脱水、不安、不適切な関わりが隠れていることが多く、原因の探索が対応の第一歩となる。
問3
高齢者が脱水になりやすい理由として適切でないのはどれか。
  • 1トイレを気にして水分を控えがちである
  • ✔発汗量が著しく増加する
  • 3体内水分量の割合が少ない
  • 4口渇感を感じにくい
  • 5腎臓の尿濃縮力が低下する
解説:【なぜ正解か】高齢者はむしろ発汗機能が低下する。発汗量の増加は脱水の理由として誤りである。
【誤答の理由】体内水分量の減少(成人60%に対し高齢者は約50%)、口渇中枢の感受性低下、腎の尿濃縮力低下、トイレを気にした飲水制限はいずれも正しい理由である。
【関連知識】発汗低下は体温調節を妨げ、熱中症のリスクも高める。脱水の観察は口腔粘膜の乾燥、皮膚のツルゴール低下、尿量減少、体重減少、意識レベルの変化。時間を決めた飲水の習慣化が有効である。
問4
高齢者の転倒予防として適切でないのはどれか。
  • 1滑りにくい履物を勧める
  • 2夜間は足元灯を使用する
  • ✔長いスリッパを勧める
  • 4手すりを設置する
  • 5床の段差をなくす
解説:【なぜ正解か】スリッパやサンダルは脱げやすく、つまずきの原因となるため転倒予防上は避けるべきである。
【誤答の理由】段差の解消、滑りにくい履物、夜間の足元灯、手すりの設置はいずれも適切な転倒予防策である。
【関連知識】かかとを覆い、足に合った、滑りにくい靴を勧める。転倒は屋内、特に居室・階段・浴室で多い。転倒後は身体的損傷がなくても恐怖から活動を控え、筋力低下によりさらに転倒しやすくなる「転倒後症候群」に注意する。
問5
高齢者の誤嚥性肺炎の予防として最も有効なのはどれか。
  • 1会話を控えさせる
  • 2一口量を多くする
  • 3食後すぐに臥床させる
  • ✔口腔ケアを行う
  • 5水分をとろみなしで多く与える
解説:【なぜ正解か】誤嚥性肺炎は口腔内細菌の誤嚥により生じるため、口腔ケアによる細菌数の減少が最も直接的で有効な予防策である。
【誤答の理由】食後すぐの臥床は逆流と誤嚥を招く。とろみなしの水分は咽頭を速く流れ誤嚥しやすい。会話を控えることに予防効果はなく、一口量を増やすのは危険。
【関連知識】口腔ケアは経口摂取をしていない患者にも必要。他に食事姿勢の調整、食後30分〜1時間の座位保持、嚥下訓練、義歯の適合確認がある。高齢者の肺炎は発熱が目立たず、食欲低下や意識レベル低下のみのこともある。
問6
高齢者虐待防止法に定める虐待の類型に含まれないのはどれか。
  • 1身体的虐待
  • 2介護等放棄(ネグレクト)
  • 3心理的虐待
  • 4経済的虐待
  • ✔医療的虐待
解説:【なぜ正解か】高齢者虐待防止法が定める5類型は、身体的虐待・心理的虐待・性的虐待・介護等放棄(ネグレクト)・経済的虐待。「医療的虐待」という類型はない。
【誤答の理由】身体的虐待、ネグレクト、心理的虐待、経済的虐待はいずれも法定の類型である。
【関連知識】虐待を受けたと思われる高齢者を発見した者には市町村への通報義務がある。生命・身体に重大な危険が生じている場合は特に速やかに通報する。児童虐待・障害者虐待でも同様に、疑いの段階での通告・通報が求められる。
問7
サルコペニアの説明として正しいのはどれか。
  • 1骨密度が低下した状態
  • ✔加齢に伴う骨格筋量と筋力の低下
  • 3関節が変形した状態
  • 4認知機能が低下した状態
  • 5嚥下機能のみが低下した状態
解説:【なぜ正解か】サルコペニアは加齢に伴う骨格筋量の減少と筋力(または身体機能)の低下を指す。転倒・骨折・要介護状態の入り口となる。
