分野別問題:言語聴覚障害学

言語聴覚士|言語聴覚障害学

最終更新:2026年8月11日

言語聴覚士の言語聴覚障害学分野を集中的に演習します。

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問1
語音聴取に最も重要とされる周波数帯域として一般的に用いられる範囲はどれか。
  • ✔500Hz~4,000Hz
  • 220Hz~100Hz
  • 310,000Hz~20,000Hz
  • 40Hz~20Hz
解説:日本語の語音の多くのエネルギーや了解度に重要な成分は500Hzから4,000Hz帯域に集中している。
問2
日本語の語音了解度に特に重要とされる帯域として「バナナ域」と呼ばれる領域の意味はどれか。
  • ✔500Hz~3,000Hzの日常会話音声の大部分が収まる音圧・周波数の範囲
  • 220Hz以下の低周波帯域
  • 310,000Hz以上の高周波帯域
  • 4聴力とは無関係な帯域
解説:バナナ域とはオージオグラム上でバナナ形の領域として表示される日常会話の音声エネルギーが集中する帯域(概ね250〜4,000Hz、30〜70dB HL)を指す。
問3
純音平均聴力レベル(4分法)の計算に用いられる周波数の組み合わせとして正しいものはどれか。
  • ✔500Hz、1,000Hz、2,000Hz、4,000Hzの加重平均
  • 2125Hzと8,000Hzのみ
  • 3500Hzと2,000Hzのみ
  • 41,000Hzのみ
解説:4分法は(500Hz+1,000Hz×2+2,000Hz)/4で計算され、日本の身体障害認定等に用いられる。
問4
聴力損失の程度分類(WHO基準等)において、中等度難聴に相当する純音平均聴力レベルの目安はどれか。
  • ✔41dB HL〜60dB HL程度
  • 20〜25dB HL
  • 361〜80dB HL
  • 481dB HL以上
解説:WHO等の分類では軽度:26〜40dB、中等度:41〜60dB、高度:61〜80dB、重度:81dB以上が目安として用いられる(分類基準は機関により異なる)。
問5
聴力損失の程度分類において、高度難聴に相当する純音平均聴力レベルの目安はどれか。
  • ✔61dB HL〜80dB HL程度
  • 241〜60dB HL
  • 325dB HL以下
  • 481dB HL以上のみ
解説:高度難聴は61〜80dB HL程度が目安とされ、補聴器の効果が限定されることが多くなる段階である。
問6
聴力損失の程度分類において、重度難聴に相当する純音平均聴力レベルの目安はどれか。
  • ✔81dB HL以上
  • 261〜80dB HL
  • 341〜60dB HL
  • 426〜40dB HL
解説:重度難聴は概ね81dB HL以上とされ、補聴器のみでの言語聴取が著しく困難になり人工内耳の適応となることが多い水準である。
問7
先天性難聴の有病率として一般的に示されているおおよその割合はどれか。
  • ✔新生児約1,000人に1〜2人程度
  • 2新生児の約50%
  • 3新生児の約0.0001%
  • 4先天性難聴は存在しない
解説:先天性難聴は新生児約1,000人に1〜2人程度の頻度で生じるとされており、最も頻度の高い先天性障害の一つである。
問8
先天性難聴の原因として遺伝性要因が占める割合として一般的に示されているのはどれか。
  • ✔約50〜60%程度
  • 2約1%未満
  • 3約99%以上
  • 4遺伝性要因は存在しない
解説:先天性難聴の原因の約50〜60%は遺伝性要因によるものとされており、残りは後天的な要因(感染症・薬剤・仮死等)や原因不明のものである。
問9
遺伝性難聴の遺伝形式として最も頻度が高いとされるものはどれか。
  • ✔常染色体劣性遺伝
  • 2常染色体優性遺伝
  • 3X染色体連鎖遺伝
  • 4ミトコンドリア遺伝のみ
