建設業簿記の基礎全150問中 8問を掲載
問1一般の商業簿記における「売上高」に相当する、建設業会計の勘定科目はどれか。
- 1工事未払金
- 2完成工事未収入金
- ✔完成工事高
- 4完成工事原価
- 5未成工事受入金
解説:正解は3。建設業では、請け負った工事が完成して発注者に引き渡した時点で計上する収益を「完成工事高」という。他の選択肢の対応関係は、完成工事原価=売上原価、完成工事未収入金=売掛金、工事未払金=買掛金、未成工事受入金=前受金である。建設業特有の勘定科目は3級で最も基本かつ頻出の論点なので、商業簿記との対応表を丸ごと覚えておきたい。
問2商業簿記の「売掛金」に相当する建設業会計の勘定科目はどれか。
- 1未成工事受入金
- ✔完成工事未収入金
- 3未成工事支出金
- 4未収入金
- 5工事未払金
解説:正解は2。完成した工事を引き渡したが代金が未回収である場合の債権は「完成工事未収入金」で処理する。単なる「未収入金」は、固定資産の売却代金など営業取引以外から生じた債権に使う科目であり、工事代金には用いない点に注意。未成工事支出金は仕掛品、工事未払金は買掛金に相当する。
問3商業簿記の「買掛金」に相当する建設業会計の勘定科目はどれか。
- 1未成工事受入金
- 2未払費用
- ✔工事未払金
- 4支払手形
- 5未払金
解説:正解は3。材料の掛買いや外注工事代金の未払いなど、工事施工に関する営業上の債務は「工事未払金」で処理する。未払金は営業取引以外(固定資産の購入代金など)の債務、未払費用は継続的役務提供契約における時の経過分の未払額であり、いずれも区別が必要である。
問4商業簿記の「仕掛品」に相当する建設業会計の勘定科目はどれか。
- 1完成工事未収入金
- ✔未成工事支出金
- 3未成工事受入金
- 4材料貯蔵品
- 5完成工事原価
解説:正解は2。期末時点でまだ完成・引渡しが済んでいない工事に投入した原価の累計額は「未成工事支出金」として資産計上する。工事が完成し引き渡された時点で、未成工事支出金から完成工事原価へ振り替えられる。名称が似た未成工事受入金は負債(前受金)なので混同しないこと。
問5商業簿記の「前受金」に相当する建設業会計の勘定科目はどれか。
- 1完成工事未収入金
- ✔未成工事受入金
- 3未成工事支出金
- 4前払費用
- 5預り金
解説:正解は2。工事完成前に発注者から受け取った工事代金の一部(前受金・中間金)は「未成工事受入金」として負債に計上する。まだ工事が完成していない以上、収益(完成工事高)にはできないためである。工事完成・引渡時に完成工事高へ振り替える。
問6商業簿記の「売上原価」に相当する建設業会計の勘定科目はどれか。
- 1販売費及び一般管理費
- ✔完成工事原価
- 3材料費
- 4工事未払金
- 5未成工事支出金
解説:正解は2。当期に完成・引渡しを行った工事に対応する原価を「完成工事原価」といい、損益計算書で完成工事高から差し引かれる。未成工事支出金は未完成工事分の原価であり、費用ではなく資産である点が決定的な違いである。
問7建設業における工事原価の4要素に含まれないものはどれか。
- 1労務費
- 2材料費
- ✔販売費及び一般管理費
- 4経費
- 5外注費
解説:正解は3。建設業の工事原価は、材料費・労務費・外注費・経費の4つに分類される。製造業の3分類(材料費・労務費・経費)に「外注費」が加わるのが建設業の大きな特徴で、下請業者への発注が多い業界実態を反映している。販売費及び一般管理費は工事原価ではなく期間費用である。
問8未成工事支出金の貸借対照表における表示区分として正しいものはどれか。
- 1流動負債
- ✔流動資産
- 3固定負債
- 4繰延資産
- 5固定資産
解説:正解は2。未成工事支出金は未完成工事に投入された原価であり、いずれ完成工事原価となって費用化される棚卸資産の性格を持つ。したがって流動資産に表示される。名前が似た未成工事受入金が流動負債であるのと対になるので、セットで押さえること。
簿記の基礎理論全100問中 8問を掲載
問1貸借対照表等式として正しいものはどれか。
- 1純資産 = 資産 + 負債
- 2資産 = 負債 - 純資産
- 3負債 = 資産 + 純資産
- 4資産 + 負債 = 純資産
- ✔資産 = 負債 + 純資産
解説:正解は5。貸借対照表は左側(借方)に資産、右側(貸方)に負債と純資産を記載するため、「資産=負債+純資産」が成り立つ。これを移項した「資産-負債=純資産」は資本等式と呼ばれ、純資産(自己資本)が資産から負債を控除した正味財産であることを示す。