【誤答の理由】骨密度の低下は骨粗鬆症、関節の変形は変形性関節症、認知機能の低下は認知症、嚥下機能のみの低下は嚥下障害であり、いずれも別の概念。
【関連知識】握力低下や歩行速度の低下がスクリーニングの指標。予防・改善には十分なたんぱく質摂取とレジスタンス運動(筋トレ)の組み合わせが有効。心身の脆弱性全体を指すフレイル、口腔機能の衰えを指すオーラルフレイルと関連づけて整理する。
問8
老年症候群に含まれないのはどれか。
  • 1褥瘡
  • 2低栄養
  • ✔先天性心疾患
  • 4転倒
  • 5失禁
解説:【なぜ正解か】老年症候群は加齢に伴い高齢者に高頻度で出現する症状・徴候の総称。先天性心疾患は生まれつきの疾患であり含まれない。
【誤答の理由】転倒・失禁・褥瘡・低栄養はいずれも老年症候群の代表例である。
【関連知識】ほかにめまい、難聴、視力低下、嚥下障害、せん妄、認知機能低下、うつ、サルコペニアなどが含まれる。単一の疾患治療では解決せず、生活機能全体をみる包括的アセスメント(CGA)と多職種での対応が必要になる点が高齢者ケアの特徴である。

母子看護全48問中 8問を掲載

問1
正期産にあたる妊娠週数はどれか。
  • 1妊娠22週0日〜36週6日
  • 2妊娠34週0日〜36週6日
  • ✔妊娠37週0日〜41週6日
  • 4妊娠40週0日〜43週6日
  • 5妊娠42週0日以降
解説:【なぜ正解か】正期産は妊娠37週0日から41週6日まで。この期間に生まれた児は臓器の成熟が十分で、経過が最も安定している。
【誤答の理由】妊娠22週0日〜36週6日は早産、42週0日以降は過期産。21週6日以前は流産と定義される。
【関連知識】妊娠期間は最終月経初日から約280日(40週)。分娩予定日はネーゲレ概算法(最終月経の月に9を足すか3を引き、日に7を加える)で算出する。過期産は胎盤機能の低下により胎児機能不全のリスクが高まる。
問2
新生児の生理的体重減少について正しいのはどれか。
  • 1出生体重の約20%減少する
  • ✔生後3〜5日ごろに最低となり、7〜10日で出生体重に戻る
  • 3病的な状態である
  • 4生後1か月続く
  • 5減少はみられない
解説:【なぜ正解か】生理的体重減少は胎便・尿の排泄と不感蒸泄により生じ、生後3〜5日ごろに最低(出生体重の5〜10%減)となり、7〜10日で出生体重に戻る。
【誤答の理由】20%もの減少は病的。生後1か月続くことはなく、必ず起こる正常な現象である。
【関連知識】10%を超える減少や、生後2週を過ぎても出生体重に戻らない場合は哺乳量不足や疾患を疑う。哺乳量は直接測りにくいため、体重増加(生後1か月で1日25〜30g程度)、排尿回数、活気、機嫌で総合的に評価する。
問3
初乳の特徴として正しいのはどれか。
  • ✔免疫グロブリンA(IgA)を多く含む
  • 2脂肪が最も多い
  • 3無色透明である
  • 4乳糖が最も多い
  • 5分泌は分娩後2週から始まる
解説:【なぜ正解か】初乳は分娩後数日間に分泌される黄色みを帯びた乳汁で、分泌型IgAやラクトフェリンなどの感染防御物質を成乳より豊富に含む。新生児を感染から守る役割が大きい。
【誤答の理由】脂肪と乳糖はむしろ成乳の方が多い。初乳は無色透明ではなく黄色調。分泌は分娩後すぐに始まり、2週から始まるわけではない。
【関連知識】初乳→移行乳→成乳と変化する。IgAは腸管粘膜で病原体の侵入を防ぐ。胎盤を通過して胎児に移行するのはIgGで、母乳のIgAと合わせて母子免疫を構成すると整理する。
問4
BCGワクチンの標準的な接種時期はどれか。
  • 1生後2か月
  • ✔生後5〜8か月
  • 31歳
  • 43歳