解説:遺伝性難聴の約70〜80%は常染色体劣性遺伝であり、日本人ではGJB2(コネキシン26)遺伝子変異が最も多い原因遺伝子の一つとされる。
問10
日本人の遺伝性難聴において最も頻度が高い原因遺伝子として知られるものはどれか。
  • ✔GJB2遺伝子(コネキシン26)
  • 2SLC26A4遺伝子のみ
  • 3MYO7A遺伝子のみ
  • 4COCH遺伝子のみ
解説:日本人の遺伝性難聴においてGJB2遺伝子(コネキシン26をコードする)の変異が最も多い原因として報告されている。
問11
純音聴力検査の目的として正しいものはどれか。
  • ✔各周波数における最小可聴閾値(聴力レベル)の測定
  • 2声帯の振動状態の評価
  • 3認知機能の評価
  • 4摂食嚥下機能の評価
解説:純音聴力検査は純音を用いて各周波数における最小可聴閾値(聴力閾値)を測定し、難聴の程度と型を評価する標準的な聴力検査法である。
問12
ティンパノグラム(インピーダンスオージオメトリ)のA型パターンが示す内容はどれか。
  • ✔正常な中耳コンプライアンス
  • 2中耳に液体が貯留している状態
  • 3鼓膜穿孔が疑われる状態
  • 4耳硬化症が疑われる状態
解説:ティンパノグラムA型は大気圧付近にピークを持つ正常なパターンで、中耳コンプライアンスが正常であることを示す。
問13
ティンパノグラムのB型パターンが示す内容として最も典型的なものはどれか。
  • ✔中耳腔への液体貯留(滲出性中耳炎等)
  • 2正常な中耳機能
  • 3耳管が開放している状態
  • 4耳硬化症のみ
解説:ティンパノグラムB型はフラットな形状を示し、中耳腔に液体が貯留している滲出性中耳炎等で典型的にみられる。
問14
ティンパノグラムのC型パターンが示す内容として最も典型的なものはどれか。
  • ✔陰圧偏移(耳管機能不全による鼓室陰圧)
  • 2正常な中耳機能
  • 3液体貯留のみ
  • 4耳硬化症のみ
解説:ティンパノグラムC型はピークが陰圧側にずれたパターンで、耳管機能不全による鼓室内の陰圧状態を示す。
問15
聴性定常反応(ASSR)検査の特徴として正しいものはどれか。
  • ✔複数周波数の同時刺激により周波数別の客観的聴力閾値を推定できる
  • 2純音聴力検査と全く同じ情報のみを提供する
  • 3主観的反応のみで評価する検査である
  • 4乳幼児には全く適応できない検査である
解説:ASSRは複数の周波数の変調音を同時に提示し、定常状態の脳波反応から周波数別の客観的聴力閾値を推定できる客観的聴力検査である。
問16
聴覚処理障害(APD)の評価において用いられる検査の特徴として適切なものはどれか。
  • ✔両耳分離聴や雑音下語音聴取など中枢聴覚処理を評価する検査が用いられる
  • 2純音聴力検査のみで診断が確定する
  • 3視力検査のみで評価できる
  • 4知能検査のみで評価できる
解説:APDの評価では末梢聴力(純音聴力)だけでなく、両耳分離聴検査・雑音下語音聴取検査・時間的処理検査など中枢聴覚処理機能を評価する専門的検査が用いられる。
問17
自記オージオメトリ(Bekesy法)の特徴として正しいものはどれか。
  • ✔被験者が自らボタン操作で閾値を追跡する自動聴力検査法
  • 2検査者が全ての操作を行う検査法
  • 3新生児にのみ適応できる検査法
  • 4脳波を用いる検査法
解説:自記オージオメトリは被験者が聴こえた時にボタンを押し続け聴こえなくなったら離す動作により、自動的に閾値を測定するオージオメトリである。
問18
補聴器の種類のうち、耳介後部に装着するタイプを何と呼ぶか。
  • ✔耳かけ型(BTE)
  • 2耳あな型(ITE)
  • 3ポケット型
  • 4骨導補聴器
解説:耳かけ型(BTE: Behind-The-Ear)は耳介後部に本体を装着し、イヤモールド等を通じて音を伝えるタイプの補聴器である。
問19
補聴器の種類のうち、耳道内に完全に収まる最小タイプを何と呼ぶか。
  • ✔CIC(Completely-In-Canal)型