問2簿記上の取引要素の結合関係として、成立しないものはどれか。
- 1資産の増加 と 収益の発生
- 2費用の発生 と 資産の減少
- 3資産の増加 と 負債の増加
- 4負債の減少 と 資産の減少
- ✔費用の発生 と 収益の発生
解説:正解は5。取引の8要素では、借方要素(資産の増加・負債の減少・純資産の減少・費用の発生)と貸方要素(資産の減少・負債の増加・純資産の増加・収益の発生)が組み合わされる。「費用の発生」も「収益の発生」も同時に生じる結合は原則として存在しない。費用は借方要素、収益は貸方要素であることを軸に判断する。
問3次のうち、勘定の借方(左側)に記入されるものはどれか。
- 1収益の発生
- 2資本の増加
- 3資産の減少
- 4負債の増加
- ✔費用の発生
解説:正解は5。借方に記入されるのは、資産の増加・負債の減少・純資産(資本)の減少・費用の発生の4つである。逆に貸方には、資産の減少・負債の増加・純資産の増加・収益の発生が記入される。この配置は簿記のすべての仕訳の土台となるため、確実に暗記すること。
問4次のうち、損益計算書に表示される項目はどれか。
- 1完成工事未収入金
- ✔完成工事原価
- 3工事未払金
- 4未成工事受入金
- 5未成工事支出金
解説:正解は2。完成工事原価は費用であり損益計算書に表示される。完成工事未収入金(資産)、未成工事支出金(資産)、工事未払金(負債)、未成工事受入金(負債)はいずれも貸借対照表項目である。名称が似ていても、資産・負債か収益・費用かを見分けられるようにしておきたい。
問5簿記一巡の手続きの順序として正しいものはどれか。
- 1取引 → 精算表 → 仕訳帳 → 試算表 → 財務諸表
- 2取引 → 総勘定元帳 → 仕訳帳 → 試算表 → 財務諸表
- ✔取引 → 仕訳帳 → 総勘定元帳 → 試算表 → 精算表 → 財務諸表
- 4取引 → 試算表 → 仕訳帳 → 総勘定元帳 → 財務諸表
- 5取引 → 財務諸表 → 仕訳帳 → 総勘定元帳 → 試算表
解説:正解は3。取引が発生したらまず仕訳帳に仕訳し、それを総勘定元帳の各勘定口座に転記する。期中の転記が正しいかを試算表で検証し、決算整理を経て精算表を作成し、最終的に貸借対照表・損益計算書という財務諸表を作成する。この流れが簿記一巡の手続きである。
問6試算表の種類として、通常挙げられないものはどれか。
- 1繰越試算表
- 2合計試算表
- 3合計残高試算表
- ✔精算試算表
- 5残高試算表
解説:正解は4。試算表には、各勘定の借方合計・貸方合計を集計した合計試算表、各勘定の残高を集計した残高試算表、その両方を1つの表にまとめた合計残高試算表がある。繰越試算表は決算において資産・負債・純資産の次期繰越額の一致を確かめる表として作成される。「精算試算表」という区分は存在しない。
問7「貸借平均の原理」の説明として最も適切なものはどれか。
- ✔1つの取引について借方の金額合計と貸方の金額合計が必ず一致するという原理
- 2資産は必ず負債より大きくなるという原理
- 3現金の増加と減少が一致するという原理
- 4期首の資本と期末の資本が一致するという原理
- 5収益は必ず費用より大きくなるという原理
解説:正解は1。複式簿記では1つの取引を必ず借方と貸方の両面から記録するため、借方合計と貸方合計は常に一致する。この性質を貸借平均の原理といい、試算表を作成して転記の正確性を検証できる根拠となっている。ただし、貸借が一致していても、勘定科目の誤りや二重記帳などの誤謬は発見できない点に注意。
問8期首資本4,000,000円、期末資本4,700,000円、期中の追加出資が200,000円、引出額が100,000円であった場合、当期純利益はいくらか。
- 1500,000円
- 2700,000円
- ✔600,000円
- 4900,000円
- 5800,000円
解説:正解は3。当期純利益は「期末資本 -(期首資本 + 追加出資 - 引出額)」で求める。4,700,000 -(4,000,000 + 200,000 - 100,000)= 4,700,000 - 4,100,000 = 600,000円となる。資本の増減のうち、元入れや引出しといった損益取引以外の要因を除いた分が当期純利益である(財産法)。
仕訳全248問中 8問を掲載
問1工事用の材料500,000円を掛けで購入した。正しい仕訳はどれか。
- 1(借)材料費 500,000 /(貸)未成工事受入金 500,000