  • 5小学校入学時
解説:【なぜ正解か】BCGは結核予防の生ワクチンで、標準的接種期間は生後5〜8か月。1歳未満が定期接種の対象である。
【誤答の理由】生後2か月はヒブ・肺炎球菌・B型肝炎などの開始時期。1歳はMR・水痘、3歳(現在は生後6か月〜)は日本脳炎、就学時はMR第2期の時期である。
【関連知識】管針法で上腕外側の2か所に押し付けて接種する。接種後10日ごろから針痕の発赤・化膿がみられ数か月で治癒するのは正常な経過。接種後数日以内に強い反応が出るコッホ現象は既感染を疑う所見で受診が必要。
問5
神経管閉鎖障害の予防のため、妊娠前から摂取が推奨される栄養素はどれか。
  • 1ビタミンA
  • ✔葉酸
  • 3カルシウム
  • 4ビタミンE
  • 5ナトリウム
解説:【なぜ正解か】葉酸は細胞分裂に不可欠で、妊娠のごく初期に起こる神経管の形成を助ける。妊娠1か月以上前から妊娠3か月までの摂取が二分脊椎などの神経管閉鎖障害のリスクを下げる。
【誤答の理由】ビタミンAは過剰摂取でむしろ催奇形性が問題となる。カルシウム・ビタミンEも大切だが神経管閉鎖障害の予防効果はない。ナトリウムの積極摂取は推奨されない。
【関連知識】神経管は妊娠に気づく前(受精後約4週)に閉鎖するため「妊娠前から」の摂取が鍵。食事に加えサプリメントで1日400μgの付加が推奨される。緑黄色野菜・レバー・豆類に多い。
問6
つわり(妊娠悪阻ではない一般的な悪心)への対応で適切なのはどれか。
  • 1絶食にする
  • 2においの強い食品を勧める
  • ✔空腹を避け、食べられるものを少量頻回に摂る
  • 4水分を制限する
  • 53食きちんと決まった量を食べさせる
解説:【なぜ正解か】つわりは空腹時に悪心が強まりやすい。食べられるものを少量ずつ回数を分けて摂ることで悪心を軽減し、脱水と低栄養を防げる。
【誤答の理由】においの強い食品は悪心を誘発する。水分制限は脱水を招き危険。決まった量の強制や絶食は症状も栄養状態も悪化させる。
【関連知識】妊娠5〜6週から始まり12〜16週ごろに自然軽快することが多い。冷たくさっぱりしたものが摂りやすい。体重が5%以上減少、水分も摂れない、尿ケトン陽性などは妊娠悪阻であり治療(輸液)が必要。「生理的なつわり」と「病的な悪阻」の線引きを覚える。
問7
分娩の3要素に含まれないのはどれか。
  • 1娩出力(陣痛・腹圧)
  • 2産道
  • 3娩出物(胎児と付属物)
  • ✔産婦の年齢
  • 5以上のすべてが3要素である
解説:【なぜ正解か】分娩の3要素は娩出力(陣痛・腹圧)・産道(骨産道と軟産道)・娩出物(胎児と付属物)。産婦の年齢は要素に含まれない。
【誤答の理由】娩出力・産道・娩出物はいずれも正規の3要素である。
【関連知識】3要素のバランスが崩れると分娩は遷延する。微弱陣痛(娩出力)、児頭骨盤不均衡(産道と娩出物の不適合)、回旋異常(娩出物)が代表例。これに産婦の精神状態を加えて4要素とする考え方もあり、不安の緩和や呼吸法の支援が分娩進行を助ける根拠となる。
問8
産褥期の子宮復古について正しいのはどれか。
  • 1授乳は子宮復古を妨げる
  • 2子宮復古は起こらない
  • 3子宮底は分娩直後から上昇し続ける
  • ✔産後6〜8週で妊娠前の大きさに戻る
  • 5悪露は最初から白色である
解説:【なぜ正解か】子宮は分娩直後から収縮を始め、産後6〜8週で妊娠前の大きさ・位置に戻る。この過程を子宮復古という。
【誤答の理由】子宮底は産後上昇し続けるのではなく徐々に下降する。悪露は赤色→褐色→黄色→白色と変化する。授乳はオキシトシン分泌を介して子宮収縮を促し、復古を助ける(妨げない)。