  • 2耳かけ型(BTE)
  • 3ポケット型
  • 4骨導補聴器
解説:CIC型は耳道内に完全に収まる最小の補聴器タイプで、外観上目立ちにくい特徴がある。
問20
骨導補聴器の適応として代表的な難聴のタイプはどれか。
  • ✔伝音性難聴や混合性難聴で通常の補聴器が使いにくい場合
  • 2重度感音性難聴のみ
  • 3正常聴力のみ
  • 4一過性の滲出性中耳炎のみ
解説:骨導補聴器は外耳道の閉塞や先天性外耳道閉鎖症など、通常の気導補聴器の使用が困難な伝音性・混合性難聴に主に適応される。
問21
補聴器フィッティングにおいて「処方式(プリスクリプション)」が用いられる目的はどれか。
  • ✔個々の聴力に基づき適切な増幅特性を理論的に決定するため
  • 2補聴器の外観デザインを決定するため
  • 3補聴器の色を決定するため
  • 4補聴器の価格を決定するため
解説:補聴器フィッティングの処方式(DSL法、NAL法等)は、個々の聴力データを基に補聴器の周波数ごとの増幅量を理論的に算出するためのガイドラインである。
問22
補聴器のフィッティング後に行う「音場検査(サウンドフィールド検査)」の目的はどれか。
  • ✔補聴器装用下での実際の聴力改善効果を音場で評価すること
  • 2補聴器の外観を評価すること
  • 3補聴器の重量を評価すること
  • 4補聴器の電池持続時間を評価すること
解説:音場検査(サウンドフィールド検査)は補聴器を装用した状態でスピーカーから音を提示し、補聴器による聴力改善効果を実測する検査法である。
問23
人工内耳の適応基準(小児)として一般的に考慮される条件はどれか。
  • ✔両側重度感音性難聴で補聴器効果が不十分・医学的適応がある・家族の協力が得られる
  • 2軽度伝音性難聴であること
  • 3正常聴力であること
  • 4年齢は考慮しない
解説:小児への人工内耳適応では両側重度感音性難聴・補聴器効果の不十分さ・医学的適応の確認・術後リハビリへの家族の協力可能性などが総合的に判断される。
問24
人工内耳術後の聴覚・言語リハビリテーションが重要とされる理由はどれか。
  • ✔電気刺激による聴覚を日常生活での言語聴取に活かすための訓練が必要なため
  • 2手術後は全くリハビリテーションが不要であるため
  • 3人工内耳は装用直後から完全な音声理解が得られるため
  • 4リハビリテーションは手術後1年以降に開始すれば十分であるため
解説:人工内耳は電気刺激による全く新しい聴覚入力であるため、術後に聴覚学習・言語リハビリテーションを継続することが聴取能力の向上に不可欠である。
問25
人工内耳のマッピング(フィッティング調整)で設定される主なパラメータはどれか。
  • ✔各電極チャンネルの閾値(T-level)と快適レベル(C-level)
  • 2補聴器の色と外観
  • 3補聴器の重量
  • 4手術部位の形状
解説:人工内耳のマッピングでは各電極チャンネルに対して聴こえ始める最低電流量(T-level)と最も快適に聴こえる電流量(C-level)を設定する作業が中心となる。
問26
聴覚リハビリテーションにおける「聴覚トレーニング」の目的として適切なものはどれか。
  • ✔残存聴力や補聴後の聴覚を有効に活用し語音聴取能力を向上させること
  • 2聴力閾値そのものを下げること
  • 3脳波を改善すること
  • 4視力を改善すること
解説:聴覚トレーニングは残存する聴力や補聴器・人工内耳装用後の聴覚を有効に活用し、環境音や語音の認識能力を高めることを目的とする。
問27
聴覚リハビリテーションにおける「読唇(lip reading)」の役割として適切なものはどれか。
  • ✔聴覚情報を補う視覚的手がかりとして語音理解を促進すること
  • 2読唇は語音理解に全く寄与しない
  • 3読唇は難聴者専用で聴力正常者には無関係
  • 4読唇により聴力自体が改善する