- 2(借)未成工事支出金 500,000 /(貸)未払金 500,000
- ✔(借)材料 500,000 /(貸)工事未払金 500,000
- 4(借)材料 500,000 /(貸)買掛金 500,000
- 5(借)工事未払金 500,000 /(貸)材料 500,000
解説:正解は3。材料の購入により資産である材料(材料貯蔵品)が増加し、代金未払いにより営業上の債務である工事未払金が増加する。建設業では商業簿記の買掛金に代えて工事未払金を用いる点がポイント。なお、材料を購入した段階では費用ではなく資産である。
問2請け負っていた工事が完成し発注者に引き渡した。請負金額8,000,000円のうち、既に受け取っていた未成工事受入金が3,000,000円あり、残額は翌月受け取ることとした。正しい仕訳はどれか。
- 1(借)未成工事支出金 3,000,000、完成工事未収入金 5,000,000 /(貸)完成工事高 8,000,000
- 2(借)完成工事未収入金 8,000,000 /(貸)完成工事高 8,000,000
- 3(借)現金 3,000,000、完成工事未収入金 5,000,000 /(貸)完成工事高 8,000,000
- ✔(借)未成工事受入金 3,000,000、完成工事未収入金 5,000,000 /(貸)完成工事高 8,000,000
- 5(借)完成工事高 8,000,000 /(貸)未成工事受入金 3,000,000、完成工事未収入金 5,000,000
解説:正解は4。引渡しにより請負金額の全額8,000,000円を完成工事高として計上する。同時に、既に負債計上していた未成工事受入金3,000,000円は履行済みとなるため取り崩し(借方)、残りの5,000,000円は完成工事未収入金として債権計上する。前受金の取崩しを忘れないことが最大のポイント。
問3工事の着手にあたり、発注者から前受金2,000,000円を当座預金口座に受け入れた。正しい仕訳はどれか。
- 1(借)未成工事受入金 2,000,000 /(貸)当座預金 2,000,000
- 2(借)当座預金 2,000,000 /(貸)完成工事未収入金 2,000,000
- ✔(借)当座預金 2,000,000 /(貸)未成工事受入金 2,000,000
- 4(借)未成工事支出金 2,000,000 /(貸)当座預金 2,000,000
- 5(借)当座預金 2,000,000 /(貸)完成工事高 2,000,000
解説:正解は3。工事が完成していない段階での入金は収益に計上できない。工事を完成させ引き渡す義務を負っているため、未成工事受入金という負債で処理する。工事完成・引渡時に完成工事高へ振り替えられる。
問4下請業者に発注していた工事が完了し、外注代金1,200,000円のうち800,000円を小切手で支払い、残額は翌月払いとした。正しい仕訳はどれか。
- 1(借)外注費 1,200,000 /(貸)当座預金 800,000、未払金 400,000
- 2(借)外注費 1,200,000 /(貸)現金 800,000、工事未払金 400,000
- 3(借)工事未払金 1,200,000 /(貸)当座預金 800,000、外注費 400,000
- 4(借)未成工事受入金 1,200,000 /(貸)当座預金 800,000、工事未払金 400,000
- ✔(借)外注費 1,200,000 /(貸)当座預金 800,000、工事未払金 400,000
解説:正解は5。外注工事代金は工事原価の一要素である外注費として処理する。小切手の振出しによる支払いは当座預金の減少であり、現金の減少ではない点に注意。残額は工事施工に関する営業上の債務なので工事未払金となる。
問5現金の実際有高が帳簿残高より15,000円少なかったが、原因は不明である。正しい仕訳はどれか。
- 1仕訳不要
- 2(借)現金 15,000 /(貸)雑収入 15,000
- 3(借)現金 15,000 /(貸)現金過不足 15,000
- 4(借)雑損失 15,000 /(貸)現金 15,000
- ✔(借)現金過不足 15,000 /(貸)現金 15,000
解説:正解は5。実際有高が帳簿残高より少ない場合、帳簿を実際有高に合わせるため現金を減少させ、相手勘定として現金過不足(借方)を計上する。原因が判明すれば適切な勘定へ振り替え、決算日まで原因不明であれば雑損失(雑損)に振り替える。
問6決算日において、現金過不足勘定の借方残高8,000円の原因が最後まで判明しなかった。決算時の正しい仕訳はどれか。