【関連知識】観察は子宮底の高さ・硬さ、悪露の量・色・臭い、後陣痛の有無。復古不全では悪露の赤色が持続し量が減らない。子宮底が軟らかい場合は輪状マッサージで収縮を促す。産褥6〜8週は産褥期の期間そのものとしても覚える。

精神看護全38問中 8問を掲載

問1
統合失調症の陽性症状はどれか。
  • 1感情鈍麻
  • 2意欲の低下
  • ✔幻覚・妄想
  • 4自閉(引きこもり)
  • 5思考の貧困
解説:【なぜ正解か】陽性症状は「本来ないものが出現する」症状で、幻覚(特に幻聴)・妄想・思考障害・興奮が代表。急性期に目立ち、抗精神病薬が効きやすい。
【誤答の理由】感情鈍麻・意欲低下・自閉・思考の貧困は「本来あるものが失われる」陰性症状。慢性期に目立ち、薬が効きにくく社会機能の低下につながる。
【関連知識】陽性=プラスされる、陰性=マイナスされると整理する。ほかに認知機能障害(注意・記憶・遂行機能の低下)も生活のしづらさの大きな要因。陰性症状を「怠け」と誤解しない関わりが重要である。
問2
うつ病の急性期にある患者への対応で適切なのはどれか。
  • 1原因を追及し反省を促す
  • 2「頑張って」と励ます
  • 3重大な決断を今すぐするよう勧める
  • ✔十分な休息をとれるよう環境を整える
  • 5レクリエーションへの参加を強く促す
解説:【なぜ正解か】うつ病急性期はエネルギーが枯渇した状態であり、休息が治療の基本。刺激を減らし安心して休める環境を整えることが最優先となる。
【誤答の理由】「頑張って」という励ましは、すでに頑張り尽くした患者をさらに追い詰める。急性期の重大な決断(退職・離婚など)は判断力が低下しているため延期を勧める。レクリエーションの強要や原因追及も負担となる。
【関連知識】回復期はエネルギーが戻り行動化が可能になるため、自殺企図のリスクがむしろ高まる。「よくなってきた時こそ注意」が鉄則。抗うつ薬は効果発現まで2〜4週かかることも伝えておく。
問3
抗精神病薬の副作用である錐体外路症状はどれか。
  • 1口渇
  • 2眠気
  • 3起立性低血圧
  • 4便秘
  • ✔手指振戦・筋固縮などのパーキンソン症状
解説:【なぜ正解か】錐体外路症状は抗精神病薬のドパミン遮断作用により生じる運動症状で、手指振戦・筋固縮・無動などのパーキンソン症状が代表である。
【誤答の理由】便秘・口渇は抗コリン作用、眠気は抗ヒスタミン作用、起立性低血圧は抗α1作用による副作用で、いずれも錐体外路症状には含まれない。
【関連知識】錐体外路症状にはほかに、じっとしていられないアカシジア(静坐不能)、眼球上転や斜頸を起こす急性ジストニア、口をもぐもぐさせる遅発性ジスキネジアがある。高熱・筋強剛・意識障害を呈する悪性症候群は致死的で、直ちに報告する。
問4
精神保健福祉法における医療保護入院の要件はどれか。
  • 1本人の同意による入院
  • ✔家族等の同意と精神保健指定医1名の診察
  • 3都道府県知事の権限による入院
  • 4指定医2名以上の診察と知事の決定
  • 5本人・家族いずれの同意も不要
解説:【なぜ正解か】医療保護入院は、精神保健指定医1名の診察で入院が必要と判定され、本人の同意が得られない場合に、家族等の同意により行う入院形態である。
【誤答の理由】本人の同意による入院は任意入院。都道府県知事の権限によるのは措置入院で、指定医2名以上の一致が必要。裁判所や警察官が決定する入院形態はない。
【関連知識】入院形態は、任意(本人同意)→医療保護(家族等同意+指定医1名)→措置(自傷他害のおそれ+指定医2名+知事)→緊急措置(72時間限定)→応急(家族等の同意が得られず72時間限定)と整理して覚える。