解説:読唇(lip reading)は発話者の口の動きを視覚情報として活用し、聴覚だけでは困難な語音理解を補完する重要なコミュニケーション手段である。
問28
成人中途失聴者への聴覚リハビリテーションにおいて、心理的支援が特に重要とされる理由はどれか。
  • ✔突然の難聴による喪失感や社会的孤立感への対処が重要なため
  • 2心理的支援は聴覚リハビリには不要であるため
  • 3成人は心理的な問題を全く経験しないため
  • 4心理的支援よりも補聴器のみが重要なため
解説:成人中途失聴者は突然の難聴により喪失感・コミュニケーション困難・社会的孤立感を経験しやすく、聴覚技術的な支援とともに心理的サポートが重要である。
問29
聴覚障害者への手話通訳・要約筆記の活用に関する現在の理解として適切なものはどれか。
  • ✔コミュニケーション保障の重要な手段として位置づけられている
  • 2手話通訳は医療機関での使用が禁止されている
  • 3要約筆記は聴覚障害者に全く有効でない
  • 4これらの支援策は法律上認められていない
解説:手話通訳・要約筆記は聴覚障害者が社会参加する上でのコミュニケーション保障の重要な手段であり、障害者差別解消法等を背景に合理的配慮として求められることがある。
問30
高齢者の難聴(老人性難聴)への支援において、補聴器に加えて重視される視点はどれか。
  • ✔コミュニケーション環境の調整と補聴器の定期的な再フィッティング
  • 2補聴器のみで全て解決できる
  • 3高齢者の難聴は支援対象外である
  • 4認知症との関連は考慮しなくてよい
解説:老人性難聴への支援では補聴器の適切なフィッティングに加え、コミュニケーション環境の調整(静かな場所での会話等)や補聴器の定期的な再評価・再フィッティングが重要である。
問31
難聴と認知症リスクとの関連に関する近年の知見として適切なものはどれか。
  • ✔未治療の難聴が認知症のリスク因子の一つとして指摘されている
  • 2難聴と認知症は全く無関係である
  • 3難聴は認知症のリスクを下げるとされている
  • 4補聴器の使用は認知症リスクに全く関係しない
解説:近年の研究では、未治療の難聴が認知症の修正可能なリスク因子の一つとして指摘されており、適切な補聴器等による介入の重要性が提唱されている。
問32
騒音性難聴の特徴として典型的なものはどれか。
  • ✔4,000Hz付近に著明な閾値上昇がみられる(C5 dip)
  • 2低音域からの難聴が先行する
  • 3必ず一側性に発症する
  • 4急性に発症し完全に回復する
解説:騒音性難聴ではオージオグラム上で4,000Hz(C5音)付近に特徴的な閾値上昇(C5 dip)がみられる。慢性的な騒音曝露による感音性難聴である。
問33
薬物性難聴(アミノグリコシド系抗生物質等)の特徴として典型的なものはどれか。
  • ✔高音域から始まる両側性感音性難聴
  • 2低音域のみの難聴
  • 3必ず一側性に発症する
  • 4服薬中止後に必ず完全に回復する
解説:アミノグリコシド系抗生物質等の薬物性難聴は蝸牛外有毛細胞の損傷により、高音域から始まる両側性感音性難聴を特徴とする。
問34
低音障害型感音性難聴(蝸牛型メニエール等)の特徴として典型的なものはどれか。
  • ✔低音域(125〜500Hz)の聴力閾値が上昇する
  • 2高音域からの難聴が先行する
  • 3必ず両側性に発症する
  • 4一切の治療が無効である
解説:低音障害型感音性難聴は低音域の聴力閾値が選択的に上昇する難聴で、内リンパ水腫との関連が指摘されメニエール病の初期像とも考えられている。
問35
耳鳴(tinnitus)の定義として正しいものはどれか。
  • ✔外部の音源なしに音を知覚する現象
  • 2必ず他覚的に確認できる音
  • 3聴力が正常でのみ生じる現象
  • 4難聴がある場合には生じない現象
解説:耳鳴は外部に実際の音源がないにもかかわらず、音を知覚する現象であり、難聴の有無に関わらず生じうる。
問36