- 1(借)現金 8,000 /(貸)現金過不足 8,000
- 2(借)現金過不足 8,000 /(貸)現金 8,000
- ✔(借)雑損失 8,000 /(貸)現金過不足 8,000
- 4(借)現金過不足 8,000 /(貸)雑収入 8,000
- 5仕訳不要
解説:正解は3。現金過不足が借方残高ということは現金が不足していた状態であり、費用の性質を持つ。決算まで原因不明の場合は雑損失(雑損)勘定に振り替えて現金過不足勘定を消去する。逆に貸方残高であれば雑収入(雑益)に振り替える。
問7定額資金前渡法(インプレスト・システム)を採用している。小口現金係から、旅費交通費12,000円、通信費8,000円を使用した旨の報告を受けた。この報告時点の正しい仕訳はどれか。
- 1(借)旅費交通費 12,000、通信費 8,000 /(貸)当座預金 20,000
- 2仕訳不要
- 3(借)小口現金 20,000 /(貸)旅費交通費 12,000、通信費 8,000
- 4(借)小口現金 20,000 /(貸)当座預金 20,000
- ✔(借)旅費交通費 12,000、通信費 8,000 /(貸)小口現金 20,000
解説:正解は5。小口現金係から支払報告を受けた時点で、各費用勘定を借方に計上し、小口現金を減少させる。その後、同額を補給した時点で「(借)小口現金 20,000/(貸)当座預金 20,000」という仕訳を行う。報告と補給が同時に行われる場合は、小口現金勘定を相殺して当座預金を直接貸方に記入することもある。
問8当座預金残高が300,000円のところ、工事未払金の支払いのために500,000円の小切手を振り出した。なお、取引銀行と限度額1,000,000円の当座借越契約を結んでおり、当座借越勘定を用いて処理している。正しい仕訳はどれか。
- ✔(借)工事未払金 500,000 /(貸)当座預金 300,000、当座借越 200,000
- 2(借)工事未払金 500,000 /(貸)現金 300,000、当座借越 200,000
- 3(借)工事未払金 500,000 /(貸)当座借越 500,000
- 4(借)工事未払金 500,000 /(貸)当座預金 500,000
- 5(借)当座借越 500,000 /(貸)当座預金 500,000
解説:正解は1。当座預金残高300,000円を超える200,000円分は銀行からの一時的な借入れとなる。二勘定制では、預金残高までを当座預金の減少、超過分を当座借越(負債)の増加として処理する。当座借越は貸借対照表上、短期借入金として表示される。
工事原価計算全150問中 8問を掲載
問1工事原価における「材料費」の説明として最も適切なものはどれか。
- 1現場事務所の水道光熱費
- 2工事のために外部の業者に発注した費用
- 3本社の事務用品費
- 4現場作業員に支払う賃金・手当
- ✔工事のために直接購入した素材・部品・仮設材料などの費消額
解説:正解は5。材料費は、工事のために消費した物品の原価であり、素材費、買入部品費、仮設材料費、消耗工具器具備品費などが含まれる。なお、外部業者への発注費用は外注費、現場作業員の賃金・手当は労務費、現場事務所の水道光熱費は経費、本社の事務用品費は販売費及び一般管理費に該当する。工事原価4要素の定義は毎回のように出題される最重要論点である。
問2工事原価における「労務費」に該当するものはどれか。
- 1下請業者への支払代金
- ✔工事現場で直接作業に従事する作業員の賃金
- 3現場で使用する重機の減価償却費
- 4本社総務部員の給料
- 5役員報酬
解説:正解は2。労務費は、工事に従事する作業員の賃金・給料・手当・賞与・法定福利費などである。現場監督者の給料も工事原価に算入される点に注意。なお、下請業者への支払代金は外注費、重機の減価償却費は経費であり、本社総務部員の給料や役員報酬は販売費及び一般管理費として期間費用処理される。
問3工事原価における「経費」に該当しないものはどれか。
- 1現場事務所の地代家賃
- 2工事現場の火災保険料
- 3工事用機械の減価償却費
- 4工事現場の水道光熱費
- ✔現場作業員の賃金
解説:正解は5。経費とは、材料費・労務費・外注費のいずれにも属さない工事原価をいい、動力用水光熱費、減価償却費、保険料、地代家賃、租税公課などが含まれる。現場作業員の賃金は労務費に分類されるため、経費には該当しない。
問4期首未成工事支出金1,200,000円、当期工事原価発生額7,800,000円、期末未成工事支出金1,500,000円であった。当期の完成工事原価はいくらか。