問5
精神保健福祉法における任意入院の説明として正しいのはどれか。
  • 1家族等の同意による入院
  • 2都道府県知事の措置による入院
  • 3裁判所の決定による入院
  • 4警察官の判断による入院
  • ✔本人の同意に基づく入院
解説:【なぜ正解か】任意入院は本人の同意に基づく最も基本的な入院形態で、精神科入院では本人の意思の尊重が原則とされる。
【誤答の理由】家族等の同意によるのは医療保護入院、知事の措置によるのは措置入院。裁判所や警察官が決定する入院形態は存在しない。
【関連知識】任意入院者から退院の申し出があれば原則退院させるが、指定医が必要と認めた場合に限り72時間まで退院を制限できる。開放処遇が原則である点も特徴。入院形態は「誰の同意か」「誰が判断するか」の2軸で表に整理すると確実。
問6
自殺念慮のある患者への対応で適切なのはどれか。
  • ✔「死にたい」という訴えを率直に確認し、傾聴する
  • 2一人にして落ち着かせる
  • 3叱責して思いとどまらせる
  • 4約束させて安心する
  • 5死にたい気持ちについて触れない
解説:【なぜ正解か】自殺念慮は率直に尋ねて確認することが原則。「死にたい気持ちがありますか」と真剣に問うことは、患者にとって「気持ちを受け止めてもらえた」体験となり、自殺を促すことはないと確立されている。
【誤答の理由】触れない・一人にする・叱責はいずれも孤立感を深め危険。「死なない約束」だけで安心するのも危険で、具体的な安全確保が必要。
【関連知識】TALKの原則:Tell(心配を言葉で伝える)・Ask(自殺について率直に尋ねる)・Listen(傾聴)・Keep safe(安全確保)。手段となる危険物の管理、観察の強化、多職種での情報共有を必ず行う。回復期のうつ病患者は特にリスクが高い。
問7
アルコール依存症の治療で最も重要なのはどれか。
  • 1適量なら飲酒を続ける
  • ✔断酒の継続と自助グループへの参加
  • 3本人の意志の強さのみに任せる
  • 4家族が代わりに管理する
  • 5入院すれば治癒する
解説:【なぜ正解か】アルコール依存症は「コントロール障害」であり、少量でも飲めば元に戻る。断酒の継続が治療の大原則で、断酒会やAAなどの自助グループへの参加が継続を支える。
【誤答の理由】節酒(適量なら可)は依存症には通用しない。意志の強さだけの問題ではなく脳の疾患。家族の肩代わり管理は共依存を生む。入院だけで治癒するものでもない。
【関連知識】急な断酒で振戦・発汗・不眠、重症では幻覚を伴う振戦せん妄が生じるため、離脱期は医療管理下で行う。抗酒薬や飲酒欲求を減らす薬も併用される。家族も家族会などの支援対象であり、再飲酒を責めず治療再開につなげる姿勢が大切。
問8
パニック発作を起こしている患者への対応で適切なのはどれか。
  • 1身体拘束を行う
  • 2大声で励ます
  • ✔そばに付き添い、落ち着いた口調でゆっくり呼吸を促す
  • 4一人にする
  • 5発作について詳しく問い詰める
解説:【なぜ正解か】パニック発作は数分でピークに達し30分程度で自然に軽快することが多い。そばに付き添って安全を保証し、落ち着いた声でゆっくりした呼吸を促すことが基本対応である。
【誤答の理由】大声の励ましや問い詰めは不安を増強する。一人にするのは恐怖を強め、身体拘束は不要かつ有害である。
【関連知識】症状は動悸・呼吸困難・発汗・「死んでしまう」という強い恐怖。過換気を伴う場合はゆっくり呼吸するよう促す(ペーパーバッグ法は低酸素の危険があり現在は推奨されない)。「発作では死なない」ことを伝え、繰り返す場合は薬物療法や認知行動療法につなぐ。