耳鳴に対する代表的な治療・支援法として知られるTRT(Tinnitus Retraining Therapy)の基本的な考え方はどれか。
  • ✔耳鳴を中枢神経系で習慣化させ気にならないようにする治療法
  • 2耳鳴を完全に消失させる根治療法
  • 3薬物のみで構成される治療法
  • 4手術療法のみで構成される治療法
解説:TRTは音響療法(低レベルのノイズ提示)とカウンセリングを組み合わせ、耳鳴に対する中枢神経系の習慣化(habituation)を促し生活上の苦痛を軽減する治療法である。
問37
小児の行動観察聴力検査(BOA)が対象とする年齢層はどれか。
  • ✔0〜6か月頃の乳児
  • 23歳以上の幼児
  • 3学童期以降
  • 4成人のみ
解説:行動観察聴力検査(BOA)は音刺激に対する乳児の行動反応(startleや目の動き等)を観察する検査で、主に6か月未満の乳児に用いられる。
問38
視覚強化式聴力検査(VRA)が対象とする年齢層として適切なものはどれか。
  • ✔6か月〜2歳半頃
  • 20〜3か月の新生児
  • 33歳以上の幼児のみ
  • 4成人のみ
解説:VRA(Visual Reinforcement Audiometry)は音刺激に対する頭部回旋反応を視覚的強化子(光るおもちゃ等)で強化することで聴力を評価する検査で、主に6か月〜2歳半頃に用いられる。
問39
条件詮索反応聴力検査(COR)が対象とする年齢層として適切なものはどれか。
  • ✔6か月〜2歳半頃(VRAと重なる)
  • 20〜3か月のみ
  • 3学童期以降のみ
  • 4成人のみ
解説:COR(条件詮索反応聴力検査)は音と光るおもちゃ等の条件付けを利用して聴力を評価する検査で、概ねVRAと同様の年齢層に用いられる。
問40
遊戯聴力検査(Play Audiometry)が対象とする年齢層として適切なものはどれか。
  • ✔2歳半〜5歳頃
  • 20〜6か月の乳児のみ
  • 3成人のみ
  • 4学童期以降のみ
解説:遊戯聴力検査(Play Audiometry)は音刺激に対してブロックを積む等の遊び動作で応答する条件付けを利用した聴力検査で、概ね2歳半〜5歳頃に適応される。
問41
会話型聴力検査(speech audiometry)として行われる語音聴力検査の主な目的はどれか。
  • ✔語音の聴取・了解能力を評価し補聴器等の効果判定に活用すること
  • 2純音の閾値のみを測定すること
  • 3脳波を測定すること
  • 4視力を評価すること
解説:語音聴力検査は語音(単語等)の最小聴取閾値と最大明瞭度を測定し、補聴器や人工内耳の効果判定や日常生活でのコミュニケーション能力の推定に活用される。
問42
両側性難聴患者の両耳装用(両耳に補聴器)の利点として挙げられるものはどれか。
  • ✔音源定位の改善と雑音下聴取の向上(両耳加重効果)
  • 2両耳装用には利点が全くない
  • 3必ず片耳装用より費用が安い
  • 4片耳装用と全く同じ効果しかない
解説:両耳補聴器装用は音源定位の精度向上、雑音環境下での聴取改善(両耳加重効果)などの利点があり、両側性難聴では両耳装用が推奨されることが多い。
問43
聴覚障害者のコミュニケーション手段の一つである「指文字」の特徴として正しいものはどれか。
  • ✔一文字ずつ手の形で表す補助的なコミュニケーション手段
  • 2手話と全く同一の体系
  • 3聴覚障害者専用で健聴者には使えない
  • 4日本語の音節に対応した手の形を使う
解説:指文字は五十音の各仮名文字に対応した手の形を用いて一文字ずつ表す補助的なコミュニケーション手段で、手話語彙にない固有名詞等の表現に活用される。
問44
聴覚障害児の教育において通常学校の通常学級に在籍しながら特別な指導を受ける仕組みはどれか。
  • ✔通級指導教室(聴覚障害通級)
  • 2聾学校(特別支援学校)のみ
  • 3療育機関のみ
  • 4一般の学習塾のみ