- ✔7,500,000円
- 210,500,000円
- 39,000,000円
- 48,100,000円
- 57,800,000円
解説:正解は1。完成工事原価=期首未成工事支出金 + 当期工事原価発生額 - 期末未成工事支出金 で計算する。1,200,000 + 7,800,000 - 1,500,000 = 7,500,000円。商業簿記の売上原価(期首商品+当期仕入-期末商品)と全く同じ構造なので、対応させて理解すると覚えやすい。
問5期首未成工事支出金800,000円、当期に発生した工事原価6,500,000円、当期の完成工事原価6,000,000円であった。期末未成工事支出金はいくらか。
- 1700,000円
- 21,000,000円
- ✔1,300,000円
- 4500,000円
- 51,500,000円
解説:正解は3。期末未成工事支出金=期首未成工事支出金 + 当期工事原価発生額 - 完成工事原価 で求める。800,000 + 6,500,000 - 6,000,000 = 1,300,000円。未成工事支出金勘定のボックス図(借方=期首+当期発生、貸方=完成工事原価+期末)を描くと確実に解ける。
問6完成工事高12,000,000円、完成工事原価9,000,000円、販売費及び一般管理費1,800,000円であった。完成工事総利益と営業利益の組合せとして正しいものはどれか。
- 1完成工事総利益 1,200,000円・営業利益 3,000,000円
- 2完成工事総利益 10,200,000円・営業利益 3,000,000円
- ✔完成工事総利益 3,000,000円・営業利益 1,200,000円
- 4完成工事総利益 2,100,000円・営業利益 1,200,000円
- 5完成工事総利益 3,000,000円・営業利益 3,000,000円
解説:正解は3。完成工事総利益=12,000,000 - 9,000,000 = 3,000,000円。営業利益=完成工事総利益 - 販売費及び一般管理費=3,000,000 - 1,800,000 = 1,200,000円。損益計算書の段階利益は上から、完成工事総利益→営業利益→経常利益→税引前当期純利益→当期純利益の順である。
問7材料の受払記録が次のとおりである。前月繰越100個@500円、当月仕入200個@560円、当月消費250個。先入先出法による当月の材料費はいくらか。
- 1137,000円
- ✔134,000円
- 3140,000円
- 4134,500円
- 5125,000円
解説:正解は2。先入先出法では先に受け入れたものから先に払い出したとみなす。消費250個の内訳は、前月繰越分100個×500円=50,000円、当月仕入分150個×560円=84,000円。合計50,000+84,000=134,000円が当月の材料費となる。残高は当月仕入分50個×560円=28,000円である。
問8材料の受払記録が次のとおりである。前月繰越100個@500円、当月仕入300個@600円、当月消費250個。総平均法(移動平均を用いず月間の総平均)による当月の材料費はいくらか。
- ✔143,750円
- 2125,000円
- 3145,000円
- 4150,000円
- 5155,000円
解説:正解は1。総平均単価=(100×500 + 300×600) ÷ (100 + 300) = (50,000 + 180,000) ÷ 400 = 230,000 ÷ 400 = 575円。当月消費250個×575円=143,750円が材料費となる。平均法は単価計算で端数が出ることが多いので、割り切れるか必ず確認すること。
決算整理全147問中 8問を掲載
問1次のうち、決算整理事項に該当しないものはどれか。
- 1減価償却費の計上
- 2現金過不足の雑損失・雑収入への振替
- 3費用の前払い・未払いの計上
- 4貸倒引当金の設定
- ✔工事用材料の掛買い
解説:正解は5。工事用材料の掛買いは期中の通常取引であり、決算整理事項ではない。決算整理とは、期中の記録を適正な期間損益計算に修正する手続きであり、減価償却、貸倒引当金の設定、経過勘定(前払・前受・未払・未収)の計上、現金過不足の整理、棚卸資産の評価などが該当する。
問2当期の11月1日に向こう1年分の保険料240,000円を現金で支払い、全額を保険料勘定で処理した。決算日は3月31日である。決算整理仕訳として正しいものはどれか。
- 1(借)前払保険料 100,000 /(貸)保険料 100,000
- 2(借)未払保険料 140,000 /(貸)保険料 140,000
- 3仕訳不要
- ✔(借)前払保険料 140,000 /(貸)保険料 140,000
- 5(借)保険料 140,000 /(貸)前払保険料 140,000
解説:正解は4。11月1日から翌年10月31日までの1年分のうち、当期に属するのは11月~3月の5か月分。次期に属するのは4月~10月の7か月分である。240,000×7/12=140,000円を前払保険料(資産)として繰り延べる。月数の数え間違いが最頻出のミスなのでカレンダーを書いて確認すること。
問3決算にあたり、当期に発生しているが未払いの利息30,000円を計上する。正しい仕訳はどれか。
- ✔(借)支払利息 30,000 /(貸)未払利息 30,000
- 2(借)未収利息 30,000 /(貸)受取利息 30,000
- 3(借)前払利息 30,000 /(貸)支払利息 30,000
- 4(借)未払利息 30,000 /(貸)支払利息 30,000
- 5(借)支払利息 30,000 /(貸)前払利息 30,000
解説:正解は1。費用の見越し(未払費用)の処理である。当期に役務の提供を受けている以上、支払いが未了でも当期の費用として計上しなければならない。借方に支払利息(費用)、貸方に未払利息(負債)を計上する。翌期首に再振替仕訳を行う点も押さえておきたい。
問4決算にあたり、当期分として既に受け取っているが、次期に属する家賃60,000円がある。正しい決算整理仕訳はどれか。
- 1(借)未収家賃 60,000 /(貸)受取家賃 60,000
- 2(借)前受家賃 60,000 /(貸)受取家賃 60,000
- 3(借)前払家賃 60,000 /(貸)受取家賃 60,000
- 4(借)受取家賃 60,000 /(貸)未収家賃 60,000
- ✔(借)受取家賃 60,000 /(貸)前受家賃 60,000
解説:正解は5。収益の繰延べ(前受収益)の処理である。次期に属する収益を当期の収益から取り除くため、受取家賃(収益)を借方に記入して減額し、貸方に前受家賃(負債)を計上する。前受収益は「まだ役務を提供していないのに代金を受け取っている」状態なので負債である。
問5決算にあたり、当期に既に経過しているが未だ受け取っていない利息20,000円がある。正しい仕訳はどれか。
- ✔(借)未収利息 20,000 /(貸)受取利息 20,000
- 2(借)支払利息 20,000 /(貸)未払利息 20,000
- 3(借)受取利息 20,000 /(貸)前受利息 20,000
- 4(借)前受利息 20,000 /(貸)受取利息 20,000
- 5(借)受取利息 20,000 /(貸)未収利息 20,000
解説:正解は1。収益の見越し(未収収益)の処理である。時の経過により当期の収益として実現しているものは、入金がなくても当期に計上する。借方に未収利息(資産)、貸方に受取利息(収益)を記入する。経過勘定4種類(前払・前受・未払・未収)は、資産か負債か、費用か収益かをセットで整理して覚えること。
問68桁精算表の構成として正しいものはどれか。
- ✔残高試算表欄・修正記入欄・損益計算書欄・貸借対照表欄
- 2修正記入欄・繰越試算表欄
- 3仕訳帳欄・元帳欄・試算表欄・財務諸表欄
- 4残高試算表欄・損益計算書欄
- 5合計試算表欄・残高試算表欄・修正記入欄・財務諸表欄
解説:正解は1。8桁精算表は、残高試算表欄・修正記入(整理記入)欄・損益計算書欄・貸借対照表欄の4欄からなり、それぞれ借方・貸方の2列を持つため合計8桁となる。決算整理の内容を修正記入欄に記入し、収益・費用は損益計算書欄へ、資産・負債・純資産は貸借対照表欄へ振り分ける。
問7精算表において当期純利益が生じている場合、その金額が記入される欄の組合せとして正しいものはどれか。
- 1損益計算書欄の貸方 と 貸借対照表欄の借方
- 2損益計算書欄の貸方 と 貸借対照表欄の貸方
- 3修正記入欄の借方 と 貸方
- 4損益計算書欄の借方 と 貸借対照表欄の借方
- ✔損益計算書欄の借方 と 貸借対照表欄の貸方
解説:正解は5。当期純利益が生じているとき、損益計算書欄は収益(貸方)が費用(借方)より大きいので、貸借を一致させるために借方に当期純利益を記入する。一方、貸借対照表欄では純資産が増加するため貸方に記入する。当期純損失の場合は逆になる。
問8取得原価3,600,000円、残存価額を取得原価の10%、耐用年数9年の建物について定額法で減価償却を行う場合、1年分の減価償却費はいくらか。