解説:通級指導教室は通常学級に在籍する聴覚障害児が、必要な時間のみ別室で言語・コミュニケーション等の特別指導を受けることができる教育的な仕組みである。
問45
聾学校(聴覚障害特別支援学校)で提供される主な教育支援の特徴として適切なものはどれか。
  • ✔聴覚障害の特性に応じた専門的な教育・言語指導
  • 2健聴者と全く同一のカリキュラムのみで構成される
  • 3聴力が正常な児童のみが対象
  • 4補聴器・人工内耳の使用が一切禁止されている
解説:聴覚障害特別支援学校(聾学校)は聴覚障害の特性に応じた専門的な教育・言語指導・補聴機器活用指導などを提供する教育機関である。
問46
人工内耳装用児への学校での合理的配慮として適切なものはどれか。
  • ✔磁気誘導ループ(ヒアリングループ)の設置やFMシステムの活用
  • 2配慮は一切必要ない
  • 3人工内耳装用者は通常の指導で十分である
  • 4人工内耳装用者は聾学校のみに通学する
解説:人工内耳装用児への学校での合理的配慮として、磁気誘導ループ(ヒアリングループ)やFM補聴システムの活用、座席の配慮、視覚的情報の補完などが挙げられる。
問47
FM補聴システム(FM補聴器)の活用が有効とされる場面はどれか。
  • ✔教室など騒音が多く距離のある環境での言語聴取改善
  • 2無音の静かな閉室での使用のみ
  • 3人工内耳や補聴器が不要な場合のみ
  • 4補聴器との併用はできない
解説:FM補聴システムは話者がFMマイクを装用し、補聴器や人工内耳に直接音声を送信することで、騒音・距離の影響を受けやすい教室環境での聴取を補助する。
問48
難聴者の日常生活における補助機器(目覚まし時計の振動・光、ドアベル等)の活用が推奨される理由はどれか。
  • ✔聴覚以外の感覚(振動・視覚等)を活用し生活の安全を確保するため
  • 2補助機器は難聴者に全く有用でないため
  • 3聴力が正常な者のみが使用するものであるため
  • 4補助機器の使用は法律で禁止されているため
解説:難聴者は聴覚からの情報が制限されるため、振動・光・視覚などの代替感覚を活用した補助機器により、日常生活の安全性と利便性を確保することが重要である。
問49
感音性難聴に特徴的な聴覚現象である「補充現象(リクルートメント)」が日常生活に与える影響として適切なものはどれか。
  • ✔小さい音は聞こえないのに大きい音が急に不快に感じられ快適な音量域が狭くなる
  • 2補充現象は日常生活に全く影響しない
  • 3小さい音も大きい音も均等に聞こえにくくなる
  • 4補充現象があると必ず補聴器が使えない
解説:補充現象(リクルートメント)により感音性難聴者は快適な音量域が狭くなり(ダイナミックレンジの縮小)、補聴器のフィッティングが複雑になる。
問50
耳管機能と中耳の関係として正しいものはどれか。
  • ✔耳管は中耳腔の気圧を大気圧と平衡させる機能を持つ
  • 2耳管は内耳の有毛細胞を支配する
  • 3耳管は聴神経の伝導速度を調節する
  • 4耳管は外耳道の閉塞を防ぐ
解説:耳管(エウスタキオ管)は中耳腔と上咽頭を結び、嚥下や欠伸の際に開いて中耳腔の気圧を外気圧と平衡させる換気機能を持つ。
問51
滲出性中耳炎の治療として行われる「鼓膜換気チューブ留置術」の目的はどれか。
  • ✔中耳腔の換気を確保し液体の貯留を防ぐこと
  • 2内耳機能を改善すること
  • 3聴神経を修復すること
  • 4外耳道を拡大すること
解説:鼓膜換気チューブ留置術は鼓膜に小チューブを留置することで中耳腔の換気を確保し、滲出性中耳炎の難聴・再発を防ぐことを目的とした治療法である。
問52
真珠腫性中耳炎の特徴として正しいものはどれか。
  • ✔角化した上皮が中耳腔に侵入・蓄積し周囲の骨を破壊する進行性の疾患
  • 2急性炎症のみで治癒する疾患
  • 3内耳のみを障害する疾患
  • 4必ず感音性難聴のみを来す疾患
解説:真珠腫性中耳炎は角化扁平上皮が中耳腔に侵入・堆積し、酵素により周囲の骨を破壊しながら進行する。放置すると難聴の進行や合併症のリスクがある。