- 1400,000円
- ✔360,000円
- 3440,000円
- 4324,000円
- 5300,000円
解説:正解は2。定額法の年間減価償却費=(取得原価 - 残存価額) ÷ 耐用年数。残存価額=3,600,000×10%=360,000円。よって(3,600,000 - 360,000) ÷ 9 = 3,240,000 ÷ 9 = 360,000円となる。残存価額をゼロと勘違いすると400,000円になるので、条件文を必ず確認すること。
帳簿・伝票全102問中 8問を掲載
問1主要簿に該当する帳簿の組合せとして正しいものはどれか。
- 1仕訳帳 と 現金出納帳
- 2総勘定元帳 と 工事台帳
- ✔仕訳帳 と 総勘定元帳
- 4現金出納帳 と 材料元帳
- 5受取手形記入帳 と 支払手形記入帳
解説:正解は3。主要簿は複式簿記に不可欠な帳簿であり、仕訳帳と総勘定元帳の2つをいう。これ以外の現金出納帳、材料元帳、工事台帳、手形記入帳などは、主要簿の記録を補足・詳細化するための補助簿である。
問2次のうち、補助記入帳ではなく補助元帳に分類されるものはどれか。
- 1仕入帳
- 2現金出納帳
- 3受取手形記入帳
- ✔材料元帳
- 5当座預金出納帳
解説:正解は4。補助簿は補助記入帳と補助元帳に分けられる。補助記入帳は取引を発生順に記録するもの(現金出納帳、当座預金出納帳、手形記入帳、仕入帳など)、補助元帳は特定の勘定の内訳を口座別に記録するもの(材料元帳、得意先元帳、工事台帳など)である。
問33伝票制で用いられる伝票の組合せとして正しいものはどれか。
- 1入金伝票・出金伝票・仕入伝票
- 2入金伝票・売上伝票・仕入伝票
- 3振替伝票・売上伝票・仕入伝票
- 4入金伝票・出金伝票・売上伝票
- ✔入金伝票・出金伝票・振替伝票
解説:正解は5。3伝票制は入金伝票・出金伝票・振替伝票の3種類を用いる方式である。これに売上伝票と仕入伝票を加えたものが5伝票制である。入金伝票は現金の入金取引、出金伝票は現金の出金取引、振替伝票は現金が動かない取引に用いる。
問4入金伝票に記入される取引として正しいものはどれか。
- ✔完成工事未収入金を現金で回収した
- 2工事未払金を小切手で支払った
- 3材料を掛けで購入した
- 4減価償却費を計上した
- 5約束手形を振り出した
解説:正解は1。入金伝票は現金が増加する取引を記入する伝票で、借方が必ず現金となる。したがって記入するのは相手勘定(この場合は完成工事未収入金)と金額である。小切手の振出しは当座預金の減少であり現金取引ではないため振替伝票に記入する。
問5現金が増減しない取引を記入する伝票はどれか。
- 1仕入伝票
- 2売上伝票
- 3入金伝票
- ✔振替伝票
- 5出金伝票
解説:正解は4。振替伝票は、現金の収支を伴わない取引(掛取引、手形取引、決算整理など)を記入する伝票であり、通常の仕訳と同じく借方・貸方の両方の勘定科目と金額を記入する。入金伝票・出金伝票は借方または貸方が現金に固定されるため、相手勘定のみを記入する。
問6総勘定元帳への転記に関する記述として、誤っているものはどれか。
- ✔転記する際は借方と貸方を入れ替えて記入する
- 2仕訳の貸方科目は、その勘定口座の貸方に記入する
- 3仕丁欄には仕訳帳のページ数を記入する
- 4仕訳の借方科目は、その勘定口座の借方に記入する
- 5摘要欄には相手勘定科目を記入する
解説:正解は1(誤っている記述)。転記は仕訳の借方・貸方をそのまま各勘定口座の同じ側に書き写す作業であり、貸借を入れ替えることはない。摘要欄には相手勘定科目、仕丁欄には仕訳帳のページ数を記入するのが正しい。
問7工事台帳の役割として最も適切なものはどれか。
- 1手形の期日を管理する
- 2総勘定元帳の残高を検証する
- 3従業員の勤怠を記録する
- 4現金の収支を日付順に記録する
- ✔工事ごとの原価を集計・管理する
解説:正解は5。工事台帳は、個々の工事について発生した材料費・労務費・外注費・経費を工事別に集計する補助元帳である。個別原価計算を採用する建設業において、未成工事支出金勘定の内訳を明らかにし、工事別の採算管理を行うために不可欠な帳簿である。
問8材料元帳における払出単価の決定方法として、通常用いられないものはどれか。
- 1先入先出法
- 2総平均法
- ✔定率法
- 4個別法
- 5移動平均法
解説:正解は3。定率法は固定資産の減価償却の方法であり、材料の払出単価の決定方法ではない。棚卸資産の払出単価の決定方法には、先入先出法、移動平均法、総平均法、個別法、最終仕入原価法などがある。用語の分野違いに注意すること。
財務諸表全103問中 8問を掲載
問1貸借対照表において、資産の部の配列として一般的に採用されている原則はどれか。
- 1金額順配列法
- 2取得順配列法
- 3五十音順配列法
- ✔流動性配列法
- 5固定性配列法
解説:正解は4。日本の企業会計では、換金性の高いものから順に並べる流動性配列法が原則である。資産の部では流動資産→固定資産→繰延資産、負債の部では流動負債→固定負債の順に表示される。電力・ガス業などでは例外的に固定性配列法が用いられる。
問2次のうち、貸借対照表上「固定資産」に区分されるものはどれか。
- 1材料貯蔵品
- 2完成工事未収入金
- 3未成工事支出金
- ✔建設仮勘定
- 5受取手形
解説:正解は4。建設仮勘定は、建設中の固定資産に係る支出を一時的に集計する勘定であり、有形固定資産に区分される。完成工事未収入金・未成工事支出金・材料貯蔵品・受取手形はいずれも流動資産である。なお、建設仮勘定は完成・稼働時に建物や機械装置などの本勘定へ振り替えられ、それまでは減価償却を行わない。
問3次のうち、貸借対照表上「流動負債」に区分されないものはどれか。
- 1短期借入金
- 2未成工事受入金
- 3支払手形
- ✔長期借入金
- 5工事未払金
解説:正解は4。長期借入金は返済期限が決算日の翌日から1年を超えて到来するため固定負債に区分される。工事未払金・未成工事受入金・支払手形は営業循環過程で生じる債務であり、また短期借入金は1年以内に返済期限が到来するため、いずれも流動負債である。
問4損益計算書における段階利益の並び順として正しいものはどれか。
- 1営業利益 → 完成工事総利益 → 経常利益 → 当期純利益
- ✔完成工事総利益 → 営業利益 → 経常利益 → 税引前当期純利益 → 当期純利益
- 3経常利益 → 営業利益 → 完成工事総利益 → 当期純利益
- 4完成工事総利益 → 経常利益 → 営業利益 → 当期純利益
- 5営業利益 → 経常利益 → 完成工事総利益 → 当期純利益
解説:正解は2。完成工事高から完成工事原価を引いて完成工事総利益、そこから販売費及び一般管理費を引いて営業利益、営業外収益・費用を加減して経常利益、特別利益・特別損失を加減して税引前当期純利益、法人税等を引いて当期純利益となる。この順序は毎回問われる基本論点である。
問5完成工事原価報告書に関する記述として、誤っているものはどれか。
- ✔販売費及び一般管理費の内訳を表示する
- 2完成工事原価の内訳を明らかにする明細書である
- 3損益計算書の完成工事原価と金額が一致する
- 4建設業に特有の財務諸表の一つである
- 5材料費・労務費・外注費・経費に区分して表示する
解説:正解は1(誤っている記述)。完成工事原価報告書は、あくまで完成工事原価の内訳を示すものであり、販売費及び一般管理費の内訳は含まない。販売費及び一般管理費は工事原価ではなく期間費用であり、別途損益計算書に表示される。
問6受取利息や支払利息が損益計算書に表示される区分として正しいものはどれか。
- 1販売費及び一般管理費
- ✔営業外収益・営業外費用
- 3特別利益・特別損失
- 4純資産の部
- 5完成工事原価
解説:正解は2。受取利息は営業外収益、支払利息は営業外費用に区分される。これらは企業の主たる営業活動(工事の請負)ではなく、資金の調達・運用という財務活動から生じる損益だからである。営業利益に営業外損益を加減したものが経常利益となる。
問7固定資産売却益が損益計算書に表示される区分として、一般的に正しいものはどれか。
- 1販売費及び一般管理費
- 2完成工事高
- ✔特別利益
- 4営業外収益
- 5完成工事原価
解説:正解は3。固定資産売却益は臨時的・偶発的に生じる損益であるため、特別利益に区分するのが一般的である。金額が僅少であったり毎期経常的に発生する場合には営業外収益とすることもあるが、3級の学習上は特別利益として押さえておけばよい。
問8個人企業の貸借対照表において、純資産の部に表示される主な項目はどれか。
- 1その他資本剰余金
- 2資本準備金
- 3自己株式
- ✔資本金
- 5利益準備金
解説:正解は4。個人企業では、元入れした資本と累積した利益がすべて資本金勘定に集約されるため、純資産の部は基本的に資本金のみで構成される。利益準備金・資本準備金・自己株式などは株式会社に特有の項目であり、個人企業では登場しない。