問53
急性低音障害型感音難聴の予後について一般的に知られている特徴はどれか。
  • ✔比較的治癒率が高く再発しやすい特徴がある
  • 2必ず永続的に重度難聴が残る
  • 3一切の治療が無効である
  • 4必ず両側性に発症する
解説:急性低音障害型感音難聴は治癒率が比較的高いが、再発しやすい特徴があり、反復するとメニエール病に移行することもある。
問54
聴性定常反応(ASSR)と聴性脳幹反応(ABR)の違いとして正しいものはどれか。
  • ✔ASSRは周波数特異性が高く低・中音域の評価に優れる
  • 2両者は全く同一の検査である
  • 3ABRは低周波数特異性が優れる
  • 4ASSRは主観的な検査法である
解説:ASSRは変調音を用い周波数別の閾値推定が可能で、特に低・中音域での周波数特異性に優れる。ABRはクリック音を主に用いるため高音域の評価に優れるが低音域特異性は低い。
問55
蝸電図(EcochG)検査の主な適応として知られるものはどれか。
  • ✔内リンパ水腫(メニエール病)の診断補助
  • 2骨密度の測定
  • 3視力の評価
  • 4認知機能の評価
解説:蝸電図(EcochG)は内耳の電気反応を記録する検査で、内リンパ水腫(メニエール病等)の診断補助として用いられることがある。
問56
語音聴力検査における「最高語音明瞭度」が低下する場合、示唆される病態はどれか。
  • ✔中枢性聴覚処理障害や後迷路性難聴など語音の弁別能力の低下
  • 2外耳道の狭窄のみ
  • 3中耳の液体貯留のみ
  • 4鼓膜穿孔のみ
解説:最高語音明瞭度の低下は内耳性難聴の進行や後迷路性(聴神経・中枢)の障害を示唆することがあり、単なる音圧の低下では説明できない弁別能力の低下を反映する。
問57
補聴器の「音入力ダイナミックレンジ圧縮(WDRC)」の目的として正しいものはどれか。
  • ✔感音性難聴の縮小されたダイナミックレンジに合わせて大きな音は抑制し小さな音は増幅すること
  • 2全ての音を同一の増幅率で増幅すること
  • 3音圧が上がるほど増幅率が高くなること
  • 4音声信号を削除すること
解説:WDRC(広帯域ダイナミックレンジ圧縮)は感音性難聴で狭くなったダイナミックレンジに補聴器の出力を合わせるため、小さい音は多く増幅・大きい音は増幅を抑える非線形増幅技術である。
問58
補聴器の「雑音抑制機能(DNR)」の目的として正しいものはどれか。
  • ✔雑音環境下で雑音を抑制し語音の聴取を改善すること
  • 2語音成分も同時に完全に削除すること
  • 3必ず聴力閾値を改善させること
  • 4一切の音響信号を遮断すること
解説:補聴器の雑音抑制機能(DNR)は雑音成分と語音成分を識別し、雑音を選択的に抑制することで雑音環境下での聴取快適性と語音了解度の向上を図る機能である。
問59
補聴器の「指向性マイクロフォン」機能の目的として正しいものはどれか。
  • ✔前方の音を優先的に集音し後方・側方の雑音を抑制すること
  • 2全方向の音を均等に集音すること
  • 3音量を一切変化させないこと
  • 4聴力閾値を直接改善すること
解説:指向性マイクロフォン機能は会話相手のいる前方の音を優先的に集音し、後方・側方からの雑音を低減することで会話の聴取を改善する補聴器の機能である。
問60
Bluetooth等の無線接続機能を持つ補聴器の利点として適切なものはどれか。
  • ✔スマートフォンやテレビ等から直接音声を補聴器に送信し聴取を改善できること
  • 2無線接続は補聴器の性能を低下させるもの
  • 3Bluetooth補聴器は医療機器として認められていない
  • 4無線接続は補聴器の電池消費を低下させることのみが利点
解説:Bluetooth機能付き補聴器はスマートフォン・テレビ・音楽プレーヤー等から直接音声を補聴器に送信することで、マイクを介した聴取よりも明瞭な聴取が可能になる利点がある。